2025年8月9日土曜日

隣人の激しすぎるケンカにビビった!

 


 先日、自宅のキッチンにいたら、外から、もの凄い怒鳴り声が聞こえてきて、何ごとか?とビックリしました。まあ、なにかに腹を立てているんだろうと思いつつも、それがけっこう長く続くので、思わずそっと立って行って、玄関のドアの小さなドアスコープから外を覗いて見ると、隣人が表玄関を開けたまま、何やら、ドアの外に立っている人と、家の中にいる人が激しく言い合いをしていました。

 正確に言えば、怒鳴り声をあげているのは、家の中にいる女性だけで、怒られている男性らしき人は、ひたすら怒られ続けている感じでした。

 それにしても、怒鳴っている女性の怒りは相当なもので、恐らくフランス語で話している(怒っている)のだと思われますが、けっこう訛りが強く、語気も荒いため、全く聞き取れず、一体、何に対して、そこまで怒っているのかは、全くわかりませんでした。私は身近にそんな勢いで怒り続ける人に遭遇したことがなく、いつ手が出るか?モノが飛ぶか?さらなる暴力的な展開になるのでは?と、思ってしまいました。

 このご家族(高校生くらいの息子と40代くらいの夫婦)が越してきてから、もう5年くらいは経つと思うのですが、以前、住んでいたのは、フランス人のおばさんで、基本的には、彼女は、一人暮らし(たまに息子が来ていた)で、たまに、同年代のおばさんが居候していたのか、しばらく他の女性がいたり、バカンス時などは、自分が留守の間は、人に貸していたのか?突然、日曜の夜に若いイタリア人の女の子がドアを叩くので、何ごとかと思って、ドアを開けたら、「パンはありませんか?パン屋さんがやっていなくて・・」などと言われて驚いたこともありましたが、まったく穏便で平和で全く穏やかな隣人関係でした。

 私も忙しくしていたこともあり、ご近所づきあいは慎重にと思って、つかず離れずの感じでいたのですが、わりとおおらかな人で、お休みの日にヴァンセンヌの森で夫と娘と3人でボートに乗っていたら、橋の上から、「お隣さ~ん!」と大きな声で手を振ってくれたり(一緒に行ったわけではなく、偶然に会った)、冷凍庫の霜取りをしているので、その間、冷凍庫のものを預かってくれませんか?とか、私が家でピアノを弾いていたら、友人が来ていたのか?みんなで、ベランダから、拍手喝さいしてくれたこともありました。

 何よりもポニョ(猫)は、ベランダ越しに自由に彼女の家と行き来していて、ポニョは、勝手に別宅のように過ごしていました。

 それが、彼女が引っ越して、今の隣人に入れ替わってからは、ポニョはパッタリとベランダにさえ出なくなったのを見ていて、何やら、ポニョは不穏なものを感じているのかもしれない・・と私までより慎重になりました。

 これがいわゆる動物的感というものなのでしょうか?

 それでも、特に関係が悪いというわけでもなく、顔を合わせれば、気持ちよく挨拶するくらいの感じなのですが、今回のケンカというか、怒り様には、再び、恐れをなしています。

 何に対して、怒っていたのかはわかりませんが、私は、あのように、しつこく怒鳴り声をあげたことは人生のうちで一度もなく、また、周囲にそのような人もいなく、感情の爆発のさせ方が全く違うんだな・・声の出し方とかも全然違うんだな・・と、なんだか見たくないものを見てしまった感じがしました。

 隣人というものは、自分では選べないので、仕方がありませんが、静かに穏やかに暮らしたい私にとっては、ちょっと嫌な光景でした。


隣人


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2025年8月8日金曜日

早々に発表された2026年からの郵便料金値上げ

  


 年末になってくると、続々と来年からの値上げ・・等が発表されますが、今年は、まだあと5ヶ月も残っているというのに、早々に2026年からの郵便料金の値上げが発表されています。

