2024年12月28日土曜日

インフルエンザ感染 急激に増加 ワクチンしていてもしっかり感染 

  


 「今年の冬は、風邪もひかずに元気だな! 早々にワクチン接種したし・・」と思っていたら、ノエルの少しまえから、「なんだか少し調子悪いな・・寒気がするのか?寒いのか?どっちだろう?」と、ちょっと厚着したりして、ビタミンCを飲んだりして、様子を見ていました。

 ノエルが過ぎた頃から、いよいよ熱っぽくなってきて、ヤバいと思っていたら、とうとう昨日、本格的に「もうすっかり病気モード」に突入。

 ダラダラしているのは、好きなくせに、いざ具合が悪くなって寝ていなきゃ!となると、往生際わるく、かえって、あれもやらなきゃ!これもやらなきゃ!と焦るような気持ちになります。

 翌日、お客さんが来ることになっているので、ちょっと買い物しておかなきゃ!午前中の早い時間のうちにとにかく買い物だけは済ませておいて、そのあとに寝込もう・・と、出かけようとしたら、こんな時に限ってエレベーターが故障中。

 我が家はふつうなら、階段で上り下りするには、ちょっと厳しい上の方の階にあるので、具合悪いときなどには、特にキツいのですが、フランスの場合、いつになったら修理が済むかわからず、待っているわけにもいきません。

 諦めて、ぐるぐると螺旋階段をおりて階下へ。

 そして、なんとか買い物を済ませてヘロヘロになって、家に戻り、へたばった1日を過ごしたのでした。

 ニュースでは、インフルエンザ感染が急激に増加していると報道していて、私もしっかり流行の波にのっちゃったわけで、ワクチン接種をしていても、ダメだったんだな・・油断したかも・・と思いながら、恨めしく寝込んでいたのです。

 報道によれば、15歳以下の子どもの感染が顕著で、その他は65歳以上の救急外来からの入院が急増とのこと。私は、そのどちらの年齢にも当てはまりませんが、とりあえず、ワクチン接種している分だけ、悪化していないのかも・・と思うことにしました。

 それでも、フランス公衆衛生局の発表によれば、インフルエンザ感染のピークは1月以降とのことで、まさに、私は流行の先取りをしてしまったようで、これから年末年始にかけて、さらに気を引き締めようと思います。

 と思っていたら、27日18時の段階で、「フランス本土全土に非常警戒警報が出た!」とのことで、非常警戒警報となると、穏やかではないな・・と思いつつ、私自身、もう最近ではすっかりマスクが鬱陶しくなってきていたところ・・、冬の初め頃には、マスクは防寒にもなるな・・と思い、マスクをしなくちゃ・・と自分に思い聞かせていたのに・・今後はしばらくは外出時には、マスクします。


インフルエンザ非常警戒警報


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2024年12月27日金曜日

12月28日から 充電器端子の共通化 同じコードで充電できる!

  


 2024年12月28日から、フランスで発売される全ての携帯電話、ワイヤレスヘッドホン、タブレット、ゲーム機、電子書籍リーダー、キーボード、カメラなどに使用される電子機器には、ユニバーサルUSB-Cタイプの充電ポートが搭載されることになります。

 簡単に言えば、全ての電子機器に同じ充電ポートがあり、同じケーブルを使用して、これらの異なるデバイスに充電することが可能になるということです。

 これは、すでに流通しているデバイスには関係ありませんが、各新製品は、100ワット以下の充電電力を提供する適切な充電器に対応できなければなりません。

 これは、2022年に欧州議会にて採択された措置で、「新しく販売される小型電子機器には、すでに広く普及しているUSB-Cタイプの充電ポートを装備することが義務付けられる」というものです。

 これは電子廃棄物の削減を目的としたもので、これにより、年間11,000トンの廃棄物の削減が見込まれていると言われています。

 たしかに充電器、充電コードは、なにか新しい電子機器を買うたびに違うコードが登場し、また、それぞれが少しずつ、ポートが違ったりして、「このコード?何の充電のコードだったっけ?」と思うものが我が家にも山ほどあります。

 しかし、この日付以前にフランスに入荷しているものに関しては、これまでどおりの様々な充電ポートが使用されるものが販売され続けるため、今後、なにか電子機器を購入する場合は、先のことを考えて、この充電ポートを確認して購入するほうが良さそうです。

