2021年11月30日火曜日

オミクロン株対策の日本の鎖国についてのフランスでの報道

   

ヨーロッパ周辺のオミクロン株感染者が確認されている国々(オレンジ)



 未だはっきりとした情報がないままに、特性がまだわかっていない新しい変種の脅威に直面して、これまでにない激しい変異が見られ、他の変異株とは非常に異なり、予想以上の大きな進化を遂げていると言われているオミクロン株は、WHO(世界保健機構)から、早々に、警戒度が最も高い分類の「懸念される変異株(VOC)」に指定され、多くの国が緊急の対策を取り始めています。

 フランスはこの情報が流れてすぐに、南アフリカをはじめとする周辺7カ国からのフライトを停止するという措置をとり、まだフランス国内で感染者が確認される前からオミクロン株感染者が確認された場合は、感染者だけではなく、感染者に接触した者に対して、ワクチン接種の有無にかかわらず隔離措置をとるということを発表していました。

 これがほんの数日前のことで、最初の時点では、ベルギー、イスラエルのみだったオミクロン株感染者は、今やヨーロッパでは、かなりの国で感染者が確認され(イギリス、ドイツ、イタリア、ポルトガル、ベルギー、オランダ、デンマークなど)、イギリス・スコットランドの感染者の中には、海外渡航歴のない者まで含まれており、もはや市中感染が始まっていることが確認されています。

 フランスでは、オリヴィエ・ヴェラン保健相が「すでにフランス国内にもオミクロン株感染者が存在する可能性が高い」と述べていますが、現在のところ、フランスでは、オミクロン感染が疑われる者が8人とだけ発表されており、その確認結果が発表されていないままのため、フランスでのオミクロン株感染はカウントされていません。

 すでにデルタ株の感染拡大で、第5波の大きな波を迎えているヨーロッパですが、各国のこのオミクロン株対応には、かなり注目しています。

 ヨーロッパ内での対応は、特定地域からの入国停止など、大まかには似たり寄ったりの南アフリカ対応ですが、日本の「11月30日から世界中からの外国人の新規入国をすべて禁止する」とする発表はかなり衝撃的に報道されています。

 フランスでの報道では、「日本政府は、金曜日には、南アフリカ、ボツワナ、エスワティニ、レソト、ナミビア、ジンバブエからの訪問者が日本に到着した人に対して、強制隔離施設での隔離期間を10日間に延長することを発表していましたが、週末には、マラウイ、モザンビーク、ザンビアがそれに加わったばかりでした・・」

 「日本政府は、国境の制限を緩和したわずか数週間後、さらに厳しい鎖国措置をとることになり、緩和はたった3週間しか続かなかった・・」と、まるで日本の感染状況が悪化しているかのごときの書きようには、少々、違和感を感じるものでもありました。

 「そして、日本の政府首脳はまた、アフリカ南部の9つの国、およびオミクロン変異体の確認された症例が記録されている国から帰国する日本人は、「厳格なリスクベースの隔離措置」を受ける必要があると述べている。」とも伝えています。

 他にイスラエル、モロッコ、オーストラリアなども同様の外国人旅行者との国境を閉鎖する措置を発表し、オミクロン株鎖国をする国々として、一括りにしていますが、どういうわけか、日本が必ずその筆頭に挙げられているのは、「鎖国」という形態が過去の日本の歴史からも、島国である「日本」のイメージに近いことからくるのかもしれません。

 すでに、地続きであるヨーロッパ諸国では、デルタ株の拡大とともに、オミクロン株がかなり蔓延している可能性が高い状況であり、日本が早い時点で、未知なるこの新しい変異株の侵入を必死で食い止めようとするのとは、そもそも、別次元の問題なのかもしれません。

 しかし、海外在住邦人からしてみれば、日本に入国できないわけではないとはいえ、少々隔離期間が短縮され始めていたところが、フランスからの日本入国も再び、強制隔離施設での隔離期間が設けられ、ちょっとだけ近くなりつつあった日本が再び遠のいてしまった・・そんな気持ちです。

 とはいえ、外国人であれ、日本人であれ、同じ人間、感染を日本に持ち込むリスクは同じはずで、南アフリカからとはいえ、陰性証明を持って飛行機に搭乗した人間がオランダに到着時には、多数が感染していたことを考えれば、現在の渡航は控えるべきであることは、明白です。