 フランスでは、緊急を要さない郵便物を送るグリーンレター?(切手)が最も経済的で環境に優しい選択肢であり、20gあたり1.39ユーロの料金となっています。

 これは、航空便を使わずに3営業日以内に配達されるため、もっとも多く利用されており、この料金が郵便料金の基本的な金額として挙げられることが多いです。

 来年の話をすると鬼が笑う・・などと言いますが、値上げの話は笑えません。

 現在1.39ユーロのグリーンレター(切手)は、現在の1.39ユーロから、1.50ユーロになるそうで、これだけ見ると、0.11ユーロの値上げで大したことはないように思いますが、値上げされるのは、このもっとも経済的といわれるグリーンレターだけではなく、手紙や小包等、全ての料金が上がるわけで、これらの値上げの平均は、7.4%の上昇だそうです。

 ラ・ポスト(フランス郵便局)は、これらの値上げを利用者の減少とサービスの質の向上のためとしています。

 たしかに、ここ数年、私自身も何かを郵便で送るということは、極端に減り、今まで家賃などの支払いのために小切手などを郵送で送っていたものも、全て、ネットで振込や送金で済んでしまうし、なにかの手続きのための書類なども、多くはネット上で済んでしまうし、もっとも経済的と言われるグリーンの切手でさえも、ほとんど使わなくなってしまいました。

 以前は、けっこう頻繁に友人に手紙を書いたりもしていたのですが、今はメールやLINEなどで済んでしまうので、手紙も書かなくなりました。なので、値上げと言われても、正直、あまり影響はありません。

 これは、全般的に皆に言えることで、実際にラ・ポスト(フランス郵便局)の売上げは、昨年だけでも5億ユーロ減少したそうです。

 サービスの向上などと言っても、フランスの郵便事情は、以前よりはマシになったとはいえ、まだまだ安心できるものでもなく、言わせてもらえば、できるだけ、間に人間が介入しない手段の方が安心なのです。人間が介入すれば、それだけトラブルやミスが生じる可能性が増えるわけで、できればそれを回避したいと思うのは、当然の話です。

 しかし、一方では、なんでもネットで済むようになってきている世の中で、高齢者たちは、ちゃんとこれについて行けているのだろうか?と思うことはあります。

 実際にネットを使いこなせない高齢者などは、これまでどおりの郵便に頼るしかないわけで、年金生活に突入している高齢者にとっては、あまり歓迎できない負担増となり得るものかもしれません。

 私もネットは、あまり充分に使いこなせているとは言えないものの、どうにか、あっぷあっぷでついて行っている状態。ネットの時代になり、便利になっていく半面、それについていけないと、全てにおいて高くつくな・・とある程度、時代についていけなければ、大変だな・・と思っています。


2026年郵便料金値上げ


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2025年8月7日木曜日

ベランダで採れている日本のきゅうり

  


 もうここ10年以上、春から夏、秋くらいまでの間、ベランダで野菜を育てていますが、やはり、その中で一番ちからを入れているのは、なんといっても「日本のきゅうり」です。

 きゅうりはフランスでも買える野菜ではありますが、こちらのきゅうりは大ぶりで味も大味な感じ、そして、なんといっても歯ざわりが日本のものとは違い、やはり私にとっては、あのパキッと気持ちよく折れる感じのきゅうりが大好きで、日本に行ったときには、必ずきゅうりのタネ(だけではないが・・)を買ってきて、夏には、必ずベランダできゅうりを栽培しています。

 毎年、5月の初旬に種まきをして、芽が出て、10㎝ほどの苗になった時点で少しずつ株を分けて、植え替えますが、これが落ち着き始めた頃にだいたい鳩の攻撃が始まります。

 鳩との闘いは、たいてい2~3週間で終わりますが、年々、図々しくなる鳩は、早朝にやってくるらしく、やっと育ち始めた苗を踏み荒らします。なぜだか、その頃に、我が家のベランダで巣作りをしたいらしく、毎朝、起きると小枝が積んであって、ほとんど恐怖です。

 今年は、きゅうりの二次被害で、紫蘇の葉の半分は、鳩に踏み荒らされてダメになってしまいました。その時期は、鳩のクックーという鳴き声が聞こえてくると、棒を携えて、ベランダに出ますが、人間が表れたのを知って、重たそうにバタバタと羽音をたてて、飛び立っていくその気配だけでも、忌々しく、また、気持ち悪いです。