 また、これは、複数のデバイスに同じコードを利用できるということで、電子機器の販売と充電器が別販売になり得るということでもあり、新しい電子機器を買うときには、新しいコードが必用かどうかを考えて、購入する電子機器に充電器が入っているかどうかを確認する必要があります。

 これには、絵文字のような表記がされるという話ですが、具体的には、どのような表示になるのかは、わかりません。

 この充電器端子の共通化に関しては、「イノベーションを損なう」として、Apple社が最後まで抵抗していたようですが、長期間の交渉の末、Apple社もこれを受け入れ、2023年iPhone 15から、このUSB-Cタイプの充電ポートを搭載しているようです。

 この iPhoneの充電コードに関しては、私も以前から不満に思っていて、他のものと著しく異なる充電ポートであるうえ、なんだかやたらとコードの寿命が短い気がして、しかも、やたらと高いし・・とうとう、これに嫌気がさして、iPhoneはやめてしまったくらいです。

 あまり先進的だとも思えない私の生活でさえ、頻繁に充電している電子機器はけっこうあり、新旧、また日本で購入したもの、フランスで購入したものと、それぞれの充電方法はバラバラで、これが統一されるのは、ありがたいことです。

 しかし、すでに我が家で山のようになっているコードの束、なんか、捨てるに捨てれずに、とりあえず、一か所にまとめてあるのですが、これを機に、ちょっと整理してみようかと思っています。

 ただ、ひとつ、不思議というか残念なのは、どうして、この日付が12月28日からだったのか?と思うのは、これが、多くの人がプレゼントを購入するノエルの前だったら、もっと一気にこの共通化が進んだと思われるのに、なぜ?この年末ギリギリのタイミングだったのか? と、ちょっと半端な感じというか残念な気がしないでもありません。

 


充電器端子の共通化


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2024年12月26日木曜日

クリスマスイブの衝撃のTGV運転手の飛び込み事故

  


 クリスマスイブの夜、パリ発リヨン行きのTGVが急停車。これは、TGVの自動安全装置のために停車したもので、すぐには、原因はわからなかった模様です。この遅延により、この方向のTGVの運行に大きな混乱が起こり、最大5時間の遅延で4,000人に影響したということです。

 この自動安全装置が作動したのは、運転手が運転席から一定時間以上離れた場合、具体的には、ドライバーは定期的に足でペダルを踏むか、コンタクタを交互に押すことが求められているためで(30秒ごとに圧力を解放しなかったり、5秒ごとにコンタクタを押さなかったりするととても大きな警報が運転室内に鳴り響き、運転手に警告を発するようになっている)、通常ならば、この運転室内の警報装置により、運転手は、この求められている一連の動きを3秒以内に再確認することになっているのですが、この日の場合は、そのまま、自動的に牽引が停止され、同時に非常自動ブレーキ装置が作動したのです。

 このTGVは、このようにして、急停止したのですが、当初はその理由がわからず、停車後の確認作業の間に運転手がTGVが最高速で走行中に電車から飛び降りて、自らの命を絶っていたことが発覚しました。

 TGV走行中は一般乗客には、ドアを開けることはできませんが、運転手は自らドアを開ける術を持っており、彼は運転席から一番近いドアを自分で開けて、飛びおりています。

 非常自動ブレーキ装置によりTGVが急停止したとはいえ、ブレーキがかかってから、すぐに止まったわけではなく、しばらく停車するまでに時間がかかり、運転手が飛びおりてからもしばらく走っているために、TGVの停車したポイントには、飛び降りた運転手の姿はなかったのです。

 自ら命を絶った運転手は52歳の男性だということだけで、この行動をとった原因は、明らかになってはいません。

 それにしても、クリスマスイブという日の夜にTGVの運転手として、最も衝撃的な方法をとって自らの命を絶ったということは、彼の家族はもちろんのこと、彼の周囲の人々にも深い傷を残すことになったと思います。

 SNCF(フランス国鉄)は、この運転手の家族に深い追悼の意を表するとともに、このような事態が起こっても、乗客を危険に晒すことは、全くなかったと、自動緊急停止装置が正常に稼働したことを説明しながらTGVの安全性を必死で訴えています。