 想像以上に早く、なかなか衝撃的な日本のとった「鎖国」対策、これが吉と出るか否かはわかりませんが、個人的には、妥当な対応であるような気がしています。


オミクロン株 日本鎖国


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2021年11月29日月曜日

このところ感じる日本とフランスの感染対策に対する温度差

  


 ここのところ、日本の友人や親戚と電話などで話す機会があり、感染対策に対する温度差にあらためてハッとさせられています。

 私は、もうここ2年近く、日本への一時帰国はできていないので、実際に現在の日本の様子を見ているわけではないのですが、話している相手(日本にいる友人や親戚)から、漏れ伝わってくる感染対策への警戒がほとんど緩んでいないことに、そして、同時に日本と比較するのもおこがましいほどのフランスの緩み具合を照らし合わせると、あらためて、愕然とさせられるのです。

 日本の友人から、「まだ、み〜んなマスクしてるよ!」とか、「まだまだ、前のようにみんなで気軽に集まって食事したり、おしゃべりしたりする雰囲気ではない・・」などと聞かされると、フランスでは、マスクをしていない人も一段と増え、(もともとマスクをきちんとできていない人も多い)(しかし、公共の場や屋内ではマスクが義務化された)、ヘルスパスでチェックされているとはいえ、思いっきり普通にみんなで会ったり食事したり、めちゃくちゃおしゃべりしているし・・とそのあまりの温度差の違いにちょっと愕然とするのでした。

 これは、フランスでの感染が増加していくのも無理もないかとあらためて感じるのです。

 ヘルスパスがあるだけで、フランスはもうコロナなどなかったかのような日常。

 日本はいつの間にか、感染もかなりおさまり、1日の新規感染者が100人前後というパンデミック以来、フランスはそんな数字にまで抑えられたことがないであろう数字にまで到達しているというのに、未だ持って、フランスのように罰金付きの規則に縛られることもないのに、警戒を怠らない雰囲気は、やはり別世界。

 もしも、フランスで1日の新規感染者が100人などということになれば、もうパンデミックは終わったかのごとく皆が有頂天になることでしょう。

 フランスでの「ワクチン接種をしたから・・」「ヘルスパスを持っているから・・」と甚だしい気の緩みは、あらためて日本にいる人の話を聞くと、「そりゃそうだよな・・感染者が増えるわけだ・・」と思わずにはいられないのです。

 フランスも一時は、ワクチン接種の拡大とヘルスパスの起用により、1日の新規感染者もそれでも5,000人程度まで抑えられていた時期もあったのですが、最近は、ヘルスパスのチェックも緩くなってきて、飲食店などでもバタついていたりすると、「結局ノーチェックだった・・」という話もちらほら耳にするようになりました。

 ヘルスパスにより取り戻した日常に慣れすぎて、ワクチン接種をしているから・・ヘルスパスを持っているからもう何をしても大丈夫・・という感覚になってしまっていることは明白なのです。

 私自身、マスクをしないで出かけることはありませんが、ヘルスパスである程度は、守られているからとちらほらと外食をしたりもし始めていました。

 時間の経過とともにワクチンの有効性が薄れていくことを危惧して、ブースター接種を加速化しているフランス政府ですが、同時にこの気の緩みもなんとかしなくては、この冬を無事に乗り切れないかもしれません。

 これからノエルや年末年始とヘルスパスのチェックのない「家での人の集まり」が増える時期にさしかかり、すでに、先日も隣人が大勢の人を招いての大パーティーを夜から朝にかけてやっている様子が聞こえてきました。

 国民性の違いといってしまえばそれまでですが、規制されなければ、自粛できない、規制されてもその網の目をくぐってやりたい放題の人々にいい加減、うんざりしています。

 いつまでたっても終わらないどころか、新しいオミクロン変異株なるものまで登場して、ますますパンデミックは長引きそうな雲行きです。

 パンデミックの始まりは2020年の始めだったので、そろそろもう丸2年になり、この調子だと3年目に突入するのは不可避です。

 「やっぱり、ちょっと、明日、日本に行ってくるわ・・」とか、気軽に日本に帰れる日は、一体、いつ戻ってくるのでしょうか?

