2025年11月11日火曜日

バルセロナで大感激したレストラン・バル Cal PEP カル・ぺップ

 


 私が旅行をする大きな目的のひとつは現地の美味しいものを食べることで、まあ、常日頃から食べ物に対する執念・執着は強い方ですが、旅先となると、期間限定で食事の回数も限られてしまうため、その食事の1回、1回が真剣勝負。

 友人と旅行をすると、ちょっと呆れられます。

 今回の旅行はバルセロナ(スペイン)だったため、私は久しぶりに本場のパエリアがどうしても食べたかったのと(本場はバレンシアなのだそうですが・・)、バルでタパスを食べてみたい!と思っていました。

 パエリアもスペインのレストランにはさすがにけっこうな割合で置いてあるし、タパスのお店もなかなかたくさんあります。しかし、たくさんあるだけに、その中でどこを選ぶのかが大変、難しいことです。

 私の場合はGoogleで探して、メニュー、値段、写真を見て選ぶか?あとはホテルのフロントなどで実際に現地の人の声を聴いて、参考にすることが多いです。

 なんとなくの印象ですが、バルセロナはレストランはハズす確率は低いのではないか?全体的に食に関するレベルが高いような気がしました。しかも、パリよりずっと安いし・・。(こういっちゃ悪いが、パリの場合はハズレの場合でも、そこそこ高いので、とても腹立たしい思いをすることになります)

 今回は、あまり長い滞在ではなかったので、食事の回数もあまりあったわけではないので、大口は叩けませんが、今回の旅行で一番感動したのは、Cal PEP (カル・ぺップ)というバルでした。

 昼間でもけっこう混んでいるということだったので、時間を少し遅めにずらして行ったつもりだったのですが、それでも少しだけ待ちました。でも、恐らくあのお店では行列とは言えないほどの待ち時間(私たちの前に2人が待っていただけ)だったのだと思います。




 現地の食材を使ったお料理を目の前で豪快にお料理してすぐにカウンターに出してくれるようになっていて、このお店には、いわゆるふつうのレストランにあるようなメニューはなく、その日の食材によってメニューは変わります。




 店内の黒板?に、今日のおススメ・・みたいなものが書かれていて、あとは、食材を見て、周囲の人たちが食べているものを見て「あれ!あれ食べたい!あれ下さい!」みたいに注文します。

 カウンターの前には数人のお兄さんたちがいて、それぞれ注文をとってくれます。この方々、語学が非常に堪能で、スペイン語、英語、フランス語、ちょっとカタコトの日本語を話してくれる人までいますので、言葉に関しては、わりと安心です。

 バルに関しては食べたいものを少し予習して行ったので、お店に入って、「あ~あれあれ!あれ!食べたかったやつだ!」と目がランラン!




 私が食べたかったのは、ししとうの素揚げやマテ貝といわれる細長い形状の貝などだったのですが、それらもすんなり注文出来て、その他、アーティーチョークの素揚げやイカのフリットなどなどを注文しました。






 中でも感動的だったのは「アンコウのグリル」で、これには、本当に感動しました。身はふっくらとしていて、ガーリックを少々使っているのですが、どちらかといえば、繊細な味のアンコウがそのガーリックに負けていないのが、絶妙なバランス!付け合わせのじゃがいもも、このアンコウの焼き汁が上手く絡んでいて、絶品です!



 量に関してもたっぷりしていて、満足感が半端ないです。正直、この1皿だけでも充分、満足できるほどの量です。

 値段がわからないので、ちょっと心配もありましたが、これが意外にも安く、パリだったら、このクォリティでこの量だったら、優に2倍の値段するのは間違いないだろうと思われ、(アンコウに関しては、1皿20ユーロ程度でした)最後に値段を見て逆の意味でビックリしました。

 マテ貝のグリルに関しても、火の入り具合が絶妙、しかも素材が新鮮なために、淡泊そうに見えて、貝そのものの味が濃くて、非常に味わい深いです。

 また、ししとうの素揚げは、そのものの味ですが、シンプルに調理されたものを塩だけで食べるという王道。そして、アーティーチョークの素揚げというものも初めて頂きましたが、まわりの部分がカリッとしていて、芯?の部分はホッコリしていて、これもまた素揚げしたものを塩だけで頂きます。

 フリットのイカが新鮮でカリふわなことは言うまでもありません。

 美味しいだろうと期待して行ったお店でしたが、想像以上に大満足。自信をもっておススメできるバルです。

 さすがバルセロナ!

