2022年10月14日金曜日

EUがロシアの核兵器使用に対して警告「ロシアの核攻撃は、ロシア軍が全滅するほど強力な西側の軍事的対応に繋がる」

  


 最近のロシアのウクライナへの侵攻に関しては、ぼちぼちフランスでも、「プーチンは負けたのか?」という内容にシフトしつつあります。10月に入って以来のキエフへのミサイル空爆などに関しても、「この調子でミサイルを使い続ければ、ロシアの武器は枯渇し始める・・」とか、プーチンによる部分的動員でほぼ強制的に動員されている人々はほぼ素人で、何の訓練も受けずにすぐに白旗を揚げているとか・・もはやロシアに勝ち目はない・・という見方に変わっています。

 しかし、ロシア勢が劣勢になればなるほどプーチン大統領が核兵器を使用するリスクは上がっているということでもあるものの、ロシアが核兵器を使用する決断をすることは、そう簡単なことではなく、プーチン大統領の健康状態や精神状態などを併せながら語っています。

 先日もマクロン大統領が核兵器使用については、話題にし過ぎることは、信憑性がなくなることになるので、あまり多くを語らないと言っていたばかり。

 その翌日に、EUの外報部長は、ブルージュでの講演の中で、「ロシアによるウクライナへの核攻撃は、ロシア軍が全滅するほど強力な西側の軍事的対応につながる」と警告しています。

 彼は「プーチン大統領は、核の脅威に対してハッタリではないと言っています。そして、ウクライナを支援する国、EUとその加盟国、米国、NATOもハッタリではないことを理解する必要がある」と述べています。

 これではますます「ハッタリではない」と言い合う脅迫合戦ですが、言われるまでもなく、どんな種類の核兵器であろうと一度たりとも使用することがあれば、EUやNATO、アメリカなどのウクライナを支援している国々が軍事行動を起こし、紛争の性質を根本的に変えることになることは、ロシアもわかっているからこそ、さんざんの脅しをかけながらも踏み切れずにいるのです。

 「核兵器の使用は、たとえ小さなものであっても大変な結果をもたらすものであり、ロシアもそれを承知している」としながらも、「NATOが核兵器を使用しなければならないような状況は極めて稀である」とNATO事務総長は述べていいます。

 NATOが核兵器を使用するには、NATOの同盟国に対する攻撃が行われた場合で、ウクライナに関する限り、当事者ではない。NATOの核抑止力は、同盟国への攻撃を抑止するためのものだ」と述べ、NATOによる核兵器の使用を暗に否定しています。

 EU、NATOなどの国々は核兵器を保ちつつも核兵器を使うことなくロシア軍を全滅させるほどの軍事対応をするということになります。

 また、 米国防長官は、「彼らは非常に危険で無責任だ」と警告し、「ロシアが核態勢を変えたという兆候は今のところないが、我々は365日24時間監視している」と述べています。

 核兵器の使用をチラつかせながらハッタリではないと脅し続ける一方で、占領した地域をどんどん奪還され始め、軍事的に劣勢になってきているロシアは、軍事力ではなく、わけのわからない選挙という茶番劇で無理矢理、領土を併合しようとしたり、そんなことあり得ないでしょ!という非常に子供じみた方法を取ったり、やはりどう考えても勝ち目はありません。

 ロシアが攻撃すればするほど、ウクライナは諦めるどころか、さらに強力に対抗し、EUやNATO、アメリカ、G7などの国々との連帯を強め、「北風と太陽」の話を彷彿とさせます。

 しかし、そもそもあり得ない形で始まった、このロシアのウクライナ侵攻は何をしでかすかわからないロシアの現在の状態で、そのうえ最初の数週間で占領できなかった時点で、もはやロシアには勝ち目がないにもかかわらず、多くの自国民でさえも犠牲にしながら侵攻を続ける建設的な意味はまるでなく、たとえ自国が滅びようとも、このやぶれかぶれに何をするかわからないロシアがハッタリではなく、本当に脅迫どおり、パリ、ロンドン、ベルリンを攻撃するようなことだって、ありえないとは言えないのです。


