「ペリエを生産しているヴェルジェーズのガール工場で、ペリエの75clボトルの炭酸水に病原性の腸内細菌が検出され、生産ラインが停止、369パレット、すなわち約30万本のボトルが廃棄された」という報道に、正直、「また、ペリエ・・まだ、改善されていなかったのか・・」とガッカリというか、ウンザリしました。
ペリエに関しては、過去に何度もその品質汚染についてが問題視され、その度に、大騒ぎになるものの、問題のあったボトルに関しては廃棄、改善命令・・という動きが何度も続いてきました。
ペリエをはじめとした「ネスレグループ」のナチュラルミネラルウォーターについては、私の知る限りでは、2021年から問題が大きく取りあげられて問題視され、それは水源から汲み上げた水のフィルター処理の問題も浮かび上がり、水質汚染とともに、ナチュラルミネラルウォーターとしての製品には、認められていないフィルターを使用していたことなどもわかっていました。
問題提起は政府のトップにまで上がっていたにもかかわらず、エリザベス・ボルヌ政権は、ネスレグループとの間にこれを認めて、このフィルター規制を免除しており、後に、トップ同士(ボルヌ元首相とネスレグループ)での密談が行われていたことまで明らかになっていました。
その際にも指摘されていたのですが、要は、このペリエ(ネスレグループ)の水源は、もはやナチュラルミネラルウォーターの水源としては、成り立たないほどに汚染が悪化してしまったということで、これをなんとか、使い続けるためにペリエ工場は、本来はナチュラルミネラルウォーターには使用できないフィルターを使ったり、それを使っていたとしても、さらに病原性の最近が混入してしまうという事態に陥っているのです。
ところが、今回もペリエ側(ネスレグループ)は、「水源の水質とは無関係で単なる工場内の品質管理処置に問題があったため」と答えています。
これに対して、この工場のあるオクシタニー地方保健局は、「ネスレウォーターズとの協議が予定されているものの、ナチュラルミネラルウォーターとしての資格剥奪、完全な製造停止勧告にまで及ぶ可能性もある」ことを表明しています。
ラジオフランスの取材によれば、オクシタニー地方保健局・事務局長は、ヴェルジェーズにおけるナチュラルミネラルウォーターの生産を今後、一切、認可しないことを勧告しており、これは、採掘している全ての水源に適用され、具体的には、このペリエが消滅することを意味しています。
食品メーカーにとって、その衛生管理・品質管理に関するスキャンダルは致命的と思われるところを数年にわたり、問題視されているにもかかわらず、不誠実な対応とそれを容認していた政府には憤りを感じざるを得ません。
2022年の段階で、IGAS(社会問題総監察局)が当時の経済相に提出していた報告書では、問題のフィルターの使用を含めて、現在の精密濾過システムではすべてのウィルスを濾過するには充分ではなく、特定の細菌が通過してしまうリスクの可能性について警告しています。
にもかかわらず、どういうわけか、それがそのまま見過ごされ続けていることは、どうにも歪な政府の対応とネスレグループの舐め切った対応です。
ペリエというブランド・・ネスレグループという巨大グループ、ペリエという名前があるからこそ、消費者は一定の安心を買っているようなところがありますが、このグループが巨大であるゆえに、問題を改善せずに、政府さえも丸め込んでしまう力を持ってしまうことも皮肉なことです。
ネスレウォーターズは、現在、市場に出回っている製品に関しては、一切問題はないとしていますが、こんな話を聞いてしまった今は、どうにものばそうとしていた手が引っ込みそうです。
ペリエ汚染水問題
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