 午後7時半頃起こったこの事故により、ストップしたTGVの交通網が正常状態に戻ったのは、翌日午前1時過ぎであったとのこと。

 クリスマスイブを家族と過ごすために家路に急いでいたであろう乗客は、とんだクリスマスイブになってしまい、このクラスの遅延だったら、怒り心頭になるとも思うのですが、この原因を知った時、怒りきれない気持ちになりそうです。

 

クリスマスイブ TGV運転手飛び込み


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2024年12月25日水曜日

ノエルにはブッシュ・ド・ノエルがやっぱり圧倒的に人気らしい

  


 年末年始にかけて、食い倒れ感が満載のフランスですが、ノエルは家族で過ごす人が多く大晦日から年始にかけては、友人たちと・・というのが一般的なようです。

 特に家族の集まるノエル・クリスマスの食卓には、各家庭のそれぞれがメニューには、それなりに頭を悩ませるのですが、やっぱり定番は、フォアグラ、スモークサーモン、生牡蠣などのシーフードプレート、シャポン(去勢鶏)などやジゴー・ダニョ(子羊の骨付きもも肉)などの肉料理、そして、デザートの定番はなんといってもブッシュ・ド・ノエルと呼ばれる丸太型のケーキです。

 今は、食べ物にも季節感が消え失せつつあり、いつでも何でも買えますが、このブッシュ・ド・ノエル(とガレット・デ・ロワ)だけは、一年のうち、この季節だけです。

 このノエルシーズンのブッシュ・ド・ノエルのためにパティスリーは1ヶ月ほど前から準備をして、人気のお店では、冷凍保存しておいて、直前に、ほんのわずかな最後のデコレーションだけして、店頭に並べるという興ざめな話をこの間、テレビでやっていましたが、パティスリーでは、なんと1年のうちの25%の売り上げはこのノエルの季節で売り上げるということなので、全く、エライもんだ!と思います。



 そういえば、ここ1ヶ月くらいは、前夜祭とでもいうべくブッシュがパティスリーに並び始め、ギリギリまでは、わりと小さめのブッシュ(個々)が多く、ピエール・エルメを覗いて見たら、可愛らしくも美しいブッシュが店頭にならんでいて、なんだか上手くデコレーションしているのですが、よくよく見ると、「ちっちゃい!」そして、1個10ユーロ(約1,600円)という値段を見て思わず目を見開いてしまい、思わず「たかっ!」と二度見してしまいました。1ホールではないのです。ちっちゃな一人用のブッシュです。

 それでも、ラファイエットグルメなどだとこれが飛ぶように売れていました。

 私は、あまり、ブッシュには思い入れがないために、常日頃から目をつけていたケーキなどをちょっとずつ(正確に言えば一つずつ)買いに行って楽しんでいるのですが、この時期、目をつけていたいつものケーキはブッシュのために姿を消しており、寂しい思いをして帰ってきました。

 しかし、このノエルという行事、華やかな食卓を彩る高価な食材が飛ぶように売れ、もちろん、ブッシュ・ド・ノエルも売れまくり、そのうえ、みんなが家族用のプレゼントを揃えてクリスマスパーティーに臨むというフランス人がバカンスの次にお金を使う行事。

 フランスの経済効果には欠かせない行事だな・・とつくづく思います。

 24日のクリスマス・イブには、夕方には、早々に店じまいしてしまうところも多く、街中はシンとしてしまいます。伝統的な食事や家族での集まりを考えれば日本のお正月に近いものなのかもしれません。


ブッシュ・ド・ノエル


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2024年12月24日火曜日

一般診療26.50ユーロから30ユーロに値上げ

  


 12月22日から、一般開業医を含む複数の診察料金が値上げになりました。一般診療に関しては、これまでの26.50ユーロから30ユーロ(約5,000円)になります。

 これらの増額は、健康保険と民間医師組合が2024年から2029年までの見通しを定義するために、すでに6月に署名した新たな協定に基づくものであるとされています。この協定は、インフレを考慮したうえでの必用な医療従事者への大幅な増額も含まれています。

