2023年2月28日火曜日

アヴィニョンでの暴行事件 襲われた57歳の女性 暴行証拠として男の舌を提出

  


 先週末、アビニョンのサンジャン地区で犬の散歩中の女性が性的暴行を受けたという事件がありました。怖い話ではありますが、残念ながら、これだけなら、そんなに珍しい話ではありません。

 しかし、その後の女性の勇敢?な行動が話題になっています。

 犬を散歩させていた57歳の女性を30代の男性が彼女を追いかけはじめ、男は隙を見て、彼女にとびかかり、彼女をつかみこんで、力づくで彼女にキスをし始め、同時に彼女の下半身に手を伸ばし始めていました。

 ところが、この女性、無理やりにキスをされている間に、もがきながら、男の舌を噛み切ったのです。

 思いがけない反撃に男が彼女を放した隙に、彼女は男の舌を口に含んだまま帰宅したのです。その後、彼女は家に帰って口の中にある噛み切った舌を吐き出して保管し、息子に事の始終を打ち明け、息子に付き添ってもらって警察に行き、暴行被害を訴え、証拠として噛み切った舌を提出したのです。

 すぐに現場にかけつけた警察は、口を血まみれにしている男を発見して逮捕しました。

 男は、彼女の方が自分の魅力の虜になり、自分に馬乗りになってきたと言い訳をしたようですが、彼女の証言と証拠により、あっさり却下されてしまったようです。

 私は、幸いにも暴行事件にあったり、襲われたりしたことがないのでわかりませんが、もしも、男性に襲われたら、相手の舌を噛み切るような勇敢?な行動に踏み切れるのか?(無理だと思うけど・・)と思いますが、彼女は、以前にも暴行被害に遭っており、その際に警察に被害を届け出たところ、証拠がないからといって、却下された経験があったのです。

 そのため、彼女は過去に悔しい思いをしたこともあって、もしも、再びそんな目に遭うことがあったら・・と考えることがあったのかもしれません。

 しかし、フランス人女性・・強い・・激しい。泣き寝入りなんてしない!。

 性的暴行ではありませんが、以前、パリで日本人が塩酸を顔にかけられる事件が発生したことがありましたが、被害者は軽傷で済んだために、ことを荒げたくないと被害届さえも出さなかったということがありました。

 気持ちはわからないでもありませんが、かたや舌を噛み切ってまで届け出るフランス人からは、塩酸をかけられてもなお、泣き寝入りをする日本人は理解されないかもしれませんし、性的暴行にせよ、塩酸による暴行事件にせよ、凶悪な犯罪者は野放しにすべきではありません。

 逮捕された男は、30代の住居不定、職業不定のチュニジア人で、フランス領からの強制退去命令が発令される見込みとなっているようです。

 それにしても、襲われた57歳の女性、どんな女性かわかりませんが、そうたびたび襲われるのは、気の毒でもありますが、不謹慎な言い方をすれば、よほど魅力的な女性なのかもしれない・・などと思うのでありました。

 年齢の話をするのは、この女性には失礼かもしれませんが、30代の男性が57歳の女性を襲うとは・・と、正直なところ、私はそこのところもちょっと驚かされたのです。

 しかし、考えてみれば、マクロン大統領夫妻の年齢差もそんな感じなので、そんな年齢差は全然、タブーではないのかも・・とも思ったのです。

 それにしても、女性は襲われた場合には、なんらかの証拠を提出しなければならないということを初めて知りました。


アヴィニョン57歳女性暴行事件 舌かみ切り証拠提出


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2023年2月27日月曜日

パリのバラバラ殺人事件 真犯人は被害者の夫だった・・

  


 パリ19区のビュット ショーモン公園でビニール袋に入れられた女性のバラバラ死体の一部が発見されたのは、2月半ばのことでした。発見したのは、公園職員で、公園内の植木などの廃棄物置き場の下に隠されていたのは、ビニール袋に入った切断された女性の骨盤部分と太ももでした。