ロシア核兵器使用の場合はロシア軍全滅 EU警告



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2022年10月13日木曜日

マクロン大統領1時間のインタビュー生番組 圧倒的な話すチカラ

  


 フランスでは、そんなに珍しいことでもありませんが、先日、マクロン大統領が夜のニュース番組の中で、1時間近くにわたり独占インタビューに答えて語る番組が生放送されました。

 様々な国際問題について、ロシアのウクライナ侵攻について、フランスのウクライナへの武器供与、ロシア・プーチン大統領との交渉について、核兵器について、エネルギー危機について、ガソリン不足問題、原子力発電について、ベラルーシ、イランやアルメニアの問題について、などなど、これでもかというくらい喋りまくりました。

 ジャーナリストのキャロライン・ルーとの1対1の対話、途中ウクライナからのジャーナリストの質問などを挟みながらの生番組で、おおよそのテーマは決められていたであろうし、その一つ一つに対する話の内容については、用意はしていたとは思いますが、どちらもかなりのテンションで話が進んでいく中、おそらくかなり自分の中で練り込まれているであろう内容を自分の言葉で巧みに語っていく様子には、毎度のことながら、お見事と感心させられます。

 ロシアのウクライナ侵攻については、フランスが戦争をしているわけではなく、ウクライナを守るために武器供与を行なっているのであり、ロシアは2月24日、ロシアはウクライナに対する戦争の開始を選択しましたが、今月に入ってからのロシアによるウクライナへの一般市民を巻き込んだ空爆による攻撃はさらなる段階に突入したと見ており、このことから、さらに6台のシーザー砲を追加供与することを決定しました。

 今月に入って以来激化しているロシアによるウクライナへの攻撃について、マクロン大統領は、たとえロシアがこれを戦争ではなく「特別軍事作戦」と言ったとしても、国際的な武力紛争であるため、戦争の規則が適用され、民間人に対する攻撃は、国際法上、戦争犯罪とみなされると明言しています。

 数週間前にプーチン大統領と話したという彼は、必要ならばいつでも話をする用意があるが、いずれ話し合いのテーブルにつかなければならないのは、ロシアとウクライナであることも強調しています。

 また、国内の問題については、これまで欧州はロシアのガスに依存しすぎており、以前は購入するガスの約40%がロシアからでしたが、現在は7.5%。「ロシアはガスを戦争の道具に変えてしまった」と語り、フランスの原子力発電所については、「56基のうち30基が稼働している状態。あと数週間で、40基が稼働され、1月には45基にするのが目標であり、この目標は達成される見込みであることを発表しました。

 ロシアの核兵器の使用については、非常に警戒が必要であるとしつつも、核兵器への脅しに煽られて話題に上げすぎてはいけない、あまり多くを語らない方が信頼性が高まると述べ、フランスも核兵器保有国であるということだけを語りました。

 そして、現在フランスで起こっているガソリン不足問題については、これは戦争によるものではなく、製油所のCGTの社会的な問題であり、首相が決定した製油所労働者を徴用する(最低限社会生活に必要なガソリン供給のために働くことを強制し、従わない場合は懲役6ヶ月、罰金1万ユーロという罰則つき)ことについて、夜中にガソリンを探すために行列している人々のことを思うと、頭が下がる思いであり、これ以上、国を封鎖したままにしておくわけにはいかない、フランスの燃料価格が他のヨーロッパ諸国と比べて圧倒的に上昇していないのは、国が差額を支払っているからで、誰もが自分の立場をわきまえ、すべての責任を負わなければならないと述べました。

 おそらく、この場に臨む以前に何度も話し合いが続けられてきた内容ゆえ、台本なしになめらかに力強く語り続けることができるのでしょうが、この他にベラルーシ、イラン、アルメニア問題なども語りつつ、最後にインタビュアーが締めの言葉に入ろうとしたのを遮って、最後にもう一つ言わせて欲しい!と彼自身の納得のいく言葉で「たしかに難しい局面ではあるが、わたしたちにはチカラがある。必ず乗り越えられる」と締めくくりました。