 ここ数年は、ベランダ越しのきゅうりは、蔓を巻いてグングン伸びて、ちょうどよい日除けにもなってくれるし、成長も目に見える感じでグングン育っていくのを楽しんでいます。このくらいになれば、さすがの鳩もきゅうりの棚を乗り越えてまでは入ってこないので、安心です。

 今年は、7月初旬に猛暑だった後は、すっかり涼しくなってしまい、収穫模様は、例年よりは、少ないのですが、それでも1日1~2本は採れています。一人暮らしとしては、充分な量です。

 年によっては、やたらとたくさん採れて、きゅうりのキューちゃんなどを大量に作ったりしたこともありますが、今年は、ぬか漬けと、もろきゅう、サラダくらいですが、このパリッとした歯ざわりがたまりません。

 ぬか漬けは、パンとビールをベースに、昆布や唐辛子などを入れてぬか床を作って、冷蔵庫に保管して、少しずつ、かき混ぜて利用していますが、これがまあまあの出来栄えで、悪くありません。

 私が愛してやまないこのパリッとした日本のきゅうりですが、フランス人の夫に言わせると、「水分の少ないきゅうり」と身もふたもない形容をされて、ガックリ・・しかし、同時に、水分が少ないきゅうり・・なるほどね・・そんな風に感じるんだ・・と冷静に思ったりもしたものです。

 しかし、毎朝、毎晩の水やりをかかさず(けっこうな量の水を撒きます)、蔓がのびてくれば、支柱に結びつけてあげたり、毎日毎日、一生懸命、育てているきゅうり、「水分が少ない・・」などと言われれば(本人は悪気は全くない)、それなら、あなたは、フランスの水分たっぷりのきゅうりを召し上がれ!とちょっといじわるに思ったこともありました。

 かっぱ巻きもやはり、日本のパリッとしたきゅうりだと美味しいし、何にしても美味しいです。

 今の季節は、ベランダに出れば、少しずつ大きくなっていくきゅうりを眺めつつ、いつでもポリポリ日本のきゅうりが食べられるささやかな幸せを楽しんでいます。

 

日本のきゅうり


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2025年8月6日水曜日

ルイヴィトン財団美術館 Fondation Louis Vuitton は思っていたよりずっと良かった!


 


 先日、友人に会ったとき、何気に「どこか良い美術館なかった?」と聞いてみたら、わりと即答で、「Fondation Louis Vuitton(ルイヴィトン財団美術館)がわりと良かったよ!」と返事が返ってきたので、これまで、勝手に「あんまりルイヴィトン興味ないしな・・」などと、まるでお門違いの避け方をしてきた私は、そこで初めて、ルイヴィトン財団だからといって、ルイヴィトンの商品が置いてあるわけでもないんだし、恥ずかしながら、見当違いな印象を勝手に持っていたことに気が付いたのでした。

 彼女は、自分でも絵を描いたり、色々、普段から芸術に触れていることもあり、彼女が言うんだったら、行ってみよう!と思ったのです。

 ルイヴィトン財団美術館はパリ16区、ブローニュの森の近くにあり、メトロの駅からは少し歩きますが、充分、徒歩圏内。さすがにパリ16区だけあって、瀟洒な街並みの中を歩き、Jardin d’acclimatationという遊園地?の続きくらいにあります。




 突如、表れる奇抜な建物に「おっ!これか!」と圧倒されますが、意外にも(私の勝手な印象)、けっこうな人気のスポットなようで、同じ目的地に向けて歩いて行く人の多さにまたビックリ!さすがに駅からは、ずっと「Fondation Louis Vuitton➡」の表示が途切れなくあるので、道に迷う心配はありません。メトロ1号線 Les Sablons駅から徒歩10分程度です。シャトルバスもあるようですが、メトロで充分な気もします。

 





