2022年11月26日土曜日

パリ市内のバス RATP(パリ交通公団)キセル乗車の取り締まり

 


 数ヶ月前だったと思いますが、バスを降りたところで、RATP(パリ交通公団)のコントロール(検札)の人が待ち構えていて、乗車券のチェックに遭ったことがあり、なるほど、降りたばかりの人を待ち構えていれば、逃げられないだろうな・・RATPもなかなか試行錯誤しているのだな・・コントロールも進化しているんだ・・と驚いたというか、感心したことがありました。

 バスにしてもメトロにしても、キセル乗車をあたりまえのようにしている人は、けっこういるもので、メトロの場合は平然と改札を飛び越えていったり、時には、あなたが改札を通る時に一緒に通らせてくださいと頼まれることさえあります。

 バスの場合は、一応、運転手がチェックすることもできるのですが、チケット、あるいは、Navigoと呼ばれる定期券のようなものを機械に通さなくても(通した時点で、チ〜ンと音がするので、チケットの場合はチケットの非有効化になり、Navigoの場合は有効なチケットを持っているという確認になっている)、運転手が乗客に無賃乗車を直接注意しているのを見たことはありませんが、代わりに「チケットを通してくださいという録音されたテープが流されることはあります。

 おそらく、無賃乗車を注意した場合に逆ギレされて、運転手に危険が及ぶことを考慮して運転手へ直接、攻撃が向かないためのことだと思います。

 そして、今日、バスに乗って、座ることができたので、座ってそのまま私はスマホを見て下を向いていたのですが、突然、私の目の前に仰々しい銀色のバッチ付きの手帳が提示され、何事かと顔をあげると、「チケットを見せてください」という検札の人が・・。

 これまでは、RATPの検札といえば、おなじみのペパーミントグリーンとブルーのRATPの制服やジャケットを着た人で、それも3〜4人の大所帯で、いかにも「検札でござい!」とばかりにやってくるのですが、今回は私服の女性二人組で、バスがある停留所を出発してすぐに前触れなしにいきなり現れたので、こちらもギョッとしたのです。

 やましいことがなくても突然、見慣れないバッチのようなものを見せられたら、ギョッとしてしまうのです。ましてや、私服、そのバッチでさえ見慣れないのですから、それがほんものんなのかどうかなどはわかりません。

 偽警察官の手帳を持っている詐欺などもいるという昨今、すべてに懐疑的な傾向を抱いてしまうことは、悲しいことです。

 しかし、検札用の機械を持って、私の持っているNavigoが有効なものであることをチェックすると、「ありがとうございました」とすぐに次の人へ・・。

 まあ、よく考えてみれば、狭いバスの中で、運転手も同乗している中で、偽物の検札が行われるとは考え難いのですが、制服を着ていないというだけで、こちらの方が、本物の検札なのだろうか?と思ってしまうのですから、制服の威力というものはスゴいものです。

 何人かチェックしていって、「意外とみんな、ちゃんと乗車券を持っているものだな・・と見るとはなしに、なんとなく気にしていると、やっぱり、キセル乗車をしている人がいたようで、「チケット出してください」「チケットは昨日、買ったのですが・・」などと、わけのわからない押し問答が続いたのち、結局、その女性は罰金を払わされることになり、身分証明書の提示を求められ、罰金切符を切られていました。

 その際に、「今すぐ払うなら、20ユーロ割引になります」と言われているのが聞こえて、「え??罰金に割引なんてあるの?うさんくさいな・・これって、本物の検札?」と思ったので、帰ってからRATPのサイトを見て調べたら、確かに、20日以内に支払うと20ユーロ減額されると書いてありました。

 RATP・パリのメトロ、バスの罰金は、チケットなし、あるいは第三者所有のNavigoを使用した場合は、50ユーロ、チケットの非有効化(Validé、チ〜ンとさせていない場合)は35ユーロの他、車内喫煙の場合は68ユーロと決められているようです。

 以前に、パリでの交通機関事情がよくわからない観光客がこの違反切符を切られたと嘆いていたのを聞いたことがあって、「パリにお金を落としてくれる観光客ではなく、もっと常習犯を捕まえればいいのに・・」と思ったことがありましたが、今は手法を変えながら、取り締まりを強化しているようです。