 マクロン大統領は弁が立つことで有名で、時にはそれが嫌われる原因ともなるのですが、なんといっても、その言葉は力強さには、もしかしたら騙されているかも?と思いつつも納得させられてしまうようなところがあり、何よりも、なに一つ国民に対して満足に説明できない日本の首相の様子を見ている限り、国のリーダーとして、羨ましい気持ちを拭いきれないのでありました。


マクロン大統領インタビュー生番組


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2022年10月12日水曜日

必須アイテムになったガソリンスタンド検索アプリ pénurie mon essence

   

ガソリンスタンドを探すためのマップ


 ほどほどなところで解決すると思われていたフランスのガソリン不足問題。

 そもそもガソリンの供給も危うい状態に製油所のストライキが重なって、日々、問題は拡大し、深刻化している上に、危機感を煽られる人が続出。中には、ポリタンクを抱えて過剰にガソリンのストックを始める人までいたり、どこのガソリンスタンドでも、長蛇の列・・と思っていたら、もう列ができる以前にガソリンスタンドのタンクも空になって補給されなくなり、今やガソリンのあるガソリンスタンドを探すことが難しくなり、ガソリンスタンド検索アプリなるものが必須アイテムになっています。

 9月の時点で、すでに政府が軽油やガソリンを置いているガソリンスタンドをリストアップし、燃料の種類、ブランドの種類、部署や町単位での検索が可能なサイトを提供し、定期的に更新しています。フランス政府のガソリンスタンド検索サイト

 また、ユーザーによって開発された« pénurie mon essence »(ペニュリー・モン・エッセンス)のサイトは政府のサイトよりもさらに便利で、利用可能なガソリンスタンドを一覧できるマップを搭載しています。何よりも政府のサイトよりも優れている点は、その情報が常にリアルタイムで更新されている点です。« pénurie mon essence »

 こちらの方は、探したい場所の市町村の郵便番号を入れるとその地域から近くの利用可能なガソリンスタンドが出てきます。《Essence & CO》

 通勤に車が必須な人や運転の仕事をしている人(タクシーや運送会社など)には切羽詰まった状況で、ついには、「警察、消防、救急などの車両用が最優先」などという話までし始めたのには、ますます危機感が煽られる感じがしますが、煽られるというよりも実際にガソリンを探すのが困難な状況に陥ってしまっているということなのでしょう。

 価格の高騰だけでなく、あたりまえのように使っていたものの供給が止まる・・普段、ガソリンに有り難みなど感じませんが、考えてみれば、ガソリンがないと、あらゆることがストップしてしまうことを今更のように思い知らされるのです。

 ガソリンスタンド、または、すでにガソリンの入った車からのガソリンの盗難事件なども起こり始めているようです。

 何にせよ、パニックが起こった時には、似通ったことが起こるのでしょうが、パンデミックの当初にマスクが足りなくて、輸入されたマスクが病院に優先的に運ばれるそばから、盗難事件が起こり、最後には、マスクが国内に到着すると、大変な護衛隊に先導されて運ばれていたことを思い出しますし、コロナウィルス対応に政府が最初に作っていたサイトよりも、結果的に、大いに活躍したのは、政府とは無関係の24歳の青年が作ったサイト「コビット・トラッカー」(ワクチン接種の空き状況が確認・予約できるサイト)だったりしたことも、なにかと共通点を感じます。

 後にこの「コビット・トラッカー」は政府のサイトと連携するようになりましたが、より便利なツールを自分自身で自由自在に築いていくZ世代の力強い活躍を感じました。

 このガソリンスタンド検索アプリによって、無駄にガソリンを探し回る必要はなくなりましたが、供給量が絶対的に不足していることを解決できているわけではなく、このガソリンの大元の供給に加えて、ストライキによる供給量の低下には、一部の政治家までがストライキを動員したりしているのには、閉口してしまいます。

