2021年3月9日火曜日

フランスの労働者保護の悪循環

    私は、長いこと、フランスで働いてきましたが、その間、良い意味でも悪い意味でも、日本にいたら、決して出会うことはなかったであろう人にずいぶん会ってきました。 厳しい職場で、会社に言いたいこともたくさんありましたし、結構、言ってもきましたが、フランスで会社を良くしていくのは、大変なことで、特にできるスタッフの確保は大変なこと、話し合いをしても、結局、経営者に同情してしまう面も少なくありませんでした。 というのも、フランスでは、法律で労働者が手厚く守られていて、一度、採用したら最後、社内で働かない人を解雇するのは、容易なことではないからです。 雇用形態にもよるのですが、CDD(Contrat...

2021年3月8日月曜日

海外在住者の本人確認はパスポートではできない不思議

 私が日本に一時帰国するのは、家族や親戚、友人に会うためだったり、大量の日本食材の調達だったり、銀行などの用事だったり、その時々で色々あるのですが、その一つに、運転免許証の更新手続きがあります。 もはや、たまに日本に行った時もほとんど日本で運転することはないのですが、私がどうしても日本の運転免許証を更新し続けなければならないのは、日本に行った時の身分証明書代わりに運転免許証が必要だからです。 おかしなことに日本では、日本のパスポートを持っているのに、「パスポートでは本人確認ができません」と言われることが多いのです。 パスポートを作る時には、戸籍謄本やそれなりの書類が必要で、その上で発行されているものでありながら、本人確認がその書類でできないというのは、どうにも意味がわかりません。 身分証明するものは、「保険証」か、「運転免許証」あるいは、「マイナンバーカード」なのだそうです。 長期間、日本にいない場合は、住民票を抜いているため、普通「保険証」はありませんし、「マイナンバーカード」を持っている人もあまりいないのが現実です。 私自身も、「保険証」も「マイナンバーカード」も持っていないので、必然的に「運転免許証」が必要になるのです。 パスポートではダメだと言われることはわかっているので、そこで無駄な押し問答をするのも嫌なので、「運転免許証」を更新し続け、身分証明書代わりに使っているのです。 しかも、運転免許更新の期日間近のタイミングに必ずしも帰国できるとも限らないので、更新する必要のある年に帰る時には、期日前、半年くらい期限が残っていても、早めに更新してしまうので、その分は無駄にしてしまいます。だから、積算すれば、日本に住んでいる人よりも私は、多く免許証の更新をしていることになります。 パスポートは、大使館でも更新できますが、運転免許証は更新できないので、えらく高くつく更新になりますが、仕方ありません。 今は、簡単に日本に行くこともできず、免許証を更新できずにいる海外在住者もきっといるのではないかと思います。一度、失効すると手続きも面倒になってしまいます。 しかし、私など日本で運転免許証を取っていたからまだ良いようなもので、免許証を持っていない人はどうしているのだろうか?と思います。一時的にでも、住民票を戻して保険証をもらうか? マイナンバーを登録してカードをもらうかしかありません。 戸籍謄本まで提出して作られていて、おまけに写真までついていて、そもそも本人確認をするために存在するはずのパスポートです。しかも、日本のパスポートは世界一のパスポートなどと言われているのです。しかし、そのパスポートでは、日本国内では、本人確認ができないのですから、日本というのは不可思議な国です。 フランスでは、全国民、また私のような外国人でさえも、IDカード(Carte...

2021年3月7日日曜日

フランスで生活していく術 トラブル満載の日常を生き抜くために・・

   ひとくちに文化の違いと言ってしまえば、それまでですが、フランスで生活していくには、忍耐と粘り強さと押しの強さが必要です。旅行ならばともかく、生活していくとなれば、生活に関わる色々なトラブルに遭遇します。 生活していくために必要最低限のビザので続きや、銀行、保険、税金等の手続きから、ネット、電気・ガス料金、家賃、交通機関、日常の買い物や配送など生活のあらゆる場面において、あらゆる場面で、トラブルがつきまといます。 この上、フランスで仕事をしていくとなれば、さらなるトラブルは、計り知れません。 これまで、私が20年以上フランスで生活してきた中で、とりあえず、漏れなく、ひととおりの...

