2025年9月30日火曜日

ウィーン⇔パリ、ベルリン⇔パリの夜行列車12月14日から運休

 


 オーストリア国鉄は、ウィーン・パリ間、およびベルリン・パリ間の夜行列車が12月14日をもって運行を終了すると発表しました。

 オーストリア国鉄のプレスリリースは、この夜行列車の運行停止をフランス側のパートナー撤退に伴うものとしています。

 つまり、フランス運輸省は、これらの列車の運行資金に不可欠なSNCFへの補助金の支給の停止を決定したのです。

 今回のフランス運輸省からの通告は、「ウィーン・パリ間、ベルリン・パリ間の夜行列車の運行に関する公共契約が2026年まで停止」というものですが、今後、未来永劫にわたって、停止されるものと、はっきりしたものではありませんが、夜間列車好き?マニア?からしたら、絶望的な状況です。

 とはいえ、夜行列車は一定の人気を誇っているものの、鉄道会社にとっては、依然として採算のとれない商品となっており、フランス政府はこれまでこの路線に多額の補助金を出し続けてきており、ベルリン・パリ線には、年間約1,000万ユーロを支出してきています。

 多額の財政赤字を抱えるフランスとしては、なんとかこの赤字を縮小するために、削れる予算は、できるだけ削る方向に舵をとっているのは、当然のことだとも思いますが、一方では、(EU 欧州連合が国際鉄道路線の資金調達を困難にしている一方で)、航空旅行に関しては税制上の抜け穴を利用して、航空券1枚あたり、30~40ユーロの隠れた補助金を受け続けているという指摘もあります。

 言い換えれば、最も環境を汚染する移動手段が巨額の補助金を受けている一方で、より健全な代替手段を阻害していると非難する声もあるのです。

 公には、環境問題を掲げ、飛行機での移動よりも鉄道での移動を呼び掛けたりもしているものの、実際には、結果的には、料金や時間の問題で、圧倒的に飛行機に軍配があがってしまうのも事実です。

 理想と現実といってしまえば、それまでですが、現実的にウィーン・パリ、ベルリン・パリを移動するのに、夜行列車を利用するというのは、限られた鉄道ファンならばともかく、個人的には、安全面にも不安を感じないわけにもいかないし、快適性などを考えても、まず、これらを利用しようという気にはなりません。

 現在まで復活していた夜行列車は、一時(2015年当時)陥ったこれらの夜行列車廃止の状態へ逆もどりしていると言えるのかもしれません。

 これらのフランスで運行している唯一の2本の夜行列車が消滅することは到底受け入れられないと一部の鉄道ファンの間では、署名運動が始まっているようですが、このシステム自体が運営しきれないものである以上、今後の継続は難しいのではないかと思われます。

 

ウィーン・パリ間、ベルリン・パリ間 夜行列車運休


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2025年9月29日月曜日

CDG(シャルルドゴール空港)ターミナル2G

  


 娘がパリに来てくれた時には、必ず一緒に旅行をするようにしていますが、ここ数年は、もうお決まりのように、イタリアばかりに行っています。

 何よりも二人ともイタリアが大好き・・イタリア料理が大好きなこともあるのですが、イタリアとひとくちに行っても、地方地方によって、また、全然、趣も違って、いつも新鮮な驚きや喜びを感じることができるのもまた、楽しいところです。

 よく考えてみれば、イタリアと一括りにしてしいまいがちですが、どの国でも地方地方によって、その土地の風土?や郷土料理のようなものがあるわけで、同じパスタの国!と思っていても、パスタの形も違ったり、土地の名産の野菜だったり、魚介の種類も違ったりと様々な味を楽しめます。

 ここ数年は、同じイタリアでも南イタリアばかり訪れているのですが、比較的、観光客ズレしていない地域が良い・・ということで、今回はプーリア地方を選びました。イタリアをブーツに例えると、かかとの部分の場所です。

 場所だけ選んで、あとは、娘の他のスケジュールとの兼ね合いもあるので、飛行機やホテルなどの手配は娘に頼んで(あとでお金は払うからお願い!と頼んでいる)、予約してもらっていたのですが、飛行機に関しては、前回、トランザビアでフライトの遅延で、延々、空港で待たされた嫌な思い出があったので、今回はエアフランスにしてもらいました。




