総体的に社会保障に関しては、良い方だと思われるフランスで、3月1日から「子ども手当」が実質的に減額される法令が発効されています。
これは、月々の子ども手当がダイレクトに減額されるというものではないのですが、これまで2人以上の子どもがいる家庭は、末っ子が14歳の誕生日を迎えた時点で家族手当が総額されていました。
それが今後、この増額手当が14歳ではなく、18歳に引き上げられることとなり、実質、4年間分の増額分が受けられなくなることを意味しており、実質的な子ども手当の減額となります。
これは、2026年度社会保障予算で採択されたもので、対象は子どもが2人以上いる世帯510万世帯に影響が及ぶものと見られています。
これまでの増額分は世帯収入によって異なりますが、月額18.88ユーロから75.53ユーロとなっていて、4年間で特に低所得世帯では子ども1人あたり、3,600ユーロが減額されることになります。
政府によると、この措置により、今年は2億1,000万ユーロ、今後4年間で年間12億ユーロの節約?が見込めるということです。
この節約分は、7月1日から施行される出産休暇の財源に充てられるということで、産前・産後休暇に加えて取得することができます。両親それぞれ2ヶ月分の休暇で最初の1ヶ月分は給与の70%、2ヶ月からは60%が支給されます。この費用は年間6億ユーロと推定されています。
それにしても、この少子化の時代に子ども手当を減額する措置が妥当なのかどうか?しかも、低所得世帯により多くの負担がかかるような措置がなぜ採択されてしまったのか? なんだかフランスらしくないな・・と思います。
家族団体はインフレのために購買力が逼迫し、出生率が歴史的に低下している現状を鑑みて、この措置を批判しています。
我が家の場合は、子どもは1人だけだったので、これまでの14歳からの増額というものは存在さえも知らなかったのですが、低所得帯の家庭にとって、年間3,600ユーロ(約66万円)の減額というのは、恐らく非常に大きなもの。
フランス政府が財政難であることは理解できますが、削るところが、ここだったのか?と納得いかない気分です。
フランスの2025年の出生数は64万4,000人と予測されており、これは2024年よりも2.3%少なく、2010年よりも24%少なく、第二次世界大戦以降最低の水準となります。
子ども手当減額
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