 人間のバラバラ遺体の発見で、これは、直ちに殺人事件としてパリ司法警察の捜査が開始されました。遺体発見と同時に公園は立ち入り禁止で閉鎖され、死体の残りの部分の捜索が行われ、公園の池の中まで探した結果、残りの遺体は同じ公園内で発見されました。

 遺体の指紋から、身元が確認され、その遺体は2月の初旬に夫によりモントルイユ (セーヌ サン ドニ) にあるアパートから妻が行方不明になったと捜索願いが提出されている女性のものであることが判明しました。

 その後も捜査が続けられていたのでしょうが、犯人が確定された報道もないまま、他の事件に紛れて、忘れかけていたところ、昨日になって、あのバラバラ事件の犯人は夫だったことが発表されました。

 この男性、妻の行方不明をSNSで発信しており、その後、行方不明の妻の捜索がすでに別に行われていました。遺体の指紋とこの行方不明の妻の照合が可能であったのもこのためだと思われます。

 結果としては、彼が出した捜索願いを出したことは、彼にとっては墓穴をほったことになりますが、その後、今度はバラバラ遺体の殺人事件の被害者の夫としての証言があまりに支離滅裂であったことから、警察の疑惑を引き起こしたと言われています。

 最も決定的であったのは、この男が1月30日から31日かけて妻が外出したという証言に反して、アパートの監視カメラにこの女性の姿が写っていなかったこと、また、妻の捜索願いを出しながら、この男が全く妻の消息を探していなかったことなどが挙げられています。

 この女性の遺体は2月半ばに発見されていますが、すでに彼女は1月の段階で夫によって殺されていたのです。

 結局、身柄を拘束されたこの男は、すぐに妻を絞殺して、キッチンで妻の体を切り刻み、バラバラにした遺体をゴミ袋に入れ、ショッピング カートに入れ、バスでパリに行き、パリ19区のビュット ショーモン公園に捨てたと自白しています。

 理由は数年間にわたる夫婦間の恨みの感情と発表されていますが、これが計画的なものであったのかはわかっていませんが、突発的に激情にかられての殺人だったとしても、その後、遺体を切り刻むというのも猟奇的だし、その間、捜索願いを出して妻を探すふりをしたり、また、簡単に見つかりそうなパリ市内の公園に遺体を捨てるなど、不可解なことも多いです。

 暴かれてしまえば、あまりに稚屈なアリバイで推理小説にもならないような話です。

 フランスでは、女性殺害の事件が前年度比で20%も増加しており、そのうち配偶者または、元配偶者による殺人事件も少なくないようです。

 配偶者殺人は単なる殺人事件とは異なるカテゴリーの罪に問われるようで、この男、「配偶者殺人罪」「死体損壊」「死体遺棄」で裁かれるようです。

 そして、フランスで、バラバラ事件、猟奇的な事件が発生するたびに過去の例として登場するのは、いまだに日本人留学生が起こした「佐川くん事件」なのです。


パリ19区バラバラ殺人事件


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2023年2月26日日曜日

国際農業見本市に訪れたマクロン大統領に物申す人が続出

  


 毎年、パリで行われる国際農業見本市は、毎年、多くの人を集める一大イベントの一つです。今年は2月25日から3月5日までポルト・ド・ヴェルサイユの大きな会場で行われています。結構、地味に人気のあるイベントで、今年は50万人の人出が見込まれています。

 フランスは自国の食糧に誇り高きプライドを持つ農業大国でもあり、フランス各地から見事な牛、馬、豚、羊などとともに、地方名産のチーズやバター、またハムやサラミなどの肉製品など、様々な食料品も集結し、農業にまつわるアクティビティなども用意され、子供連れで訪れる人も少なくありません。

 私は、行ったことがないのですが、近くなってくると、牛が全面に載せられたポスターなどの広告が出てきて、いつか、このポスターの牛を見て、「美味しそうな牛だ・・」という夫のつぶやきにギョッとして、「この人は肉ではなく、牛を見て、美味しそうだ・・牛が美味しそう?と思うのだろうか?」とびっくりしていると、「日本人だって、魚を見て、美味しそうだって思うでしょうに・・」と言われて、フランス人というのは、こういうものか?と誤解しそうになりましたが、これは、一般的なフランス人の話ではありません。