 

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2021年11月28日日曜日

世界中がオミクロン変異株を警戒し始めた


空港で立ち往生する人々


 話題に上がり始めて、たった数日のうちに、オミクロン変異株は、WHO(世界保健機構)から、警戒度が最も高い分類の「懸念される変異株(VOC)」に指定されました。

 これまで気付いていなかっただけで、すでに、かなり広がってしまっているのか? それとも感染速度が脅威的な速さと強さなのかはわかりませんが、世界中はこの新しい変異株に対して、異例の警戒体制を敷き始めています。

 すでに昨日の段階で、南アフリカを含む7ヶ国からの到着便を一時停止する措置をとり、現段階でオミクロン株に感染した者は確認されていないフランスですが、オリヴィエ・ヴェラン厚生相は、「このオミクロン株感染の検査で陽性となった人、及びその陽性者と接触している人は、ワクチン接種の有無にかかわらず、隔離が義務付けられること」を発表しました。

 「感染者だけではなく、感染者に接触した者に対して、ワクチン接種の有無にかかわらず隔離」という制限は、フランスでは前例のないことであり、ワクチン接種が有効ではないことを前提に考えられている対応です。

 つい10日ほど前までは、ヨーロッパの周囲の国の感染拡大に警戒し、ベルギーなどの15ヶ国からのワクチン未接種者の入国には検査の陰性証明書の提示を求めるなどの措置をとったばかりのフランス、今回は、ちょっと警戒の度合いが桁違いなようです。

 先日の段階では、ベルギー、イスラエルのみでしたが、この変異株に感染している症例がイタリア、イギリス、ドイツ、チェコなどで続々と確認され始め、すでにこの変異株がかなり広範囲に渡り、広がっていることが予想されます。

 先日、南アフリカからアムステルダムに到着した便の乗客約600人のうち、61人がコロナ陽性であったというのは、衝撃的な出来事で、これがオミクロン株による感染かどうかは確認できてはいないものの、普通、飛行機に搭乗する際には、検査の陰性証明書の提示が義務付けられているはず、このチェックが南アフリカの空港で適切に行われていたかどうか、または、検査を受けた後72時間あるいは、48時間以内、または機内で感染したか?いずれにしても600人中、61人感染とは10%以上を超える感染は、どう考えても異常な数字であることに違いはありません。

 これは、オミクロン株の影響でアフリカからの渡航が制限される前の2便の飛行機からの感染者であることを考えれば、直ちに渡航制限をした措置は正しかったと言わざるを得ません。

 このオミクロン株による感染者がすでに確認されているイギリスでは、ボリス・ジョンソン首相が「我々は、この新しいオミクロン変異株対応のために「さらに一歩進んで、新しい検査体制を整える必要がある」とし、「イギリスに入国する人には、2日後にPCR検査を受け、検査結果が出るまで隔離を義務付ける」こと、また「再びマスク着用を義務化すること」などを発表しました。

 多くの国が南アフリカからの便を停止しているにもかかわらず、日本は規制を強化するのみで、入国を禁じてはいません。強制隔離施設での隔離を10日間に強化する方針のようです。もともと、フランスなどから入国する場合も強制施設隔離はなくなったものの、公共交通機関も利用できずに検査を何重にも求められ、2週間の自宅隔離。これでは来るなと言われているも同然です。しかし、これだけ注意深いはずの日本がなぜ、南アフリカからの渡航を一時でも停止しないのかは疑問です。

 現在、確認されているボツワナ、イギリス、ベルギー、ドイツ、香港、イスラエル、チェコ共和国、イタリアなどのオミクロン株感染者は、エジプトから到着したベルギー人旅行者を除いて、全てのケースは南アフリカ南部からの旅行者です。

 これは集中的に南アフリカへ渡航したものを集中的に追跡していることもあると思いますが、南アフリカでのコロナウィルス感染者はここ数週間のうちにこれまでのデルタ株よりもオミクロン株が優勢になっていることを鑑みれば、このオミクロン株の感染の威力と速度は十分に警戒すべき事態であるに違いありません。