 しかし、今回、私が遭遇したこのRATPの検札隊は、黒っぽい服を着た中年の女性二人組で、言葉遣いもとても丁寧で、これまでの制服を着た、どちらかといえば、威圧的な感じの検札とは、まったく違って、とても感じのよい女性二人組でした。

 考えてみれば、キセル乗車をしているような人を相手にするのですから、パリでは、十分に身の危険もあり得る仕事、相手を怒らせないように丁寧で毅然とした態度で接することができる人を選んでいるのかもしれない・・と妙に納得をしたのでした。

 パリでは、これまで使用されていたいわゆる紙の切符というものが廃止されて、すべてカード化される方向にあり、すでに、切符が使用できない駅もあるので、ご注意ください。


パリ キセル乗車取り締まり


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2022年11月25日金曜日

パリの公立病院の救急治療室で起こった強姦事件

  


 パリの治安の悪さは承知しているつもりでも、まさかの救急搬送された病院で強姦事件が起こるとは、まさに世も末としかいいようがありません。

 事件は10月末に起こっていたようですが、この強姦事件について、被害者の34歳の女性が「生命の危険に晒された」と病院を告訴したことから、この事件が公になりました。

 事件当日夜、セーヌ川沿いのバーで過ごしていた女性は気分が悪くなり、バーを後にして外へ出て、ふらついて転倒し、地面に頭を打ち付けてしまったようです。ここまでならば、酔っ払いの女性がふらついて転んで怪我をしたのですから、自業自得と思われても仕方ないことです。

 しかし、この女性は転倒後、反応がなく、頭に怪我を負っていたために、午前1時20分に救急隊によって救助され、パリ市内の公立病院に運ばれ、個室に収容されました。

 女性は気を失ったまま、病院の個室に寝かされていましたが、午前4時頃、暴行を加える加害者に与えられた痛みで目を覚まし、悲鳴をあげたために、看護師がかけつけたのを機に、犯人は病院から逃走しました。

 この犯人の犯行は、ある程度、計画的だったようで、現場での目撃者の証言によると、女性が最初に体調を崩したバーの近辺をうろついており、地面に倒れた女性を飢えた目をして、執拗に眺めていたと言われており、バーのオーナーは警備員の一人にこの男を追い出すように依頼したと証言しています。

 しかし、驚くことに、この男は、1時間後にアルコールで昏睡したふりをして、救急車を呼んで、救急隊はこの男を彼女と同じ病院に搬送し、歩けないと言いながら、看護師に車椅子に乗せられて、被害者の病室と同じ廊下沿いの部屋に連れていかれました。

 容疑者はまんまと被害者のいる病院に潜り込んだのです。

 看護婦が立ち去ると、この容疑者は部屋を出て、個室から個室へと移動して彼女を探し回り、途中で看護師に遮られていましたが、結局、彼は看護師の目を縫って、犯行に及んでしまったのです。

 しかし、その後、被害者が驚いて悲鳴をあげたことによりかけつけた看護師に見つかり、逃走したのです。

 病院は直ちに警察に通報し、容疑者は、逃走する際に盗んだ被害者のクレジットカードで1時間後に食料品の買い物をしたところで逮捕されました。

 逮捕後、警察の留置場で行われた検査の結果、容疑者からはアルコールは検出されなかったかわりに、大麻とコカインの陽性反応が出たと言われています。

 この容疑者は非正規滞在者(不法移民)で22歳のヨルダン人であると名乗っているそうですが、彼は窃盗、盗品受け取り、薬物使用などで何度も逮捕されており、IDをいくつも(少なくとも13の身分を持つ)持ちながら、違法滞在を続けてきたようで、2020年に未成年者を強姦した容疑をかけられていたものの、事件は未解決のまま放置されたと言われています。

 容疑者の供述によると、2019年にフランスに不法入国し、すでに3回のフランス領土からの退去命令(OQTF)を受けており、最後のものは、昨年7月であったものの、この3つのOQTFは、それぞれ別のIDで発行されたもので、追跡されていなかったようで、昨年9月からは、亡命申請を行ったため、追放の可能性が保留されていたということです。