 しかし、多数の国民にとっては、これまでと同様に健康保険(70%)とミューチュエル(健康保険で補われない分を補償する保険)(30%)によって支払われるため、あまり影響はないと言えばないのですが、当然、この値上げに連れてミューチュエル(相互保険)の保険料も値上げになり、こちらは、保険会社により差があるものの、平均6%の値上げが予定されているようです。

 フランスでは、雇用主がこのミューチュエルを負担しなければならないことになっているため、このミューチュエルがカバーしているケースが多いと思われるのですが、それでも全体の4%は、この補完的な医療保険の恩恵を受けていないために、これらの人々に対しては、値上げがダイレクトに響く結果となり、これらの人々にとっては、医療へのアクセスが厳しくなることは避けられない状況です。

 また、値上げするのは一般診療だけでなく、一般開業医からの紹介による専門医の診察は、60ユーロに、また、児童精神科などの特定の専門分野に関しては、2回に分けて(次回の値上げは7月1日)予定されています。(54.70€→67.00€→75.00€)

 その他、婦人科医は現在の33.50ユーロから40ユーロ、老年病専門医は31.50ユーロから42ユーロ、神経内科医は51.70ユーロから57ユーロに値上がりします。

 いずれにせよ、高齢化と科学の進歩により、増え続ける国家医療費の支出は保険システムを構造的に見直さない限り崩壊すると言われる中、医療費の値上げと、この直接には、見えにくくなっているミューチュエルが補完する割合を増加させていくことが、医療の民営化の一歩であるとも言われています。

 一方、私自身、年齢を重ねていっているからか? 年に数回、様々なガンに関する検診(無料)のお勧めのような通知を頂くのですが、この予防医療という部分がどのくらい医療費の支出を軽減しているのかも知りたいところでもあります。

 また、同時に値上げはともかく、一般診療は(私の場合は)別として、専門医となると、値段云々の前に予約が取れないのが実状で、まず、診てもらうまでに数ヶ月、待たなくてはならないので、これにも、もう慣れましたが、この予約が数カ月先・・と言われるたびに、本当に重篤な病気だった場合は、死ぬな・・と思うのです。


医療費値上げ


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2024年12月23日月曜日

環境活動家 ポール・ワトソン フランスに亡命申請と国籍申請

 


 国際環境保護団体「シーシェパード」の創立者であるポール・ワトソンがグリーンランドで逮捕されたのは、今年7月21日のことでした。主に捕鯨を非難しているこの活動家には、日本からの国際手配申請を受けてインターポールの赤通知が出ていました。

 この環境活動家の身柄をグリーンランド(デンマーク)が引き渡すのかどうかは、当初は8月15日には、明らかになると言われながら、様々な方面からの賛否両論があがり、長い間、その行方が注目されていましたが、結局、デンマークは彼の身柄の引き渡しを求める日本の要請には応じませんでした。

 釈放後に彼が明らかにした内容によると、彼がグリーンランドに拘留中には、彼は4,000通以上の手紙を受け取っていたが、そのうちの3,000通はフランスからのものだったと明かしています。

 それだけ、この環境活動家に対するフランス人の関心と支持は大きく、マクロン大統領は、彼の身柄の日本への引き渡しに対して、デンマーク当局に圧力をかけていたと言われています。

 今年の10月の段階で、ポール・ワトソンは、マクロン大統領に直接宛てた書簡の中で、彼のフランスへの亡命を申請しています。彼の家族はフランスに在住しており、今回、釈放された後、すぐにフランスに到着しています。

 フランスでは、この環境活動家を支持する声が大きく、彼のグリーンランドでの逮捕は、このフランスの環境活動家たちの団結を高めたとも言われています。

 フランスに到着後の彼は、「自分は海の熱烈な擁護者であり、海のためには命を賭ける用意ができている!それだけの価値のあることだ!」としつつ、「ここまで、長期間、拘留されることは、自分にも予想外のことであったし、日本に身柄を引き渡されることも厭わない覚悟ではあったが、日本に行けば、家族に会うこともかなわなくなる、もう帰ってこれないと思った」ことも同時に明かしています。

 彼は調査捕鯨という名目で日本が捕鯨をし続けていることを非難し続けており、逆に自分の逮捕は、日本がどれほど違法行為を行っていたかを示す機会となったとも述べていますが、これは日本国民に対して何ら敵意を持っているわけではないことも付け加えています。

