2022年9月5日月曜日

マクロン大統領は安倍元総理の国葬には参列しない

 


 

 「マクロン大統領は、安倍晋三元首相の葬儀への出席を拒否した」このフランスでの報道を見て、「やっぱり・・」と思いました。拒否したという言い方は厳しい言い方ではありますが、「招待されたにも関わらず、スケジュールの都合で出席できないという回答をした」ということではあるものの、事実上、拒否したという表現が本当は妥当なのだと思われます。

 衝撃的な安倍元総理の襲撃事件は、フランスでもかなり大々的に報じられ、当初は安倍氏の長期政権の功績などが神話として残されるかの如く伝えられました。しかし、結果として、それは、ほんの数日のみのことで、容疑者の殺害動機から、この事件の背景が暴かれるとともに、これを選挙・投票日前までは、事実をふせようとした日本の警察やマスコミなどの様子をフランスのマスコミは、厳しく指摘してきました。

 その後も、統一教会と政治のつながりや、統一教会による被害がどれほどのものであり、また、統一教会への献金という巨額な大金が全て韓国に吸収されてきたこと、問題のある団体であるにも関わらず、統一教会が日本において、勢力を拡大するために名称変更をすることを認めたりしてきたことなど、逐一、容赦なく報道されていました。

 また、近々では、日本では安倍元総理の国葬について、物議を醸していることなどもしっかり伝えられています。

 国葬について、仏ル・ポアン紙等では・・

 「最もナショナリスティックな人を除けば、日本人の大多数はこの国家的儀式に反対しており、東京など国内のいくつかの都市で「安倍の国葬をするな!」「こんなことに税金を使うな!」というデモが起こり、学者や作家が立ち上げた署名運動では、すでに7万人署名の嘆願書が届いている」

 「特に、政府は国会を通さずに式典を開催できる法律の条文に頼り、国葬をゴリ押ししようとしているが、これで良いのだろうか?」「この「国葬」は200万ユーロと見積もられ、すべて国の費用で行われることになる」

 政府報道官は「安倍晋三は総理大臣として8年8ヶ月という最も長い在任期間を持ち、様々な分野で結果を出したため、民主主義の象徴である選挙戦中に暗殺された」「国として、外からの多くの弔意に応えなければならない」と国葬にする理由を説明しているが、だいたい、国葬というもの自体、定義が不確実で、そもそも国葬というもの自体が皇族以外には、存在しないものになっている。

 「1967年に一人だけ元首相(吉田茂)の国葬が行われてはいるが、それは戦後、アメリカの占領下という特殊な状況下でのことだった」「現在の民主主義体制では国葬は規定されておらず、この点に関する法的根拠はない」という日本の政治学者のインタビューを引用して伝えています。

 このような報道からも、日本国民の大多数の反感を買っている、しかも問題ある新興宗教とのつながりが死後、まもなく露呈したスキャンダラスな国葬にマクロン大統領が参加するメリットなど一つもあるわけがありません。 

 空気を読むのが得意なはずの日本人、政府だけは例外のようです。

 マクロン大統領が出席しないと公表したことで、他国の現役の首脳もこれに続く可能性が大です。日本は大金を費やしながら、海外からの現役の首脳はほとんど参加することもなく、岸田首相の目論見の一つと言われている国葬外交も不発に終わることで、さらに不評を増大させてしまいます。

 国葬費用は一応2億円と見積もりを出し、残りの費用は国葬終了後に公開するとのことですが、そんなに無理矢理にも国葬を強行させたいならば、残りの費用は、これを強行する内閣のメンバーのポケットマネーで支払っていただくのは、いかがでしょうか?

 自分の懐が傷まなければ、海外にまで恥をさらして何をやってもいいというのは、あまりにおさまりがつきません。

 ウクライナでの戦争が続く中、インフレ、エネルギー危機など、どの国でも様々な問題を抱える中、海外の現役の首脳は、そんなに暇ではありません。

 フランスから国葬に参加するのは、(日本にはあまり好意的ではない)サルコジ元大統領かオランド元大統領の代理出席を検討中とのことですが、もしかしたら、外務大臣、いや在日フランス大使・・なんてことになるかもしれません。


マクロン大統領 安倍国葬拒否


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2022年9月4日日曜日

パリ市庁舎前のストリートフードフェスティバル

  

