2021年5月2日日曜日

フランス人にとってメーデーは特別な日 2年ぶりの5月1日メーデーのデモ 


     Plus de 150.000 personnes ont manifesté en France pour le 1er-Mai, a annoncé samedi la CGT .


 毎年のことですが、5月1日のメーデーは、フランスでは祝日で、「労働者のための祭典」と呼ばれ、スズランの花を送り合う習慣があります。この日の少し前からは、スズランの花がどこでも売られていて、当日などは、街を歩けば、お花屋さんはもちろんのこと、どこから摘んでくるのか、小さなブーケにしたスズランの花を売っている人があちこちに登場します。

        

あちこちで売られている小さなスズランのブーケ


 反面、最近は、夜間外出禁止のために時短営業を強いられているために、店舗も日曜・祝日も営業しているのですが(もともと時間関係なしに営業停止になっている店舗もありますが・・)この日ばかりは、ほとんどの店舗が閉店、業種にもよりますが、もともと労働者のための祝日ということで、この日に営業した場合は、フランスでは、従業員に対して、この日の労働に対しては、2倍あるいは3倍の賃金を払わなければならないことが法律で定められています。

 可憐なスズランの花とは対照的に、この日のハイライトは、何と言っても、フランスのお家芸ともいうべく「デモ」なのです。フランスでのデモは日常のことではありますが、この日ばかりは、労働者の祭典であるだけに、ここぞとばかりに大腕を振って「デモ」が開催されます。(まあ、いつも大腕を振っているけど・・)

 昨年は、1回目の完全なロックダウン中だったので、メーデーとはいえ、さすがにデモは行われなかったのですが、今年は、すでに制限もかなり緩くなってきている中、5月1日が土曜日(日常的なデモはだいたい土曜日)に重なったこともあり、天候が悪かったにもかかわらず、パリだけでも2万5千人、フランス全土で15万人がデモに参加したと発表されています。

 私はデモに出かけたわけではありませんが、たまたま乗っていたバスの中で「これからデモに行く」と話しているかなり年配の男性に出くわして、「こんな年配の人まで出かけるのか・・」と思っていると、周りのおばあさんたちが、「ちゃんとソーシャルディスタンスをとることを忘れないで!」などと声をかけているのを側で「何か微笑ましいな・・」と思いながら、聞いていました。

 しかし、2年ぶりのメーデーのデモはいつもと同じといえば、同じなのですが、来年に大統領選挙を控えていることもあり、一部は選挙活動のような場面もあり、また、いくつかの場所では、ヒートアップして暴れ出す人が出て、また、これに紛れてここのところ、隙をついては登場するブラックブロックと呼ばれる暴力集団が暴れ出そうと、パリの数カ所で警察と衝突し、一部では、デモが中断され、ゴミ箱を燃やしたり、パリ11区では銀行の窓ガラスが割られたり、バスの停留所が壊されたりする騒ぎになりました。

 この日のデモでは、パリだけでも46名が逮捕されています。(まあ、こんな状況もフランスでは普通と言えば、普通、いつもの流れなのですが・・)

 ただでさえ、労働者の権利、労働組合の強いフランスでのメーデーのデモは、彼らにとって、ある種、お祭りのようなものでもあり、彼らなりの使命感をもった行動であることは、フランスの文化の一部であり、まったく、デモなしにフランスは語れないと言っても過言ではありません。

 彼らは、「デモで社会に訴えかけ続けること」を誇りに思っているので、社会に反抗するという意味よりも、自分たちの社会をよりよくしようと主張しているところが、彼らの行動を支えているのです。

 しかしながら、その実、自分たちに都合の良い「権利の主張」であることも少なくないのが、どうにも首を傾げたくなる場合も多いのですが・・。

 ロックダウンの段階的な解除が発表され、未だ感染拡大が心配される中、彼らが取り戻したい日常の中には、デモが心おきなく自由にできる日常でもあるのです。(まあ、コロナ渦中でもこれだけの規模でやっているので、勝手に取り戻しちゃってはいるのですが・・)