 パリ出発にあたって、ターミナル2Gというのは、わかっていたのですが、考えてみれば、「2G」なんて、あったっけ?」と思うのですが、初めてのターミナルでした。

「2F」までは、そういえば、聞き覚えもあったのですが、2Fまで行ってから、「あれ?2Gってどこ??」と、一瞬、焦りました。「2G」は、「2F」から、ナベット(バス)が出ていて、それに乗って、5分くらいで行けます。

 「2G」に着いてみると、シャルルドゴールにこんなスペースあったんだ!とビックリするようなこじんまりとしたスペースのターミナルで、それなりに整っていますが、りはっちゃくはエアフランスがほとんどで、(といってもあまり便数は多くありませんが・・)たまにエアチャイナなどもあるそうです。



 ターミナルは広くないので、行ってしまえば、その後の移動はラクですが、比較的小型便なので、搭乗には、タラップをのぼっていくタイプです。

 人が少ないので、手荷物チェックなども、すごく早くて、これは、逆に便利なところもあります。



 とりあえず、シャルルドゴール空港の2Fまで行って、「あれ?2Gってどこ?」と不安に思う方がいらしたら、2Fから無料ナベットバスが出ていますので、安心してください。ちょっと特別な感じのあるほんわかとしたターミナルです。


CDG Terminal 2G シャルルドゴール空港ターミナル2G


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2025年9月28日日曜日

「今こそ強硬なストライキの時だ!」10月2日 SNCF大規模動員ストライキ

  


 「全てを封鎖せよ!」と呼びかけられた9月10日、18日のデモ・ストライキにより、政府は2日間の祝日を廃止し、医療費控除額を倍増する法令の停止を決定しています。

 これでは飽き足らないSNCF(フランス国鉄)の全組合は、さらに強硬なストライキを10月2日に決行するように呼び掛け、今度は「今こそ強硬なストライキの時だ!」と以下の声明を出しています。

 「9月のデモ・ストライキにより、一部に関しては、新年度の財政削減案を取り下げたものの、新首相はそれ以外に何の変化も示さず、退職年金の凍結、社会保障の削減、公務員の人員削減、そして失業保険のさらなる削減についての受け入れがたい措置に対しては維持したままです。」

 「政府は超富裕層への影響がわずかであるような新たな歳入源を拒否し、労働者、不安定雇用者、退職者、その他大勢に負担を強い続けることを望んでいます。」

 「現在、政権の権力はかつてないほど脆弱であり、マクロン大統領は、2年間で5回も首相交代を余儀なくされ、政権は過半数に届かず、すでに圧力に屈しています。」

 「今、ここで動員を拡大することで、この緊縮予算の放棄、憲法第49条3項で定められた64歳定年制の撤廃、賃金と年金の引き上げ、病院、学校、大学への資金提供、国の再工業化への投資、民間企業への2,110億ドルの公的支援の条件付け、そして巨額の富と利益への課税を実現できるときなのです。」

 「2026年の緊縮予算を撤回せよ!」、「社会と財政正義のために!」、「緊縮予算は、超富裕層と大企業への優遇措置とともに、廃止せよ!」

 などなど、CGT(全国組合連合)は、このように、新たに10月2日のストライキを呼び掛けています。

 要は、前回のデモ・ストライキにより、一部、我々の意見が通ったが、まだまだこれくらいでは、納得できない! 現在、政権が脆弱であるからこそ、今こそ強硬なストライキ・デモ活動を行うことで政府に我々の思いを知らしめ、要求をつきつける!というもので、「今こそ!」というのは、「政府がかつてないほど脆弱である今」という意味のようです。

 CGTはサイトの中で、デモに必要なチラシなどのキットを拡散し、デモ当日には、マグカップやエコカップなどを持ってきてください!と書いてあるので、なんでカップ??と思ったら、当日は、スープとドリンクを無料で提供します!とのことでした。

 ヤレヤレ、いつまで続くのか?このデモとストライキ。言っていることはわからないでもないけれど、だったら、現在の記録的な財政赤字は、どうするの?という気がしないでもありません。


10月2日大規模動員ストライキ


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2025年9月27日土曜日

9月ってこんなに寒かったっけ? と思ったら、パリは40年ぶりの記録的な寒さらしい

 


