2024年11月14日木曜日

SNCF(フランス国鉄)・RATP(パリ交通公団)・航空業界・農家 フランスを襲うストライキの波

  


 今年の秋は、これまでは、比較的、デモやストライキが少ない印象がありました。例年ならば、夏のバカンスが終わって、新年度(9月)の始まりとともにデモやストライキが始まり、やっとバカンスが終わって、ようやく仕事・・ではなく、さっそくストライキ??と思うことも少なくありません。

 なんなら、夏休み前に、9月のストライキを予告してから、バカンスに入るようなところもあるのに、今年はパリ・オリンピックがあったり、また、それを前後して解散・総選挙が行われた挙句にいつまでも首相が決まらずに、政府の体制がはっきりしなかったこともあるのかもしれません。

 ようやく政府の体制が整い、政府はさっそく来年の予算案を少しずつ発表していったので、自ずと、それに反発する動きが後にズレたのかもしれません。

 それにしても、ここ1週間ほどで発表されたストライキの予定は、SNCF(フランス国鉄)、RATP(パリ交通公団)、航空業界(全国路線操縦士組合(SNPL))に加えて、FNSEA(全国農業経営者組合連合会)と青年農業者組合による大規模デモと、広範囲にわたっての混乱が予想されます。

 それぞれに理由は別々で、SNCFに関しては、かなり大雑把な言い方をすれば、国鉄民営化の一端であるフレットSNCF(主に貨物輸送)の解体と分社化→民営化に反対するもので、これ(フレットSNCF)が欧州委員会による不法公的援助訴訟の対象になったことも影響していると見て、欧州委員会にも非難の目が向かっています。

 SNCFは、これらの措置の一時停止を求めて、11月21日、そして、12月11日からの無期限ストライキに突入すると発表しています。

 RATP(パリ交通公団)は、11月11日から13日まで、労働条件やメトロやバスの料金体制変更によるバスへの競争解放を非難することを目的としています。

 また、航空業界に関しては、フランス発着の航空便に対する連帯税を3倍にする政府案に反対して、全国路線操縦士組合(SNPL)・パイロットが11月14日のストライキを呼び掛けています。

 これは、赤字財政を埋めるために政府が提案している増税案で、政府はこれにより10億ユーロの追加収入を見込んでいます。

 そして、最後(ではないかもしれないが・・)に、この波に加わるのは、FNSEA(全国農業経営者組合連合会)と青年農業組合が11月15日または19日からの大規模な動員計画を発表しています。

 今年の初め、国際農業見本市を一つのターゲットにした農民たちによる高速道路封鎖などの抗議活動ですが、この結果、政府からは、改善案やいくつかの約束をとりつけたものの、事態は一向に好転しないうえに、気候変動による水害などの被害も甚大で、国からの保証付き融資の拡大や、EUメルコスール(南米南部共同市場)自由貿易協定は、フランスの農業にとっては、マイナスであると反対の意を訴えています。

 いずれにしても、このストライキの予定を見れば、11月は、11日から15日まで連日、なかでも、農民の抗議行動は、11月15日あるいは19日にスタートするということで、1日2日で終わる話ではありません。これはブラジルで行われるG20サミットを一つの照準にしていると言われています。

 また、SNCFに至っては、12月11日からは無期限ストライキという強硬な態度・・これが長引けば、今度はノエル時期の大移動の時期に重なる危険性もあり、大混乱が予想されます。

 ここ数日、急激に冷え込んできたパリですが、年末にかけては、熱気が高まりそうな気配です。


ストライキ フランス


<関連記事>

「農民たちの怒りが巻き起こす波紋」

「農民たちの怒りにマクロン大統領が再び火をつけた」

「サロン・ド・アグリカルチャー(国際農業見本市)の開催初日は大混乱 歴史的見本市」

「フランス政府 航空券にかかる連帯税(TSBA)の大幅な引き上げ検討」

「2025年1月 イル・ド・フランス鉄道網 均一料金価格導入と価格変更」

 

 

2024年11月13日水曜日

クロノポストからの詐欺メール

  