 今は国内で争っている場合ではないと思うのですが、やはりアプリだけでは解決できない問題で、どうにか、これ以上の混乱が起こらないためにも、おおもとの問題が解決してくれることを願っています。


ガソリンスタンド検索アプリ


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2022年10月11日火曜日

コロナウィルス第8波 公共交通機関(閉鎖空間)でのマスク義務化検討中

     


 フランスでは、今年の5月半ばに公共交通機関内でのマスク着用義務化が撤廃されて以来、夏の間は、ほとんどマスクをしている人がいなくなっていました。それでも、マスクをしている人が決してゼロにならなかったのも事実で、これまでマスクを忌み嫌っていたフランス人、よほど痛い目にあったか、恐怖が植え付けられた人なのか・・と思っていました。

 3月の段階で、屋内でのマスク義務化が撤廃されて、最後まで残っていたのが公共交通機関でのマスク着用義務でした。

 そして、7月末で、2020年3月から施行されていた保健衛生上の緊急事態の期間が終了し、それとともにコロナウィルス感染対策のためにとられたすべての例外措置が終了したので、現在は、これまで行われてきたロックダウンや行動制限措置等が必要になれば、政府は国会と一つ一つ交渉して、対策を講じなければならない状態になっています。

 秋の訪れとともに、第8波を迎えているフランスは、1日の新規感染者数は着実に増加し、先週の1日の新規感染者数の平均は56,000人程度、入院患者数は16,000人を超えています。

 個人的には、想像していたよりは、増加の速度は遅いような気がしますが、確実に波の高さが上昇中であることに違いはありません。

 この状況を受けて、科学技術評議会は公共交通機関(閉鎖空間)でのマスク義務化再開を検討中であることを明らかにしています。

 しかし、大多数の人がマスクをしていないとはいえ、最近では、メトロの中などでのマスクをしている人は、少し増えた感じがあり(といっても車内1両中に5〜8人程度)、なんといっても、マスク義務化が撤廃された当初のようにマスクをしている人に対して怪訝な顔をしたり、いちゃもんをつけたりする人がいなくなり、必要だと思う人はマスクをつけ、必要がないと考える人はしないというバランスの良さというか、それぞれの棲み分けが健全にできている感じで悪くないな・・と思っています。

 私自身は、現在は、屋外ではマスクはしていませんが、公共交通機関の中ではマスクをするように、マスクはいつも持ち歩いています。

 一時は、「マスクをいつまでもしてるなよ!」的な人がいて、嫌な思いをしたこともあるのですが、今はマスクをしている人もしていない人もそれぞれに尊重している感じです。

 3月末に屋内でマスク義務化が撤廃された時に、スーパーマーケット内(パリ)で「いつまでマスクしてるんだ!」と他人に絡んでいるおじさんがいて、ゾッとしたり、4月に日本に行った時に、外を歩いていた時に、誰もいない屋外の空間だったので、マスクを外したら、どこからか人がひょっこり出てきて、すっごい怖い顔で睨まれたりして、「うわっ日本人怖い!」と思ったりしたことがありましたが、現在のフランスのマスク事情に関しては、そのようなどちらに対しても、同調圧力というものがなくなり、ちょうどいいというか、バランスがとれて健全になった気がしています。

 今後は、急激に感染状況が悪化することがあれば、再び義務化も致し方ないとも思うのですが、今の必要だと思う人はマスクをつけ、マスクをしている人に対しても嫌な顔をしないという状況がちょうどよいのでは?と思っています。

 現在は、インフレやエネルギー危機、節電など、他方面からの生活の締め付けられる場面も多く、抑圧されることに溢れているので、マスク義務化はこれまで以上に慎重になっていると思われます。

 でも、今のところ、フランスのマスク事情、いい感じです。

 

コロナウィルス第8波 公共交通機関マスク義務化


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2022年10月10日月曜日

チップについて、一番ケチなのはフランス人

   