 昨日は、この国際農業見本市が初日ということで、マクロン大統領が見本市の様子を見て歩き、生産者たちと触れ合い、対話の時間を持ったのでした。


 

 ただでさえ、人が多く集まるところに、グングンと入っていき、ごくごく近くで生産者たちや、来場客などと気軽に話をする様子は、一見、すごくオープンな感じで親しみが持てる感じもするのですが、今回は特に、年金問題などで政府が国民の反感を買っている時期でもあり、大統領を捕まえて、物申す人が続出し、かなり過激な言い合いになっている場面や、乱暴を働こうとしたのか、その場で取り押さえられる人まで出たりして、ちょっと話題になっています。

 わりとよく見かける光景ですが、マクロン大統領は、大勢の国民のいる場所にグングン歩いていき、危険はないのか?と思いますが、いざ、危険な場面に直面して、その場に居合わせた人がSNSにアップして(今どきな感じ)、その時の様子を見ることになるのですが、一人でグングン歩いているように見えるマクロン大統領の周囲には、イカつい男性のSPがびっしり固めており、いざ、暴漢が・・などという話を聞いて映像を見ると、どちらがSPなのか暴漢なのかよくわからないようなガードの仕方でフランスのSP怖い~~(日本のSPもよく知りませんが・・)と思います。


 

 このような場面で思い出すのは、やはり安倍元首相が襲われた事件での警護の問題ですが、現職ではなかったにせよ、あれだけの大物にSPらしき人がいたのか?いなかったのか?いたのに、事件が起こったとしたら、まことにお粗末な話でもあります。

 しかし、この映像で見るSPは、暴漢?の髪をひっつかんで、なんかすごいですよね・・まじまじと見なければ、髪の毛をひっつかんでいる人の方が暴漢なのかと思ってしまいました。

 きっと、これが日本だったら、このような場所に首相が入っていく場合は、あらかじめ道があけられ、一般の人は近寄れないような体制を作ってしまうのでしょうが、こんなふうに、国民と直に対話する場所を作って見せるということもあってもいいのではないか?とも思います。

 まぁやったにしても、ポーズだけで、本当の対話とはなりそうもありませんが・・。


SALON INTERNATIONAL de l'AGRICULTURE

Porte de Versaille 75015 Paris


パリ国際農業見本市


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2023年2月25日土曜日

「赤い3月」3月にはさらに値上げ 2月のうちに買い物をしていた方がよいのか?

  


 今年に入って、すでに2ヶ月が過ぎようとしていますが、今、フランスでは、来たる3月を「mois de mars rouge」レッドマーチ(赤い3月)などと名付けられ、これまで続いてきたインフレがさらに悪化すると見る向きが多く、「2月のうちに買い物をしておいた方がよいのか?」などという話題が上がってきています。

 これに対し、財務相は、このレッドマーチ(赤い3月)のリスク(特にスーパーマーケットなどでの食料品や日用品に関して)を否定する心強い言葉を表明してくれてはいますが、彼が否定しようとしまいと、すでに、もう2月の段階で価格はかなり上昇しています。

 これまでに、食料品に関しては、この1年で平均13.2%の値上がりしていることが明らかにされていますが、これも、品物によって、かなり差も大きく、大きいものだと、小麦は40%、砂糖45%、ステーキ肉33%となっており、特に小麦を原料とするパンやパスタなどは、そこまで値上がりしているかというと、現在のところそこまでの印象はないものの、今後もこのままで据え置きになることは考え難く、徐々に値上がりすることはやむを得ないかもしれません。

 大手スーパーマーケットチェーンなどは、おおよその年間の仕入れ価格をできるだけ抑えるように交渉を進めるとしているものの、それ以上の努力は難しく、当然のことながら、仕入れ価格に見合った値上げは致し方ないものと半ば開き直っている感じで、品物により、10%~30%の値上げが予想されているようです。

 すでに、かなりの値上げに直面している国民は、4人に1人が食料品の買い物を抑えていると言われており(特に若い世代)、また、価格を抑えるために、これまでよりも食品のランクを下げて買い物しているために、必然的に身体によくないものを摂取する傾向にあり、健康問題にまで発展することが懸念されています。