 この事件は、単なる強姦事件には留まらず、病院の安全管理に対する問題や不法移民の退去命令(OQTF)の管理の難しさなども含まれており、多くの問題を投げかけています。

 もちろん、一番、罪があるのは、この不法滞在の容疑者であるには違いありませんが、普通、病院に搬送されれば、ひとまず安心するのが普通で、病院でこのような危険な目に遭うとは思いもよらないことです。

 被害者の女性の弁護士は彼女は強姦されたという事実とともに、安全なはずの病院でこのような被害に遭ったという二重のトラウマを抱えてしまったと訴えています。

 ただでさえ、人手不足の病院で、病院内で看護師が警察の警戒のような役割まで果たさなければならないことには、閉口してしまいますが、現在のところ、Assistance publique - hôpital de Paris (AP-HP) (パリ公立病院)は、この病院の救命救急で患者が暴行を受けたことを確認しただけで、捜査が現在進行中の件についてはコメントしないとしています。


パリ公立病院 救急治療室強姦事件 不法移民 OQTF


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2022年11月24日木曜日

いつのまにか、また感染増加 フランスのコロナウィルス第9波

 



 パンデミックが始まって以来、もう大小さまざまの波が訪れて、なんとなく定期的にコロナウィルスの感染者数をチェックする習慣がついてしまいました。当初は毎日のように仰々しく感染者数がテレビでも発表されていたりしましたが、今やもうそんな報道もなくなり、自分から探しにいかなければ現状は把握しにくくなりました。

 私はこれまで15万人以上のコロナウィルスによる死亡者を叩き出しているフランスで生活しながら、今まで、一度も感染せずに生き延びてきました。コロナウィルスによるパンデミックが騒がれ始めたのは、2020年の2月頃のことでした。

 それから3月にあっという間にロックダウンという前代未聞の事態に陥りましたが、実際にコロナウィルスと見られる症例がフランスで見られ始めたのは、2019年の11月頃と言われており、その当時は原因不明の病気として処理されていましたが、その翌月の12月頃に異常にだるくて発熱し、起きれなかった時期があったので、もしかしたら、その時に感染していた可能性がないでもないと思っていますが、幸いにも、解熱剤を飲んでひたすら寝ることで回復したので、結局、それが何であったのかはわからないままになっています。

 ワクチン接種が始まってからは、ワクチンに対する懐疑的な思いもあったものの、いつもフランスは世界的にも感染率のトップを走っているような状況だったので、もはやワクチン接種による副作用等のリスクよりも感染するリスクの方がよほど高いと思い、これまで2回目のブースター接種までしています。

 私には、軽い心臓疾患もあるため、やはり感染は怖いのです。そんなわけで、コロナウィルスの蔓延状況は、常に気になり、感染者が多くなればなるほど、感染する確率も上がるわけで、それなりに注意を払って生活しているわけです。

 この2年半の間にフランス人でも、人が多いメトロの中などでは、少数ではありますが、しっかりマスクをする人はするようになり、またマスク義務化が撤廃された当初は「いつまでマスクなんかしてるんだ!」などと言われることもあったり、あれだけマスク嫌いだと思っていたフランス社会においても、今ではマスクをする人はそれはそれでOKという市民権を得て、マスクをしていても、していなくても、好きなようにしていられるところは、大変な変化です。

 それが、10月中旬には、小康状態を保っていたと思われていたフランスのコロナウィルス感染が、11月半ばを過ぎて以来、再び増加し始め、感染者数の増加とともに入院患者数も増加し、再びリバウンドが始まったのは確実、第9波に突入したと言われています。

 これには、月初に祝日があったり、大規模なストライキがあったことにも起因していると言われていますが、比較的、暖かい気温の日が続いていた後、例年どおりの寒さがやってきたことも原因と言われています。

 そうでなくとも、これから年末年始にかけてはノエルなどの行事も控えていて、人が集まる機会も増え、また、ワクチン接種の効果が一体どの程度なのかを示す指標となるデータも混乱状況にあるようで、不安要素は常にあります。