 季節の変わり目には、毎度のことながら、周囲の人々の衣替えの早さには、驚かされるパリですが、今年の秋は、ことのほか、もうすっかり冬支度をしているパリジャン・パリジェンヌに、「そういえば、まだ9月だよね・・いくらなんでも・・」と思うような感じで、もうダウンを着て、マフラーをして・・といういで立ちの人も少なくありません。

 9月の半ば過ぎくらいだと、下手をすると、まだ残暑に苦しんでいる時だってあるのに、なんなの?この寒さは・・・と思っていたら、どうやら、9月の気温としては、40年ぶりの寒波、1985年以来のことだそうで、寒がり(暑がりでもある)の私としては、厳しい季節に突入。すでにしっかり着込んでいます。

 先日は、最高気温が10.8℃だったというのですから、それは寒いわけです。

 例年だと、今ごろは、一年のうちでもっとも色々な格好をしている人が混ざり合っている時期なのですが、今年は、さすがにもう冬服の装いの人がほとんどです。

 記録的な寒さとはいえ、歴史上では、4番目の9月の低気温だそうで、もっとも気温が低かったのは1919年9月の9.9℃なのだそうです。とはいえ、史上最も気温の低かった年と比べても1℃も違わないのですから、なかなかな寒さです。

 そのうえ、お天気もどんより・・雨が降ったりやんだりのはっきりしないお天気で、なんだか気持ちまで沈みがちになりそうです。

 とはいえ、寒かったこの気温がずっとこのまま続いて冬になってしまうというわけではないらしく、翌週には、また太陽が顔を出し始め、日中の気温も17~18℃から20℃くらいまでには、上がるだろうということなので、まだまだ冬本番ということにはならなそうです。

 気温が急激に下がるということは、インフルエンザやコロナウィルスが再び蔓延し始めるという現実もあり、実際に、すでにここのところ、コロナウィルス感染症かインフルエンザか判断がつきにくい症例が激増しているそうです。

 私のところにも既に、インフルエンザワクチン接種のご招待状?が届いており、???なんかやけに、今年は、早くない?と思っていたのですが、この急激な感染拡大が背景にあったのです。

 このどちらか判別しにくい(インフルエンザとコロナウィルス)症例としては、極めて典型的なもので、鼻咽頭炎(のどの痛み、鼻水、くしゃみ、涙目)、発熱、身体の痛みなどが挙げられ、感染しやすい人の場合、全身の健康状態の悪化という形で現れることがあるそうです。

 コロナウィルス感染を疑って外来受診をしている人は、昨年の同時期に比べると15歳未満では43%増、成人では29%増となっているそうで、今後、一層の注意が必要なようです。

 

40年ぶりの9月の低気温


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「大きな雹(ひょう)が降る5月のパリ」

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2025年9月26日金曜日

二コラ・サルコジ元大統領に有罪判決 実刑5年の衝撃

  


 普段は、日中はあまりテレビもSNSも見ないようにしているのに、たまたま出かける前に、メトロが動いているのかを確認しようと開いたら、「元国家元首サルコジ懲役5年の実刑」というニュースが目に入ってきて、さすがにビックリして、テレビをつけました。

 これまでも、サルコジ元大統領は、たくさんの裁判を抱えていて、ついこの間も執行猶予付きの有罪判決が出て、足に装着するブレスレットの着用命令が出ていて、それでさえ、「えっ?ほんとに、サルコジが電子ブレスレットつけるの?」と思った記憶があります。

 今回は、実刑ということで、どうやら刑務所に収監されるのを免れるのは、もはや難しいのではないか?という見方が濃厚ではあります。しかし、彼の弁護士は、「サルコジが刑務所で眠るハメに陥らないように全力を尽くす」と発表していますが、がけっぷちから、もう片足が落ちかけている感じです。

 今回の有罪判決は、「2007年の大統領選挙運動資金をリビアから調達することに関する共謀罪」で、この事件に関しては、すでにサルコジ政権の元大臣2人(クロード・ゲアン氏(受動的贈賄と偽造)とブリス・オルトフ(共謀罪)で有罪判決を受けています。

 今回のサルコジ元大統領に関しては、国家財務検察庁(PNF)の代表者らは、3月下旬、サルコジ元大統領に対し懲役7年を求刑し、「過去30年間で最も悪名高い独裁者の一人と汚職協定を結んだ」と非難し、サルコジ元大統領は、2011年以来、一貫して無実を主張してきました。