オリンピックのエンブレムが掲げられたパリ市庁舎前の広場


 今週末は、パリ市庁舎前でストリートフードフェスティバルがあると聞いて、覗いて来ました。天気予報を見ると、残念ながら、この週末はあまりお天気がよくなさそうで、慌てて家を出たのですが、途中から雨が降ってきてしまいました。しかし、幸い、平日の午後ということで、そんなに混んでもいませんでした。

 パリでストリートフードというと何があるのだろう?と興味がありましたが、出店しているのは、全てカミオンと呼ばれる軽トラの店舗で設営、撤廃などに便利なものが出店していました。ストリートフード=屋台=カミオン・・なるほど・・という感じでした。

 カミオンといえば、パリで一番、一般的なのはカミオンピッツァとよばれるピザだと思いますが、今回のストリートフードフェスティバルでは、その一番の定番のピザはあるにはありましたが、イタリアンのカミオンの中の一品ということで、あまり全面には出ていませんでした。

 


 考えてみれば、パリでストリートフードといえば、何なのか?と考えてみれば、屋台のようなものは、マルシェ・ド・ノエルとか、移動遊園地のようなものができている場所などにあるものなのでしょうか? ラクレットとか、ハンバーガーとか、ソーセージとか、チュロスとか、そんなものが思い浮かびます。




 ファストフードのようなものと考えれば、ケバブとか、ファラフェルなどが思い浮かびます。一時、パニーニがやたらと流行っていた気がしたこともありましたが、最近はそうでもありません。

 


 しかし、今回のストリートフードフェスティバルでは、奇を衒ったのか、ベトナムのバオや、なにやらあまり見たことのないハイチ料理や、フィッシュ&チップス、タコス・ナチョス・ブリトーなどのメキシカン、そして、何よりストリートフードとは思えない値段でビックリしました。  


 物価上昇中ゆえ、仕方がないことなのかもしれませんが、一品でも14~15ユーロ(約2千円程度)で、これだけ出すなら、もう少しマシなものをレストランでも食べられそうだ・・と思ってしまったのでした。

 しかし、フランス人の不思議なところは、日頃はつましくケチなわりには、外食にはお金を使うという不思議な人々。彼らにとって外食とは、食事そのものだけでなく、みんなと食べるとか、その場の雰囲気を楽しむとか、そういうことが含まれているのではないかと思われます。


あとから、気がついたけど、おじさん、かわいいソックスを履いている


 今回の出店の中で、ちょっとだけ心を惹かれたのは、パンペルドュと呼ばれるフレンチトーストでした。うしろに山積みにされたブリオッシュのパンを使ったフレンチトーストの甘い香りがあたりに広がっています。

 フレンチトーストを焼いているおじさんに「写真、撮らせて!」と頼んだら、じゃあ1枚につき、ビズー1回ね!とジョークをいいつつ、気軽にカメラ目線を向けてくれました。後から気がついてみれば、このお店だけは、カミオンではないお店でした。




 ふわふわで、ととろけそうに柔らかい焼き上がりのフレンチトーストには、お好みでチョコレートソースやチーズソースをかけてくれます。




 この日はあいにくのお天気で、途中で雨が降ってきてしまったにもかかわらず、パリジャンたちは、雨の中でもめげずに、雨に濡れながら、あるいは、傘をさしながらも外で食事を続ける光景には、どんだけ外での食事が好きなんだ!と、恐れ入りました。



 しかし、日本人の私としては、これだけパリでラーメン屋さんが人気なのだから、屋台のラーメン屋さんの一軒でもあったら、どんなにか人気だっただろうか?とか、いやいや、焼き鳥やたこ焼き、お好み焼きなどもあったらよいのに・・など、「だったら、日本に帰れよ!」と言われそうなことを考えながら、その場を後にしたのでした。


パリ ストリートフードフェスティバル


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2022年9月3日土曜日

エネルギー危機が招くデュラレックスなどの工場での冬の間の時短勤務と部分的失業手当

  


 特にエネルギーを大量に消費することを避けられない金属やガラスメーカーは、エネルギー価格の高騰のために、この冬に向けて、工場の閉鎖、縮小、時短操業などの措置に踏み切ることを決定しています。

 強化ガラスの食器の製造のパイオニアと言われるフランスの大手ガラスメーカー・デュラレックス社は、ロワレ地区(パリから160㎞ほどのフランス中心部にある地域)にあるガラス工場で働く約250名を11月から時短勤務にすることを発表しました。