 先日、クロノポストから、「荷物の配達のために確認作業が必用です」という内容のメールが送られてきて、一瞬、「えっ?誰か何か?送ってくれたの?」と一瞬、ニッコリしたものの、いやいや・・誰か何か送ってくれたら、必ず先に、「送ったよ~~!」と連絡くれるはず・・。

 そして、落ち着いて、その画面を見直すと、クロノポストのマークがついていて、クロノポストの配達車の写真が載っていたりするものの、添付されている書類?など、なにかと、画面には、「ここをクリックしてください!(確認されない荷物は配達できません・・)」とか、荷物ナンバーとして、14ケタの数字が並んでいて、その横に「追跡」となっていて、やたらとクリックを促すようになっています。

 これは、もしかしたら、ヤバいやつなのかも・・?と思って、そのメールのリンクをそのままコピーしてググってみたら、なんと・・というか、やっぱり詐欺・・「Arnaque」と出てきました。

 危ういところで、「セーフ!」となったわけですが、これはよくある、パスワード、個人データ、銀行口座情報、オンライン アカウントへのアクセスを狙った上、さらに進めば金銭の支払いを要求される詐欺です。

 これを見分けるには、そのリンクをそのままコピーしてGoogleなどで検索するのが簡単で、かなりの確率でその前にメールを同じ類のメールを受け取った人が発したアラートにひっかるので、すぐに「詐欺(Arnaque)」と出てきます。

 考えてみれば、これからノエル、年末年始にかけて、一番、プレゼントの小包が行き交うこの時期には、このような詐欺が増えるかもしれません。

 そうでなくとも、これまで、特にクロノポストでの荷物がこちらから送ったものにしても、受け取るはずであったものが、どれだけ届かなかったことか! この時期の配送は、そうでなくとも避けるのが賢明です。

 それが今では、実際にはありもしない荷物を装った詐欺メールまでくるようになり、全く、閉口してしまいます。

 もっとも、母が存命中は、しょっちゅう送ってくれた荷物も母が他界してからは、叔母がしばらく送ってくれていたりしたものの、最近は、送る際にも受け取る際にも配送料とは別に税金を取られるようになったため、この税金を語る詐欺まであるそうで、どちらにしても、荷物は紛失・盗難に遭う可能性のうえに、この税金がバカにならない金額で、だったら、日本に行ったときに買ってくるからいい・・ということになり、まったく国際便の荷物の配送からは縁がなくなりました。

 もうあらゆる段階で気を揉むのに疲れました。

 とはいえ、こんなメールが届いてみれば、「えっ?小包?」と一瞬、嬉しくなって、危うく詐欺にひっかかるところだったので、気をつけなければ・・と思います。

 今回はクロノポストを装ったメールでしたが、オンライン詐欺のトピックは定期的に変わりますが、多くの場合、操作は同じままです。つまり、虚偽の情報を受け取り、存在しない状況を修正するためにリンクをクリックするよう求められるという基本的なパターンは変わりません。

 ファストフードの特別割引料金オファーとか、スーパーマーケットで○○の商品があたりました!とか、そんなものもありました・・。

 とにかく、第三者の見知らぬメールにはクリックしない・・、怪しいと思ったら、リンクを検索・・これは、トラブルを避けるために心得ておくべきこどだと思います。


詐欺メール


<関連記事>

「罰金135ユーロを督促する詐欺メッセージ」

「日本からの小包受け取りに課税されるモヤモヤ・・」

「日本の母からの小包」

「便利な生活がもたらすもの フランスへの修行ツアーのススメ」

「高い配送料金を取りながら、ちゃんと品物が届かないフランスの配送事情」

2024年11月12日火曜日

ミシュランのフランス国内2つの工場閉鎖計画が呼ぶ波紋

  


 フランスの多国籍タイヤ製造企業「ミシュラン」は、トラックとバン用のタイヤ販売の業績不振のため、フランス国内にある2ヶ所の工場での操業を2026年の初めまでに段階的に停止し、閉鎖することを発表しました。