 今回懲役5年の判決を受けたサルコジ元大統領は、まださらに裁判を抱えており、2012年大統領選挙の資金提供をめぐる上告審が10月8日にも控えています。

 今回の判決は、仮執行を伴う執行猶予付き拘留命令として言い渡されたもので、彼はただちに収監されることはありませんでしたが、検察庁から1ヶ月以内に召喚され(10月13日)、拘留日が通知されることになっています。

 控訴してもこの安全措置は、停止されることはなく、実際に拘留されることになるはずなのですが、彼の弁護士が「彼が刑務所で眠ることにならないように全力を尽くす」と言っているということは、なにか別の可能性があるのかもしれません。

 もうテレビのニュースなどでは、刑務所の独房の様子などが何気なく流されながら、彼はおそらくパリの中心部にある刑務所?に収監されるだろうとか、安全のために彼は独房に入ることになるだろう・・とか、言っています。

 判決後は、このような場合は弁護士のみがコメントする場合がふつうなのかとも思いますが、サルコジ元大統領は、自分自身でカメラの前に立って、「法の支配にとって極めて重大な問題である」、「私は無実だ!」と判決に異議を唱える意向をすぐに表明。

 懲役5年の実刑判決を受けながら、これほど堂々としている人もなかなかいない・・さすが前大統領・・という感じで、「私は刑務所で眠るが胸を張って眠る」とかなり独特な感じです。

 もはや収監は免れようがないという状況の中で、彼が控訴したとしても「公判前拘留制度」の下で拘留され次第、元大統領は釈放を請求するという手があるとも言われていますが、これには、控訴裁判所は、2ヶ月以内に判断を下します。控訴裁判所が許可すれば、前大統領は、控訴審が審議されるまでの間、電子監視下または、司法監督下に置かれる可能性もありますが、たとえ、比較的短期間であっても収監は避けられないと見られています。

 どの刑務所に収監されるのかはわかりませんが、彼をお迎えする側の刑務所にとっても、かなり気を使わなければならないお客様にちがいなく、それなりの準備が必用なのかとも思われます。

 現在、70歳のサルコジ元大統領。

 元大統領という立場で収監とは・・。

 しかし、権力者に対しても、容赦なく司法の鉄拳が下るというのは、胸のすく思いがするのは、正直なところでもあります。少なくとも、彼のためにすでに有罪判決を受けている人が多数いるのですから・・。

 裁判には、彼の3人の息子が来ていたそうですが、そういえば、前の会社の同僚で息子がサルコジの息子と同級生だって言ってた人がいたけど、あの人どうしてるかな??と全然、関係ないことを思い出しました。


サルコジ前大統領実刑5年


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2025年9月25日木曜日

マクロン大統領 ニューヨークの路上通行止めでトランプ大統領に直電

 


 マクロン大統領がニューヨークの路上で通行止めのための足止めを食い、警備のためのニューヨークの警察官と押し問答する映像が拡散されて話題となっています。

 国連本部でパレスチナ国家承認に関する演説を終えたマクロン大統領は、トランプ大統領専用車列通過のために通行止めにされていた道路で足止めを食い、警察官に「私はフランスの大統領だ!これからフランス大使館に行くので通してほしい」と頼んだものの、警備のための警察官は、「すみません、大統領、これからトランプ大統領の車両が通過するため、どなたもお通りになれません」と丁重に謝りながら対応しています。

 それでも、納得がいかなかったのか? マクロン大統領は、その場で携帯を取り出し、トランプ大統領に直電し、「あなたのおかげで全てが封鎖されていて、足止めを食っている・・」と直談判をしています。

 結局、現場を把握しきれないトランプ大統領が直電を受けたといって、警備を緩めることができるわけはなく、マクロン大統領は、結局、トランプ大統領の車両が通過したのち、警備に守られながら、30分ほどニューヨークの街を歩いてフランス大使館に向かったそうです。

 このブロックのおかげで、「非常に友好的な電話会談で、いくつかの国際問題について意見交換することができた」とマクロン大統領側近は、説明してはいますが、警備のための通行止めでさえ、フランスの大統領ならば、「どうぞどうぞ、お通りください・・」と言われると思ったのでしょうか? 恐らく、この日、通行止めに遭遇したVIPは、他にもいたと思われますが、黙って引き下がらないのは、いかにもフランス人と言いたいところでもありますが、なんとなく、通行止めに遭っただけで、大統領に直電まで入れる・・よく言えば押しの強さ、というか、なかなか強引な・・というか、傲慢な印象も受けます。