 何よりも南アフリカからアムステルダムへの便での600人中61人感染の事実は、特に詳しく検証する必要があり、それがたとえオミクロン株ではないにせよ、異常事態。搭乗時には陰性とされていたはずの人々がいつのタイミングで感染したのか?また陰性証明がどの程度、信頼されるべきものであるか?これらについては、搭乗前の検査のタイミングなども見直す必要があるかもしれません。


オミクロン変異株 南アフリカ


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2021年11月27日土曜日

南アフリカで新たな変異株(オミクロン)検出の波紋 すでにヨーロッパでも検出

   


 南アフリカで新型コロナウィルスの新たな変異株が検出されたという衝撃的なニュースがヨーロッパにも届いています。そして、届いたのはニュースだけではなく、すでにベルギーでこの新しい変異種が検出され、ウィルス自体も届いていることが確認されています。

 この新たな変異株には、これまでで最も激しい変異が見られ、ある科学者は「これまでに見た中で最悪の変異株(B.1.1.529)には信じられないほどの激しい変異が見られ、これまでに流行した他の変異株とは非常に異なり、予想以上の大きな進化を遂げている」と述べています。

 この変異株にはさっそく、「オミクロン」という名前がつけられたようです。

 しかし、必ずしも悪い状況かどうかはまだ確認できていませんが、従来株を想定して開発されているワクチンが新たな変異株に有効かどうかの懸念を消すことはできません。

 現在の段階では、この新しい変異種が強い伝染性を持っており、急速に広がる可能性があると言われています。

 このベルギーで検出された新しい変異種の感染者は海外から入国したワクチン未接種者(エジプト→トルコからベルギーへ入国した30代の女性)であったことが発表されたため、フランスでは、急遽、南アフリカの7カ国からの到着便を直ちに停止することを発表しました。

 また、イスラエルでも、このオミクロン変異株の最初の症例が検出されたことを発表。マラウイから帰国した旅行者で、他にも海外から帰国した2人が現在監禁中になっていると述べ、これらの3人はワクチン接種済みであるという事も恐ろしい事実です。

 この即急な措置は「最低48時間」適用され、レソト、ボツワナ、ジンバブエ、モザンビーク、ナミビア、エスワティニからの旅行者にも該当します。また、フランス政府は、これらの国に過去14日間の間に旅行した人は、できるだけ早い時点でPCR検査を実施することを呼びかけています。

 WHOは、緊急委員会の一時的な勧告に従って、旅行対策を実施する際に、各国が科学的かつリスクベースのアプローチを引き続き適用することを推奨し、旅行者の制限に対しては積極的な対応を求めることを控えてはいますが、懸念事項として分類はしています。

 万が一、この判断が遅れ、ただでさえ、すでに感染が急拡大しているヨーロッパが致命的な更なる打撃を受けることを考えれば、後になってから、「なんだ・・そんなに大騒ぎするほどのことでもなかったじゃない・・」と思える方が賢明である気がしてなりません。

 この南アフリカからのフライトを禁止したのは、フランスだけではなく、イギリス、オランダ、ドイツなど、また、アジアの数カ国もこれと同様の措置を取り始めています。

 ワクチンを開発したファイザー・ビオンテック社は、このオミクロン変異株の出現に際し、この変異株がワクチン保護を逃れるものかどうかを判断するための研究の最初の結果を「遅くとも2週間以内」に期待していると発表しています。

 また、モデルナ社もほぼ同時にこのオミクロン変異株に対処するための戦略を発表しています。


 現在、ヨーロッパで再び猛威を振るっている状況に2回のワクチン接種、ならびにブースター接種を急拡大する方針に乗り出したフランスですが、もしもこの新しい変異種にワクチンの有効性が認められない場合は、また振り出しに戻ることになってしまいます。

 また、現在、ユナイテッドラグビー選手権(URC)のために南アフリカ滞在中のウェールズ、イタリア、アイルランドなどの選手団は、この新しい変異種の発表から、パニック状態になり、南アフリカをできるだけ早くに離れることを要求しています。

 この他、ゴルフ、クリケットなどの選手らもフライトが閉鎖される前に本国へ帰国するため、途中で試合を撤退しています。

 南アフリカでは、アフリカ大陸でウイルスの影響を最も受けている国の一つであり、これまでに290万人の症例、89,600人の死者が出ています。

 ヨーロッパ全体が大きな第5波に飲み込まれようとしている真っ最中に、さらに強力かもしれない新しい変異種の出現には、まったくもって、「また???」とうんざりするばかりです。


