5月1日は日本では、メーデーとされながらも、特に祭日でもないと思いますが、フランスの5月1日は、祭日であるだけでなく、法律上、労働者を働かせることを禁止しています。もちろん、病院や公共交通機関、ホテルなど、公共性、継続性?のある仕事に関しては、例外が認められていますが、この日に従業員を働かせる場合は、2倍あるいは、3倍の給与を支払わなければなりません。
もっとも、基本的には、禁止されているわけですから、もしも、これに違反して、従業員を働かせた場合は、一人あたり750ユーロ(未成年は1,500ユーロ)の罰金を課せられることになります。
今年は、やけにこの5月1日になる前に、パン屋は5月1日に営業するか?しないか?ということを扱っている報道が多いと思ったら、現行のこの5月1日に従業員を働かせてはならないという法律を改正してほしいという声をパン屋さん業界が求める声をあげ、国会でもこの5月1日の労働禁止措置緩和の法案が提出されたりもしています。
もちろん、パン屋さんといえども、従業員は使わずに家族だけで営業することは可能ではあります。
このパン屋さんに加えてお花屋さん業界もこの5月1日の労働禁止措置緩和を求めているようです。
最近は、日曜日といえども、営業するお店は増えましたが、以前は日曜日というのは、ほぼほぼ全てのお店が閉まっていて、日曜日でも営業しているのはパン屋さんとお花屋さんくらいのものでした。
そんな感じでパン屋さんとお花屋さんはセットというか、日常生活に欠かせないものとしての認識があるのだとは思います。
一般的な日曜、祝祭日に関しては、場所によっても違いますが、営業許可をとっていれば、営業できる場所もあれば、それも叶わない場所もあります。しかし、5月1日は労働者の祭典だけあって、労働者ファーストの日とされているために、労働者を働かせてはいけないということになっており、また、働かせていることが見つかれば、罰金が課せられることもあり、さすがにだいたいのお店は閉店しています。
お店の規模にもよるのでしょうが、従業員一人あたりの罰金を考えた場合、現在の法律によれば、せっかく働いても一人当たり750ユーロの赤字になるわけで、オープンするのは、かなりリスキーな話なのかもしれません。
ただし、これは、嫌な言い方ですが、見つかってしまえば・・の話で、実際のところは、けっこうオープンしていたパン屋さんはあったようです。
せめて、働きたい従業員には、働かせてほしい・・という声もあるそうですが、この「働きたい」というのが、本当に働きたいのか?それとも圧力をかけられているのか?判断しづらいところも出てくるとは思うので、年に1日くらいこのような日があっても良いではないか?とも思うのです。
だいたい、夏のバカンスの際などは、パン屋さんといえども、平気で1ヶ月くらい休むのですから、この日、一日くらいは、1年の間に調整は効きそうな気がするのです。
今や、フランス人といえども、毎日パン屋さんに通ってパンを買っている人が一体どのくらいいるのかわかりませんが、やはり病院や公共交通機関とは違うと思うのです。
5月1日 メーデー パン屋
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