 私も昨日、たまたまスーパーマーケットに買い物に行って、あまりの値上がりぶりにびっくり! これまで1ユーロで売っていたサラダ(レタス)が1.5ユーロになっていました。そもそも、そんなに高いものではないとはいえ、非常にわかりやすい1ユーロから1.5ユーロという1.5倍の値段に、せこいと思いつつも、なんとなくバカらしい気がして、手を引っ込めてしまったのでした。

 それで注意深く、他の野菜をチェックすると、どれも似たり寄ったりの値上がりぶりで、思わず、ため息が出てしまいました。

 野菜の値段は、これまでもシーズンに左右されることもあったものの、サラダとか、じゃがいも、玉ねぎ、にんじんなどの、比較的、あまり季節感がなく、いつでもお手頃価格なイメージの野菜がこんなに値上がりしているし、(私が今まで気が付かなかっただけで、いつからこの値段になっていたのかはわかりません)これよりさらに、赤い3月などと値上げが続くのかと思うと、この値段の上昇に気持ちもお財布も慣れていくのは大変かもしれません。

 気付いてみれば、コマーシャルセンター全体が低迷していて、テナントの店舗が次々と撤退して、空きスペースも目立っていたところ、さすがに食料品や生活必需品を扱うスーパーマーケットはかろうじて生き残っているものの、こうインフレが進んでは、厳しい状況になっていくかもしれません。実際、価格が上昇しているために売上高は増加しているものの、販売量は減少しているということで、これがインフレによる買い控え、消費低迷ということなのだと身をもって感じています。

 そんなインフレの影響からか、コマーシャルセンター内の撤退した店舗の空きスペースに新たにオープンするのは、2ユーロショップとか、Action(アクション)などのハードディスカウントショップなどの日本でいう100均のようなお店(100円ではないけど・・)で、これが、さすがに安いだけあって、けっこう人も入っていて、結構、売れているのです。

 とはいえ、このようなお店では、さすがに食料品もスナック類やお菓子、せいぜいジャムや乾物のインスタント食品で、生鮮食料品は扱っていません。

 長いこと、日本の100均のようなお店がフランスにも出来たらいいなぁと思っていた私ではありますが、こう続々と登場し、パリらしいお店が消えていくことはそれはそれで、寂しくもあり、まったく常にないものねだりなのかも?とも思うのでした。


mois de mars rouge レッドマーチ 赤い3月 インフレ


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2023年2月24日金曜日

16歳の高校生が授業中に教師を刺殺する異常な事件

  


 サン・ジャン・ド・リュズ(バスク地方)の高校で、授業中に16歳の少年が教師を刺し殺すという衝撃的な事件が起こりました。

 事件は、まじめで穏やかな校風で知られる静かな私立のカトリックの高校のスペイン語の授業中に起こったことで、事件を起こした少年は、授業中、突如として席を立ち、おもむろに出入口であるドアを塞いだのち、無言で教師に近付き、紙に包んで用意していた刃渡り20㎝ほどの大きなナイフを胸に突き刺したと言われています。

 現場にいたクラスメイトの証言によると、事件を起こした本人は、ひどく落ち着いていたものの、教室内はパニック状態になり、悲鳴が響き渡り、この少年がドアを開けるまでは、どうしたらいいかわからず、凍りついていたものの、彼がドアを開けるとともに、みんなが我先にと逃げ出し、慌てて、窓から飛び降りて逃げようとする生徒までいた模様です。

 彼は警察に身柄を拘束される前に学校で、「何ものかに憑依され、とりつかれて犯行に及んだ」というようなことをつぶやいていたそうですが、同時に、「これで人生がめちゃくちゃになってしまった」というようなことも話していたと言われています。

 少なくとも、これまでに、このスペイン語の授業の間にこの教師と生徒の間に問題が起こったことは一度もなかったと言われているため、ますます不可解な事件であるとも言えます。