 デュラレックス社は、このエネルギー危機の前(1年前)までは、エネルギーにかかる費用は売上高の5〜7%だったものが、現在では40%を超えているため、このまま通常の工場の操業を続けることは困難だと判断したのです。

 とはいえ、ガラス炉は、完全に停めてしまうと冬場は凍結の恐れがあり、火を落とし続けることはできないため、炉の凍結を防ぐために必要な最低限の時間は操業しなければならないのです。

 この時短操業に伴う、その削減された時間分の従業員の給与は国が負担することになります。パンデミックの際にも適用された部分的失業手当というものです。

 デュラレックスのガラスのコップは、割れにくく、丈夫なことで有名で、フランスの多くの学校のキャンティーンで使用されているもので、日本にも多く輸出されていますが、皮肉なことに昨年から今年にかけての売り上げは30%も上昇しており、デュラレックス社は、この冬の間の生産は減少するものの、商業活動は今後数ヶ月の間のための充分な品質の在庫があるとして、「お客さまには引き続きサービスを提供することができる」また、「この緊迫した時期にエネルギー消費を抑えることで、事業と雇用を維持するとともに、産業界の消費者としての責任について政府の期待に直接応えることができる」としています。 

 政府が、この部分的失業手当を支払うことで、デュラレックス社がエネルギー消費を削減し、かつ会社の存続に希望を繋いだをことで、多くの同業他社や金属・鉄鋼メーカーなどもこの例に続く模様です。

 フランスの鉄鋼グループAscometalも、ブッシュ・ドゥ・ローヌとモゼル県の工場敷地を縮小することを選択し、経営陣は労働組合に対し、11月と12月にそれぞれ3週間の生産中断を発表しました。

 この工場縮小や時短操業でなんとか冬の間のエネルギー価格高騰と消費の対策に努めながら、会社を存続させていく方針を固めたと思われますが、これとて、永久に続けられるものでもありません。

 フランスのエネルギー消費部門全体が、今後も電気やガスを別の価格で購入するための解決策や仕組みを見つける必要があるということです。現在も仕組みはあるものの、今回の値上げの速度を鑑みると、全く不十分であり、この解決策には、政府が大きく関わっていかなければならない問題でもあります。

 エネルギー多消費型企業だけでなく、すべての産業が危険にさらされています。全く大変な時代になっていきます。


デュラレックス時短操業 


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2022年9月2日金曜日

在仏日本大使館からの在留届確認メールの大混乱

  


 朝、起きて、メールを確認すると、在仏日本大使館からの<重要>と記されたメールが入っていました。現在のところ、こちらからの用事はないため、「はいはい、何でしょうか?」と余裕でメールを開けました。

 すると、「「在留届」の滞在期間が過ぎているか、未記入になっている方にお送りしています」ということで、現在も在留しているかどうかの確認だということで、なにやら、今ひとつ、理解しにくく、「帰国・転出届または変更届の提出がなされない場合、1週間の間隔をおいて2回目、3回目の同一メールが送信され、3回目のメール送信後、日本国内の連絡先や在留地の緊急連絡先等への確認を行います。それでも在留が確認できない場合、1年後に再度、各連絡先において在留が確認できない場合は、管轄地域から転出したものとして扱わせていただきます」という脅迫じみた内容でした。

 まあ、実際に転出しても、転出届を出さない人も多いために、一度、整理したいということだとは思うのですが、だいたい、私が在留届を出したのは、もう20年以上も前の話で、どんな内容を記入したかもよく覚えておらず、おそらく、フランスに入国した日にちやパスポートナンバーや、日本の本籍や連絡先だったような記憶しかなく、「滞在期間」などという項目はなかったような気がします。

 おそらく、そのために「滞在期間」が未記入とみなされたものだと思いますが、それにしても、今ひとつわけがわからなかった私は、そのうちやろう・・などと思っていると、うっかり忘れて、転出したもの扱いになって、「在留届が失効したら、在外選挙人登録をしたのに、投票ができなくなってしまう!」とちょっと焦ったのでした。

 ともかく、一度、電話して聞いてみようと、大使館に電話すると、電話は延々と繋がらず、1時間くらいかけ続けたでしょうか?それでもめげずに電話を続けると、ようやく繋がり、まず「在留届の件で・・」というと、「ただいま、その件で大変、混み合っておりますので、領事部の方と繋がりますかどうか・・」と言われ、また、延々と待たされて、ようやく繋がったと思ったら、また切れて、またかけ直し・・。

