2024年1月10日水曜日

フランス新首相にガブリエル・アタル氏就任 史上最年少34歳の首相

   エリザベス・ボルヌ氏の首相辞任が伝えられていた日の段階で、次期首相は翌日、発表されるとのことでしたが、大方の予想では、彼が新首相に任命されるであろうとの予想でしたが、そのとおりになりました。 若干34歳という若い首相は、フランスでは、以前37歳で首相になったローラン・ファビウスの記録を大幅に更新する若さです。しかも彼はどちらかといえば童顔で、歳よりも若く見えなくもありません。 エリゼ宮での首相交代のセレモニー?で、どちらかといえば、年齢よりも老けて見えなくもないエリザベス・ボルヌ氏と並んでいる様子を見ると、親子?ともすると、孫?くらいの年齢差に見えなくもありません。 彼が、2018年の国民教育・青少年大臣の国務長官として政府の中枢に登場したのは、若干28歳の時です。その後、政府報道官などを経て、首相に任命される前までは、昨年7月から国民教育・青少年大臣として、学校内でのアバヤ着用問題や、いじめ問題などに、かなりわかりやすい形で、どんどん新しい取り組みを進めていました。 私が彼の存在を認識したのは、2020年、彼が政府報道官として公の場に立つことが増え始めた頃でしたが、当時は、「なんだか生意気そうな男の子だな・・」という印象でした。 しかし、そのようにして、公の場に立つ機会が増えるにつれて、彼の言葉の力強さやエネルギッシュな姿勢、特に、その後、別の報道官に代わってから、逆に、「あら?彼の方が話が上手だったかも・・?」などと、私が言うのもおこがましいのですが、なんとなく、彼を見直すような感じを受けたのを覚えています。 なんといっても、彼はマクロン学校の優秀な生徒と言われるほどの人物で、大統領の大筋を外れることはないところが、彼が首相に任命された大きな理由の一つでもあると言われていますが、一方では、彼は、現在、世論調査によると、フランスで最も人気のある政治家と言われており、マクロン大統領が今後の任期を遂行するために、彼の人気を取り込もうとしたという見方もされています。 発信力、行動力も抜群で、力強く、エネルギッシュではありますが、若いだけあって、どこか危うさを感じないでもありませんが、とにかく若い人材が力強く国を動かしていく人材として登用されるフランスが日本人としては、非常に羨ましい気持ちです。 また、彼は同性愛者であることを公表している政治家でもあり、先代の女性の首相登用に続いて、LGBT問題に対するマクロン大統領のアピールもあるかもしれないとも思うのです。 これから新しい政権の人事(大臣級クラスの人事)が続々と発表されますが、間違いなく、彼のもとに続く大臣の面々は、間違いなくほぼ全員、彼よりも年長なはず。 内心では、おもしろくない気持ちのある人もいるだろうし、嫉妬もあるかもしれません。 しかし、若い人材が政府の中枢に入り、様々なことを学びながら、力強く将来のフランスを担う一人になってくれる機会が得られたことは喜ばしいことだし、日本も少しは、若い人材が活躍できる政治の場を築いてくれたらいいのに・・と思うのでした。ガブリエル・アタル首相 34歳<関連記事>「フランス内閣総辞職 フィリップ首相の退任 引き際の美学」「フランスのニュース番組を見ていて思うこと フランスの政治家の話すチカラ」「フランスに女性新首相エリザべス・ボルヌ現労働相が就任」「大統領選挙後のスケジュールとフランス国民が望む女性首相の擁立」「物議を醸すフランスの公立校でのアバヤ着用禁止...