 

Cal PEP カル・ぺップ 

Plaça de les Olles,8 08003 Barcelona

www.calpep.com (34)93 310 7961


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2025年11月10日月曜日

バルセロナは意外と日本人観光客が多くて驚いた

  


 ふだん、パリの街中を見ていると、以前に比べると海外旅行をする日本人が減ったんだな~と思います。

 それこそ、日本人の旅行形態も変化して、以前は大人数のグループで観光バスでド~ッとやってきている感じだったのが、その観光バスで移動している感じの旅行者が減り、(もっともパリ市内は観光バスが走れない場所も増えたこともありますが・・)、個人個人がこじんまりやってきて、自由に自分の好きなところを廻っている感じが多いです。

 とはいえ、相対的には実際にパリに来ている観光客はそれでも少なくはないのだとは思いますが、ふだんの私の日常生活の範囲内とあまり重ならないこともあるのか?あまり日本人観光客を見かけることは、そんなに多くはありません。

 今回、まさにバルセロナでは、私は日本人観光客の一人で、いわゆる観光客が行くような場所、サグラダファミリアやグエル公園やピカソ美術館などを見て廻っていたこともあるのでしょうが、そのどこでも必ず何組かの日本人観光客に遭遇し、市場や訪れたレストランなどでも必ず日本人がいるということにかなり驚きました。

 特にレストランでは、こんなところ、日本人いるわけないよね・・というところでも、けっこう年配の日本人カップルがいたりするので、これは、けっこうな日本人がバルセロナに来ているのでは・・ひょっとして、今、バルセロナって日本人にかなり人気なのかもしれない・・と思いました。

 考えてみれば、比較的、こじんまりとしていて、自分の足でも廻りやすいし、なによりもパリよりも格段に物価が安い!治安もさほど悪くはないし、街はわりと清潔です。

 友人に言わせれば、フランス語よりもスペイン語の方が地名からして、読みやすい(基本的にカタカナ読みでだいじょうぶ)ので地図なども見やすいのだそうです。

 物価に関して言えば、逆に言えば、パリって物価が高いんだな~とあらためて実感。

 もうバルセロナにいると、レストランにしても、ちょっとした食品などにしても、全然、パリよりも安くて、もうごくごく簡単な日常の食料品、野菜や魚や肉類などまで買って帰りたくなりました。

 なんか、肌感覚として、パリの物価はバルセロナの1.5倍くらいな感じです。


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2025年11月9日日曜日

サグラダファミリアは2週間以上前に予約を取らないと入れない バルセロナ観光チケット問題

  


 バルセロナは国際的な観光都市とはいえ、パリに比べると規模も小さい?ので、比較的、簡単に廻れるイメージがありました。

 バルセロナに行ったのは、なんといってもガウディの建築、サグラダファミリアやグエル公園などが見たくて・・・、あとは美味しいものを食べたくて行ったのですが、私たちはサグラダファミリアを甘く見ていました。

 私も友人もバルセロナは2回目で、とはいえ、2人とも、前回、行ったのは、ウン十年前のこと。色々、事情も変わっていて、簡単に言えば、サグラダファミリアは、予約が取れなくて、中には入れませんでした。

 ちょっと前に予約サイトを見た時は、まだまだ全然、空きがあったので、これなら天候を見て、ギリギリになってからでも、なんなら、当日券でもいいんじゃない?今はバカンス期間でもないし・・とか言っていたのが、甘かった・・。

 実際に行ってみると、当日券どころか、2週間先まで予約がいっぱいとのこと。現場にはチケットオフィスなどはなく、全部、オンラインで予約とのこと。

 外観を見るだけでも大感激なので、残念ではあるけれど、まあ仕方ありません。それでも、2人とも、以前見た時には、20〇〇年完成予定・・なんて話を聞いても、そんな先の話、もうそんな先まで私は生きてないでしょ!くらいに思っていたのに、もう完成間近のサグラダファミリアを見れて、それなりに、やっぱりすご~く完成に近づいていて、感無量の感激を味わいました。

