
私は、フランスに来て以来、ほとんど、仕事場と娘の学校、お稽古事の送り迎えの繰り返し、おまけに仕事も忙しかったので、時間もあまりなく、もともと、人付き合いも良い方ではないので、友人も多くないし、知り合いも主人の友人関係が少しと、娘の学校やお稽古事の関係の方や私の仕事上での付き合いがあった方くらいで、私がパリに来て以来の知り合いは、そう多くはありません。
それでも、20年もいれば、そこそこの知り合いはそれなりには、いるので、日本人の知り合いの中にも、残念ながら、亡くなられた方も数名おられます。事故などの場合は、別として、ガンで亡くなった方が多いです。(これは、あくまで私の周囲での話ということですが・・)
まあ、今までのところ、日本人の平均寿命からするとかなり早い旅立ちの方が多いので、海外生活は、寿命を縮めるのかも!?などと思ってしまいます。
やっぱり、海外生活ならではの緊張や、日本に住んでいたら、決してないであろうストレスも結構ありますから・・そんなことの積み重ねもあったりするのかな?・・となどと、思ったりもします。
また、家族がいるかどうかも大きく関係しているような気もします。
実際に、亡くなった方々は、一人を除けば、皆、独身の方だったのは、偶然だったのでしょうか?
自分がガンだと宣告されて、日本に帰られた方も、中には、何名かいらっしゃいます。やはり、いざとなると、言葉の問題もあるし、こちらの病院では、不安なので、日本で・・と思う心情も、とてもよくわかります。その方々も最初は、治療のために帰られたのに、結果、亡くなられたというものです。
一度、私が怪我をして、病院の救急に行った時、延々と待たされて、怒った主人が、いつまでも放っておくなら、ここから、電話して、救急車を呼ぶぞ!!と怒鳴って、ようやく見てもらえたことがありました。でも、これが命に関わるような病気だったらと思うとちょっと考えてしまうところもあります。
ちょっと、話は逸れてしまいました。
私が親しかったある女性は、ガンが見つかって、手術をして、5年後に再発して、それから、放射線治療、抗ガン剤、そして、さらに2回の手術。(フランスの場合、ガンの場合は、セキュリテソーシャル(国の健康保険)が100%カバーしてくれます。)プラス、失敗してやり直した手術が一回。
そして、とことん、ガンと闘いましたが、結局、彼女は、亡くなりました。
彼女は、とても強い女性で、痛みを感じたら、自分でボタンを押して、点滴でモルヒネをどんどん打つことができるようになっていたのですが、その結果、何度か、幻覚を見てしまい、私は、自分自身を失いたくないからと、痛み止めの点滴も断り続け、痛みに耐えながらも頑張っていました。
そんな中、病院内での盗難事件などもありました。(検査中に病室に置いてあった彼女のバッグが盗まれたのです。病気で苦しんでいる人にこんなことってある!?)
彼女は、最後の最後まで、決して諦めずに、こんなに苦しんだから、絶対に治らなくちゃ!と頑張っていましたが、とうとう最期には、力尽きてしまいました。
彼女の訃報を聞きつけて、ちょうど、その日が、お休みだった私は、病院に飛んでいき、日本から、いらしていたご家族が色々な準備をなさる間、その時の霊安室の係のおじさんが、とても優しい方で、”...