2024年1月9日火曜日

エリザベス・ボルヌ首相辞任 

   女性として2人目のフランスの首相に就任したエリザベス・ボルヌ氏の辞任が発表されました。年が明けて、内閣改造を目論んでいるとされていたマクロン大統領は首相を交代させるという噂はありましたが、現実のものとなりました。 フランス初の女性首相エディット・クレソンはミッテラン政権のもと、それまでの数々の大臣経験や率直な発言が評価されて、1991年に首相に指名されましたが、首相になるや否や、性差別的な非難や物議を醸す発言で安定した地位は保つことができず、10ヶ月ほどで辞任に追い込まれています。 特に、ABCニュースのインタビューで、「同性愛は「ラテン」よりも「アングロサクソン」の風習に近い」と説明したことは致命的で、同性愛を認めるフランソワ・ミッテラン大統領を飛び上がらせたという逸話に加えて、同インタビューの中で、「フランスには日本のような黄色いアリはいらない」と答えたという話も日本人としては看過できない話でもあります。 それから約30年後にエリザベス・ボルヌは首相に就任したわけですが、これは、彼女自身の力はもちろんのことですが、女性を首相に据えてイメージアップを図りたかったマクロン大統領の思惑が作用していたように思います。 フランスのエリートにありがちな恵まれた家庭環境とは言い難い境遇に育ち、非常に努力してのしあがってきた彼女は、いわゆる真面目な優等生タイプの印象でしたが、首相就任に際して、女性として首相に任命されたことをとても喜んでいました。しかし、当初はやはり風当りが強く、早々に辞任届を提出か?などという噂も流れましたが、結局のところ、彼女は20ヶ月間、首相というポストを務めました。 その間の道はとても険しく、特に年金改革に際しては、大暴動を引き起こした49.3条を採決せずに、首相の権限において発令するという大変な任務を結局は乗り越え、今から思うと国会において、青筋をたてて、がなり立てる彼女の姿は忘れられません。 また、つい最近、改正された移民法についても、かなり反発も多かった中、どうにか、取りまとめた感じで、どちらもフランスにとって、大変な決定を大統領の盾となって成し遂げてきた感じがあります。 マクロン大統領は、彼女の辞任に際して、「私たちの国への奉仕におけるあなたの仕事は毎日模範的でした。...

2024年1月8日月曜日

フードバウチャー配布の取りやめと値下げの約束

    フランスの経済・財務・産業・デジタル大臣は、マクロン大統領が大統領選挙中に約束した低所得者層へのフードバウチャーを取りやめることを発表しています。 これまで、フランスはインフレ対応として、低所得者層に向けて、インフレ手当やエネルギーチケットなどを配布してきており、インフレ手当やエネルギーチケットの配布方法も少しずつ形や条件を変化させてきました。 今回、取りやめになったフードバウチャーに関しては、マクロン大統領の選挙公約のようなものであったため、該当者の間では、昨年から今か今かと待たれており、年末になって、現在は、セーヌ・サン・ドニで試験的に該当者に毎月50ユーロを6ヶ月間配...

2024年1月7日日曜日

アラン・ドロンの人生終盤の泥沼劇

    昨年から、アランドロンの家族間のゴタゴタ劇が報道されていましたが、気の毒なことにその騒ぎは、おさまっておらず、さらにヒートアップしているようです。 現在、88歳のアランドロンは、どう考えても幸せそうではありません。 2019年に彼の長年の映画界への功績を讃えてカンヌ国際映画祭で名誉パルムドール賞が贈られたその壇上で、彼は「これが自分が公に出る最後になる」といったような発言をしていましたが、恐らく彼は自分の体調の変化から感じていた率直な心情であったと思われます。 彼はそれから約2ヶ月後に脳卒中を発症し、以後、療養の日々が続いています。 アランドロンは、長年、彼の仕事のスタッフでもあり、また友人関係から徐々に恋愛関係に発展したといわれている日本人女性をパートナーとして選んで暮らしており、特に病に倒れてからは、彼女が彼の身の回りの世話、介護を全て行っていたようです。 しかし、昨年になって、長男を中心とした彼の子供たちがこの女性を彼らを父親から切り離そうとしていると、「モラルハラスメント」で告訴、彼女を追い出してしまいました。 この時点ですでに、おかしな話・・日常は寄り付かずに、介護は全て彼女に押し付けておいて、気に入らないことがあれば、家族で話し合えばいいことだし、なんといってもアランドロン自身が一喝すれば、済むことなのに、なぜ、告訴までして、長男がメディアにまで登場して、マスコミに公表する必要があるのか? 告訴状を受け取った検察も迷惑な話だろうな・・くらいに思っていました。 しかし、あれから、またしばらくたって、今年に入ってから、今度は、長男が長女に対して、「父親がスイスで行った認知機能の検査の結果が著しく悪化していたことを妹が隠していた」と、妹を告訴するつもりであると告白。 どう考えても、この長男、一応、俳優でもあるため、マスコミ慣れしているのか?やたらとインタビューに答えたりして、テレビにまで登場しますが、どう考えても一家をひっかきまわしている「困ったちゃん」です。 また、この家族の事情をメディアの雑誌やテレビの取材を受けて、ペラペラと話していることに、アランドロン自身が激怒して、今度は彼が長男を名誉棄損で告訴するつもりがあると彼の弁護士が発表しています。 アランドロンは、彼がこのような息子が展開するメディアに対して妹を攻撃したり、自分の老いを強調して世間に公表することに耐えられないと言っています。 彼には正式に認知している子供は3人いますが、一番関係が近いのは、娘であり、彼の遺産も彼女が50%、息子2人には、25%ずつに分配する証書がすでに作成されているそうです。 アラン・ドロンは、「アヌーシュカ(娘)とは異なり、息子アンソニー(長男)については、一度も彼のことを心から信頼したことはなく、今でも彼とはほとんど会ってはいない・・」、「彼は再び自分の名前を利用して、自分に不利な本を出版して知名度を上げようとしている・・」、さらに、「私を放っておいて、私の娘も放っておいてほしい」とも語っています。 すると、今度は、この長男、父親の認知症を理由に「現在、検察が彼を司法的保護下に置くことを検討している」とし、検察官が署名した書類をインスタグラムに公開。この書類には「アラン・ドロンの医学的専門検査の結論によると、彼の識別能力は完全に廃止されたため、私は彼を司法の保護下に置く手続きを開始することを検討している」とあります。 なぜ?この長男は、ここまで父親の名誉を傷つけるようなことを公表するのか? アランドロンの認知機能の低下がどの程度なのかは、具体的にはわかりませんが、あまりに思いやりがなく、哀しいことです。 アランドロンは、最初の妻と結婚するときに、自分の人生にはどうしても自分の子供が必用だと語っていたと言われており、家族や子供への思いはことさら強かったと思われます。しかし、この子供たち(とはいっても異母兄弟)と自分をめぐるいざこざには、あまりにむごいことです。 輝かしい功績を積んできた偉大なスターであった彼の人生の最終ページは、どう考えても幸せそうではないのです。富も名声も手にしても幸せとは限らない、むしろ、富と名声があったからこその今のこの事態なのかもしれません。アラン・ドロン<関連記事>「アラン・ドロンの子供たちが同居している日本人女性に告訴状提出のゴタゴタ劇」「終末期のデザイン」「日本にいる親友からの訃報」「フランスの高齢者施設オルペア...