 閉鎖される2ヶ所の工場は、ショーレ(メーヌ・エ・ロワール)とヴァンヌ(モルビアン)にある主にドイツ向けのタイヤ拠点で、50年以上、この地域に根付いていた工場の従業員1,254人の雇用が失われることを意味しています。

 これに対して、同工場の労働組合は、一斉に決起し、これを残忍かつ一方的な決定であると大反発、この工場の閉鎖が発表されて以来、デモやストライキを継続しています。

 このミシュランの工場閉鎖とそれに伴うデモやストライキの報道に、2020年にブリヂストンがやはりフランス国内の工場を閉鎖した際に起こった騒動を思い出しました。

 タイヤ製造業界は、アジア製品に押され、業績が低下しており、2020年のブリヂストンのべチューン工場閉鎖の時点で、すでにミシュランは、ブリヂストンに世界シェアトップの座を奪われ、業績不振はブリヂストンよりも先行しており、2,000年初頭以来、フランスにおけるミシュランの工場閉鎖は、5件目、6件目になると言われています。

 私は、その時は、ブリヂストンという日本の企業であったために注目し、一企業が工場を閉鎖するのに、フランス政府の大臣クラスの面々までが登場し、これに反発する様子に驚いたのですが、今回も、似たような反発が展開されています。

 被雇用者からすれば、死活問題で、「20億ユーロ以上の利益を上げている会社がなぜ?工場を閉鎖するのか?」とか、バルニエ首相などは、これまでミシュランに対して政府が与えてきた公的資金や5,500万ユーロに相当する研究税額控除はどのように利用してきたのか?」などと攻め立てています。

 それに加えて、社会党まで出てきて、従業員支持の姿勢を表明し、工場閉鎖の一時停止を要求するという騒ぎになっています。

 アジア製品の拡大が叫ばれるなか、その実態は、中国製品といっても、中国製のミシュランのタイヤになっている!これは、不正な資本主義だ!と指摘する人もいます。

 しかし、資本主義社会で利益を求める企業にとって利益率を上げることは、当然のこと。構造的な問題があるとされるこれらの工場に対する対応をとっていくのは必然。

 考えてみれば、これは、タイヤ業界だけでなく、ついこの間、問題になったラクタリス(乳製品業)のフランス国内での牛乳回収量削減計画やサノフィ(製薬会社)のドリプラン部門の子会社売却など、国内生産部門を撤収していく動きは、似たものを感じます。

 ミシュラン側は、今回の2工場閉鎖に関して、「この地域の従業員やその家族に対して、彼らに提供できる支援策を全力で提供していきます」と発表しています。

 フランスは、このような工場閉鎖などに伴う解雇の場合、少なくとも、法律で定められた補償金(勤続年齢に応じたもの)を会社側は従業員に対して払わなくてはならず、会社側とて、そうそう簡単な話ではありません。

 しかし、業界全体の不振が続くなか、早めに手を打っていかなければ、会社もろとも共倒れになる危険もないわけではありません。

 それを逆手にとって、さらにあざといことをして膨れ上がる企業が、結局は生き残っていく社会なのです。

 弱い工場労働者たちが路頭に迷うことで、大企業は利益率をあげ、生き残っていく・・これが格差社会の一面で、それがあちこちで起こり続けていることに、呆然とするのです。


ミシュラン2工場閉鎖


<関連記事>

「ブリヂストン・フランス・べチューン工場閉鎖 ①」

「ブリヂストン・フランス・べチューン工場閉鎖 ②」

「乳製品業界世界市場トップに君臨する仏ラクタリスのフランスでの牛乳回収削減発表の波紋」

「サノフィ・ドリプラン等の一般消費者向け薬品部門売却に見る企業の収益性と国の関係」

「ネスレグループのミネラルウォーターは、違法精製水を販売していたという大スキャンダル」


2024年11月11日月曜日

友だちと旅行に行くのも色々、難しい・・

  


