2023年12月13日水曜日

フランスの学校での制服 2024年春から試験的に開始

  


 フランスの学校での制服着用案が議会に提案されたのは、今年の初め頃だったと思いますが、その時は、押し付けられ、強制されるのを嫌うフランス人には「ムリでしょ!」と机上の空論に終わるかと思っていたのですが、どうやら、その計画は着々と進んでいたようで、早いところでは、2024年の春から試験的に開始されるそうで、ちょっとビックリしています。

 とはいえ、現段階では試験的な試みなので、その効果について、少なくとも2年間は様子を見て、その効果を測定する期間として、この制服採用について「生徒の幸福度、学校環境、学業就業における社会的不平等の軽減に対する制服の影響を測定し、家族のサポートや関係者間の協力方法の問題を分析する」としています。

 これらの制服採用については、小・中・高等学校を対象とし、このテストに参加するのは、現在のところ、トゥルコアン、ランス、ニースの各都市、アリエ県、アルプ・マリティーム県、オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地域圏などの一部の学校のみで、この試験的試みは国から一部資金提供されるため、数は限られています。

 各生徒の基本キットは、ポロシャツ 5 枚、セーター 2 枚、ズボン 2 枚で構成される場合があります。 しかし、一部のコミュニティでは、全体のうちの一部だけ、たとえばポロシャツとセーターだけを使用することを想定しているということなので、日本の学校の制服のイメージとはちょっと異なる感じです。

 このキットの費用は 200 ユーロ(約3万円程度)ですが、家族は何も支払う必要はありません。 推奨される方法は、半分は国、半分は自治体が資金を提供する方法がとられます。

 また、子どもの成長に応じて服が小さくなったり、破損したりした場合、各子どもには1年ごとに新しい着替えを受け取る権利があるということです。

 この試験的な試みの中には、制服を義務化した場合に拒否した学生についての対応として、学校の内規にこれを取り入れるということも実験内容の一つに組み込まれているようです。

 義務化に関しては、その内容如何に関わらず、必ず反発が生まれると思われるフランスで、この実験結果は興味深いところでもあります。

 しかし、このインフレが進む中、楽観的に考えれば、学校での服飾費200ユーロを国が負担してくれるということで、宗教的な服装云々の問題を除いて考えるならば、低所得層からは、歓迎される可能性もあります。

 今回の話は、あくまでも試験的な試みを開始するということなので、とりあえず2年間はその行方を見て、具体的に全国的に実施するかどうか判断するということになるのでしょうが、そのどちらにしても、この話が議会に提出されてから、あっという間に、テストケースとはいえ、具体的に動き出す政治のパワフルでスピーディーなところが凄いなぁ~と感心するところです。

 実際に全国展開する前に、試験的に試みて、検討する期間を設けるところも、実施するにしても、やめるにしても、説得力のあるところです。

 私は制服のある学校に行ったことはないので、制服を着るという気持ちを味わったことがないのですが、単に社会的不公平感がどうのというだけでなく、まず、決められた服装に従うということや、皆が同じ服を着るという統制される感じが、学生の感性に影響を与えるところもあるのではないか?そんなことも思います。

 しかし、ちょっと前までは、思ってもみなかったフランス人の学校での制服というものがどんなものになるのか?楽しみでもあります。


フランス公立学校制服


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2023年12月12日火曜日

日本のフライト 国際線と国内線

  


 今回の日本への一時帰国で、国内旅行をする機会があり、ものすごく久しぶりに国内線のフライトを利用しました。むしろ、久しぶりというよりは、これまで、私は国内線のフライトというものに、過去2~3回しか乗ったことがありませんでした。しかも、かなり昔の話です。

 なので、ほぼほぼ、以前、それがどんなだったか、はっきり記憶にもないほどなのですが、今回、国内線のフライトに乗ってみて、いくつか驚いたことがありました。

 今回は、羽田から宮古島に行った時と、鹿児島に行った時に飛行機に乗ったので、国内線としたら、長いフライトの類だとは思いますが、それでも国内線とのことで、パスポートコントロールなどはないので、1時間、せいぜい1時間半前までに空港に行けばよいと思い、そのあたりは、全然、気楽でした。