 そんなデモ騒ぎに紛れて、パリ12区のベルシー公園では、数百名にも及ぶパーティーが行われ、警察が出動する騒ぎも起こっています。


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2021年5月1日土曜日

インド変異種(デルタ株)がフランスにも上陸していた

  


 つい数日前に、オリヴィエ・ヴェラン保健相がフランスでは、まだインド変異種は発見されていないと言っていたのに、やっぱり、すでにフランスにもインド変異種は上陸していました。

 現在のところ、フランスで確認されているインド変異種の症例は、7例(うち2例は海外圏グアドループ)で、ヌーヴェル・アキテーヌ(フランス中部から南西部にかかる地域)、ブーシュ・デュ・ローヌ(プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域圏)で検出されています。

 保険当局によると、今のところ、これらの感染者は、インドに渡航歴のある人やその家族で、現在のところ重症化には至っていないということです。

 とはいえ、世界で2番目に人口の多いインドで、1日の新規感染者数が40万人を超え、1日の死者が4千人を超えるという壊滅的な状況は、フランスでも毎日のように報道されているインドでの酸素ボンベを奪い合う人々、一つのベッドに複数の人が寝かされている状況、死体が次々に火葬されている終末期的なシーンに、この変異種の脅威を感じずにはいられません。

 すでに猛威を振るっているイギリス、ブラジル、カリフォルニア、南アフリカ変異種に次ぐ新たなインド変異種は、新たな脅威的な変異種として世界に認知されるようになりました。

 インド変異種(B.1.617変異種)として認知されているこの変異種は、2020年10月にインド中部のマハラシュトラ州のガプールで最初に検出されました。この変異種の出現以来、インド国内で20万人以上の死者を出し、すべての大陸に広がっています。

 インド変異種は、 「二重変異体」として認定されており、ウイルスが私たちの侵入を可能にする鍵であるSars-CoV-2ウイルスの「スパイク」タンパク質において、2つの不穏な変異の組み合わせを特徴としています。

 このインド変異種については、まだ多くの未知の部分が残っています。症状については、頭痛、鼻づまり、喉の痛み、筋肉痛など、元のコロナウィルスとの顕著な違いはありません。

 これらの症状に加えて、多くの人が下痢の症状に苦しんでおり、今年の暑くて乾燥した気候(インド)で、咳やくしゃみが増えるために鼻や喉から出血する人もいるようです。

 これまでのコロナウィルスは、ある程度、気候の影響を受け、気温が上昇すると、ウィルスは活発化しなくなっていましたが、暑くて乾燥した気候でこれだけの感染が拡大するということは、気温の上昇に対する耐性を備えた変異種であると考えることもできます。

 このインド変異種は、気道に急速に移動する傾向があり、肺に感染すると、鼻や喉に存在しなくなり、PCR検査で検出不可能になる可能性があります。したがって、PCR検査によってこのインド変異種のウイルスを検出する可能性は、症状が現れる前、できるだけ早くに検査を行うことが必要になってくる、非常に厄介なものでもあります。時期を逸してしまった場合は、肺のX線検査が必要となります。 

 また、変異ウィルスは何重にも変異をしていて、様々な特徴を併せ持つことがあり、時にそれは、人種などによって影響が変わる可能性も指摘されています。

 WHOによると、これまでにアメリカ、カナダ、オーストラリア...すでに5つの大陸に存在するインドの変異種は、ベルギー、スイス、ギリシャ、イタリア、そしてフランスなどのヨーロッパの「少なくとも17か国」で検出されています。

 しかし、壊滅的な状況に襲われているインドの映像を見る限り、大いに衛生環境にも問題はあるように感じられ、このインド変異種が必ずしも他の国でも同じような状況を起こすかどうかは疑問ではあります。

 科学評議会によると、インド変異種に対するワクチンの有効性を決定するための確固たるデータはまだ充分ではなく、「ワクチンの有効性は維持されているが低下していると予想できまる」と科学評議会は結論付けています。