 最近は、日本に一時帰国をする際には、必ず、日本国内をできるだけ旅行したいと思って、予定を組むようにしていますが、これが、なかなか簡単ではありません。

 そもそも、私がまだ日本に住んでいた頃は、私もまだ若く、どちらかというと、海外旅行ばかりに目が向いていて、国内は、実家の山小屋がある場所や箱根やせいぜい伊豆程度で、あまり日本国内を旅行していませんでした。

 あの頃は、むしろ、安いチケットなどを探せば海外旅行の方がなんだか割安感があったし、むしろ、国内旅行の方が割高な気がしていて、国内旅行は、もっと歳をとって、海外旅行がしんどくなったときにしよう・・と思っていました。

 もうすでに、場所にもよりますが、海外旅行はけっこう、しんどい(フランス⇔日本は直行便で15時間フライト程度)のですが、現状、フランスに住んでいる以上、日本の国内旅行をするためには、まず、この15時間フライトのハードルを越えてからになるので、これから先はよりしんどくなる一方なので、日本に行った時には、ここぞとばかりに旅行したいと思っています。

 それでも、若い頃は、私の世代の女性としては、海外・国内ともにけっこう旅行している方だったと思うのですが、あの頃は、だいたい友だちと二人で・・ということが多かったと思います。

 お互いに独身だったし、同じ会社の友だちとか、学生時代の友人とか、身近な友人の間で、まあ、お互いに比較的、自由に気軽に決められていた気がします。

 フランスに来てからは、娘が巣立つまでは、もう娘の学校のバカンスを埋めるためにスケジュールを調整するのが精一杯で、また、日本に行っても両親がいる頃は、常日頃、親のために何もしてあげられないので、日本にいる間くらいは・・介護というほどのことではなくとも、なんとか、生活しやすいように家の中を整えたり、介護の手続きをしたりと、病院に行って、お医者さんに会ったりとか、そんなことに大忙しでした。

 今、私は、もう娘も巣立ち、両親も他界してしまったので、日本に行っても、自分の好きなように旅行をしようと思えばできるようになったのですが、ところが、友人たちの方は、それぞれの生活があり、忙しく仕事をしていたり、親の介護に追われていたり、また、懐事情にも色々あって、なかなか一緒に旅行をするのも難しいのです。

 両親が隣に住んでいるという友人もついこの間、急に母親が入院してしまって、家に残った父親の世話と入院している母親を見舞うのにてんてこまい・・また、もう一人は90過ぎの母親と同居していて、もうとても2日以上は家を空けられない・・と完全にがんじがらめの状態。

 旅行先や旅費にかけられる予算というのもまた人それぞれで、私の方は、せっかく行くのだから、多少の出費は仕方ない・・もうおそらく二度と来ない場所への旅行だったら、少々贅沢してもいいな・・と思っているのですが、これがまた、そのあたりの感覚が合わないも場合もあって、そもそもそんなに友だちが多くない私で、もうなんなら、友人と旅行するのは諦めて、娘を誘って行こうかな?と思ってしまいます。

 娘と旅行する場合、これ、お誕生日プレゼント、あるいは、クリスマスプレゼントの代わりにしといてね・・と旅費は私が払うのですが、友人の場合はそういうわけにも行きません。

 結果的に、ここ最近、私が旅行したのは、友人と・・というのはごくごくわずかで、娘と旅行ということが圧倒的に多いです。

 私自身は母親と二人で旅行ということなど、一回くらいしかしたことがなかったので、ずいぶん親子関係も違うな・・と思います。まあ、それはそれで、それぞれで良いなと思っています。

 なんなら、一人旅というものも、してみたいと思いつつも、今のところは、なかなか踏み切れずにいますが、いつか挑戦したいとも思っています。


旅行


<関連記事>

「日本の温泉は海外在住者の憧れの場所 やっぱり日本って素晴らしい!」

「久しぶりの日本国内旅行 宮古島」

「極上の温泉と最高のお料理とおもてなし 鹿児島県霧島温泉 石原荘」

「ついに旅先で腹痛に襲われ苦しむ娘」

「トロペアの圧巻の美しさの海と感動ものの赤玉ねぎ」


2024年11月10日日曜日

パリのメトロであわやの救出劇

  