 フライト自体は鹿児島で2時間弱、宮古島で3時間半くらいで、さすがに私が一番よく乗るパリ⇔羽田便の12時間(現在はもう少し長いけど)に比べたら、全然、楽なのですが、今回、往復併せて4回のフライトは、どのフライトも全て遅延で、そのいずれもが機体整備に時間がかかっているとのことでしたが、国内線というのは、こんなに遅れるものなのか?とちょっとびっくりしました。

 なんとなく、自分の中には、いつの間にか、日本の交通機関は時間に正確というイメージがあり、これが、エアフランスとかだったら、遅れても驚かないし、むしろ、時間どおりだったら、驚くくらいなのに、自分でもおかしなものだな・・と思いました。

 私のイメージを作っていた日本の交通機関の時間の正確さというものは、鉄道に関することだったのでしょうか?

 国際線にしても日本の航空会社だと、まずオンタイムのことが多いし、飛行時間が長いので、遅れて出発しても、途中、飛行速度を調整しているのか? 飛行中に遅れを取り戻してくれたりするので、さすが・・と思ったりするのですが、国内線の場合は、そもそもの飛行時間が短いために遅れを取り戻すのも難しいかもしれません。

 おかげで、到着後のスケジュールがずれてしまい、貴重な日本での一食の機会を失ったもので、ちょっとガッカリしたりもしたのです。

 私はフランスでも、ほぼ国内旅行というものをしてこず、ましてや飛行機でフランス国内を移動したのは、1回だけ、ビアリッツに行った時だけで、その他は、イタリアなどのヨーロッパ内の移動なので、国際線になります。しかし、飛行時間を考えれば、ミラノまで1時間ちょっと、ローマまでは2時間ちょっとで、日本での国内線の飛行時間と変わらないので、国際線とて、楽といえば、楽です。

 そして、もうひとつ、今回、驚いたのは、日本国内のフライトでは、ペットボトルなどの持ち込みがOKだったことで、国際線同様、ペットボトルがダメだと思っていた私は、荷物チェックの前までに、一生懸命、持っていたペットボトルを空にしようと頑張って必死に水を飲みきったりしていたのですから、それがOKだったと知ったときの拍子抜けといったら、ありませんでした。

 何やら、ペットボトルの中身をチェックするような機械があったりもしたので、なんなら、これを国際線にも使ってもらえないだろうか?と思ったりもしました。

 液体類の持ち込みに制限ができたのは、いつだったかは、もうはっきりも記憶にないくらいなのですが、全く迷惑な話で、パリ⇔羽田便で経由便を使いたくないのは、このチェックをトランジット先の空港でも再びやらなければならないということも大きくて、一度、羽田からの帰りの便で前の便の到着が遅れたうえに、ターミナル間の移動に時間がかかったうえに、このチェックで次のフライトに乗り遅れそうになったことがあり、直行便にすれば、少なくともこのような煩わしさが一度は回避できると思ってしまうことにあります。

 日本の国内線に関して言えば、飛行時間が短いゆえに、その後のスケジュールまで、前もって目論んでしまっていたのですが、今回、私が乗った便がたまたま遅れただけなのか?それとも、遅れることは、珍しくないのか?と考えてしまいます。

 それによって、今後、日本の国内線に乗る際は、スケジュールに余裕をもって旅程を組んだり、予約するフライトの時間をずらしてとることも考えるべきなわけで、ほぼほぼ国内線初心者の私は、日本の国内線事情について、もう少し知っておくべきだったな・・そして、ここぞとばかりにスケジュールの詰め込みすぎはダメなんだな・・と思いながら、また、今度、日本に行ったら、どこへ行こうか?ともう、日本国内で旅行することをさっそく考えているのです。


国際線と国内線


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2023年12月11日月曜日

パリ8区の高級ブティックで強盗 被害総額60万ユーロ

  