2024年1月6日土曜日

警察官6人が電磁パルス銃使用で30歳の男性死亡 電磁パルス銃ってなんだ?

   モンフェルメイユ(セーヌ・サン・ドニ イル・ド・フランス地域圏)の真夜中過ぎの食料品店で30歳の男性が従業員を襲おうとしていたところ、18人の警察官が出動し、尋問を行おうとしたところ、この男性が反抗して警察官の手に嚙みついたり、顔を殴ったりして暴れ、極度の興奮状態にあり、アルコールの過剰摂取に加え、薬物を摂取していると判断した警察官は、電磁パルス銃を使用して逮捕に踏み切りました。 電磁パルス銃を使用したのは、18人の警察官のうち6人で、10発以上だったと言います。そもそもは、興奮状態にある男性を落ち着かせるために、男性に一時的ショックを与え、自由を奪うために、一般的な銃ではな...

2024年1月5日金曜日

マクロン大統領と岸田総理の年頭会見

   各国首脳が年始にあたって、演説や会見を行うことは、フランスでも日本でも同じですが、その方法は、かなり異なる印象です。 私は、日本人ですが、フランスに住んでいるので、どうしてもマクロン大統領と岸田総理を比べてしまうのですが、今年の総理の会見は、日本人としては、どうにも、聞くにも、見るにも耐えないとしかいいようがない気持ちになりました。 マクロン大統領の年頭会見は、年頭ではなく、大晦日の夜に一年を振り返りながら、新たな一年について語るという感じでしたが、意味合いは同じこと。しかも、会見というカタチではなく、一方的な演説のようなもので、エリゼ宮からの配信です。これは、毎年、同じです。 まあ、どちらの国もどれほどの人が注目しているのかはわかりませんが、時間的には、双方ともに12分程度で同じではありますが、岸田総理はかなりゆっくり話しておられるので内容的には、少ないような気がします...

2024年1月4日木曜日

パリの美術館 軒並み過去最高来場者数記録

   パンデミックのために、一時はほぼ観光客が来なくなり、また、ロックダウンや感染対策のために、閉館になっていたパリの美術館も、すっかり活気を取り戻し、2023年は、概ね、どこの美術館も少なくとも前年を大きく上回る来場者を記録しています。 なかでも、オルセー美術館は、年間来場者数390万人という歴史的記録を樹立しています。オルセー美術館の来場者数激増に大きく貢献したのは、「ゴッホ展」の開催で、この特設展は、高く評価されていました。 また、オランジュリー美術館も120万人の来場者を記録しています。 そして、なんといっても、パリで一番は、ルーブル美術館で、1日あたりの来場者数が3万人といわれ、こちらは桁違い、そもそも美術館自体の大きさも桁違いに大きいので、一度に入れる人数も全然違うので、簡単に比較することはできませんが、こちらは、年間来場者数が390万人と、過去最高記録とまではなりませんでしたが、前年比で14%増になっています。 しかし、これらの美術館の来場者数の増加は、アメリカやヨーロッパからの観光客が大半を占め、依然として、アジア人観光客(日本、中国、韓国など)は戻ってきておらず、アジア人来場者は、ルーブル美術館来場者の...