 約2週間ほどまえのこと、パリのメトロ8号線のラ・モット・ピケ・グルネル駅で年配の男性がバッグを背中に背負いなおそうとして、バランスを崩したのか、線路に転落するという事故が起こりました。

 パリ市内のメトロは路線にもよりますが、平日は、だいたい3~4分に1本の割合で電車がやってくるので、もしも、この時間帯に線路に転落したりした場合、そのタイミングにもよるとは思いますが、かなり急いでホームに這い上がらなければ、次の電車が入ってきてしまう可能性が高く、非常に危険です。

 パリのメトロのホームは、路線によっては、線路とホームの間に落下防止のためのガードの壁が取り付けられている路線もありますが、そうでない路線もけっこうあり、この8号線などは、恐らく、どこの駅にもガードはありません。

 にもかかわらず、ホームには、駅員はおらず、このような事故が起こった場合は、考えてみれば、RATP(パリ交通公団)は、どう対処するつもりでいるのだろうか?と思います。

 今回の事故では、男性が線路に転落して、すぐに近くにいた女性らが叫び声をあげて、すぐに人だかりができたとのことで、その中をたまたま居合わせた男性2人が即座に線路に飛び降りて、落ちたまま呆然としていた年配の男性をホームに持ち上げると、ホームにいた周囲の人々が救急隊を呼び、この救世主の男性2人は、ふたたび群衆の中に消えていったと言われています。

 ホームに転落した男性は、頭部外傷と脊髄損傷を負い、その後、パリ市内のジョルジュ・ポンピドゥー病院に搬送され、数日前に再び歩けるまでに回復したと言います。

 この応急処置をした医師は、いつ次の電車が来るともわからない線路に飛び降りて、負傷した年配の男性をリスクを冒してまで救いながら、さりげなく群衆の中に消えていった2人の男性の行為を称賛しており、また、救われた男性も心からお礼を言いたいと、その2人を探しているそうです。

 私は、ここまでの救出劇には遭遇したことはありませんが、本当にフランス人は、このような時、本当に困っている人に対して、とても親切でさりげなく手をかしてくれます。

 バギーで赤ちゃん連れの人などが、階段の前などにいたりすれば、どこからとなく、男性があらわれて、何も言わずに、手を貸してくれ、バギーを持ち上げてくれ、また、振り返りもせずに、あたりまえのように群衆の中に消えていくのです。かっこいいではありませんか?

 しかし、このニュースが流れるまでは、知りませんでしたが、メトロの線路のレールは、750ボルトで通電されているそうで、線路に落ちるということは、落下するというだけでなく、別の面でもとても危険なことなのだそうです。

 RATPは、線路上に人が落下した場合は、それを見つけた人は、全てのプラットフォームにある緊急端末に向かい、黄色いアラーム信号でRATPエージェントに連絡する必要があり、緊急用ハンドルで線路の電力を遮断することができるようになっているそうです。

 パリのメトロは治安は悪い反面、窮地に立たされている人に対しては、とっても優しい人がどこからとなく、表れて、あたりまえのように助けてくれるところは、フランス人の優しさで、いつもすごいな・・と思います。


メトロ8号線 線路転落者救出劇


<関連記事>

「パリのメトロ6号線でコートがドアに挟まって死亡事故」

「RER B線でホームから突き落とされた女性死亡」

「パリのメトロ9号線の車内で侮辱された女性が告訴状提出」

「公共交通機関のトラブルに遭遇し続けた1日」

「急停車に警察官の駆け込み突入・・騒動が絶えないパリのメトロ」




2024年11月9日土曜日

ワクチン接種の季節

  


 少し前までは、インフルエンザなどのワクチン接種のお知らせなどが来ても、私は、ほとんど無視したままで、長いこと、ワクチン接種はしていませんでした。

 そんな私がワクチン接種をするようになったのは、パンデミック以来のことで、当初、新型コロナウィルスのワクチンができた!となっても、まだ、開発されたばかりのものだし、その副作用や効用をどこまで信用していいものか?とコロナウィルスのワクチンも、しばらくは、どうしたものか?決めかねていました。

