2021年9月7日の数値によると、パリの成人の予防接種率は98%で、フランス全体でトップのワクチン接種率に達しています。
これに未成年者を含めることにより、84.6%にまで低下しますが、それでも全国平均を上回る数字です。 12〜17歳の53.8%は、すでに2回のワクチン接種を受けていますが、残りのこの年齢層に関しては、新年度の開始以来、特定のプロトコルに従って学校で予防接種を受けることができることになっているので、これもじきに上昇すると思われます。
この数字はフランス公衆衛生機関により記録されたワクチン接種者の数を住民の数で割ることにより算出されている数字です。
正直、パリでここまでワクチン接種率が上昇していたということは、毎週のように反対デモがパリ市内でも起こっていることを考えると、少し意外な感じもしますが、パリは、人が多いとはいえ、小さい街で、デモが起こってはいるものの、首都ということで、注目されることから、他県からやってくる人がデモをする場所に選んでいるのであって、必ずしもパリで起こっているデモはパリ市民によるデモではないということかもしれません。
この数字から見れば、たとえパリ市民がデモに参加していても、彼らは既にワクチン接種済みで、ワクチン接種に反対しているというよりは、ヘルスパスの制度に反対しているか、政府のやり方に反対していると思われます。
とはいえ、ここまでこの数字(ワクチン接種率)が上昇したのは、PCR検査を提示しないワクチン未接種の人々が多くの場所にアクセスすることを禁止するヘルスパスの実施以来のことで、やはり、ヘルスパスの起用がワクチン接種率の上昇に大きく寄与したことは、もはや疑う余地がありません。
また、パリが全国トップとなったのは、パリは最もヘルスパスがない場合に日常生活が送りづらい場所であるのかもしれません。
先日、平日昼間に、パリ市内のPCR検査場を見て歩いた時に、未だ市内のあちこちにテントを張った仮設PCR検査場があるものの、想像以上に暇そうだったのは、やはり、パリ市内のワクチン接種率がここまで上昇していたことによるものだったのです。
なので、週末で多くの人がパリに遊びにくるタイミングならば、少し様子は違ったのかもしれません。
政府の統計によると、180万人のパリジャンがワクチン接種を済ませていますが、それは、パリ市民の話で、パリは東京と同じで、他府県から、また、海外からの観光客(今はまだ少ないとはいえ、他の地域よりも多い)も多い場所でもあり、パリ市民のワクチン接種率が上がったとはいえ、それ以外の人の流通も多い場所でもあるのです。
このワクチン接種率を反映するように、パリの病院では、デルタ変異種による影響が比較的、低く抑えられていたと言われています。
また、パリに続き、セーヌマリティム、マンシュ、オルヌ、カルヴァドス、シャラントマリティム、コートダモールでは、成人のワクチン接種率が90%以上にまで上昇し、パリに続いています。
フランスの全国統計によれば、成人のワクチン接種率は82.1%。どうやら、ワクチン接種率も地域により、かなりバラつきが多いようでもあります。
とはいえ、パリのこの驚異的な数字は、ちょっと、ホッとするところでもあるのです。
パリの成人ワクチン接種率98%
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