 やっとのことで、つながると日本の外務省からの通達で在留届の見直しを行っているとかで、これなら、全世界の日本大使館が同じことをやっているのか?と外務省はまた、何を始めたのやら?ヤレヤレ・・と思いました。

 私が「そもそも私が在留届を出したのは20年以上も前で、在留期間など記入する箇所はありませんでした」と説明し、「滞在期間も特に決めてはいないんですが・・」とも申し上げました。

 そもそも、留学とか、転勤などの場合は、おおよその滞在期間もわかるでしょうが、それ以外の場合は、いつまでいるかなんて、わかりません。

 電話の応対をしてくださった方は、もうすでに、さんざん似たような電話に応対しているようすで、「物騒なメールをお送りして申し訳ありませんでした。では、永住ということでよろしいですね・・」と電話でその場で変更をしてくださいましたが、内心、「永住すると決めているわけではないけどな・・まぁそういう扱いになるのかな?」と思いながら、一先ず、問題は、解決してよかったとホッと胸を撫で下ろしました。

 それにしても、この「在留届」の確認作業、1週間おきのメール送信は自動送信であるにしても、その後の連絡先への確認やさらに1年後の確認など、もう少し効率の良いやり方もありそうなものなのに・・と思ってしまいます。

 私の場合、今年の6月の後半に在外選挙の投票をしに大使館に行っています。在外投票をしている人は少なくとも在留しているわけで、その他にも面倒な作業を行うまでもなく、確認できるものは、かなりあるはずなのです。

 とりあえず、現在のフランス大使館は、この在留届問題でかなりごった返しているようで、電話も簡単には繋がらないし、そうでなくとも、外国人の日本入国のビザの申請など(いつもは必要ない人でも水際対策のために依然としてビザの申請が必要な場合が多い)で長蛇の列ができているというのに、もう少し簡単にできる方法もありそうなものを自ら仕事を増やしているような感じがしてしまいます。

 大使館の人は、「ただいま、多くの問い合わせのお電話をいただいていて、本日、お送りしたメールは不明瞭だったので、再度、わかりやすいメールをお送りさせていただく予定になっております」と仰っていましたので、この在留届のメールを受け取って「えっ??」と思われていらっしゃる方々は、後日、わかりやすいメールが届くそうです。

 

日本大使館 在留届


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2022年9月1日木曜日

ロシア 大手ガスプロム フランスへのガス供給 完全停止の衝撃

  


 ロシアの大手ガスプロム社は、9月1日からフランスへのガス供給を停止すると発表しました。同社は、「エンジー(Engie)(フランスの電気・ガス供給会社)グループが7月分の請求書を支払っていない」とこのガス供給停止を正当化しています。

 フランスは戦争が始まる前までは、17%のガスをロシアから輸入していましたが、現在は9%にまで落としています。最近ではフランスにガスを供給しているのは、ノルウェー(36%)や、アルジェリア、アメリカなど、供給源の多様化が進んでいます。

 ウクライナ紛争が始まって以来、エンジーへのロシアからのガス供給はすでに大幅に減少しており、最近では1ヶ月あたりわずか1.5TWhにまで落ち込んでいるとエンジー社はすぐに反応しています。

 つまり、契約時の量のガスが供給されていないために、エンジー社は実際に受け取っている分だけ支払いをしていると言っているのです。

 ロシア ガスプロム側は、ガス供給量の減少をメンテナンスのためと説明していますが、これが(メンテナンス)本当かどうかは別問題としても、受け取っていない分を支払わないのは、至極当然の道理です。

 しかし、エンジー社にとっては、これは、ある程度、予想していたことだと述べており、ガスプロムのフローが途絶えた場合でも、顧客に供給できるような対策をすでに講じているとし、逆にガスプロムに違約金を求めることを発表しています。

 もともと、ロシアのウクライナへの侵攻も、まともな理屈が通らない中、ロシア側が言い出す理屈や難癖には、世界中が閉口しているところ・・。現在のロシアとの商談、約束は成り立たないと考えるのが妥当なのかもしれません。