 テレビのニュース番組で、「チップについて、一番ケチなのは、フランス人という研究結果が出ています」という話を紹介していて、堂々、一番のケチはフランス人!、2位がイギリス、3位がイタリアなのだそうです。

 「フランス人はケチだもんな・・」と思いつつ、それとほぼ同時に「えっ??チップ??」と私は、ハッとさせられていました。

 正直なところ、恥ずかしながら、私はいつからだったか、記憶もないほどにチップというものをすっかり忘れていて、ここのところ、レストランなどに食事に行っても、チップというものを払った記憶がなく、チップというものの存在すら全く忘れていたからです。

 そもそも、私はそんなに外食をする方ではないのですが、それにしても、全く忘れていたというのも、自分でも、ちょっとビックリするぐらいです。

 たしかに、以前は、食事をしたりして、いくらかはチップを置いていた記憶はあり、サービスによって、その金額を調整したりしていた記憶もあるのですが、どうして、いつの間にか、このチップをきれいさっぱり忘れていたのかというのも、あまりにその忘却ぶりが完璧すぎて、ちょっと自分でも唖然とするくらいです。

 別に、「チップなんて、払うものか!」と思っていたわけでもなく、チップというものの存在自体を忘れていたのです。

 言い訳じみたことを言わせてもらえば、パンデミックの間、かなり長い間(たしか半年以上)、レストランというものは、営業停止で外食そのものが不可能であったこと・・もう一つは現金というものをほとんど使わなくなったことで、以前は現金で支払うと、お釣りがわざとチップ用と思われる感じで細かい小銭で返ってきたりして、そのうちいくらかを置いてくる・・という感じだったと思うのですが、カードで支払うよういなって、お釣りというものもないため、支払いはカードのレシートが返ってくる時点で終了した感があるのです。

 そして、もう一つは、周囲も多分同じなのでしょうが、チップを置いている人を見かけないために、忘れがちなチップというものを思い出させてくれる場面に遭遇しないこともあるかもしれません。もともとチップという習慣のなか日本で生まれ育ってきた私にとって、うっかりチップを忘れてしまうのは、そんなに難しいことでもありません。

 そもそも、フランスでチップという文化は消えつつある感じでもあり、チップを払うのは10人のうち2人と言われています。それでもチップは支払い額の3%程度というのがおおよその相場とされているそうです。

 最初に海外旅行をし始めた頃は、海外にはチップという習慣があるから、礼儀として、レストラン、ホテル、タクシー、美容院などでは、価格の○%はチップを置いてくるものだ・・と言われたりして、やけに慎重にチップを用意したりしていたこともあったのですが、時代も変わり、私も変わりました。

 そもそも、現金や小銭というものをほとんど持ち歩かなくなった今、チップのために小銭を持ち歩いてまで、チップを支払うべきか?というのも、考えてしまうところでもあります。

 今でもレストランの支払いのレジの近くには、チップを入れる箱が置かれていることも多いのですが、そもそもレジにさえ行かずにテーブルで支払いを済ませてしまうことの方が多い気がするので、それさえも見かけません。

 フランスでは、チップというものは、そもそも任意のシステムで、義務ではありません。マスクと同じで義務化されなければ、やらないという国民性。フランスからチップというシステムは、消えていきつつある習慣なのかもしれません。


フランス人のチップ チップの習慣


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2022年10月9日日曜日

ランチタイムの中華料理屋さんでの風景 Impérial Choisy

   

フランス人の定番中華メニュー ナム(春巻き)とカナールラッケとチャーハン


 我が家の食卓は、かなり和食というか、日本の食卓に近い料理をすることが多いため、そのための食材の確保のためには、普通のフランスのスーパーマーケットでは、手に入らないものがあって、たまに調味料系や野菜などの買い物に13区のチャイナタウンにあるタンフレール(アジア系スーパーマーケット)に出かけます。

