1日の新規感染者数が20万人を超えても、結局は、大晦日の年越しの夜もロックダウンや夜間外出制限は行われないまま迎えることになります。
しかし、その代わりに細かい禁止事項は、いくつかあり、当日は、10万人の警察官が動員されるそうです。1日20万人の感染者と、取り締まりのための10万人の警察官。どちらも数十万単位でダイナミックなことです。
今年は、すでにパリ、イル・ド・フランス(パリ近郊の地域)では、屋外でもマスク着用が義務化されているほか、公道でのダンス、飲酒、パーティーが禁止されており、レストラン・カフェ・バーなども1月1日午前2時には閉店が義務付けられています。
Dispositifs mis en place par la @prefpolice à l'occasion des festivités du nouvel an :
— Préfecture de Police (@prefpolice) December 29, 2021
🚫 Rassemblements donnant lieu à la consommation d'alcool sur la voie publique
1/2 pic.twitter.com/HsjEtlngHo
すでに、ディスコ、ナイトクラブなどの場所は閉鎖されているので、その他の施設でもダンスは禁止、つまり着席のみということ、ダンス・飲酒は、公道でも禁止。せめて、おとなしく座っていなさいということです。
また、パリ市内のなにかと人の集まるいくつかの地域では、31日午後6時から土曜日の午前6時まで、アルコールの販売と消費が禁止されています。
コントルスカルプ広場、アンヴァリッド広場、サン・マルタン運河、セーヌ川の右岸と左岸、ポン・デ・ザールとポン・ド・サリーの間、シテ島の岸辺、サンルイ島の岸辺」が対象となります。いずれも、パンデミック発生以来、度々、人が集まり、問題になったところばかりです。
とはいえ、昨年の大晦日は、午後8時以降の外出は禁止、また、全てのレストランやカフェなどの飲食店は、閉鎖されていましたので、昨年に比べれば、格段に規制は緩くなっているのです。
昨年でさえも、ずいぶん、甘々だな・・と思った記憶がありますが、今年は、さらに甘々です。状況が許せば、もちろん、シャンゼリゼ(凱旋門)の花火なども毎年、楽しみにしていた私ですが、今年は状況が悪すぎます。
オミクロン株は重症化しにくいということで、いくら感染者がいても、それほど深刻になっていない感じがフランスにはありますが、実のところは、昨年の12月31日の1日の感染者は1万9千人程度、今年は、その10倍以上で、集中治療室の患者数も、昨年はこの段階で、2600人程度であったものが、今年は、3469人にまで上昇しています。
感染者が10倍以上になっているのに、重症患者が10倍にはなっていないところはせめてもの救いですが、感染症の専門家によれば、この感染拡大の波は、少なくとも2〜3週間は続くと説明しています。
フランス全国の10万人あたりの感染率は1049.5にまで上昇(100人に1人以上は感染)、パリに至ってはその倍の2000以上にまで達しています(50人に1人以上は感染)。
フランスではすでに、オミクロン株の割合がデルタ株を上回ったそうなので、少なくとも毎日、10万人以上のオミクロン株による感染者がいるということです。
何よりも1日20万人という感染者がいても、まるで危機感がないのが何よりも信じられないことで、この「ワクチンをしているから大丈夫」「若いから大丈夫」に加えて、「オミクロンは重症化しない伝説」も、さすがにこれだけの感染者が増えれば、確実に重症化し、死亡する人も増加していっていることに、あまりにも鈍感で、この期に及んで、まだ屋外でのマスク義務化を受け入れられないなどと言っている人がいることが信じられません。
マスクに関しては、よく「あなたは、日本人だからいいでしょうけど・・」などと言われますが、正直、自慢ではありませんが、私は、日本でマスクをしたことなど一度もなかったし、マスクをする習慣などありませんでした。
日本に住む日本人とて、皆が皆、パンデミック前も日常的にマスクをしていたわけではないと思うのです。しかし、こういう事態になれば、日本では、義務化されているわけではなくても、マスクをしていない人などいないと思います。
マスクをしているだけで、少しでも感染が防げれば、良いではないか?と思うのですが、そんなことだけでも、抵抗する人がいるのです。
数々の規制があっても、そんな規制を潜り抜けるのは、どうとでもできることです。
意識の低さがこの感染者1日20万人を生んでいると思うと、ギチギチの罰金付きの規制以外にこれを乗り切る術はありません。
さらなる規制は、どういうわけか、1月3日からで、週3日のリモートワークの義務化にも早くも、「無理だ!効率が悪い!(日頃からそんなに効率よく働いてもいない)」と従わなさそうな気配が見えていたら、リモートワークに消極的な企業は、従業員一人当たりにつき、最高1,000ユーロの罰金」だとか・・。
もはや日本と比較にはなりませんが、フランスにいて、今年も、どうにも不安な年の瀬を迎えております。
2021年フランス大晦日 年越し カウントダウン
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