 入口には、少々、行列ができていましたが、行列のわりには、待ち時間は5分ほどですんなり入れました。もちろん事前予約した方がスムーズかもしれませんが、当日、チケットを買うのも全然、簡単です。




 現在は、デイヴィッド・ホックニー(ノルマンディーを拠点に活動しているイギリスの画家・芸術家)の展示をしていました。



 私は、これまでポップアートというかモダンアートというか、この類の作品にはあまりなじみがなかったのですが、小さめ(といっても大きい)の絵をいくつも併せて、1枚の絵に見せるような展示の仕方や、映像や音楽を大きなシアターのように使って、四方から訴えかけてくる感じなど、とっても新鮮で、また単に鑑賞するにとどまらず、全身で彼の作品を浴びれる感じのつくりになっていて、とっても感動しました。




 映像に包まれる部屋では、正面、側面の大画面を前に、カーペットが敷いてあり、大きめのクッション?のようなものが置いてあり、そこに寝転びながら、鑑賞することがあります。




 カーペットに寝転ぶと、自ずと視界が広くなり、全身で作品を味わえるような気持ちに包まれます。

 途中、エレベーターで乗り合わせた外国人観光客に何やら興奮気味に「Amazing!Museum!」とうったえかけられたりもしました。




 いわゆる他のパリの有名な美術館のように旧建築の歴史的建築物で、その入れ物自体が芸術!というのとは違い、新しい近代的な建物の中にありながら、これだけ人を惹きつけるというのも見事なものだと思いました。




 お庭には、いつか、どこかで見たかな?と思うルイヴィトンの大きなトランクと金の彫像があり、お庭続きには、Jardin d’acclimatation(遊園地)にも行けるようになっており、こちらは、ルイヴィトン財団美術館のチケットがあれば(中からなので、当然、皆、持っているはずですが・・)、そのまま無料?で遊園地の方にもアクセスできます。




 こちらの方もなかなかクラッシックな感じのジェットコースターとか、公園の遊具、ボートなどがあり、こちらだけ行こうと思ったら、別に?入場料がかかるところなのですが、ルイヴィトン財団から入れば、両方楽しめるので、お得かもしれません。


 


 現在は、「デイヴィッド・ホックニー」展をやっていますが、これは、8月31日までです。

 9月以降は誰の作品になるのかはわかりませんが、また違う作家のものをどう見せてくれるのか?楽しみです。

 ルーブルやオルセーなどのいわゆるクラッシックなタイプの美術館とはまた、違った趣で、別の楽しさを味わわせてくれるので、とってもおすすめです。

 


🌟Fondation Louis Vuitton 8Avenue du Mahatma -Gandhi 75016 Paris 

 ルイヴィトン財団美術館


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2025年8月5日火曜日

小切手での支払いは2027年に廃止される⁈

  


 フランスに来た当初、銀行に口座を作って、日本では、お目にかからなかった小切手というものをもらい、「ほ~っ!こんなものがあるのか・・」と物珍しい気がした記憶があります。

 当時(25年くらい前)は、実に小切手は、必要不可欠のものであり、税金等の支払い、家賃の支払いや電気代の支払い、子どもの学費やお稽古事の費用、高額な支払い、また支払う時点まで金額が不明の場合の支払いなどなど、かなり多くの支払いに利用していました。

 そういえば、小切手用のお財布や小切手が入るお財布なるものも、昔はあったような気がします。

 特に、自動引き落としが信用できず(以前にedf(電気)に桁を間違えられて引き落とされて、大変な思いをしたことがあるため)、絶対に請求書で金額を確認してから、小切手を書くようにしていたし、後になって、支払われていないとか言われた場合にこの日付でこの小切手ナンバーで支払いましたということが言いやすいので、敢えて、小切手で支払いをしていたということもありました。

 なので、年に何回かは、銀行に新しい小切手をもらうように頼んでいたし、そういえば、常にお財布には、非常時に備えて、金額もサインもしていない小切手を1枚は、お財布に入れていたものでした。