 やっぱりサグラダファミリアはすごい!比べるのはおかしな話だけど、これまで相当な数のカテドラル、大聖堂を見てきた私でもここはちょっと全然、違います。

 とても精巧で、色合いもデザインも壮大さも荘厳さも、全く異質です。

私たちは、その日、お天気が良かったので、そのままグエル公園に行くことに・・。

 グエル公園の方は、入れはしたものの、やはり現地でのチケットオフィスはなく、その場でネットでチケットを購入することになります。

 いつの間にか、全てがオンラインになっていて、ビックリ仰天。

 翌日、ピカソ美術館に行ったのですが、ここは、さすがにチケットオフィスがあり、その場でチケットを購入できます。



 ついでにバルセロナ観光で購入して、とっても良かったものは、バスやメトロやトラムなどが無制限で乗れるチケット(Hola Barcelona Travel Card)。これは、公共交通機関に乗るたびに、いちいちチケットを買う必要もないし、割安になるので、とっても便利でした。

 値段は、72h26.30€、96h34.40€、120h42.10€で、事前購入も可能です。


サグラダファミリア バルセロナ


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2025年11月8日土曜日

中国大手SHEIN 児童ポルノ人形販売による業務停止処分とCDG空港での中国からの小包20万個検査

  


 これまでにも数々の波紋を生んできた中国大手 eコマース「SHEIN」で、またひと騒動起こっています。

 これは、同社がプラットフォーム上で販売していた女の子の人形が摘発されたことに端を発しているのですが、この人形というのが、なかなかエグいもので、編み髪の少女を模した人形がナイトガウンを着て、テディベアを抱いている人形で、「エロティックなボディと本物の膣と肛門を備えた男性用オ〇ニー玩具」という説明文とともに、掲載され、つい数日前まで販売されていました。

 この人形は単なる空想だけに終わらず、児童性的虐待の促進となるものとして、SHEINに対しては、即刻業務停止命令がおり、この商品が国内に流入することを避けるために、急遽、異例の方策の一環として、パリ・シャルルドゴール空港に到着した中国からの荷物を100%検査すると政府は発表しています。

 フランス政府は5日、SHEINに対して、「全てのコンテンツが最終的に法令に準拠していることを示すまでの業務停止命令」を発令しています。

 この種の人形は、これまで「こうした人形を使うことで小児性愛傾向のある人が空想を封じ込められる」という言い訳がなされてきたそうですが、これは逆にこの人形を使用?することで、人形だけでは飽き足らなくなり、実際の子どもに対しての行動を起こしてしまう起爆剤のようになり得るものであり、小児犯罪行為の過激化を招くということをフランス未成年者保護監視機構(Ofmin)戦略部門の責任者は語っています。

 20万個の荷物を検査するということは、生半可なことではありませんが、中国からの荷物の95%は、シャルルドゴール空港を通過することから、この措置がとられていると説明されています。

 また、すでにこの人形は、相当数、フランス国内での購入者がいると見られているため、この購入者も罰せられるとのこと。フランス当局は同社に対し、これらの人形を購入した人物の氏名を明らかにするように要請しており、SHEIN側もこれに応じることに同意しています。

 よって、このリストを入手次第、今度は、この購入者の追跡が始まると見られており、このような人形を所持している人は、国家性暴力犯罪者登録簿(Fijas)にも登録することが検討されています。

 すでに、この人形がブッシュ・ド・ローヌ地方で配達中の荷物の中に発見され、受取人の56歳の男性が逮捕・拘留されています。検察当局によると、この男性は過去に性的暴力で有罪判決を受けており、性的目的でこの人形を購入したことを認めていると言います。男性は、刑事裁判所への出廷延期召喚状を受け取り、検察は彼を司法監督下に置くことを要請しています。

 また、このような人形は、SHEINだけではなく、ライバルサイトであるAirExpress社のサイトでも確認されており、パリ検察庁は、これら2社に対して、本格的な捜査を開始したことを発表しています。