 次から次へと現れる変異種、フランスでは、現在、急ピッチでワクチン接種を進めており、少なくとも1回はワクチンを受けている人が高齢者施設の居住者の99%、70歳以上の69%、60歳以上の60%、18歳以上の30%まで数字が上がってきており、想像以上に頑張っているのに、ちょっとだけ救われる気がします。

 とりあえず、ワクチンを打てば、100%完璧ではないにしても、リスクは減少するのです。インド変異種の波が押し寄せる前に、どうにか、ワクチンを少しでも進めて欲しいと思います。何だか、波に追いかけられる波打ち際にいる気分です。


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2021年4月30日金曜日

ロックダウンの段階的な解除日程 マクロン大統領がプレス公開とツイッターで発表した理由

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 マクロン大統領は、5月3日から、4段階に分けたロックダウンを解除していく日程を発表しました。数日前に、カステックス首相から、以前に発表されていた5月半ばからのロックダウン解除の日程については、週末にマクロン大統領から発表があることが知らされていたので、国民は、それを待っていました。

 ここのところ、フランスでは、ロックダウンにしても解除にしても、実際の発表の前にその内容の概ねは漏れ聞こえてくるか、発表した途端に内容が変更になったり、中止になったり、グタグタの状況で、わけがわからないことが多くなってきています。

 そして、ここへ来て、またマクロン大統領から発表されるとされていたロックダウン解除の日程は、プレスへの公開とマクロン大統領自身のツイッターで発表されるという前代未聞の公開の方法が取られました。

 


 まずは、5月3日から、別の地域への移動禁止が終了し、中学校と高校が再開されます。(これは、前回の発表の時にすでに折り込み済みの内容です)

 そして、5月19日には、現在閉鎖されているショップ、バー、カフェ、レストランのテラス(1テーブルあたり最大6人)、美術館、映画館、劇場、スポーツ施設が再開。これらの文化的およびスポーツ的な場所では、屋内で800人、屋外で1,000人の入場制限が敷かれます。

 また、夜間外出禁止令の時間が、5月19日の午後7時から午後9時までにシフトされます。

 6月9日からは、夜間外出禁止は午後9時から午後11時までに拡大され、バー、カフェ、レストランも屋内やスポーツホールで再開できます。オープンする文化的およびスポーツ施設の数は5,000人に増加します。見本市や展示会は、同じゲージで開催される場合があります。

 その同じ日に、在宅勤務に関する指示は、企業レベルのソーシャルパートナーと協力して緩和されていきます。

 そして、最終段階の6月30日には、夜間外出禁止は、撤廃されます。(ディスコはまだ閉鎖)

 これが、若干感染が減少している傾向にあるとはいえ、現在も1日の新規感染者が平均3万人を下ることがなく、1日300人前後の死亡者を出し、集中治療室の占拠率が116%超(イル・ド・フランスでは、152%超)のフランスが出した今後のロックダウン解除の日程です。

 もちろん、この計画には、「緊急事態に備えての中止・緊急ブレーキ」が用意されています。発生率が住民10万人あたり400例を超え、急激な感染増加の傾向が見られ、集中治療室が飽和状態になるリスクがある場合、再開はそこで停止されます。

 現在のパリ、イル・ド・フランスは、残念ながら、そのロックダウン解除、再開停止のカテゴリーに入っています。このゲージを尊重するのであれば、パリを含むイル・ド・フランスの一部の地域は、ロックダウン解除の日程を進んでいくことはできないことになります。

 しかし、この発表がなされる前の段階から、パリではすでにショップ再開の準備が始まっています。すでに、ロックダウンは、ロックダウンではないような状況にもなってきており、規則を尊重しない人が日々、増加しています。

 多くの国民が前のめりに、日常生活再開を待っている状況です。失われていた日常が戻ってくるという楽観的なニュースは、どんどん広まっていきます。恐る恐る日常に戻っていくという感覚を持つ期間は、恐らくフランス人には、極めて短い、ほぼないと思います。

 いつまで経っても、思うように感染が減少していかない先の見えない状況に国民は疲れ果て、段階的であっても、何らかの指標になるような目安がなければ、もう耐えられないのかもしれません。