 この少年は、明らかに知的で勤勉な少年で成績もよく(スペイン語以外)、いわゆる警察や学校からマークされるような不良少年ではなく、ビデオゲームや友人との外出など、同年代の若者として典型的な行動をしていたとクラスメイトは証言しています。

 しかし、一面では、他人との関係がぎこちなく、精神的に不安定な傾向にあり、うつ病の病歴があり、昨年10月に薬物による自殺未遂の、抗うつ剤を服用していたようです。

 このような、未成年、異常な行動による犯行の場合は、精神鑑定により、その責任能力が問われることになりますが、身柄拘束後の検察による1回目の精神鑑定によると「統合失調症型の精神疾患は認められず」、「急性精神疾患による脱力感も認められない」と診断されているものの、1年前からうつ病の要素があることも判明しています。

 どちらにしても、彼が自分自身で用意して、犯行に及んでいることは、明らかなことで、計画的な殺人事件として、捜査が進められていきます。

 この少年がいわゆる常日頃から素行の悪いいわゆる不良少年ではないことは、かえって事件を複雑にしているようなところがあり、犯行動機というものは、成績優秀な彼が唯一苦手な教科がスペイン語であったということくらいしか見当たらないのですが、まさか苦手な教科の教師だから殺すということも考え難いことでもあります。

 しかし、多くの人の目の前で行われた殺人は、冷静に、なんのためらいもなく、ひと突きのみで確実に致命傷をおわせたものであることはなおさら、恐ろしく感じられます。

 こうなると、被害者の53歳のスペイン語の教師の人となりが注目されるのですが、これまたちょっと聞いたことのないような評判のよい先生で、「並外れて献身的な人・・」、 「とても穏やかで親切でとても良い人で、誰からも愛されていた・・」、「彼女は休暇中であっても、少なくとも 80 ~ 90% の時間を学校での仕事に費やしていました・・」というおそらくフランスの学校ではなかなか耳にしない評判のいい先生だったようです。

家族関係も良好で、夫婦や家族も、とても仲が良かったとのことで、彼女の周囲の人々は、やるせない気持ちのやり場に苦しんでいるのではないかと思われます。

 いずれにせよ、これが公の場で行われたもので、事件の捜査は、この少年の精神障害についてが、掘り下げて行われることになります。

 この現場に居合わせたクラスメイトをはじめ、同校の生徒たちのショックは大きく、そのケアのための心理的サポートのためのユニットが設置されました。

 パンデミック後、パンデミックのためにうつ病が急激に増加した(特に若い世代)と言われていましたが、まさかこんな事件が起こるとは・・。彼が単なるうつ病だけであったとは、思えないのですが、彼の善悪の識別能力を妨げるものが病気として判断されるのか?それとも彼の人格として判断されるのか? 今後の捜査で少しずつ解明されていくと思います。

 しかし、私にとって、少なからずショッキングだったのは、この事件が起こったのが私立のカトリックの学校だったということで、娘の学校選びに際して、知人や先輩方から、「フランスではクズは限りなくクズ・・学校は絶対、私立にするべき!」と言われて、私も、たしかにそう感じて、娘は、小・中・高校と私立のカトリックの学校に通わせていました。

 この事件の起こった学校のように、静かで穏やかに見える学校で子供たちの顔つきも違っているような気がしたものですが、実際には、かなり進学校で、高校生の頃は、試験が終わるたびに、生徒たちは、慌てて成績の順位をチェックするために携帯に釘付けになると異様な話も聞いていて、うつ病で学校に来なくなっちゃった子がいる・・などという話もそういえば、聞いたことがあったのでした。

 とりあえず、私立の学校の方が安心と思っていた私にとって、この事件は、私立とて、例外ではない・・と思わされる事件でした。

 殺された教師やその家族はもちろんのこと、この少年の家族とて、どれだけ打ちひしがれているかと思うとやるせなくなります。


16歳の高校生 授業中に教師を刺殺


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2023年2月23日木曜日

ギャラリー・ラファイエット 26の店舗にセーフガード手続き申請 デパートに未来はあるか?