南アフリカ変異株 オミクロン


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2021年11月26日金曜日

2022年1月15日以降、2回目のワクチン接種7ヶ月後までに追加接種なしのヘルスパスは無効になる

 


 

 ドイツ、オーストリア、ベルギーなどの感染拡大をよそに、どうにか持ち堪えてきた感があったフランスでもここ数週間での新規感染者数が急増、毎週、1万人ずつ増えている感じで、とうとう3万人超え(11月24日の時点で32,591人)を記録する日が続いていています。

 いくらワクチン接種の効果で、ある程度の重症化を防いでいたとしても、これだけ感染者が増加すれば、地域によっては医療対応が逼迫し始めているところも生じ始めています。

 フランス政府(オリヴィエ・ヴェラン保健相)はこの感染が急増している第5波を、夏に発生した第4波よりも強く、長くなっていることに言及し、新たな対策を講じることを発表しました。

 まず、国民のショックを鑑みて、ロックダウン、夜間外出禁止、店舗営業の時間短縮、旅行等の移動制限はしないとした上で、「自由と責任を調和させる」方法を選択したと述べました。

 9月からはすでに65歳以上の人に対して開始されているブースター接種(3回目のワクチン接種)は、18歳以上のすべての国民に対して行われます。また、これまで2回目の接種から6ヶ月以上経過した場合に限られていたブースター接種は5ヶ月以降に短縮されます。

 これは2500万人のフランス人に該当するもので、そのうち600万人はすでにブースター接種が終了しています。

 また、一定の期間が経過した場合に確実にワクチン接種の有効性が減少するために、2022年1月15日の時点で、2回目のワクチン接種から7ヶ月以内にブースター接種が行われなかった場合、ヘルスパスは無効となります。

 この日はワクチン接種予約のためにDoctolib(病院や医者などの医療関係施設予約サイト)は、1日中、長時間待ちの状態に・・。政府からの発表はやはり効果絶大、みなヘルスパスで日常生活を普通に送れることに味をしめているため、それが取り上げられるとなれば、必死になるのです。

 これは、時間の経過とともにワクチン接種の有効性が薄れることが明白になってきている以上、ヘルスパスで安全なスペースを保つことを考えれば、至極、当然のことです。

 また、11月29日(月)からは、ヘルスパスの一部であった検査の陰性証明書はこれまで72時間以内の証明書で有効であったものが24時間以内の証明書に短縮されます。

 従って、2回のワクチン接種および、2回のワクチン接種から7ヶ月以上の時間が経過した場合は、24時間以内の陰性証明書を提示する必要があります。

 これらの検査の費用は、現行どおり、症状があり医師の処方箋を提示するか、接触症例として指定されていない限り、検査を受ける本人負担です。

 また、ヘルスパスの対象となる場所も含め、閉鎖された全ての公共の場所でのマスク着用が再び義務化されます。

 そして、ノエルに向けて、始まったクリスマスマーケット(Marché de Noel)についても、ヘルスパスの提示が求められます。

 学校に関しては、これまでの感染者が出た場合の自動的な学級閉鎖を終了し、感染者が出た場合には、クラスの生徒全員に検査を行い、陽性であった生徒のみが自宅隔離となります。この措置は、11月29日(月)から開始されます。

 これは、これまでのクラス内感染者が発生した場合には即、学級閉鎖という措置のために、すでに、かなりのクラスが学級閉鎖になり(現在、8500のクラスが閉鎖されている)、多くの子どもたちが隔離状態で学校に行けていない状況からあくまでもクラスは閉鎖せずに安全に授業を行い続けるという目的から措置を変更したものです。

 従って、学校での感染者の症例に対して、体系的な学級閉鎖は廃止され、閉鎖する代わりにすべての生徒に対して検査を行い、陽性者だけが家で隔離状態になります。(子どもの検査は無料)

 また、子どものワクチン接種に関しては、現在、フランスでは12歳からのワクチン接種が認可されていますが、25日(木)、欧州医薬品庁は5歳から11歳のファイザーワクチンの使用を承認しています。