 みんながかつての日常を待ちきれずにいます。

 しかし、この決断は、これまで一年以上の鬱憤が溜まっているフランス人が一気に街に出て、人と触れ合い、行動を爆発させ、感染を再爆発させ、第4波を迎える危険をはらんでいることは言うまでもありません。

 ということは、いつでもこの日程が解除される可能性を含んだ発表であるということです。

 昨年の6月のロックダウン解除では、「俺たちは、よくやった!」と勝利宣言をしたマクロン大統領ですが、現在の状況を見る限り、どんな選択をしても、厳しい結果しか期待できないマクロン大統領は、恐らく、これまでのように夜8時にマルセイエーズとともにテレビに登場して、大々的に国民に対して強く約束するような形の発表は避け、内容とは裏腹にインパクトの少ない形での発表の仕方を選んだと思います。

 今回のロックダウンの段階的な解除の発表の仕方は、パンデミック以来、いつも強気の会見を行ってきたマクロン大統領が選んだ苦肉の策だったような気がしてなりません。

 しかしながら、マクロン大統領のババだけでのババ抜き状態は、まだまだ続きそうです。


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2021年4月29日木曜日

モンペリエ近くの高齢者施設でクラスター ワクチンは完全無欠ではない

   


 もはや、フランスでの唯一の救いと思われるワクチン接種は、接種の権利を得られる範囲をどんどん拡大してはいるものの、現在のところ、フランスのワクチン接種状況は、1回でもワクチンを接種した人は、まだ20%程度、5人に一人の割合と、まだまだ、感染拡大を止めるには、ほど遠い状態です。

 ワクチンが思うように届かないという問題もありますが、保存方法の問題から、一番、色々な場所での接種が可能なアストラゼネカワクチンを拒否する一定の割合の人が存在し、せっかく届いているワクチンを開封してから、接種しきれずに廃棄せざるを得ないことを嘆く医者がその現状をSNSで公開して訴えたりしています。

 かと思えば、少しでも早くワクチンを受けたい人が廃棄するぐらいだったら、ワクチンを接種してほしいと、予約なしでも行列を作っていたり、どうにも、まんべんなく、ワクチンを供給することができていないようです。

 マクロン大統領は、思い余って、24時間、年中無休でワクチンを!などとまで、口をすべらしていますが、もともと、効率よく、急いでさっさと事を進めるのが苦手なフランスです。この状況においても、フランスは、急速に事を進めることができません。

 そんな中、唯一の希望であるはずのワクチン接種に危うい状況が浮上してきました。

 85%の居住者がワクチン接種を済ませている状況のモンペリエ(フランス南部・オクシタニー地域圏)近くの高齢者施設 エパッド(Ehpad)で、19人(居住者11人、職員8人)のクラスターが発生したことが報告されています。

 感染者19人のうち14人はワクチン接種済みの人で、ワクチンが完全無欠のものではないことが明らかになった事例となってしまいました。

 ここ数ヶ月の間に、最優先とされていた高齢者のワクチン接種拡大の効果により、高齢者の感染が劇的に減少したことから、ワクチンの効果が期待され、高齢者施設内でも、厳しく敷かれていた面会や、衛生管理の制限を少しずつ緩和していく動きが始まった矢先のクラスター発生にショックは大きく、この高齢者施設では、再びロックダウン状態に逆戻りを余儀なくされています。

 しかし、唯一の救いは、ワクチン接種を受けている人は、症状が出ても、比較的、症状が緩やかで現在のところ重症化はしていないということです。

 とはいえ、フランス領ギアナでは、ワクチン接種済み(ファイザー)の2名が感染、重症化して死亡したという事例もあり、ワクチンのタイミングや間隔などにも問題があったのではないかと調査が続いています。

 3回目のロックダウンにより、若干、感染減少の兆しが見えてきたフランスですが、未だ1日の新規感染者数は、3万人超え、毎日、コンスタントに300人以上の死者がで続けている状態です。