  



 ここのところ、中規模の服飾品メーカーが相次いで、管財人の管理下におかれ、事実上の倒産状態になったり、経営危機が露わになってきていますが、フランス最大手百貨店もその中に含まれているようです。

 競合他社であるプランタンが国内の7店舗を閉鎖する発表をしたのは、2020年11月のことで、パンデミックが始まった年でもありました。

 この時、すでにギャラリーラファイエットは大丈夫なんだろうか?という思いが、ふと頭をよぎったのですが、どちらにしても、パリの店舗はさすがに同社全体の象徴的な存在でもあり、影響は及ばなかったために、フランス国内の地方の店舗の事情もピンと来なくて、あまり深く考えることもありませんでした。

 今回のギャラリー・ラファイエットのセーフガード手続きというものは、こういう申請の仕方もあるのか?と思ったものの、経営が上手くいっていないことに違いはありません。

 財務省の説明によると、セーフガード手続きの目的は、経営難に陥った企業が負債を清算しながら活動や雇用を維持するために、組織再編を促進することとされており、キャッシュフローが債務を決済するのに十分ではなくなったものの、まだ支払いを停止していない企業を対象に、経済活動や雇用を維持し、確実に債務を返済できるようにするためのものだそうです。

 これにより、債務の利息(法定利息、遅延利息、延滞利息)および課徴金の支払いが停止されます。

 このセーフガード申請の対象には、アジャン、アミアン、アングレーム、バイヨンヌ、ボーヴェ、ベルフォール、ブザンソン、カーン、カンヌなどの店舗が挙げられています。

 どちらにしても、プランタンといい、ギャラリーラファイエットといい、各段に観光客の多いパリの店舗はすっかり復活した観光客に支えられえていると思われますが、どちらにしてもこのデパート、百貨店という営業形態がもはや成り立たなくなりつつあることも事実です。

 私自身、そもそも買い物をあまりしなくなったうえに、ギャラリーラファイエットへ行くのは、ノエルのデコレーションを見に行く時だけで、それ以外は、ごくごくたまに行く、ラファイエットグルメだけ。

 考えてみれば、何か探して買い物に行く際には、「まぁとりあえずデパートに行けばみつかるだろう・・」と思っていたのは遠い昔の話で、今でも広範囲の色々なブランドのものが、置いてあることには違いがないのでしょうが、どうにも、見づらく、また、中途半端に高いという始末の悪さに、デパートで買い物をしようとは思わないのです。

 今は何か欲しい商品があれば、ネットで調べて、ネットで買ってしまう方が簡単なうえに、実物を見て、自分の手で触れてみてから選びたいという場合でも、お店もそれぞれに、簡単に調べて出向くことができるので、わざわざ不特定多数のある程度の商品数がおいてあるデパートに行く必要はないのです。

 ラファイエットグルメなどは、美味しいものがたくさん厳選されておいてあり、たしかに、よくこれだけ集めているなぁと感心するものの、やっぱりお値段は、それぞれのお店よりも若干高めに設定されており、短時間に一度に美味しいものを手に入れるには便利なところではあるのですが、このインフレで商品の価格には、今まで以上に敏感になっている消費者にとっては、敷居が高くなっているかもしれません。

 しかし、パリの店舗を見る限り、店舗はいつもにぎわっている様子なので、大きな問題ではないのかもしれませんが、購買力の弱い地方の店舗にとっては、ギャラリーラファイエットとはいえ、デパートという存在自体が、生き残りが難しくなっているものなのかもしれません。


ギャラリーラファイエット セーフガード手続き申請


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2023年2月22日水曜日

パリに日本人観光客がちょっとだけ戻ってきた・・

  


 パリは今、学校が冬休みのバカンス中で、パリの街を歩いていても、いつもよりも子供連れの人が多い気がします。

 かねてから、ノエルで年末年始がお休みなうえに、また冬休み!と思うこのバカンス期間ではありますが、今年はここのところ、冬休みというよりも春休みのようなポカポカした気候です。