 しかし、依然として子ども(5歳〜11歳)のワクチン接種に対しては慎重な態度をとっており、少なくとも2022年のはじめまでは、開始されないとされています。

 時間の経過とともにワクチン接種の有効性が薄れるとともにヘルスパスで守られていた状況が脅かされている現在、ブースター接種を拡大させる方針を軸に感染対策を強化する方針です。

 時間の経過とともに薄れているのはワクチン接種の効果だけではなく、人々の感染予防に対する意識でもあり、街に出るとマスクをしていない人も多く、していたとしても此の期に及んで鼻マスクだったり・・路上に捨てられたマスクを見かけることも多くなりました。

 夜の飲食店街などの様子を見る限り、まるでコロナ前の光景となんら変わりはないくらいで、みんなコロナのことなど忘れているかのように人生を謳歌しています。

 現在のフランスでの感染拡大は、これまである程度、ヘルスパスにより守られてきたとはいえ、原因は一つではなく、中でも、やはり、「ワクチン打っているから、ヘルスパスをもっているから大丈夫でしょ!」というきの緩みが大きな原因ではないかと思われます。

 最悪の場合は、ヘルスパスのチェックもしっかり行われていない場合すら(先日、TGVに乗った際、帰りのTGVではヘルスパスのチェックはありませんでした)あるのです。

 現段階では、ロックダウンや夜間外出禁止、店舗の時短営業、旅行などの移動禁止などはしないとしていますが、これがさらに悪化すれば、そういった措置をとるのも致し方ない状況になる可能性もあるのです。

 こんな状況で、どうして、平気でいられるのか?日本人の感覚?である私には、全く理解できないところではありますが、現在の全世界での新規感染症例の約70%は欧州で起こっているという衝撃的な発表もあり、11月初旬に、「ヨーロッパが再び感染の震源地になる」とWHOが発表したとおりになっていることに、なぜヨーロッパばかりが・・と恨めしく思いながら、ブースター接種(予約済み)の日を待っているのです。


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2021年11月25日木曜日

ボルドーのおススメフレンチレストラン メロディー Melodie

  


  

 娘の卒業式のために約3年ぶりに訪れたボルドーで、おそらく、今後、そうそう来る機会はないであろうボルドーでなんとか美味しいものを食べて帰りたいとボルドーへ行く前から、卒業式の準備以上にレストラン探しをしていました。

 日頃、半分はフランス人のくせに、フレンチが苦手な娘も「美味しいフレンチならば・・」と珍しくフレンチのお店探し・・。

 そして、滞在期間(といっても一泊二日なので、せいぜい3食)のお店を探した結果、まず一つ目で行ったお店が大当たりでした。

 今は、サイトで探して、お店のメニューやお料理や店内の写真や評価などで、だいたい見当がつけられるので、美味しいお店も探しやすくなりました。

 この際、ミシュランの星付きとか、超高級なお店は排除しました。すると、わりとどこのレストランもメニューが似ていて、フォアグラや鴨がかなりの確率でメニューに含まれており、値段も似たり寄ったりで、あとはお店の雰囲気などで、なんとなくの感で「ここへ行ってみたい!」となったのです。

 当日、昼、少し前にボルドーに着いた私たちは、レストランの開店時間まで、少し街を歩き、開店時間直後に入店。どこにしようか?ギリギリまで迷っていたために、予約はしていませんでした。

 石がはめ込まれた壁に覆われた趣ある店内はそれほど大きなスペースではないものの、そこそこの席数。私たちが入ってすぐにほぼ満席になりました。

  



 アントレにはフォアグラとクルージュのオーブン焼きをチョイス。

  


 フォアグラなど滅多に食べないのですが、火の入り具合が絶妙で、添えられたオニオンのジャムがフォアグラをまろやかに引き立ててくれます。

 クルージュのオーブン焼きにはフェタチーズが散りばめられ、バルサミコベースのソースがよいアクセントになっています。



 後から入ってきたお客さんの中には外国人のお客さんもいて、しっかりメニューを英語で説明している声が聞こえてきました・・ので、英語でもOKのようです。

 そうそう・・お料理とは関係のない話ですが、ここに着いた時点で携帯のバッテリー切れだった私は、「携帯の充電をしてもらえませんか?」と図々しいお願いをしたところ、快諾、「帰りに忘れないようにちゃんと言ってね!」とすこぶる感じよく親切でした。