 日本食料品店は、オペラ界隈に何軒かあるのですが、こちらよりも広範囲の商品があり、値段も多少安いので、13区に行くことの方が多いのです。

 13区のタンフレールに行った時には、それがお昼時に重なれば、必ず行く中華料理のレストランがあります。もうかれこれ、10年以上は通っているお店で、いつ行っても活気があり、ちょっと時間を間違えると行列するハメになるほどの人気店です。

 このお店をどうやってみつけたのか?今となってはどんなキッカケで行き始めたのか?記憶もないくらいなのですが、中国人のお客さんも多く、常連さんが多いのにもその人気が伺えます。値段も良心的なわりには、クォリティもたしかで、フランス人のお客さんも少なくないのには、「知っている人は知っているんだな・・」と感心させられます。

 以前に比べると、いつのまにか、お店も格段にきれいになって、今では店舗を地下のスペースにまで拡張しています。

 先日、ちょうど、買い物に行った際に久しぶりに食事に寄って、変わらない安定したお料理を楽しんできました。

 ちょうどお昼時で、仕事の同僚らしき男性客の集まりが多く、世の男性のランチはこんな感じなのか?とちょっと興味深く、観察していました。

 隣に座った二人組の男性、先輩の方は、ちょっと馴れた風を装っていて、何ページもあるメニューを見ながら、後輩くんに、オーダーするの手伝おうか?などと言っていて、しかし、実のところは、そんなに詳しくもなく、オーダーを始めるのを聞いていると、実は後輩くんの方が詳しい感じ・・。こういう人っているよな・・ちょっとカッコ悪・・と思いながら、様子を伺っていました。

 また、少し離れたところにいる4〜5人の、やはり会社の同僚と思われるグループの男性たちは、揃いも揃って、皆がカナールラッケ(Canard laqué )(うっすら甘い五香粉の香りのするソースをつけながらじっくり焼かれた鴨)・・おとなしそうだけど、やたらにハンサムな若い男の子も大人しく先輩方に従っています。

 友人同士ではない、この微妙な距離感の取り方に、平日のランチタイムの独特な雰囲気を感じます。私自身は、仕事中には、食事の時間も同僚と外に食事に出るような時間を取れなかったので、こんな雰囲気も妙に新鮮な感じがします。

 せっかく大勢で来ているのだから、中華料理なんだし、違うものを頼んで、分け合って、色々なものを楽しめばいいものをと思うのに、同じカナールラッケがそれぞれの前に並びます。フランス人は、レストランで皆で分け合って食べることをあまりしないのです。

 実際、中華料理のお店でフランス人の8割型の人はカナールラッケを食べるのではないか?と思うほど、フランスでは人気のカナールラッケです。

 そして、また、反対側に座っている私と同年代の女性とその娘の二人組。なんとなく、そのお嬢さんも娘と同じ年頃で、なんとなく微笑ましく様子を眺めていると、これまたフランス人の中華料理店での三種の神器?とも思われるオーダー。

 カナールラッケとチャーハン(Riz Cantonais / リ・カントネ)と春巻き(といってもナムという米粉の皮を使った小ぶりの春巻き)、これに、このお店の人気メニューの一つでもあるエビワンタンスープ。

 彼女たちのテーブルに並んだメニューを見て、これは、なんとフランス人の中華料理オーダーのお手本?のようなチョイス!と目を丸くしていると、ひたすら食べるお母さんに比べて、軽く春巻きをつまむ程度の娘。「なによ!あなた、あんまり食べないわね〜」と言いながら、ひたすら食べるママ。

 娘の方は、「食べているわよ〜」と言いながらもどこか冷めた感じで、結局、残ったお料理をママがテイクアウト。

 いつだったか、このお店に娘と二人で行って、二人ですごい勢いで食べて、お店の人に「二人とも、よく食べるね〜〜」とビックリされたことを思い出しました。

 実は、このお店、最近、知ったのですが、ミシュランのビブグルマンにも載っている有名店。厳しそうな女性が仕切っていて、店員さんもキビキビしていて、いつ行っても間違いのないお店です。