 年中を通して治安の悪いパリも12月となると一段と治安が悪くなるのは、毎年のことです。

 今回起こったのは、高級ブティック狙いの強盗で、この種の強盗は、季節的というよりも、もはや定期的に起こっている気もします。

 事件は日曜日の朝10時45分頃、シャンゼリゼからもほど近いパリ8区にある高級ブティック KITH(ニューヨークの高級ブランド)で起こりました。覆面をした2人の男が店に乱入し、催涙ガスを使用したうえで、持ってきたハンマーでショーケースを割り、多数の高級時計や宝石類を強奪し、バイクで逃走した模様です。

 犯行時間はわずか2分で怪我人は一切なしという鮮やかさ。現在のところ、犯人は逮捕されておらず、パリ検察庁は、この種の強盗を専門とする強盗鎮圧旅団に委託して捜査を開始しています。

 被害総額は少なくとも60万ユーロに及ぶ模様です。

 このような強盗事件は、たびたび耳にする話のような気がしますが、事件が起こった時は、一応、報道されるものの、その後に犯人が逮捕されたという話はいっこうに耳にすることはありません。

 このような高級ブティックでは、まず顧客や店員の安全を第一に確保するように店舗側も体制を敷いているため、まず、その場で犯人が確保されることはありません。だいたい、このような高級ブティックでは、盗難被害は保険がカバーするものと思われますが、ノエル前の商品が一番、売れる時期に商品がなくなるわけですから、たとえ、その分の金額が補償されたとしても、破壊されたショーケースや売れるはずの商品が消えてしまい、やはり大変な痛手であるにちがいありません。

 その同日、ホテルリッツでは、宿泊客がホテル内で紛失していた75万ユーロ相当の指輪が掃除機の袋の中から発見されたというニュースが報道されています。この指輪の持ち主はマレーシア国籍の経営者ということで、先週末にパリ中心部の警察署に盗難の被害届を提出していたそうで、これがホテル内で起こったということで、リッツ側もホテルの信用問題をかけて必死の捜索を行った模様です。

 しかし、強盗事件では60万ユーロ、ホテルリッツの掃除機からは70万ユーロの指輪、双方ともに、1億円近い宝石類が強奪されたり、掃除機の中から出てきたり、少し前の空港からの車を襲撃された人の被害総額57万ユーロなどなど、一般庶民としては、あまりに金額が凄すぎて、現実味のない話でもありますが、あるところには、あるんだな・・などと思ってしまいます。

 しかし、不謹慎ではありますが、数々の犯罪や強盗事件がある中で、わずか数分で負傷者を出すことなく、消え去ってしまう高級ブティック・宝飾店狙いの強盗は、鮮やかとさえ感じてしまう部分もないわけではありません。


高級ブティック強盗 60万ユーロ被害


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2023年12月10日日曜日

Vinted(ヴィンテッド)で殺人事件が起こった!

  

 

 パリ近郊ヴァル・ド・マルヌ県ヴァラントンの路上で、16歳のティーンエイジャーが刺殺されたという話で、また、どんな乱闘騒ぎがあったのか?と思ったら、それがVinted(ヴィンテッド)(フリマサイト)での商品売買の際に起こったものであったことを知り、すごく驚きました。

 Vinted(ヴィンテッド)は、私もおこづかい稼ぎによく利用しているフリマサイト(日本でいうメルカリのようなもの)で、その売買の現場で殺人事件が起こるなどとは、これまで聞いたこともなかった話だったからです。

 そもそも、ヴィンテッドの大半は、商品の売買は、直接、売り手と買い手が会うことはなく、商品への質問や値段の交渉などはサイト上で行われているもので、商品の受け渡しは発送するのが通常であり、代金の支払いもサイトを通じて行われ、その間のトラブルなどに関しては、ヴィンテッドが介入してくれるので、これまでに深刻なトラブルになったことはありませんでした。

 ごくごくたまに、急いでいるので、直接、手渡しにできないか?とか、その際に連絡するために携帯ナンバーを教えてもらえないか?と頼まれることはあっても、安全上の理由から携帯ナンバーを教えることは、お断りしています。