 これまで、多くの案件に関して波紋を呼び続けてきたSHEIN。なんとかSHEINの勢いを止めたかったフランスにとっては、憎さ100倍というか、さぞかし熱心にこの件についての捜査が進められることになるのではないか?という感じがしています。

 それにしてもネット販売恐るべし・・こんなものがそんなに出回っているとは・・驚きです。


SHEIN児童ポルノ人形


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2025年11月7日金曜日

イベリア航空と格安航空会社 VUELING(ブエリング航空)のよくわからない関係

  


 日本から来ている友人とバルセロナに行きたい!ということになり、2人で久しぶりのバルセロナに行ってきました。

 まず、航空券の予約!!と、勇んで探しにかかったところ、私が、これまで格安航空券では、何度か極度の遅延とか、荷物の問題で揉めたりだとか、色々あったので、格安航空券は避けたい!ということで、ふつう?の航空会社・・ということでエアフランスか?スペインなのでイベリア航空・・ということで、結局、往復ともにイベリア航空パリ(オルリー)⇔バルセロナで予約しました。

 当日、不測の事態に備えるという意味で、オルリー空港には2時間前に到着していました。まあ、時間に余裕があったら、空港で時間を潰せばいいのです。バタバタ焦るのは嫌なお年頃です。

 空港に着いて、まず、フライトスケジュールの電光掲示板を確認してみると、「イベリア航空バルセロナ行き10:30発」の便はオンタイムになっていて、少しだけホッとしてから、チェックインカウンターへ。

 ところが、イベリア航空のカウンターというものが見当たらず、なんだか不安になり、空港の案内の人に聞いたら、あちらのカウンターでチェックインしてくださいということだったので、云われたとおりの場所でチェックイン手続きを完了。

 その時点では、出発ゲートを確認して、早々に出国手続きをして荷物検査を済ませて、ゲートへと進みました。

 そして、次にゲートでもう一度、フライトスケジュールを確認すると、なんと私の乗るはずだったイベリア航空のフライトがキャンセルになっていました。

 「え~~~~~!!」と目がまんまるになって、途方に暮れると、一緒にいた友人が、「これ、VLって書いてない?」とチケットの違いに気が付きました。

 要は、いつの間にか、私のイベリア航空の予約は、フライトキャンセルが理由なのかわかりませんが、自動的にVUELING(ブエリング航空)という格安航空会社の便に振り分けられていたのです。

 こういうトラブルが嫌だから、格安航空会社は避けたつもりだったのが、勝手に振り分けられるとは、なんたる心外なことか!と腹は立ちましたが、かといって、パリからバルセロナ行きの便がそうそうたくさんあるわけではないので、とりあえず、行けるだけでも助かった!と思うことにしました。しかし、なんだか、とっても納得がいかない気分でした。

 でもまあ、パリ⇔バルセロナ間のフライトは正味1時間20分程度、まあ、あっという間に着いてしまうので、そこまで大きな問題でもありません。

 なんだかモヤモヤした状態でバルセロナに着いたら、いつまでもそんなことを言っているより、充分に楽しみたい!ということで、そのことは忘れていました。

 でも、帰りの便もやはり同じイベリア航空で予約が入れてあります。友人と二人で「なんとか、帰りだけでもイベリア航空で帰れますように・・」と祈りながら、それでも不安な気持ちでやはり2時間以上前に空港へ。

 バルセロナの空港はパリの空港よりも規模が小さいので、ラクといえばラクなのですが、やはり、チェックインカウンターに行っても、イベリア航空のカウンターというものがありません。嫌な予感はしていましたが、ますます嫌な感じです。

 まず、セルフチェックインを試みますが、途中でシステムダウン。荷物のチェックインカウンターでさえも、バルセロナの空港にはほとんど人がいないのです。

 仕方なく、長蛇の列のVUELING(格安航空会社)の列に並ぶことになりました。延々待って、ようやくチェックインができたところで、係のお兄さんに聞いてみると、「あなたはイベリア航空を通じてVUELINGのチケットを買ったことになっているのです」とのこと。

 しかし、私のチケットの画面には、VUELINGなどというものは、影も形もなく、あの赤と黄色のイベリア航空のマークのついたイベリア航空のチケットが手元にあるのです。