 今は、盛んにこれからのロックダウン解除の日程や、どのように、どこから解除していくかばかりが話題になっていますが、今週から学校も再開し、これ以上に制限を解除して、ワクチンでも完全に防ぎきれないとなれば、まことに不安材料ばかりです。

 また、オリヴィエ・ヴェラン保健相は、ここ1〜2週間で、パリ近郊3県での南アフリカ変異種が6%から10%に上昇してきていることを発表しています。

 この高齢者施設のクラスターの発生から、ワクチンをしても、当分、マスクなしの生活には、戻れそうもないことを思い知らされたのでした。


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2021年4月28日水曜日

コロナ渦中のフランスの歯医者③ ミューチュエル(国民健康保険でカバーしない分をカバーする保険)乗り換え

    


 コロナウィルスのおかげで、ずっと先延ばしにしていた歯の治療に重い腰をあげたのが、昨年の10月初めのことで、最初のロックダウンから半年以上経った頃で、なんといっても、室内でマスクを外さなければ治療を受けられない歯医者さんは、コロナウィルスが蔓延してからは、恐怖だったのです。

 それでも、昨年の最初のロックダウンが解除されて、結局、多くの人がバカンスに出かけたフランスでは、秋頃から、また雲行きが怪しくなってきて、ようやく意を決して、今、行かなければ、またロックダウンかも・・と思いながら、コロナ渦中の歯医者さんに出向いたのでした。

 その時点でも、歯医者さんは、入ってすぐに非接触体温計での体温チェック、プラスチックのガウンと頭に被るカバーまでつけさせられて、持ってきた荷物も預けるというなかなかな衛生対策ぶり・・細かな問題はあるにせよ、フランスにしては、なかなか気を配っている方だろうな・・と思っていました。

 その後、抜歯してから、抜いた後がしっかり固まるまでということで、その後、数回、通っていましたが、まだ、しっかり固まっていないということで、次の段階に進めぬまま、抜いた歯をインプラントにするか、入れ歯にするかの決断を強いられていたのでした。

 結局、食べることが大好きな私としては、やはり歯は何よりも大事。やっぱり多少、お金がかかっても、インプラントにしようと決めると、今度は、抜いた隣の歯が虫歯になりかけているから、まず、その治療をしてからの方がいいと言われて、インプラントと、もう一本の歯の治療の分の見積もりをもらってきたところまでで、前回の治療は中断していたのでした。

 インプラントに加えて、隣の歯まで??とちょっと遺憾に思った私は、一応、日本にいる従姉妹に相談したりして(彼女のご主人は歯医者さん)、結局、両方、やることにしたのですが、その間、歯医者さんに出してもらった見積もりをミューチュエル(健康保険でカバーしきれない分をカバーする保険会社)に送って、いくら戻ってくるのかを確認したりして、(実際は、そんなにレベルの高い保険でもないためにあまり戻ってこない)今回の診察に臨んだのした。

 ちなみにインプラントともう1本の歯の治療でかかる費用は、2,800ユーロ程度(約36万円)そのうち、1,000ユーロ近くが保険で戻るようです。

 もうコロナ禍の診察にも慣れた様子で、体温チェックはありませんでしたが、相変わらず、プラスチックのガウンと頭に被るカバーは継続していて、歯医者さんに「ワクチンは受けましたか?」と聞いたところ、「もちろん!もう2ヶ月以上前に2回目の接種が済んでるわよ!」と即答されて、ちょっと安心・・考えてみれば、防御はしているとはいえ、マスクなしの患者さんと毎日接して、患者さんの飛沫を飛ばしまくるの歯医者さん、かなりリスクの高い仕事です。

 ちなみに私の歯の治療のことで相談に乗ってもらった日本にいる従姉妹の旦那さんは、歯医者さんなのに、まだワクチンできていないと言っていました。

 今回の歯医者さんの治療で、これまで入っていた保険は、毎月支払っている金額にしては、いつの間にか、カバーできる範囲が減っているようで、(毎年、自動更新なので、そのままにしていました)、今年いっぱいで、他のミューチュエルに乗り換えることにし、(それでも、ゼロではないので、今の段階で変えるのはもったいないので)この2本の歯に関しては、年内に治療を終わらせて!と頼んで、いよいよ本格的な治療が開始されました。