 先週の段階で、欧州のプラットフォームAgregated Gas Storage Inventory(AGSI)は、「フランスのガス在庫は冬に向けて90%の基準を超え、フランスは11月までに100%の目標を達成する見込みである」 と述べていることから、すでにロシア側がこのような難癖をつけて、武器を使わない攻撃を欧州向けに行おうとしていることを見通していたものであったと言えます。

 しかし、一方で、政府スポークスマンのオリヴィエ・ベランは、報道インタビューで「夏の終わりまでに、ガスの在庫目標を達成することを確認したが、これは、ロシアがガスを切断し、その多くが消費された場合に、フランスが冬を越すのに十分なガスを蓄えたということではない」と警告しています。

 それで、ここのところ、エリザベス・ボルヌ首相が国民に対してのみならず、各企業に対して具体的に10%の節電計画を10月までに作成するように呼びかけたりしていることの裏付けが表面化してきた気がしています。

 エリザベス・ボルヌ首相は、エンジーの顧客を安心させるために、「フランスのガスグループは他の供給源を見つけた」と述べていますが、具体的な供給源は明示していません。(日本政府が国葬の費用を明示しないのとは、わけが違うなどとチラと頭をかすめました)

 とりわけ、2021年の冬から禁止されると言われていたのに、結局は延期されていたカフェなどのテラス席の暖房は、今年こそは、本当に禁止になるかもしれません。

 しかし、このような現実の報道は何よりも国民への節電への求心力になるとも考えられ、現在、ロシアから供給されているガスがすでに4%まで落ちていたとしたら、4%の節電、省エネを考えることも方策の一つなのだ・・と、これから、私も省エネに努めようと思います。


ガスプロム フランスへのガス供給停止


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2022年8月31日水曜日

固定資産税の増税と未申告プールの税金徴収1,000万ユーロ

 


 毎年夏のバカンスの時期の終わりになると、3,000万人以上の住宅所有者が固定資産税の請求を受け取り、現実に引き戻される嫌な時期を迎えます。

 固定資産税などの税金は、毎月、引き落としで支払うこともできますが、毎月、支払っていない世帯に対しては、10月中旬に一括で納めることになります。

 今週から固定資産税の納税通知書は、オンライン化されています。お役所仕事は、とかくスムーズに運ばないフランスでも、本当に税務署だけは、しっかり働きます。

 価格の上昇は、エネルギーや食料だけではなく、あらゆるものがインフレに直面して、政府もまた、固定資産税の計算の基礎となる地籍上の賃貸価格を3.4%再評価することを決定し、2022年予算で議決させています。これは、ここ数年よりもはるかに大幅な増加です。

 これにより、フランスのいくつかの都市で固定資産税が引き上げられ、マルセイユや、アンドル・エ・ロワール県のトゥールでは、1年で15%以上引き上げられ、その他の場所でも続々と固定資産税は高騰しています。それにしても、15%引き上げとは、なかなか穏やかではありません。

 パンデミックをきっかけに、リモートワークが浸透した結果、家賃の高いパリを離れて、地方都市に家を買って引っ越す人が増えましたが、引っ越した先でも今度は固定資産税増税とは、厳しい世の中です。

 地方都市の家が売れて嬉しい悲鳴をあげていた不動産業者も固定資産税の上昇は、地方での家を購入する大きな躊躇いの原因となることを懸念しています。

 また、税務署は、今年の固定資産税の徴収に向けて、未申告の増築、ベランダ、駐車場、物置、プールなどの追跡にも力を入れ始めました。これは、昨年10月から、財務省が始めた家の庭に隠れた未申告プールを追跡する実験に端を発しており、グーグルとキャップジェミニが開発した人工知能ソフトウェアが使われ、衛星画像をもとに納税者の申告と比較が行われ、未申告部分の取り立てを行うわけです。

 一般的に固定資産税の計算のため、不動産の賃貸価値を高めるような工事は、地面に固定されている限り申告が必要で、建物の拡張はもちろん、テラス、ベランダ、庭の物置、プール、駐車場、部屋の増設なども含まれ、工事完了後90日以内に申告書を提出しなければなりません。

 また、固定資産税に加え、増築部分には開発税がかかる可能性があります。これは、建築許可や工事の事前申告など、計画的な許可を必要とする工事に関するものです。物置の表面積が5㎡を超えると有料になります。