 結局は、自分の身は自分で守ることが基本なので、より危険な状況ならば、やはり自分でより注意を払い、できるだけマスクをするようにするとか、アルコールジェルや手洗いを頻繁に行うようにするしかないわけです。

 昨日、1日の感染者数を見てみたら、これまでせいぜい4〜5万人だったのが、急に6万人を突破していて、ギョッとしたのも束の間、何とは無しに日本も見てみたら、なんと日本は桁違いの12万人突破で、1日の死亡者数も100人以上・・一体、どうなっちゃったの?とフランスの感染増加以上にビックリしました。

 たしかに、この冬に向けてのタイミング、感染増加は世界的なもののようです。


コロナウィルス第9波


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2022年11月23日水曜日

子どもの学校のバカンスの多さに追いまくられるフランスでの子育て

  


 「家族で旅行に行きたいけれど、平日に小学生の子どもを1日だけ学校を休ませて行ってもいいものだろうか?」という疑問を投げかけている人がいて、ヤレヤレ・・子どもの学校とバカンス問かか・・と、子育てが終わった今でも、思い出すたびに、ウッとくる気持ちです。

 私は日本で子育てをしたことがないので、今の日本の事情はわかりませんが、私が子どもの頃は、母も日常的に通勤が必要な仕事はしていなかったので、特に学校がお休みであっても、母が子どもの処遇に苦労していた記憶はありません。

 しかし、そういえば、私には、田舎というものがなく、夏休みにはおじいちゃん、おばあちゃんのいる田舎に行くという友達をうらやましく思ったことがあったので、そういう習慣にしていた人もけっこういたのだな・・と今になって思います。

 私がフランスで仕事を始めたのは、娘がちょうど1歳になった頃だったので、それから娘が成人するまでの間、どのように子どもの学校のバカンスと自分のバカンス(休暇)を調整するかは、常に大問題でした。

 保育園に行っている頃は、それでもバカンス期間中もほぼ関係なく、預かってくれるので、まだまだ全然マシでしたが、学校(フランスでは幼稚園から学校扱い)が始まってからは、約2ヶ月間の夏休み、その他になんだかんだと、ほぼ1ヶ月おきくらいに2週間ずつのバカンス(トゥーサン(ハロウィンの期間)、ノエル、冬休み、イースターなど)がやってきて、当然、いくらフランスの会社はバカンスが取れるとはいえ、自分が会社で取得できるバカンスの期間はせいぜい1ヶ月で、とても子どものバカンスをカバーできるものではありません。

 そうでなくとも、子供の学校(小学校まで)は、水・土・日とがお休みで、この日常のお休みとバカンスを合わせると、フランスの学校は1年の3分の1はお休みということになります。そのうえ、学校のストライキなどまであるのですから、もう親はたまったもんではありません。

 それでもまだ夫がいた頃は、二人でバカンスをずらしながら、騙し騙し、時には、バレエのスタージュやアートのクラスなどに通わせたりして、なんとか、少しでも有意義な時間を過ごさせてあげられる工夫をしてきたのですが、とにかく、四六時中、子どものバカンスに追いまくられていたイメージがあるのです。

 フランス人の家族だと、そこに登場するのは、マミーやパピー(祖父母)という助っ人なのですが、我が家の場合は、夫の両親はすでに他界しており、私の両親は日本と、全く親に頼ることはできなかったのです。

 一年間の子どものバカンス期間をどう調整するか?という問題、そのひとつひとつを乗り越えながら、あっという間に一年が過ぎる・・という感じだったのです。

 だいたい、子どもが小さい頃は学校は学校であると同時に託児所でもあり、私にとっては、ただでさえ多い学校の休みやバカンスを無駄にして、旅行に行くなどということは、全く考えたことはありませんでした。しかし、状況が許せば、家族の判断で学校を休ませて旅行に行くことは悪いことだとは思いませんし、フランスでも、実際に夏休みを前倒しにして、バカンスに出てしまう家庭もないことはありません。