 今回の殺人事件はティーンエイジャーの間の出来事で、どのような交渉の末に実際に対面での売買という話になったのかはわかりませんが、一応、サイト上での交渉は成立していたようで、被害者の少年は、商品の引き渡しに行った際に刺された模様です。

 一応、この少年は、商品の引き渡しに際して、一応は警戒していたようで、1人ではなく、友人たちとともに3人で出かけたようですが、商品の引き取りにあらわれた人物もまた6人で現れたようで、買い手の方が代金を支払わずに商品を奪おうとした際にナイフを持ち出し、結果的には、少年一人を殺してしまったようです。

 引き渡しに行った3人の少年のうち2人が刺され、致命傷に至った少年の傷は、大腿動脈に達しており、もう一人が血を流しながら道路に辿りついてから、通報したと言われており、警察が駆け付けた際には、少年の一人はすでに心肺停止状態であったそうです。

 その事件が起こった約3時間後に、パニック状態に陥った犯人とみられる母親の女性から息子が自分のしてしまったことに対して自責の念を感じ、3階から飛び降り自殺を図ろうとしたと通報があり、警察が駆け付けると少年は泣き叫んでいたと伝えられています。

 被害者、加害者ともに16歳のティーンエイジャーで、そのきっかけとなったのは、ごくごくシンプルなNike(ナイキ)のジョギングスーツとのこと、あまりに稚拙でこのようなことで命を落としてしまうとは、泣くにも泣けないような気もしてしまいます。

 私の場合は、ヴィンテッドで買い物をすることはありませんが、全くの見ず知らずの人とのやりとりなわけで、その人の過去の売買記録の点数ややり取りに対するコメントを参考にすることは、やっぱり必要で、このようなケースは非常に稀なケースとはいうものの、実際に会って手渡しというのは、警戒すべきだなと思うのでした。


Vinted(ヴィンテッド)殺人事件


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2023年12月9日土曜日

ノートルダム大聖堂 2024年12月8日一般公開再開

  


 2019年の火災以来、再建工事が続いているパリ・ノートルダム大聖堂をマクロン大統領が視察訪問し、同時にこの大聖堂再建についてのいくつかの発表がありました。

 思ってもみなかったパリ・ノートルダム大聖堂の大規模火災から早や4年が経ちました。この災害に対しては、全世界から約8億4千万ユーロが集まったと言われています。

 火災直後に発表された5年以内に再建させるという計画は、当初からかなり難しいだろうという見方もあったうえに、途中、パンデミックのために工事がほぼ中断した期間もありましたが、今回のマクロン大統領の発表によれば、2024年12月8日には、礼拝と一般公開を再開する見込みであることを明らかにしました。

 とはいえ、再建工事が全て完了するのは、2030年(あるいは2029年)になると言われています。

 ただし、今後、2024年初めに予定されている屋根部分の一部に鉛が使用されることに反対する団体が「屋根に使用されるのは圧延された鉛で、その特徴は雨や風によって時間の経過とともに鉛が放出される」とし、下水道やセーヌ川を汚染すると訴える動きもあります。

 2021年に公衆衛生高等評議会が発表した報告書では、ノートルダム大聖堂の屋根を流れる水を通じて年間約21kgの鉛が放出され、この鉛は人体に有害であるという声もあるので、この声が高まれば、工事の進行が阻まれることもありえないではありません。

 また、今回の再建工事は単に以前のものを再建するだけでなく、6つの現代的なステンドグラスに21世紀の印が刻まれるとし、新しい部分も加えられることが発表され、この6つの現代的なステンドグラス制作のために現代アーティストが発注に基づいて具象作品を発表できるコンペティションが開始されます。

 そして、隣接するシテ島のオテル・デューの敷地内には、ノートルダムの功績を集めた博物館ができることを発表。これは「歴史博物館であると同時に、美術館であり、パリのノートルダム大聖堂の恒久的な建設現場を説明する博物館でもある」と説明しています。