 日本の首相だったらば、間違いなく、黙って迂回する道を通るであろうと思われますが、引き下がらずに大統領に直訴とは・・。結局、マクロン大統領本人が思うほどには、アメリカでは、彼は特別扱いが叶わなかったという悪目立ちしただけの感じ。

 また、逆にマクロン大統領が通行止めを食ったのが、日本で、もしも、同じようにマクロン大統領に詰め寄られたとしたら、また、首相に直電がかけられたとしたら、毅然とお断りすることができただろうか? そんなことも想像してしまいます。

 しかし、結局、フランス大使館まで歩いて行った際には、周囲の人々の写真撮影などにも応じながら、なかなかご満悦そうだったマクロン大統領、結果的には、それが大変、有意義なことであったかのように、自分にも周囲にも知らしめようとするところも、私が言うのもなんですが、なんとなく、鼻につく気がしてしまうのです。


マクロン大統領 ニューヨークで足止めでトランプに直電


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2025年9月24日水曜日

こんなのあるの?パリでバス泥棒!

  


 時々、信じられないようなことが起こるパリですが、なんとRATP(パリ交通公団)のバスが盗難に遭いました。

 どうして?そんなことがあり得るの?と思いますが、俄かに信じ難い話が起こるのも、これまたパリなのです。

 週明けの超早朝(深夜)の時間帯、パリ・モンパルナス駅でバスの運転手が休憩をとっている間にホームレスの男がバスを盗み、バスを運転して逃げました。

 停めていた場所からバスが消えていることに気が付いた運転手は、直ちに、RATP車両のリアルタイム監視を担当する旅客規制情報センター(CRIV)に連絡しました。

 バスは位置情報確認システムにより、ポルト・マイヨ周辺にいることが確認されましたが、環状道路に向かっている模様でした。

 最終的には、警察に通報がいき、バスが停車していた場所から約13㎞離れたポルト・バニョレで車両とともに犯人が確保されました。

 パリ地域ネットワーク旅団(BRF)に委託された捜査の初期調査結果によると、バスの運転手は休憩中にキーをイグニッションに差し込んだままにしていたことが示唆されています。バスはイシー・レ・ムリノからボビニーまでを走るN13夜行バスでした。

 RATPは、これに対し、バスはキーではなく、ドアのジッパーをあけると、ボタンを押すだけで発車すると釈明しています。(釈明になっていないと思うけど・・)

 私は、パリ市内を走っている夜間時間帯のバスには、乗ったことがないのですが、日中の時間帯の場合、運転手さんが次の発車時刻までの短い時間帯に休憩をとっている場合、バスのドアを開けたままにして、乗客がバスに乗って待っていられるようにしてくれている車両も珍しくはないのですが、こんな盗難事件があったとすると、今後は、運転手がバスを離れるときには、乗客はバスの中で発車を待つというようなことができなくなるかもしれません。

 幸いにも、盗難にあったバスには、乗客はいなかったそうで、負傷者も出ていないということです。

 しかし、もしも、停車中のバスに乗客が乗っていた状態のままバスが盗まれて、突如、発車したら・・と思うとそれはそれで恐ろしい話です。

 このバスを盗んで運転して逃げようとしていたホームレスの供述は、発表されていませんが、この人物は特に警察にマークされていた人物ではないということだけが、明らかにされています。

 深夜、というか、早朝時間帯とはいえ、バスが盗難に遭うなんて、初めて聞いた!と驚いたのですが、実はRATPのバスが盗難にあったのは、これが初めてではないそうで、2024年5月には、元RATPの運転手が勤務時間外にバスを盗み、乗客を乗せて移動したということがあったそうで、また、同年7月には、別の盗難事件も発生していたようです。

 今回の事件も含めて、RATPは、バスのセキュリティー強化を訴え、苦情を申し立てているということです。

 苦情を申し立てる前に、休憩時間中とはいえ、バスの停車時の管理を徹底させるのが先では?と思うのですが、いかにもパリな訴えです。

 それにしても、このバスを盗もうとしていたホームレスは、バスを盗んでどうしようとしていたのか?それもなかなか気になるところです。


パリRATPバス盗難事件


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