2021年3月6日土曜日

フランスの深刻な医療従事者へのワクチン接種の遅れ

    「ロックダウン回避のためにできるあらゆることをする」「ロックダウンは、あくまでも最終手段」という姿勢を取り続けているフランス政府は、取り締まりを強化したり、人気ユーチューバーにソーシャルディスタンスを呼びかける動画作成を依頼したり、様々な試みをしていますが、これ以上の感染拡大を止めるためには、なんと言ってもワクチン接種です。 ヨーロッパ各国では、昨年12月からワクチン接種が開始していますが、フランスは、第一波で最も多くの死亡者を出した「高齢者施設の住民」を最優先としたことで、スタートから、大きく、つまずき、年明けに周囲のヨーロッパ諸国からフランスが桁外れにワクチン接種で遅れ...

2021年3月5日金曜日

変異種61%に拡大・感染悪化もまだまだ粘るフランス 週末ロックダウン1県追加・特別警戒地域23カ所に拡大 

   もはや、ここ数週間、首相の定例会見になっている木曜日の夜、新たにフランスでは、パ・ド・カレー県(オー・ド・フランス地域圏)での週末ロックダウン(ニース、ダンケルクに続いて3県目)と、これまでの20地域に加えて3地域(エーヌ県、オーブ県、オー・ド・アルプ県)を特別警戒地域に追加することが発表されました。 今回、週末ロックダウン地域に加えられたパ・ド・カレー県では、感染率はもちろん、集中治療室の占拠率が102%と医療崩壊を起こしています。 国内の感染状況については、毎日のニュースで伝えられており、今週末には、パ・ド・カレー県と並んで、イル・ド・フランスも週末ロックダウンになるのではないかと...

2021年3月4日木曜日

久々にメディアに堂々登場 カルロス・ゴーン テレビ生出演

                                  カルロス・ゴーンがフランスのニュースチャンネルLCIの19時からのニュースのインタビューに答えるために生出演するというので、彼が今、何のために、何を話すのか? 注目していました。 カルロス・ゴーンが日本から信じられない逃亡をしたのは、2019年の大晦日のこと、それから、すでに一年以上が経過しています。 逃亡中の身でありながら、公共のテレビに出演するなど、なんと太々しいことかと思いますが、逃亡先のレバノンに到着の数日後には、全世界からメディアを集めて記者会見まで行ったのですから、今さら、中継とはいえ、フランスのニュース番組に生でインタビューを受けることなど彼にとっては、何のことはないことかもしれません。 とはいえ、インタビューということもあったのでしょうが、いつもの饒舌な彼の印象とはちょっと違い、かなり気をつけて話している印象で、あまり、フランス語が流暢とも言えない彼の妻が話す場面も多かったのです。 というのも、彼にとっては、これは、最近、彼が妻との共著という形で出版した、彼の逮捕から逃亡劇、その後の様子を綴った内容の本(「Ensemble...

2021年3月3日水曜日

フランス・「新型コロナウィルス変異株流行国・地域」に指定

   フランスは、日本から「新型コロナウィルス変異株流行国・地域」に指定され、3月5日午前0時以降にフランスから日本に入国する場合は、到着後、検疫所長の指定する場所(検疫所が確保する宿泊施設)に3日間隔離、3日後に改めて検査を行い、陰性と判断された場合は、入国後14日間の残りの期間を公共交通機関の利用を避けて、自宅等、別の場所で待機することが求められることになりました。 さすがに、これまでヨーロッパのようには感染が拡大していない日本だけあって、非常に厳しいです。 これまでの14日間の隔離だけでも、充分にハードルは高かったのですが、ここまででは、「はいはい、もう帰りませんよ・・」と、...