 メインには、サーロインステーキとサーモンのパルメザンリゾット、ホワイトバターソース。

  



 お肉の焼き具合もピッタリで、添えられた赤ワインソースが絶妙のマッチング(ソースはいくつかの種類から選ぶことができます。リゾットのホワイトバターソースも比較的さっぱりめで、サーモンの皮はカリッと、身はふっくらとしたメリハリの効いた食感です。

  


 最後のデザートには、いちごのシロップ漬けとクレームシャンティ、コーヒーのティラミス。

 いちごの方は正直、全然、期待していなかったのですが、シロップが最高に爽やかで絶品、シロップ漬けなのに甘すぎないのに、いちごの酸味も和らいでいて、お皿に添えられたナッツもトッピングすると最強。

 ティラミスもたっぷり目なのに、フワッと軽く、あっという間に楽勝で平らげてしまいました。

 隣の席にいた女の子がいつまでも名残惜しそうにティラミスのお皿をスプーンですくい続けていたのには、思わず笑ってしまいました。

  


 日によって、多少、メニューは変わるようですが、アントレ、メイン、デザートとだいたい4種類の中から選ぶことができます。

 このコース(アントレ・メイン・デザート)で一人20ユーロには、大変満足です。

 パリだったら、どれか一品の値段です。

 難を言えば、グラスワインのワインが少なかったことで(といっても普通の一杯・・私がいつも、なみなみとついで飲む習慣から少ないと感じただけだと思います)、早起きしたうえに、午後まだ動き回るためには、一杯だけと決めていたので、ちょっと物足りなかっただけです。

 これだけ食べたのだから、歩かなければ・・と午後中、ボルドーの街を歩き回り、ホテルにチェックインしてからしばらくして、また夕食に・・夕食はここぞと目をつけていたお店がまさかの満員。もう一つのお店に行って、またフレンチ。

 このお店も十分に満足するお味でしたが、2食連続フレンチに、さすがに二人揃って、ノックダウン。「すごく美味しかったのに、もう当分、フレンチいいわ・・」となり、翌日はアジア系のお料理屋さんに行きました。

 しかし、パリに戻って、おうちごはんで一息ついて、あの日の食事を思い出すに、あの値段、あの味、あのサービスはやっぱり凄かった・・と思うのでした。

 ボルドーへいらっしゃる機会があれば、「Melodie」はおススメです!

「Melodieサイト」


ボルドーのおススメのレストラン(フレンチ) Melodie


○Restaurant Melodie   6 Rue des Faussets 33000 Bordeaux  

  12:00~14:30, 19:00~22:30



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2021年11月24日水曜日

娘の卒業式

   


 これまでずっと入学式も卒業式もなかったフランスの学校で、最後の最後のグランゼコールには、卒業式がありました。卒業式といっても日本のような式典とは違い、ディプロムの贈呈式のようなものです。

 娘が10歳の時に主人が亡くなり、その直後は、「到底、フランスで一人で子育てなど無理・・もう日本へ帰ろう!」と思ったのですが、周囲の方々の支えもあり、結局、娘の教育を考えてフランスに残ることにしてから13年間、娘は当時、通っていた、こちら(フランス)の私立の学校に高校まで通い、その後、プレパー(グランゼコール進学のための準備学校)、グランゼコールへと進み、晴れて卒業致しました。

 娘が通っていたグランゼコールは、ボルドーにあり、ボルドーで2年間生活した後の一年間は、イギリス、日本へと留学予定にしておりましたが、パンデミックの煽りをもろに受け、それでもイギリス留学はリモートで授業を受けることができましたが、日本の国立大学への留学は延期された挙句に結局、キャンセルになり、その間、フランス国内の会社や研究所でのスタージュに切り替えた過程を終了し、ついに卒業式の日を迎えました。