 しかし、長い間、おさまらなかったコロナウィルスの流行とこの病気にかかって悪化する恐怖の方がだんだん勝ってきて、しかも、途中からは、ほぼ、事実上の義務化のような状態になり、ワクチンをしていないと、極端に行動制限をされるようになった時期もあったので、その後は、もう大人しく従って、あっさりとワクチン接種を受けることにしました。

 また、それまでは全く無視していたインフルエンザの予防接種に関しても、インフルエンザに罹ったうえに、コロナウィルスにまで感染したら、さぞかし辛いことになりそうだ・・という恐怖から、ここ数年は、毎年、インフルエンザの予防接種も受けています。

 私の受けた医療の履歴は、私が医者に通ったり、薬を処方してもらった際には、すべて記録が保険のカードに蓄積されているためだと思いますが、私は、軽い心臓疾患もあったりするためか、虚弱な人々のグループに分類されているらしく、この手のお知らせ(ワクチン接種など)や、通知などが、メールなどでもやってきて、今回のワクチン接種に関しては、ご丁寧にバウチャーのようなものが送られてきています。

 私は、今年からは、インフルエンザとコロナウィルスの混合ワクチンのようなものになると完全に勘違いしていて、一応、他の診察の際にかかりつけのお医者さんに、これ?どうしよう?と相談してみたら、(このバウチャーが届いたのは、9月半ば頃でした)10月半ばには、ワクチンが出回りだすから、その頃にやった方がいいんじゃない?と言われていて、つい先日、バウチャーを持って、薬局に行ったのです。

 勝手に混合ワクチンだと思い込んでいた私は、ワクチンを受け取って、翌日にお医者さんの予約を入れました。

 混合ワクチンってどんな感じ?と思って、箱をまじまじと見てみたら、どうやら、それは、インフルエンザのワクチンのようで、薬局に戻って、コロナウィルスのワクチンは入っていないの?と言ったら、それは、来週以降にしか入らない・・というので、そのまま、とりあえず、インフルエンザのワクチン接種だけしてもらいにお医者さんに行きました。

 ちょうど、ふだん常用している薬も切れるタイミングだったので、ワクチン接種と一緒に薬の処方箋ももらってきたのですが、コロナウィルスワクチンは、私がやるから・・でも、インフルエンザワクチンとは一緒にはしない方がいいから、それは来週にしましょうと言われて、来週の予約を入れて、帰ってきました。

 インフルエンザとコロナウィルスの混合ワクチンができたのかと思っていました・・と言ったら、将来的にはできるかもしれないけど、今のところは、まだよ・・コロナウィルスのワクチンに関しては、未だにどんどん変異種が出ているから、新しい変異種に対応したものになっているはず・・とのことで、そんなに簡単な話ではないようです。

 インフルエンザのワクチンにしても、コロナウィルスのワクチンにしても、そのあと、だるくなったり、ちょっと熱っぽかったりすることもあるのですが、しないで、罹って、悪化した場合のことを考えれば、もう虚弱な人というカテゴリーに入れられているなら、それを素直に受け入れることにして、やっぱりやっておこうと気弱になっている自分を感じないでもありませんが、妙に強がっても仕方ないので、素直に従おうと思います。

 最近は、YouTubeなどを見ていても、テレビででも、「インフルエンザとコロナウィルスのワクチン接種をしましょう!」というコマーシャルが入ることもあるので、国は、このワクチンキャンペーンにずいぶんと力を入れているんだな・・と感心?しています。

 考えてみれば、以前に比べて、医者にかかる割合がグッと増えている私・・もうだんだん高齢者なみに医者通いが増えてる・・と自分でも思うのですから、虚弱な人の括りに入れられるのも仕方ないかもしれません。


インフルエンザワクチン接種


<関連記事>

「フランス発 肺がん治療ワクチン Tedopi について」

「寒さが最後の後押ししてくれたインフルエンザのワクチン接種」

「どうする?2回目のブースター接種(4回目のワクチン接種) 必要な場合と必要ではない場合」

「ちょっとビビった心臓のMRI検査」

「冬に向けてのワクチン接種」

2024年11月8日金曜日

フランス人はトランプ大統領の当選をどう受け止めているか?