 それが、ほんとうにいつの間にか、この小切手は、ほとんど使わないようになっていて、一応、家には小切手はまだあるものの、使うことは、ほとんどなくなりました。

 ほとんどが銀行のカードか、ネットで振込をすることで、事足りてしまうため、わざわざ小切手を書いて、それを送ったり、渡しに行ったりする手間が省けてしまうのです。

 それは、私だけではないようで、フランス全体でも、ここ15年ほどで小切手の利用率は72%減少したとのことで、2000年には、取引の37%を占めていた小切手は、3%までに減少したとのことで、2027年には、最後の小切手処理センターが閉鎖される予定になっているそうです。

 利用が減っているにもかかわらず、小切手の偽造は増加しているとのことで、今や小切手は、受け取る側からしても、まことに始末の悪いものになりつつもあります。

 今、小切手が廃止されても、日常生活には、ほぼほぼ支障はないとは思いつつ、なにかの際の非常手段として、あり続けてくれることは、やっぱり、いつ何が起こるかわからないフランスでは、安心なような気もするのですが・・。


2027年小切手廃止


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2025年8月4日月曜日

お酒は一生分飲みました!

  


 最近、肝臓の数値が良くないということで、お医者さんから、アルコールはダメ!と釘をさされ、そうはいっても、このお酒が大好きだった私がなぜかパッタリとアルコールを欲しなくなったために、かれこれ2年以上、私はほとんど飲まなくなっています。

 あれだけ好きだったお酒を、この私が飲みたいと思わない日が来るとは、思いも拠らぬことでしたが、まあ、飲んではダメ!と言われた時に、飲みたいのにガマンするわけではないので、全く苦に感じないのは、幸いなことながら、逆に「お酒を全然、飲んでないのに、なんで肝臓悪いのよ!と、ちょっと悔しい気もしないではありません。

 しかし、私がこれまで飲んできたお酒(アルコール)の量を考えれば、恐らく、ふつうの人が一生に飲む量は、余裕で飲んできたと思うので、お酒に関しては、大げさではありますが、我が人生に悔いはありません。

 我が家は子どもの頃から、父がお酒が好きだったので、父は必ず、夕食の際に晩酌をしながら食事をするのを見てきたので、お酒をごくごく身近に感じてきたということもあると思いますが、父は帰ってくるとたいていビールを飲んでから、その後は、その日のお料理に合わせて、ウィスキーだったり、焼酎だったり、日本酒だったり、必ずお酒を飲みながら、延々と食事をしていました。

 小さい頃は、私はもっぱらの辛党で、甘いものは苦手なかわりに、酒の肴になるようなものが好きで、小さい頃から「こりゃあ、酒飲みになるだろうな・・」と言われてきて、その通りになりました。

 日本では、仕事帰りに友人などと食事に行くというよりは、飲みに行くというのがメインで、人付き合いが活発で大好きという方ではなかった私もお酒のおかげで、それなりの人並みの人間関係をかろうじて、継続できたような気もします。

 思うに友人などと「飲みに行こう」というのは、飲むことそのものというよりは、飲んで話そうということで、アルコールが入ってかろうじて口が滑らかになって、人付き合いができていたのかもしれません。

 しかも、自分で言うのもなんですが、私はけっこうお酒に強くて、お酒で潰れたという経験もなく、最悪、翌日も酔っぱらっている状態・・。以前、けっこう仲良くしていた男の子に、「一緒に飲んで、口説こうと思っても、こっちが先に潰れちゃうから上手くいかないよ・・」とボヤかれたこともありました。

 しかし、全く、失敗がなかったかというと、そういうわけではなく、途中、記憶が定かではなかったりすることもあるのですが、ちゃんと家には、帰って自分のベッドに寝ていて、翌朝、目が覚めると、なんと服を着ておらず、ベッドの脇には、ホックを外していないワッカ状になったブラジャーが落ちており、これ、どうやって脱いだんだろう?と不思議に思って、自分で笑ってしまったこともありました。

 フランスに来てからは、子どもがいたこともあり、外に飲みに行くということはなく、もっぱら、友人を家に呼んで飲む、あるいは、夜、一人で飲むことが多かったですが、家のソファはたいそう寝心地がいいのか、家に飲みに来てくれた友人は、途中でソファで寝てしまうことが多かったです。