 暖かい日差しの中を歩いていると、まことにのどかに見えるパリです。

 この間、ランチをしていたら、どうやら地方からやってきたフランス人家族連れ4人が隣席で食事をしており、それぞれ子供達が食べたいものや行きたいところが折り合いがつかずに、それぞれ意見を通そうと話しつつも、なごやかな感じが微笑ましく、また、両親用のアントレが運ばれてくると、子供たちはなぜかパパのお皿には手を出すのにママは独り占めで食べ続けるという家庭内のチカラ関係が垣間見えるようで面白いな・・と思いながら、眺めていました。

 しかし、それにしても、家族4人でパリに来て、何日滞在して、どこへ行くのかわかりませんが、結構、高くつくんだろうな・・などと考えていました。

 こういったフランス国内からやアメリカやヨーロッパからの観光客はすでに、昨年の夏頃から、もうかなり戻ってきた感じで、いわゆる観光地っぽいところに行くと、ガイドさんが旗をもって、解説していたりする一団を見かけたりもするし、セーヌ川を渡るバトームーシュ(遊覧船)などは、遠目から見るにも、けっこう満員です。




 それでも、昨年には、「世界からの観光客は完全に復活した!」と言われつつも、どうにも、日本人の観光客を見かけることはほとんどなく、日本人の私としては、どうにも寂しい気がしていました。

 それが、昨日、出かけようとしたら、まずバス停で日本語が聞こえてきて、「えっ?」と思って振り返ると、若い日本人のカップルでどう見ても観光客。日本人の場合、そのたたずまいというか、服装や雰囲気で、こちらに住んでいる人なのか?観光客なのかはすぐにわかります。

 そういえば、パンデミック前までは、2月のこの時期は比較的、航空券が安いこともあってか、卒業旅行や研修旅行などで、日本人観光客が意外と多い時期でもありました。

 我が家の近くのホテルの中には、日本のツアー客が使っているホテルがあって、時には、知り合いのガイドさんなどに偶然、お会いすることもあったのに、ここの数年は、日本人どころか、ガラガラだったホテル。そんなホテルにも最近、お客さんが入りだしたな・・と思ってはいたのですが、日本人までとは・・。

 パリ市内のメトロは路線によって、フランス語、英語などに混ざって日本語のアナウンスが入る路線が何本かあるのですが、パンデミックのこの3年間、観光客が来ないからといって、アナウンスのテープをわざわざ変えないということもあってなのか、日本人なんて、誰一人として乗っていないのに日本語のアナウンスが流れるメトロを「これって私だけのためになっちゃってるのね・・」と虚しい気持ちで聞き続けていました。

 それが、今日1日で、最初のバス停に続いて、2ヶ所で2組の日本人観光客らしき人々を見かけて、「あ~ようやく、日本人もパリに来てくれるようになってきたんだ・・」となぜか、なんとなく嬉しくなりました。

 長らく日本で生活していないので、日本で今、お休みを取りやすい時期なのか?よくわかりませんが、個人の観光客が気安い時期なのでしょうか?

 パンデミックの前の段階にはすでに、昔のような日本のグループの団体客というのは、めっきり減っていましたが、個人で観光に来ている日本人を見かけたりすると、大丈夫かな?なにか、力になれることがあれば・・と声をかけたくもなります。

 そこは、まだまだフランス人のおばちゃんたちのように、気軽に知らない人に声をかける勇気もなく、また、特に日本人に対しては、いきなり見ず知らずの日本人のおばちゃんに声をかけられたら、不審に思われてしまうかな?などと、臆してしまうのであります。

 今日、通りかかったノートルダム大聖堂は、未だ絶賛工事中で、ごくごく近くには近寄れないようにはなっていますが、その囲いには工事中の様子の写真と、その状況を解説するようなパネルが何枚もかけられていて、工事中は工事中なりの観光を楽しめるようになっています。

 



 考えようによっては、工事中のノートルダム大聖堂もこれまた、今しか見れないものなので、これはこれで貴重かもしれません。

 来年には、パリオリンピックで、またまた普通にパリに来るのが大変になりそうでもあるので、パリに行ってみたいと思っていらっしゃる方には、2023年はよい機会かもしれません。

 これから、日も長くなり、同じ日数でも、これまでの季節よりも、もっともっと楽しむことができるようになってきます。

 日本人のみなさん、パリに来てください。


パリ 日本人観光客


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