 しかし、夫が亡くなってからは、さらに子どものバカンス期間のやりくりは、さらに大変なことになり、最初の1年目の夏休みには、娘を一人で日本に行かせて、叔母に預かってもらったのですが(母はすでに他界していたため)、当時、娘は11歳で、どんなトラブルがあったのかは未だにはっきりはわかりませんが、途中で叔母から電話があって、「もう預かりきれないから、飛行機が取れたら、フランスに帰ってもらいたい」などと言われて途方に暮れて以来、しばらく日本には行けなくなり、代わりに、コロニー(我が家の場合は財務省(夫の勤務先)主催の子供の合宿)をフルに活用することになりました。

 おかげで、娘はバカンスのたびに、冬はスキー、春は乗馬、夏はマリンスポーツとスポーツと旅行三昧の10代を送ることになり、学校での合宿や旅行や、私がバカンスをとれた時にする親子旅行を加えると、ほぼ1ヶ月おきにどこかを旅行して歩いている、見ようによっては、大変、贅沢な生活を送っていたのです。

 夫が亡くなった後は、ご親切なのか、いじわるなのか? 児童保護機関に通報してくださった方がおり、外国人一人親の子育てということで、児童裁判所から呼び出しを受け、よもや子供を取り上げられるかもしれないという怖い思いをしたりしたこともあり、結果的には、娘が成人するまでは、専任の判事がついて、「何があっても私がお嬢さんをお守りします」と言ってくれたのですが、私たちは児童裁判所の監視下にあり、そうでなくとも未成年の子供を一人で放置することは禁じられているフランスですが、私は特に子どもを一人で家においたりすることには、神経質になっていたのです。

 でも、振り返ってみれば、結果的には、大勢の人のチカラをお借りして、なんとかフランスの長いバカンス期間を乗り切り続け、いろいろな経験をさせてあげられて、よかったと思っていますが、当時は、もう娘の学校のバカンス期間をどうやって埋めていくかということに、常に追いまくられている気分でもうため息も出ない感じだったのです。

 今では、子どものバカンス期間とは関係ない時期に気楽に旅行ができる環境になりましたが、いつでも行ける、いつでもいいや・・などと思っていると、結局、なかなか行かなくなり、しかも、パンデミックや戦争・・などとなって、結果的には、あの忙しく子どものバカンスに追いまくられていた頃の方がよっぽど旅行していたな・・と思うのです。


フランスの学校のバカンス お休み


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2022年11月22日火曜日

パリオリンピック オフィシャルショップ オリンピックオフィシャルグッズと値段

 


 2024年パリオリンピックのマスコットキャラクターが発表され、オリンピックオフィシャルショップがパリにオープンしたというので、見てきました。 

 ショップは、パリ1区のレ・アール フォーラムの一画にあり、マスコットキャラクター「フリージュ」のぬいぐるみをはじめ、Tシャツ、トレーナー、キャップ、キーホルダー、マグカップ、ピンバッチなど、様々な商品が陳列されています。

 レ・アール、シャトレの駅からすぐのところにあるので、雨に濡れることもなく、迷うこともなく容易に行くことができます。

 見ようによっては、パリにあるお土産屋さんと変わらないような気もしますが、商品の一つ一つには、オリンピックの公式マークが入り、中には、数量限定のプレミアがつきそうなものもあるのは見逃せません。

 そんなに広いお店ではありませんが、一つ一つの商品を丁寧に見ていくと、なかなか工夫されたものなどもあり、楽しく過ごせますし、これからオリンピックまでの間という期間限定、今だけのものでもあり、パリのお土産としたら、なかなかお手頃な値段のものもあるので、記念に買っておきたいものなどもあるかと思うので、見てきた商品とお値段をご紹介します。




 


 まずは、マスコットキャラクターのぬいぐるみは、小、中、大、特大(13€、30€、50€、150€)の4種類で特大は抱き抱えるほどの大きさです。




 Tシャツ25€、子供用Tシャツ20€、トレーナー45€、キャップ25€

          


 

 

 また、記念コインなどは、Monnaie de Paris(フランスの国立通貨機関・造幣局)が発行しているもので、2021年、2022年バージョンのものがあり、来年、再来年も続々と新しいものがナンバリングされて売られています。

マスコットキャラクター入り1万個限定の10ユーロ硬貨


 片面にオリンピックのデザインが施されている2ユーロ硬貨が10ユーロ(10万個限定)、また、マスコットキャラクター入りの10ユーロ硬貨は85ユーロ(1万個限定)で販売しています。 