 今年は、これまで使っていた銀行も乗り換えたので、それに引き続き、来年は、保険会社も乗り換えすることにしました。

 普段は、大して医者にもかからない私なので、ついつい放ったらかしになっていた保険、しかし、もしもの時が怖くて、そのままにしていたのですが、この際、今まで払っていた分を少しは取り返そうと、今年のうちに、メガネも作り直そうと思い始めたのでした。

 しかし、銀行、保険、歯医者に眼医者(保険でメガネを作るために処方箋が必要)と次から次へとできる用事が医者のハシゴとは・・バカンスにはどこにも行けない分、使うお金も時間も医者通いとは・・年齢を感じるばかりです。


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2021年4月27日火曜日

コロナウィルスワクチンのつもりが生理食塩水を注射されていた140人 エペルネ グラン・テスト地域圏

    


 フランスのエペルネ(グラン・テスト地域圏 マルヌ県)のワクチン接種センターでは、4月20日にファイザー/ BioNTechのワクチンを投与したつもりが、140人に対して、生理食塩水を投与していたことが明らかになりました。

 幸いなことに、これは健康には害のない間違いではありましたが、このワクチン接種センターは、大きな信頼を失う結果となり、ワクチン接種に懐疑的な人の不信感を煽る一旦にもなってしまいました。

 このあり得ないミスに翌朝になって気付いた予防接種センターは、すぐに該当患者に連絡をとり、ワクチンの再接種をすることになりました。

 幸いにも、健康上には、問題のない事故?ではありましたが、国中を揚げて、ワクチン接種に躍起になっているときに、この分の時間と人出と労力が無駄になり、再びワクチン接種の時間とそのためにワクチン接種が遅れることも問題ではありますが、このような間違いが怒ることで、不安と不信感が高まることが何よりも問題です。

 フランスは、日常的に、何かとミスに遭遇する機会が多い国ではありますが、ワクチンしか、もう救われる道はない・・と思われる現在の事態にこのようなミスは、ちょっと見過ごすことはできません。

 そもそも、この事故が起こったグラン・テスト地域圏は、パンデミックが始まって以来、フランスでの感染が大きく広がったのも、この地域からで、当初のこの地域の被害は、フランスの中でも最も甚大であった地域です。

 そして、現在もこの地域の感染状況は、決して、楽観視できる状況ではありません。

 この間違って投与された生理食塩水は、特に創傷の洗浄などのさまざまな治療に使用されたり、注射中の希釈剤として使用されるもので、決して危険なものではありません。

 とはいえ、なぜこのような間違いが起こったのかは、現在のところ、明らかにされていません。このワクチン接種センターの準備システムにエラーが起こる可能性があったことは確実で、これが人為的なミスであった可能性もないとは言えないとされています。

 ミスをしても、「それは、私のせいではない」というのが常のフランスです。間違いは起こってしまったことで、仕方がないことではありますが、皆が「私のせいではない」と言い張って、事を水に流してしまえば、今後も同じようなことが起こる可能性があります。

 失敗は失敗として認めて、反省し、問題点を解明し、予防接種センターのワクチン接種までの流れのシステムを改良していってもらわなければなりません。

 この地域のワクチン接種キャンペーンは、1月15日に開始されて以来、病院センターと私立診療所が仕事を分担しながら急ピッチでワクチン接種が進められてきました。

 3月に新しいワクチン投与量が到着すると、2つのワクチン接種施設は、これまでのペースを維持することがますます困難になり、スペースが不足して、4月19日に単一の予防接種センターが開設されました。

 この事故が起こったのは、その直後のことで、新しいワクチン接種センター開設の際の混乱状態が予想できます。

 終いには、この事故に対する「陰謀説」まで、持ち上がっていますが、健康上には問題のないことから、うやむやになっていく可能性も大です。

 エペルネ市長は、「この種の事故の再発を防ぐために、施設はワクチン接種の安全性、品質、継続性、トレーサビリティ、および管理を保証するためのプロトコルを直ちに強化した」と述べていますが、この事故が起こった原因については、公表していません。