 そんな有名店とは知らずにいつの間にかもう10年以上も通っていた私のアンテナは、なかなか悪くない・・と妙な満足感を感じています。

 以前、このお店に行った時、メニューを見ていて、私が日本人だとわかったら、「麻婆豆腐は?」と言われたことがあって、フランス人なら、「カナールラッケ」で、日本人だと「麻婆豆腐」というイメージがあるのかな?とちょっとこそばゆい気がしました。


⭐️Impérial Choisy 32 Av. de Choisy 75013


パリ中華料理 ミシュラン ビブグルマン


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2022年10月8日土曜日

エネルギー危機が疑問を投げかけるクリスマスのイルミネーションの是非

  


 今年も10月に入り、フランス人にとっての一大イベントのノエルの季節がもうすぐそこに見えてくる時期に入りました。なんでも時間がかかって物事がすんなりと進まないことが多いフランスでも、毎年、ノエルの準備だけは早く、だいたいトゥーサン(ハロウィン)が終わったかと思うと、街中はさっそく、ノエルのイルミネーションの準備が始まります。

 ところが、今年のクリスマスのイルミネーションは、エネルギー危機、電気代の異常な高騰により、各自治体は、この年末年始のノエルのイルミネーションの是非を問われ、この一大イベントのノエルのイルミネーションを削減する方向で検討を始めているようです。

 パンデミックの間も(今も終わったわけではないけど・・)、2020年などは特に、自粛ムードでこのイルミネーションを削減したり、廃止したりした場所もありましたが、昨年末には、ほぼ通常どおりのイルミネーションに戻り、私もシャンゼリゼのイルミネーションを見に行き、「去年はイルミネーションはあったものの、ほとんどのお店が閉店で寂しかったな・・元に戻って嬉しいな・・」と思いながら、シャンゼリゼのイルミネーションを見てきました。

 シャンゼリゼについては、現在のところは、まだ発表されていませんが、地方の各自治体は、すでに大幅に値上げされた電気代を考慮し、イルミネーションを大幅に削減する発表をしています。

 イルミネーション自体を減らすだけでなく、LEDを使用したり、時間帯を短くしたり、イルミネーションの点灯期間を4週間半から3週間に短縮する自治体もあります。

 例えば、ボルドーでは、「昨年と同じイルミネーションを維持しつつ、昨年は、11月26日から始まったイルミネーションは、12月9日からになり、点灯期間を短縮する(2週間短縮)」予定を発表しています。また、時間帯についても午前1時から7時までは装飾を消す予定です。

 国をあげて、マクロン大統領自らタートルネックを着て、省エネ・節電を呼びかけているこのご時世、暖房も控えよ!と暖も満足に取れない中、クリスマスのイルミネーションが例年どおりのままに据え置かれるわけはありません。

 すでにエッフェル塔のライトアップの時間は短縮されていますが、シャンゼリゼのイルミネーションもさしずめ、期間が短縮されるぐらいのことは、されてしかるべきだと思います。

 別に、クリスマスなのですから、せいぜい、12月に入ってからで十分ではないか?と思うのですが、例年の恒例の予定を変更するには、必ず揉めるのは、どこの国でも同じです。

 パリ近郊でも、ちょっと郊外の方に行ったりすると、クリスマス前になると、家全体を電球で飾り立てたりしている家を目にすることもありますが、これだけ電気代が高騰すると、このような家もずいぶん減るのではないかと思います。

 クリスマスのイルミネーションは、華やかで、心が踊るものではありますが、「暖房を控え、節電を心がけて、10%の電力消費を削減すれば、停電は避けられる」などと言われる中、正直なところ、停電のリスクを侵してまでやってくれなくてもいいと日本人の私は思ってしまうのですが、このイルミネーション、フランス人の一年間の購買力のかなりの部分が高まる時期、フランス人を消費の道へと導き、購買意欲を煽る働きもしているために、迂闊に廃止・・というわけにもいかないのが正直なところなのかもしれません。


クリスマス ノエル イルミネーション削減


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