 お兄さんは涼しい顔をしているので、「すみません!これはイベリア航空の便がキャンセルになったから、振りかえられたんじゃないんですか?イベリア航空って今でも存在してるんですか?」と聞いたら、そもそもイベリア航空のパリ⇔バルセロナ便というものはないのだそうで、まったく詐欺にひっかかったような嫌な気分になりました。

 最初から、VUELINGと知って買っていれば、少なくとも、カウンターを探し回ることなんてなかったのに、イベリア航空と名前を偽ってチケットを売るなんて酷いです。

 調べてみるとVUELINGというのは、どうやらイベリア航空系の格安航空会社なようで、そんなことを知らないでチケットを購入した私たちは、大混乱に陥りました。

 わざわざ格安航空券を避けたつもりがとんでもない落とし穴。

 皆さまもどうかお気をつけください。


VUELING ブエリング航空 イベリア航空


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2025年11月6日木曜日

私の子育ては、「いかに子どもを疲れさせるか?」がテーマだった・・

  


 自分自身が子育てをしていた時は、とにかく必死で余裕がなくて、ただただ、ひたすら、毎日をこなしていて、あまり多くを考えることができていませんでしたが、「心身ともに健康な子どもに育てるためには、とにかく身体を動かせることを心掛けなさい!」という親族の中の教育関係の仕事に従事していた面々の助言を受けて、とにかく小さい頃からエネルギーを発散させることを常に考えていました。

 幸いなことに娘はとても健康で、また有り余るほどのエネルギーの持ち主で、私たち夫婦の鍛えにもビクともせずに、小さい頃から昼寝などもほとんどというか、全くといっていいほどしない(必要としない)にもかかわらず、夜まで全く問題なしに活動し続ける頑強な体力の持ち主で、むしろ、私たちの努力は、発散させるどころか、ますます娘のエネルギーを増大させる結果となっていました。

 なので、いつしか私のテーマは「いかに子どもを疲れさせるか?」がテーマとなっていました。

 しかし、実際には、娘は私が身体を動かすことを強いることはなくとも、例えば、一緒にでかけたりしても、駅の階段は、エスカレーターがあっても、隣の階段をあっさり登り切り、エスカレーターを使って上がってくる私を優越感満々の顔で出迎え、下手をすると、わたしがエスカレーターを登りきるまえに、せっかく階段で登りきったところをまた降りて、もう一度、登って見せる・・そんなことまでやっていました。

 実際に娘はなぜか階段の昇り降りが大好きで、階段が全面にそびえているサクレクール寺院などは、娘のお気に入りの場所でもあり、彼女はサクレクール寺院を「神様のおうち」と崇め、「お休みにどこに行きたい?」と聞くと、「神様のおうち」のリクエストがけっこう多かったのですが、この階段、娘を疲れさせる手助けになると、私にとっても、まさに救いの神でもありました。

 そんな荒業をやっても、息切れ一つせず、全く疲れた様子はなく、もう生半可なことでは、疲れなくなっていたので、もうこれは、水の力を借りるしかない・・とプールに連れて行くことも多かったのです。

 もう娘につきあって動いていると、休みの日などはもうヘロヘロで、お昼寝しようよ・・と娘と一緒にウトウトしかけたりもするのですが、娘の方は全く寝る気配もなく、一方、もう一瞬でも寝そうになるものなら、「寝ないで~!寝ちゃダメ~~!」と私にとっては拷問のようでした。

 公園などに行って、娘が走り出すと、もうとても追いつかなくなって、ある日、チュイルリー公園に寄った際に、いつものように駆け出して行った娘を「あ~また行っちゃった!」と後ろから小走りに追いかけたのですが、そのスピードたるや、ものすごくて、半ばあきらめかけていたところ、急に娘の姿が視界から消えたと思ったら、高い石垣のようなところから、落っこちてしまったのです。

 もう絶望的な気持ちと焦る気持ちで、この時ばかりは私も遅まきながら、全速力で駆け付けて、石垣の下を覗いたところ、なんと娘のコートが木の枝にひっかかっていて、娘は地面に落ちることなく、木にぶらさがっている状態だったのです。