お手軽な10ユーロの2ユーロ硬貨


 
マグネット(5€)とピンバッチ(8€)

 今の若い世代はわかりませんが、ある一定の世代以上のフランス人はなぜか、ピンバッチが好きな人たちがいて、スーツの内側にこれでもかというくらいピンバッチのコレクションをつけている人もいて、驚いたことがあります。そんな世代を狙ってなのか、ピンバッチは、エッフェル塔、サクレクール、コンコルド、凱旋門など、他の種類のものもありました。

 


 また、サングラスなどは、なかなか本格的なもので、中には風避け、雪除けの部分がついているものもあり、オリンピック選手が入場してくる時に、このサングラスをしている様子が目に浮かぶ感じがします。しかし、これはなかなかなお値段で255€。

 



 そして、あるあるな感じのマグカップ(12€)やエコバッグ(12€)

 



 
キーホルダー5€

 小さなスペースですが、店員さんもとても感じがよく、ちょっと話をしたりしながら、楽しい時間を過ごし、なんか、一つくらい記念に買って行こうかと、私はマグカップを一つだけ買いました。



 ところが、ここは、VISAカードとのパートナーショップだとかで、お支払いはVISAカードしか使えない(もしくは現金)ので、ご注意ください。

 2024年オリンピックが近づいたら、シャンゼリゼにもお店ができるそうですが、それまでは、この1軒だけということです。


⭐️PARIS 2024 boutique officielle des Jeux olympiques 

 5 bis, rue Pierre-Lescot 75001 Paris


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2022年11月21日月曜日

2022年のシャンゼリゼのイルミネーションは節制モード Sobrillance(ソブリランス)

  


 毎年、ノエルの時期には、一度は見に行くシャンゼリゼのイルミネーションですが、今年は、去年までの赤いイルミネーションと打って変わって、シャンパンをイメージしたという黄金色に輝いています。

 今年は、エネルギー危機、節電が叫ばれている中、さすがにシャンゼリゼのイルミネーションは中止ということはないだろうと思っていましたが、時間・期間ともに短縮になったようです。

 とはいえ、凱旋門を中心に広がる沿道の400本の木々が数百万のLEDで華やかにライトアップされて飾られる風景は、やはり、毎年のことながら、息をのむ美しさです。

 それでも、今年は節電の必要性から照明の数を大幅に減らしているため、「Sobrillance(ソブリランス)」(輝きと節制)と名付けられ、12月24日と31日を除き、新しい照明制御システムにより、例年は午前2時に消灯するところを、午後11時45分に消灯します。また、例年より1週間早い1月2日でイルミネーションは終了します。

 また、シャンゼリゼに面したすべての店舗やオフィスでは、午後10時から翌日の午前7時まで照明の消灯が義務付けられているため、例年とは、少々、趣が異なるかもしれません。(ただし、この時間帯に営業している店舗やビジネス(主に映画館、カフェ、レストラン)は当然ながら影響を受けません)

 このシャンゼリゼのイルミネーションシステムの消費電力は11,500kWh、50m²のアパルトマンに住む2人家族の年間消費電力量に相当するそうで、昨年の2分の1になっているそうです。ちなみに、16年前の2006年との比較すると97%の節電になっているそうで、そう言われてみると、2006年のシャンゼリゼのイルミネーションは、特に記憶していませんが、どれだけ華やかだったのだろうか?と、見返してみたくなる気がします。

 今年は、このイルミネーションは時短と節電の代わりに、5分ごとにエッフェル塔のように輝くようにプログラミングされており、別の美しさを味わうことができます。

 今年のシャンゼリゼ・イルミネーションのオフィシャルパートナーはSEPHORA(セフォラ)(化粧品・香水を扱う専門店・LVMH傘下)になっていますが、毎年、このオフィシャルパートナーは交代するので、広告がごちゃまぜになることはなく、統一感が保たれていることも全体としての景観の美しさを配慮したものだと思います。