 ポール・ワトソンがフランス到着後にパリ・レピュブリック広場では彼の釈放を祝った集会が開かれ、そこで彼は、「フランスでのサポートは信じられないほど素晴らしかった!私をサポートしてくれるだけでなく、私の大義をサポートしてくれる多くの人々に出会えて、非常に興奮した!」と挨拶しています。

 実際にこの彼の処遇に対するデモは、かなり頻繁にパリでも行われ続けていたのは、事実で、一定数のこの種の環境活動家はフランスにはいるもので、また、その環境活動家が逮捕され、また、家族と会う権利も剥奪される日本に身柄を拘束されかねない!という事実がこの人々を団結させたというシナリオは、フランスには充分起こり得ることであったと思います。

 彼は、フランスに亡命申請と国籍申請をしているそうで、彼は現在、アメリカ、カナダの国籍を保有していますが、これにフランス国籍が追加されるかもしれません。

 釈放された74歳のポール・ワトソンは、来年もアイスランド、オーストラリア、そして日本の海に向かう準備ができていると意気揚々としています。

 日本はこの一連の動きに対して、どう反応するのか?知りたいです。


ポール・ワトソン釈放 国際手配反故


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2024年12月22日日曜日

フランスの債務 3兆3,030億ユーロの記録的な水準

  


 フランスの財政が大きな赤字を抱えていることは、もうここのところ、頻繁に話題にのぼっていたので知らない人はいないくらいの話なのですが、具体的な数字「3兆3,030億ユーロ」と聞くと、もはや数字が大きすぎて、逆にピンとこないくらいの桁違いの数字であっけにとられています。

 来年度の予算作成に600億ユーロの財政赤字を削減案の審議中に不信任になった前首相ですが、3兆3,030億ユーロの債務と600億ユーロの削減・・それでさえ、ペンディングになっているので、今後、どうするんだろう?どうなるんだろう?と心配になります。

 先週末に、複数のメディアが伝えたINSEE(国立統計経済研究所)の発表によると、フランスの公的債務は2024年第3四半期末時点で3兆3,030億ユーロという目もくらむような額に達する見通しで、この記録的な水準はフランスの経済健全性について、多くの懸念を引き起こしています。

 このフランスの債務は、GDP(国内総生産)の113.7%に相当(6月末時点では、112%だった)し、わずか3ヶ月間で710億ユーロ以上増加しています。

 2,000年初頭以来、フランスの公的債務曲線は上昇し続けており、この20年間でその額は、3倍以上にも膨れ上がり、悪いことにこのペースは近年、明らかに加速の一途を辿っています。特にマクロン大統領が就任した2017年から2024年の5年間だけでも、その額は1兆億ユーロ以上増加しています。

 この原因のひとつとして挙げられているのは、金利上昇と債務膨張による複合効果により、債務返済コスト(利息)も爆発的に増加し続けている点が指摘されています。債務返済コスト(利息)が雪だるま式に増えているというのは、憂慮すべき状況です。

 また、短期的な予算調整に加えて、何よりも必要なのは、公共支出がGDPの65%を占めると言われているフランスの社会経済モデル・構造改革とも言われています。フランスは戦後当初から、高レベルの社会保障と再分配を基盤としてきましたが、それが立ちいかなくなっているのです。

 経済成長の鈍化、極度の財政赤字、制御不能の公的債務の間で行政は苦渋の決断を迫られています。

 ただし、現在のように、すでにかなりの緊張状態にあり、不安定な政府では、この舵取りは、国会内のみならず、国民との間のコンセンサスを見つけるのは、至難の業です。

 実際にこの状況に、「今、フランスには何が必用か?」との問いに、財務省高官や財務専門家などがコメントを寄せたりもしていますが、なぜか?匿名を条件に答えており、それだけ、緊張状態であることがうかがえます。

 いずれにせよ、これを何とかしなければいけないフランス政府の課題は、財務調整を急ぎすぎると景気回復が中断され、遅すぎれば市場制裁にさらされるという状況下で微妙なバランスを保ちながら適切なペースを見つけることだと言われています。

 現在の状況は、数十年にわたる予算の変動と改革拒否の結果でもありますが、それにしても、「こんなになるまでに何とかならななかったの?」と思うばかりです。


フランス債務記録 3兆3,030億ユーロ


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