 現在も工事中のノートルダム大聖堂を囲むように、その工事段階を説明するようなパネルが展示され、そのパネルで囲まれているようなかたちになっていると同時に正面近くには、おそらくその美術館に将来展示されるであろう様々なノートルダムを解説するような模型などが飾られているスペースができていますが、おそらく、それらを一括して展示し、また、ノートルダム大聖堂にまつわる歴史的な飾りもの等が保存される模様です。

 現在の工事中でさえも、観光客の足が途絶えることのないパリ・ノートルダム大聖堂ですが、火災前までは、年間1,200万人が来場していたと言われているノートルダム大聖堂をこれまで以上の集客を望むことのできる場所に築き上げる計画であると思われます。

 しばらく、日本に行っていたために久しぶりにフランスのテレビを見て、これまた久しぶりに見たマクロン大統領は、すごく似合わない工事用のヘルメットをかぶって、この現場の視察を行っていました。

 あくまで私の主観ではありますが、日本のニュースでみかける日本の政治家と違って精悍な顔つきで、日本の政治家のようなふやけた印象は微塵もないことに、政治家のありようが顔つきにあらわれるものだな・・などと余計なことまで感じた久しぶりのフランスのニュースでした。


パリ ノートルダム大聖堂 2024年12月8日一般公開


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2023年12月8日金曜日

日本では、保冷剤がやたらと溜まる・・日本のエコ

  


 私は日本滞在中、とにかく食べ物に熱狂的になり、とりあえず日本の食べ物となると目の色が変わり、限られた滞在中にあれもこれもと食べてみたいものが後を絶たず、食べてみたいものには、手を出し、友人や親戚などと会っても、それぞれの近況とともに、すぐに食べ物の話になり、また、この間、これ食べたんだけど、すごく美味しかった!とかいう話にまつわり、それなら、ここの○○が美味しいという話を聞いたりすると、忙しいスケジュールの間にそれを探しまわったりします。

 また、出先で美味しそうなものを見つけると、やっぱり、それはそれで食べてみたくなり、やたらと食料品を買って帰ることになるのです。

 そうしているうちに、フランスでは、ほとんど見かけることのない「保冷剤」というものがどんどん溜まっていくことになり、帰る頃には、「保冷剤」が大量に蓄積されていました。

 さすがにスーパーマーケットなどではないのですが、それがデパートだったりすると、必ず保冷剤を入れてくれていて、レジ袋などは、有料になって、ずいぶん減ったな・・と思うのですが、この保冷剤は相変わらずで、なんだかな~?と、妙な気持ちにもなりました。

 たしかに日本の気候も関係あるのかな?とも思わないでもないのですが、今は外の気温も低く、それほど保冷剤が必須というわけでもありません。昔は、アイスクリームを買ったりすると、ドライアイスを入れてくれて、家に帰ってきてから、そのドライアイスを水に入れて、もくもくと煙があがるのをおもしろがったりしていたのを覚えていますが、今は保冷剤がとってかわったのでしょうか?

 しかし、保冷剤を入れてくれるような食品は、たいてい日本にいるうちに食べてしまうのですが、それでも冷蔵したままフランスに持って帰りたいものはあります。しかし、重量の関係から、保冷剤を使うことはなく、いくつかの冷凍した食品を保冷剤がわりにして、保冷袋に一緒に入れてくるので、保冷剤をフランスに持ち帰ることはありません。

 一方、日本ならではのものには、「乾燥剤」というものがあり、この乾燥剤は、もうすでに、袋の中に入っているので、否応なしにその食品と一緒にフランスに持ち帰ることになるのですが、これは意外とその後も便利に使えるので、大きめのものなどは、そのままとっておいて、固まりやすい塩や砂糖などに入れたりして、利用しています。

 やたらと乾燥剤を使っているだけあって、日本はやっぱりなんでも湿気ることが多く、そうそう、気をつけなくては湿気てしまう・・とハッとすることもあります。逆にフランスに来て、驚いたのは、おせんべいなどがなかなか湿気らないことでもありました。

 レジ袋に関しては、かなり減ったとも思うものの、やはり、デパートなどでは、「レジ袋はいりません」などと言うと、「では、無料の包装にしておきましょうね・・」などと言われてしまうのには、「へっ??」と思ってしまうのでした。

 心配りが行き届いている日本だからこそ、エコに向かうハードルがより高いのだろうか?とも思います。


保冷剤


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2023年12月7日木曜日

海外在住者の免税でのお買い物は思ったよりも全然、簡単だった!