 卒業式が11月という話を聞いて、フランスの学校事情に疎い私は、「なぜ?11月?」と思いましたが、家族も参加する場合は予め人数を申告する必要があったため、「ママ、行く? 私、自分自身も行っても、行かなくてもどっちでもいいと思ってるんだけど、どうしようかな??」などと言うので、「卒業式に行かないなんて、そんな・・ママも絶対行くよ!」と出席予定にしていたのでした。

 卒業式の日程が決まったのは数ヶ月前で、娘もそんな具合で、えらく冷めた感じだったので、なんとなく、今ひとつ、気持ちが盛り上がることもないまま参加した卒業式でした。

 日本の卒業式のようなセレモニーとは違いましたが、40人前後の卒業生が一人一人、呼び上げられながら、一人一人壇上でディプロムと卒業記念の四角いフサのついた帽子をもらい、サインしていく様子には、派手な演出がない分、余計にじんとくるものでした。

 娘のスライドが流され、ディプロムを受け取っている様子を見ながら、娘が生まれてからこれまでのこと、特に主人が亡くなってからの様々な出来事が走馬灯のように蘇り、「よくぞ、ここまで頑張ってくれた。本当によく頑張ったね。えらかったね・・。」とこれほど感慨深いこともなかなかなく、座席から見ていた私は、感極まって、溢れてくる涙を止めるばかりか、号泣しそうになるのをこらえるのが大変なくらいでした。

 ごくごく普通のフランス人の家庭で育った人でさえ、そう簡単には取得できないエンジニアのディプロムです。我が家のように、フランス人の父親を亡くし、私のような頼りない日本人(外国人)の母親のもとで育った娘にとっては、どれだけのハンディがあったかと思うと、感慨も一入(ひとしお)でした。

 グランゼコールを卒業し、この大層なディプロムを取得するこの卒業式には、卒業生以上にその家族総動員で参加している人も少なくなく、卒業生以上にその家族の人数の方が多く、おじいさん、おばあさん、お父さん、お母さん、兄弟姉妹たちまで来ていて、しかも、他の家族同士が他の生徒でさえも、暖かく見守って、讃えあうような暖かい卒業式でした。

 娘の晴れ姿を誰よりも見たかったであろう彼女の父親も、娘の成長を何よりも楽しみにしていた私の両親も全てもうこの世にはおらず、誰一人、この卒業式には参加することができなかったのは、返す返すも残念で、その一人一人が遠くから、彼女を見ていてくれたのではないかと遠い空を見上げる私の目からは涙が止まらなかったのです。

 こちらの大学・グランゼコールならではの、四角い帽子を被った卒業生、そして、映画で見るような、みんなで一斉に帽子を投げるシーンなどは、まことに晴れやかな光景でした。

 その後、校内の一角での簡単なカクテルパーティーでは、ふんだんに用意されたシャンパンやプティフール(一口サイズのスイーツやおつまみ)、ボルドーならではのカヌレなどが用意され、卒業生やその家族との会話は永遠に続くのではないかと思われるほどの盛り上がりぶりでした。 


 最後の日になって、校内がその家族にも公開され、おそらく値段を聞いたら驚愕するであろう研究設備など(娘の専攻は生命工学)が揃っているいくつもの部屋を見学し、フランスがどれだけ国費を投じて学生を教育しているのかを目の当たりにし、あらためてフランス恐るべし・・と実感させられました。

 娘にとっては、卒業式は、これまでの学生生活の締めくくりであるとともに、あらたな人生のスタート地点でもあります。

 ここまで私たちが無事にフランスで生活してこれたのは、周囲の方々の支えがあってのことで、私たちだけでは、とてもここまでくることはできませんでした。

 特に主人が亡くなった時点での周囲のフランス人のママ友やパパ友たちは、それまで漠然と勝手にこっそり抱いていた「フランス人は冷たい・・」という印象を私から見事に拭い去り、想像以上に結束して私たちを暖かく支えてくれました。

 今はいない私の両親も日本にいる叔父、叔母たち、従姉妹たち、友人たちも遠くからいつも応援してくれていました。

 この場をお借りして、これまでお世話になってきた方々には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。そして、これからもどうぞ娘を暖かく見守ってやってください。

 このブログを読んでくださっている、私たちを直接、ご存じない方々にも、いつも、私のつたない文章をお読みくださり、ありがとうございます。


グランゼコール 卒業式 ディプロム


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