 フランスに来てからはもっぱらワインかウォッカでしたが、娘が小さい頃には、スーパーマーケットに行くと、ウォッカが置いてある近くに行くと、娘がパーッと走っていって、「ママ~オッカ!オッカ!あったよ~!」と得意気に叫んで私に教えてくれるのに、赤面しつつもうれしかった思い出もあります。

 とにかく、お酒にまつわる話は数限りなくあるのですが、お酒のおかげでたくさんの楽しい思いをしてきました。お酒を飲まない人生は、人生の多くの楽しみを損しているような気もしてきたのですが、今は、そのお酒がない生活。

 少々、寂しい思いもありますが、今まで飲んできた時間を考えれば、まさに悔いはありません。

 飲まなくなった今でも、もう身体に沁みついているというか、酒瓶を見るだけでワクワクするのは、ひっそりと心の中で感じる幸せです。


アルコール 酒飲み


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2025年8月3日日曜日

パリ モンマルトルのオーバーツーリズム問題

  

 

 昨年のパリ・オリンピックでは、期待していた観光客は極端なホテル価格の値上げや、観光地の便乗値上げや、オリンピックのための規制などから、例年の夏よりも、よほど観光客も少なく、がらんとしたパリになっていました。

 今年は、その反動なのか、夏のバカンス期間のパリの観光客は急増し、例年に比べるて20%増の予約が入っているそうです。

 観光客が多い都市では、どこでも同様の問題を抱えているのだと思いますが、パリでは、今年は、特にモンマルトルでのオーバーツーリズム問題。地域の住民は、このあまりに多くなりすぎている観光客や、街自体が破壊されていく様子に声をあげ始めています。

 パリを訪れる観光客の約4分の1の人が訪れていると言われているパリ・モンマルトル地区。丘の上にあるサクレクール寺院を中心として、サクレクール寺院の裏?あたりにある絵描きさん(似顔絵かき)が溜まっているエリアなど、半日くらい歩いて回るには、なかなか面白い場所でもあります。

 しかし、地域住民たちは、このあまりに増加している観光客、特に団体観光客の迷惑行為や地域全体の店舗等が観光客仕様に変わってしまい、一般的ないわゆる日常生活に不可欠な食料品等の店舗がどんどん観光客目当てのクレープ、ケバブ、タコスやフライドチキン、ハンバーガー、アイスクリーム、お土産屋さんなどの店舗に入れ替わってしまっていることや、Airbnbや短期賃貸のアパート業の乱入により、不動産価格は、過去10年間で19%上昇したうえに、安っぽいお土産屋であふれ、街全体が破壊されつつあることを嘆いています。

 たしかに、以前からモンマルトル界隈は、ガラの悪いイメージがあり、とにかく観光客目当ての露天商が多いことでは、恐らくパリの中でも一番。モンマルトルの丘というだけに坂が多い道には、観光用の電車の形のバス?が走っており、住民たちは、「これではディズニーランドみたいだ・・」と言っている模様。

 たしかに、サクレクール寺院に上がっていく道には、偽物のミッキーマウスまでいる始末で、これでは、全体が胡散臭い、えせディズニーランドといわれれば、そんな感じがあるかもしれません。

 それならば、厳しく管理されているディズニーランドの方がよほどマシで、少なくとも、ディズニーランド内は、清掃も行き届いていて、怪しげなしつこい物売りなどはいません。

 この悪循環は、このまま放置してはいけないのに、どういうわけかいつまでも放置。路上では簡単なバクチで詐欺まがいのお金集めをする人までいます。

 パリ・オリンピックの期間中は、あんなにいた露天商はどこに行ったのか?と思うほど、厳しく取り締まりがされていましたが、今年はすっかりもとどおりになっています。

 モンマルトルは、映画「アメリ」で有名になって以来、観光客が激増したと言われていますが、たしかに何とかした方がよいパリの大切な観光地のひとつであるような気がします。


モンマルトル オーバーツーリズム


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