 今年の夏はこの追跡のおかげ?で未申告であったプール2万箇所が発見され、財務当局には、1,000万ユーロの収入となりました。今年の夏は実験的に行われた調査でしたが、これに味をしめた財務省は、これを全国規模に拡大し、一般化することを発表しています。

 都市計画法により、工事の申告を怠った所有者は、建築面積1㎡あたり1,200ユーロから6,000ユーロの罰金が課せられます。

 まあ、もともと払わなければならないものを払うことになっただけではありますが、特に今年のプールの摘発については、干ばつによる水不足のため、思う存分使用できなかった人もいて、気の毒な気もしますが、工事終了から90日以内に申告した場合は、2年間固定資産税が免除される特典があります。

 どちらにしても、私には、財産もなく、何も持たない私には、関係ない話で、何も心配することはありません。

 何かを持てば持つほど管理や手間がかかり、身軽なのが一番!と思うのは、私の負け惜しみでしょうか?


固定資産税増税 未申告プール摘発


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2022年8月30日火曜日

フランスの物価上昇と年度始まりの100ユーロのインフレ手当

  


 ここのところ、買い物に行くと、ちょっとギョッとするほど、あらゆるものの価格が上がっているような気がします。普段、具体的に正確な値段を把握していなかったものでも、値段を目にして、「えっ??」とびっくりして、伸ばした手を引っ込める感じで、そんな感じで手を引っ込めていたつもりで買い物しても、最後にレジで、また、「えっ??」そんなに買っていないはずだったのに・・とウンザリします。

 かなりボーッとしている私が気付くほどの値上げなので、よっぽどなのだろうと思うし、散財してしまった・・というわけでもないのに、どんどんお金を使っているというのは、ちょっと恐ろしい気がします。

 それでも、ヨーロッパの中では、まだフランスは物価上昇率はマシな方だと言われていますが、7月の物価上昇率は、全体で約 6.1%と発表されています。でも感覚的には、もっと上がっている気がします。

 ちなみに、日本はどの程度なのかな?と調べてみたら、総務省統計局の発表では7月の物価上昇率は 2.6%でフランスに比べるとだいぶ緩やかなようです。

 大統領選挙を前後して話題にあがっていたインフレ手当(当初はフードバウチャーと呼ばれていました)は、ずっと先延ばしになっていましたが、9月の新年度開始を前にして、9月半ばに1人あたり100ユーロが支払われるようです。

 しかし、今回は、常態的にRSA、RSO、AAH、APL、ASS、AFIS、AVFS、AER、ASPA(障害者、家族・社会生活支援、住宅支援、連帯配分等)などの社会支援を受けて生活している人に限定されており、前回のインフレ手当に比べると対象となる人は少なくなる印象ですが、奨学金を受けている学生(該当者は約150万人)も、一定の条件下で支給されます。

 それでも該当するのは1,100万世帯にまで、のぼると言われており、基本1世帯あたり100ユーロ、扶養家族1人あたり、追加50ユーロが支払われます。ですから、例えば、3人の子供を扶養している家庭は、250ユーロを支給されることになります。

 この給付金を受け取るためには、何の申請もする必要はなく、自動的に口座に振り込まれるようになっているようです。

 このあたりは、フランスの良いところで、最も貧窮している人に対する援助は、一度、基本的な手続きをしていれば、かなり円滑です。

 しかし、この100ユーロがどの程度、助かるのかと言えば、未知数でもあり、全てが値上がりし続けている現在の状況を考えると、当然、値上がりしている物価のために泡と帰すだけの話で、元の原因を排除していただかない限り、解決しない問題です。

 同時にフランス政府は、国民、企業に向けて、できる限りの節電の呼びかけを始めました。特に企業に向けては10%の節電計画を建てるようにと具体的な数字までを示しています。冷房があまり普及していないフランスでは、電力消費は主に冬に消費量が上がります。まだ、ようやく暑さが和らいできたばかりの段階で、もう節電の呼びかけとは、あまりに用意周到で、逆に空恐ろしい気もしています。

 物価高騰・インフレによるものや、電力供給確保のための節電など、しめつけられる感がなかなか強まっていきます。

 まさに、マクロン大統領が言っていた「豊かさの終焉の時」を実感する日々です。

 日本の物価上昇は、フランスほどではないようではありますが、貧窮する家庭に対する社会保障はあまり良さそうではない印象。どちらが生きやすいのか、考えてしまいます。


フランスのインフレ手当 100ユーロ


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