かねてから5月の週末連休(といっても飛び石)のストライキを予告していたSNCF(フランス国鉄)の運行に関して、SNCF社長は、「約9割の列車は運行できる」と発表しています。
ということは、少なくとも1割の列車はキャンセルされるわけですが、今回は、ボランティア要員による欠員の補充により、かなりの部分が補えるものとしています。
キャンセルされたチケットに関しては、「手数料なしで交換、払い戻し可能」と当然のことを堂々と述べ、このキャンセルされたチケットを予約していたお客様には、8月29日まで有効な50%割引券を配布する」とのことです。
もう、こんなことなら、SNCFは嫌だ!という客離れを防ぐためとも見られます。
しかし、これはSNCFのよくやる手の一つで、私は一度、ユーロスター(ユーロスターの経営もSNCF)の予約がキャンセルになって、そのまま返金してくれれば良いものの、返金ではなく、金券(しかも有効期限つき・・しかもパンデミックの最中)を戻されて、結局、使えないままで、捨てるハメになり、大変、憤慨した思い出があります。
今回のストライキは、SNCFの定年間際の車掌が中心の賃上げ要求のストライキで、しかも、これは、年金増額につながる定年前6ヶ月間の給与が少しでも上がれば、年金の計算上、有利になるためという、本当に虫のいい話。
そもそもオリンピックを盾に特別ボーナスや定年の年齢前倒しなど、すでにけっこうな利益を得ている彼らがまたストライキというのも益々腹立たしい話です。
もとより、これらのSNCFとかRATPなどの公共交通機関の定年の年齢や年金などの制度や福利厚生などに関しては、一般社会人とはかけ離れた待遇で、ある種の特権ともいうべく対応がなされているにもかかわらず、彼らには、国民の足を人質にできるストライキという武器があり、この砦はなかなか崩されないようになっているのが腹立たしい話です。
ならば、こんな交通機関はできるだけ利用したくない・・と私などは、連休やバカンス期間はまず、予定から外してしまうのですが、子どものいる人などにとっては避けようもないことです。
そんな中、RER A線ビュシー・サン・ジョルジュ駅で白鳥が線路に舞い降り、悠々と線路を歩き始めたために、1時間半にわたって、交通が中断したという利用者にとっては、迷惑千万な話ながら、なんともほのぼのとしたニュースもありました。
La circulation du RER A a été interrompue en raison de la présence d’un cygne sur les voies. pic.twitter.com/R7PUUw15Gs
— Cpasdeslol (@cpasdeslol_X) May 5, 2025
よく飛び込み事故などがあって、電車を停めると大変な賠償金の支払いを求められるなどという話を聞きますが、白鳥の場合には、請求しようもないし、多くの乗客の見守る中、線路を悠々と歩く白鳥には、なんとなくホッコリさせられます。
Rare image d’une interpellation d’un cygne sur les rails du RER A 😂 https://t.co/VoqFMcymBw pic.twitter.com/rOLbj0dAxJ
— Cpasdeslol (@cpasdeslol_X) May 6, 2025
白鳥は駅員によって無事、保護されています。
SNCFストライキ
<関連記事>
「SNCF(フランス国鉄)管制官 4月17日から6月2日までのストライキを警告」
「キャンセルされたエアフランスの払い戻しに3年かかったという話」