  


 アメリカの大統領選挙に際しては、フランスでも大々的に取り扱われ、報道各局もメイン級のジャーナリストが現地入りして、アメリカ大統領選の盛り上がりや成り行きを現地から報道するほどでした。

 両候補ともに接戦で、一時は結果が出るのはいつになるかかわからない・・などと言われつつ、案外、あっさりとトランプ大統領が当選が決まりました。

 このトランプ大統領が選出されたことに対して、フランス人はどのような印象を持っているのか? BFMTVの世論調査によると、質問を受けた「フランス人の79%がアメリカの新大統領に対して悪いイメージを持っている」と答えています。

 不人気度は高いけれども、2016年のトランプ氏の初当選の際に比べると、これでも少しは減少しているらしく、当時は、83%が悪いイメージを抱いていると答えていたそうです。

 今回のアンケートの詳細は、51%が「非常に悪いイメージ」を持っており、28%が「かなり悪いイメージ」を持っていると回答したということで、これを合計して79%という数字になっているようです。したがって、トランプ氏に対して良いイメージを持っているのは質問対象者の21%のみということになります。

 調査対象となったフランス人の62%がトランプ大統領の大統領就任に懸念を抱いていますが、この懸念材料の一番、大きなところは、「気候問題・環境問題」であるとしています。これは、2017年6月に米国がパリ協定から離脱したことに起因していると思われ、アメリカ大統領選挙の結果は気候変動との戦いにとって悪いことだと考えているようで、いずれにせよ、トランプ大統領の当選はアメリカとヨーロッパの関係において、また、ロシア・ウクライナ戦争の解決、中東の紛争の解決にとっても、良いニュースではないと考えている人が多いようです。

 このフランス国民の世論を最も象徴的に表しているのがトランプ大統領当選以来のマクロン大統領の言動であるとも言えます。

 トランプ大統領当選の報が流れてすぐに、マクロン大統領は、祝辞のメッセージをXに投稿して公表し、ほぼ、その直後にドイツのショルツ首相と電話会談し、ヨーロッパの連携について、連帯の意思を確認したとポストしています。

 そして、その翌日、マクロン大統領は、ブダペストでの欧州首脳会議の開会時に、「これは我々欧州人にとって決定的な歴史の瞬間だ!今こそ、我々が行動し、国益と欧州の利益を同時に守り、我々の主権と戦略的自治を信じることを決意する時だ!」と宣言しています。

 また、「世界は草食動物と肉食動物で構成されている。もし我々が草食動物であり続けると決めれば、肉食動物が勝ち、我々は肉食動物の市場であり続けるだろう。」 「私たちは雑食動物になることを選択すべきだと思います。私は攻撃的になるつもりはありません。私たちが自分自身を守る方法を知ってほしいだけです。」と比喩的な表現も使いながら、決意を述べ、欧州他国にも呼び掛けています。

 攻撃的になるつもりはないと言いつつ、かなり挑戦的な戦闘態勢な印象を受けます。そもそも、思い返せば、4年前にバイデン大統領が当選した時には、マクロン大統領は、バイデン氏本人を歓迎するというよりは、トランプ氏に取って代わってくれてありがとう!という歓迎の仕方だな・・と思った記憶がありますが、あれから、戦争や紛争が起こるより難しい世界情勢の中、不安を抱くのもわからないではありません。

 しかし、個人的には、トランプ氏が良いか悪いかというよりも、78歳であのエネルギーとパワーは、超人的だな・・と思うのです。


トランプ大統領


<関連記事>

「アメリカのものが嫌いなフランス人の夫」

「フランス人はとうもろこしをブタのえさだと思っている」

「フランス人のプライド」

「アメリカ大統領選挙をフランスはどう受け止めているのか?」

「フランス人はマクドナルドがお好き」