 石垣の下にいたカップルが、「奇跡的!本当にラッキーだったね・・」と言いながら、ぶらさがっていた娘を助けてくれましたが、あの時ほど焦ったことはありません。

 しかし、子育てが終わった今になって思うのは、近年のキレやすかったり、突然、奇異な暴力行為に走ったりする青少年や若者を見ていると、心身のエネルギーのバランスをとれるようにするには、この「エネルギーを発散させる」ということはけっこう大切なことだったんじゃないか?と思うのです。

 これは大人にも同じことが言えるかもしれませんが、「心身ともに鍛えて健康になる・・「」という言葉の意味があらためて、単純だけど、心を突いた言葉なんだなと思う今日この頃なのです。


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2025年11月5日水曜日

青少年の電子タバコ使用の深刻な増加

  


 最近、フランスでは青少年の電子タバコの使用が深刻な増加を見せていると言われています。そういえば、最近、軒並み、大小かかわらず、近所のコマーシャルセンターの空き店舗だった場所に電子タバコのお店がオープンして、「えっ??こんなお店、需要あるの?」と、ちょっと不思議に思っていたところでした。

 電子タバコは、従来のタバコのように目立たないことから、周囲に青少年がいない私にとっては、全く気が付かなかった現象でした。

 たしかフランス政府は将来的には、タバコ撲滅に向けて、将来的には、タバコのない世界にしよう!みたいなことを言っていて、喫煙場所は以前に比べてかなり減ってきたし、以前は、歩きタバコが異様に多く、「だいたい、危ないよな~」と思っていたのですが、それもずいぶん減った印象でした。

 しかし、皮肉なことに、タバコの税金を爆上げし、街中からタバコを閉め出しつつある状況の中で、従来の紙巻タバコよりもずっと目立たず、使いやすく魅力的な電子タバコが次々と登場し、その需要が拡大し、しかも、以前よりもさらに低年齢層にも簡単に手が届きやすくなって、電子タバコ利用者が急増しているというのです。

 電子タバコが急激に拡散したのには、ニコチンの有無にかかわらず、風味付きのエアロゾル・人工煙を楽しめることから、入口が広くなったということにも原因があり、結果的には、ただの風味付きの人口煙だけでなく、ニコチンへの移行に繋がることになります。

 この傾向は、脳がまだ発達途上でニコチンに敏感な脆弱層に影響を与えるため、大変、懸念されるもので、青少年期に喫煙を始めた人は成人期に喫煙を始めた人よりもニコチン依存症になるリスクが高くなります。

 電子タバコが人気を集めているのは、使いやすく目立たないポット型電子タバコの登場や多様性のある魅力的なフレーバー、若者をターゲットとした巧みなマーケティング、入手しやすい使い捨てデバイスや比較的低価格であることなどが理由として考えられます。

 ニコチンは青少年の脳に有害な影響を及ぼす可能性があり、注意力、学習能力を低下させる可能性があります。

 また、健康リスクとしては、今さらですが、呼吸器系への刺激を引き起こし、急性肺疾患の発症リスクを高める可能性があり、長期的にはその他の慢性呼吸器疾患のリスクも高まる可能性もあります。

 さらに困ったことには、この電子タバコによってPTC・合成カンナビノイド(人工的な大麻成分)の人気が高まっていることで、この物質は電子タバコのリキッドとして消費されることが多くなっており、これがまたさらに深刻な健康リスクを生み出してしまうのです。

 具体的な症状としては、失神、健忘、意識喪失、発作、妄想、幻覚、自殺念慮、パニック発作、吐き気、嘔吐などなど、かなり深刻な症状です。

 保健当局は、ついには、電子タバコからのこのPTC中毒、入院を必要とする新たな事例についてなど警告を発し始めました。

 またもう一つの懸念は、自分でリキッドブレンドできる「DIY Do It Yourself」が人気を得ていることから、危険な物質を取り込んでしまう可能性もあるということです。

 しかし、電子タバコにせよ、紙タバコにせよ、ひとつを閉じ込めようとすれば、また違うところから、さらに芽が出て、さらに拡大してしまうというのも、なんだか、多くのことに当てはまるような気もするのです。


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