 このミスに関する保健当局の沈黙は、住民を不安にさせ、原因についての透明性だけが不信を解消することができます。健康に関するダメージはないという説明では、充分ではありません。

 ワクチンの安全性も100%とは信じきれずに、ワクチンを受けるにあたっては、誰もがそれなりの覚悟をして受けている段階です。それが、ワクチンを受けたつもりが、ワクチンではなかった・・その拍子抜けした、やるせない気持ちは、想像できます。

 私がワクチン接種をしたのは、かかりつけの長いこと知っている親しいお医者さんで、そんな間違いが起こりえると考えたわけではありませんが、記念に?・・と、私に接種してくれたワクチンの瓶の写真を撮らせてもらいました・・ので、私が接種したのは、生理食塩水ではありません。


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2021年4月26日月曜日

フランスは、ワクチン接種を進めても、イスラエルやイギリスのような劇的な変化は期待できない


Les fêtes clandestines ont le vent en poupe
昨日のパリ19区のビュットショーモン公園での様子


 フランス人は、フランスのことを特別な国だというような表現の仕方をする人が多いのですが、昨日、ニュースを見ていたら、ある医療機関の代表の人が「フランスは、唯一の国だ・・」と話し始めたので、「ハイハイ、何が唯一なんですか?・・」と思って聞いていたら、「フランスは、感染の蔓延がほぼピークに達している中でワクチン接種を必死に進めている唯一の国だ」と言っているのを聞いて、なるほど・・と思いました。

 現在、ワクチン接種がかなり進んでいるイスラエルやイギリスでは、感染者が劇的に減少し、コロナウィルスによる死亡者も桁違いに減少し、コロナ前の日常を取り戻しつつあります。

 彼らがカフェやパブなどで楽しそうにしている様子を指を咥えて見ているフランスです。

 しかし、彼らが今、劇的な感染者の減少という局面を迎えているのは、ワクチン接種の拡大とともに、彼らは2ヶ月以上の厳しいロックダウンを行ってきた結果でもあり、その効果を伴ったものであるということです。

 その点では、フランスでは、夜間外出禁止や、遠距離の移動の禁止や、レストランやカフェ、一部の店舗の営業は禁止されているものの、日中の街中の人の動きはほぼ平常と変わらず、学校閉鎖に踏み切ったのも学校のバカンス期間を含めた4月に入ってからの約4週間のみで、感染状態も若干、減少したものの、未だに1日の新規感染者数は、平均3万人、集中治療室の患者は6千人に迫る勢い、死亡者も1日平均300人ほど出ている状況です。

 この状態で、学校も今週から徐々に再開され、5月3日からは、長距離移動も可能になると発表されています。実際に、ワクチン接種が進んでいる高齢者の感染はフランスでも劇的に減少しているので、「ワクチン接種さえ進めば・・イスラエルのように、イギリスのように・・日常が戻ってくる!!」と祈るように思っていたのですが、考えてみれば、彼らのような劇的な変化はフランスには、期待できないかもしれないのです。

 しかも、先週末もフランスは、警察署で起こった悲惨なテロ事件や2万人単位のデモ、おまけにパリ19区にあるビュット・ショーモン公園では、数百人にものぼる若者たちがほとんどの人がマスクもなしに、陽気に音楽をかけての盛大なパーティーを開き、そのあまりに屈託なく楽しそうにはしゃぐ様子には、言葉を失います。

 取り締まる警察も、テロ対策、コロナ対策と全てに手が回らないのもわからないではありません。



 たしかにもう、このパンデミックには、ワクチン接種以外に道はなく、ワクチン接種さえ進めば、イスラエルのように、イギリスのように、日常生活が戻ってくるとは思いますが、これまで、厳しいロックダウンをしてこなかったツケがフランスには、回ってくる・・つまり、ワクチン接種の拡大とともに、劇的に感染が減少することはなく、この調子では、かなり時間がかかるであろうということは、覚悟しなければならないと思うのです。 


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