  


 日本国籍を持ち、且つ、2年以上海外に在住している者は日本で免税でお買い物ができるという話はこれまでも聞いたことがありましたが、なんとなく、きっと面倒なんだろうな・・と思って、これまで一度も利用したことがありませんでした。

 しかし、今回は、パソコンを買おうと思っていたので、金額もなかなか張るものなので、この際、やってみようかな?と思って、ダメ元で免税でのお買い物に挑戦してみたので、今回はそのお話にしようと思います。

 まず、現在は、入国の際にパスポートチェックが自動ゲートになっており、入国スタンプなしに通過できるようになっていますが、この際、「入国スタンプが必用な方はこちら・・」となっているところに進み、そこで必ずスタンプをもらいます。

 そして、日本で最後に住民票を抜いた住所のあった区役所で、「戸籍の附票」をもらいます。この手数料は300円(2023年11月現在)でした。また、この「戸籍の附票」の代わりに出発前に大使館で「在留届」を申請し、それを使うこともできるようです。

 免税対象になるお買い物の際に、パスポートとこの「戸籍の附票」、あるいは「在留届」の提示が求められます。

 しかし、この後は、結構、簡単で、特に免税手続きをしてくれるお店でのお買い物なら、あとは、お店の方が手続きはしてくれます。

 私の場合は、お買い物の際にお店の方に「免税手続きお願いします」と言ったら、「では、こちらのカウンターで・・」と言われて、パスポートとこの「戸籍の附票」の原本を提出、その場で免税後の価格のみを支払いました。

 この時点でパスポートナンバーを通じて、税関にそのお買い物のデータが送られているそうなので、あとは、出国の際に空港でパスポートを税関で見せればよいと言われました。また、その際に一応、免税にした商品は手荷物にして、未使用、未開封ということになっていますという注意を受けたので、そのとおりに携帯しました。

 その免税手続きのチェックが空港のどの場所なのか?よくわからなかったのですが、それは、保安検査場の奥にある「税関」というスタンドで、「免税手続きをしたいのですが・・」と言ったら、「では、パスポートをこれに通してください」と言われて、「ピッ!」とやって、それで終了です。

 アトランダムでチェックがあるのかもしれませんが、私の場合、商品のチェックはありませんでした。

 今回は、このパソコンしか、免税でのお買い物をしませんでしたが、後になってから考えれば、今は外国人観光客のために免税をうたっているお店も多く、特に渋谷などのドラッグストアなどは、どこもこの免税手続きをやっていて、スゴいな・・と感心したのですが、そういえば、私も少なからず、私も日本の薬なども買っているので、免税にしてもらえばよかった・・と後になってから思いました。

 また、日本に行けば、必ず立ち寄る「ユニクロ」なども、免税をしてくれるので、これまた、バラバラ買わずに一か所で買って、免税にしてもらえばよかった・・とこれまた後悔。ユニクロはパリにもあるのですが、価格も違い、そのうえ、品揃えは日本には叶わないので、必ず行きますが、今回は免税してもらい損ねました。

 ユニクロは、店舗にもよるのかもしれませんが、「他の店舗(ユニクロ)で購入した商品に対してもまとめて免税にします」と書いてあったので、時間があれば、後になってから、持っていけば、免税にしてもらうことができたのですが、私の場合、時間がなくて、それもできませんでした。

 次回の一時帰国の際には、とりあえず、この免税でのお買い物にもっと、注意を払い、出かけるときは、パスポートと戸籍の附票を持ち歩き、免税できる場合は、してもらおう!と思います。

 海外在住2年以上の方々、これを、利用しない手はありませんよ!


海外在住者の免税手続き


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