 2020年には、パンデミックのために、イルミネーションはあったものの、観光客もおらずに人もまばらなシャンゼリゼ(しかも、多くの店舗は営業停止でもちろん店舗は消灯)、昨年は、どうにか例年の様子に近づいてはいましたが、依然として禁止事項もあり、手放しに喜べない感じ・・そして、今年は、照明削減、時間短縮、期間短縮のシャンゼリゼのイルミネーションです。

 毎年、シャンゼリゼのイルミネーションの様子の記録を見れば、その年の情勢が反映されるような感じになっていることは、皮肉なことでもあります。

 それでも、フランスは、「世界で最も美しいイルミネーション」と、「シャンパンの色を想起させ、祝祭の概念とヨーロッパの生活芸術に立ち返る」と誇らしく胸をはっています。

 しかし、だいたい、シャンゼリゼはイルミネーションがあろうとなかろうと、そのままでも充分に美しく、イルミネーションの美しさを競うには、ちょっと反則かとも思います。


2022年シャンゼリゼ イルミネーション


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2022年11月20日日曜日

離婚率も高いが再婚率も高いフランス 子育て期間も長くなる

  


 フランス人の友人、知人、同僚などには、子供の年齢が結構、離れていることがある場合があって、私とそんなに年齢が変わらないと思っていた人に意外とまだ小さい子供がいたりして、驚かされたりすることがあります。

 彼女たちと世間話をしていると、子供の話題になることも少なくないのですが、そんな子供の話になって、「えっ?まだ、そんなに小さい子がいたんだ・・」と驚くと、「私だって、ほんとは、もう子供はいらなかったんだけど・・」などと、こちらが恐縮するようなことを言い出したりするので、びっくりさせられるのです。

 また、そこまで詳細な家族構成がわからずにいて、子供は現在、同居している子供だけだと思っていたら、「これがこの間、ブルターニュで生まれた私の孫で・・」などと写真を見せられたりして、逆にそんなに大きい子供さんもいたんだ・・」と驚かされることもあります。当然、これは前の夫との子供の子供(孫)で、ママであると同時にマミー(おばあさん)でもあるわけです。

 というのも、年齢の離れた子供を持っている人は、たいてい再婚をしていて、最初の結婚での子供に加えて、再婚相手との子供もいるので、おのずと子供の年齢が離れていることになるわけで、それだけ長期間にわたって子育てをしているわけです。

 フランスは離婚率が高くても、再婚率も高いわけで、その全部の子供たちと同居しているかどうかは別として、一度、離婚しても、懲りずに再婚して子供もいる場合も多いのです。

 考えてみれば、娘の友人などでも、異母兄弟を持つ人は少なくなくて、そういう我が夫も再婚だったので、娘にも異母兄弟がいるので、その例外ではないかもしれません。

 娘の友人の両親で、3人の子供がいて、パパが浮気をしているのが見つかって、家を出て行った・・別居・・かと思うと、いつのまにか、またパパが戻ってきた・・と何度か別居と復縁を繰り返していたと思ったら、ついに離婚。かと思ったら、今度は、ママの新しい恋人があっという間に同居・・と、日本的?な感覚からしたら、子供たちは新しいママの恋人をどうやって受け入れているのだろうか?と思ったりもするのですが、それはそれなりに成立しているようで、やはり、ここまでするのは、バイタリティーあるなぁ・・と感心させられたりもするのです。

 私だったら、双方に気を使って疲れ果ててしまいそうで、そんな面倒臭いことはゴメンだと思ってしまいます。

 そもそも、フランスには、PACSのような事実婚の形態も存在しているので、結婚せずに子供を持つ場合も少なくないこともあると思いますが、一度の離婚くらいではめげない、よく言えばバイタリティや奔放さ、自由さがフランス人にはあるのかもしれません。

 それに比べて、日本にいる私の友人、知人は、再婚どころか独身の人も多く、もちろん彼女らには子供はおらず、結婚していても、子供がいない人が圧倒的に多く、逆に私に1人でも子供がいることが奇跡的に感じるほどで、なるほど日本は少子化の一途を辿るわけだ・・とも思います。

 私は、離婚したわけではなく、死別だったこともあるのか、もう懲り懲りで、(また死なれるのはたくさん)全く再婚するつもりはない私は、やっぱり日本人なのかもしれません。


フランス人の離婚 再婚 子供


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