9月の年度初めから、まもなくして勃発したフランスの高校封鎖運動は、そもそもは、パリ近郊の公立校の学習環境の酷さを訴える高校生の声が発端となっています。
私の娘は、小学校から高校まで、ずっと私立校に通わせていたので、公立校の悲惨な状況というものを全く知らずにいたのですが、その状況は、先進国の公立校がこんなに酷いものなのかとは、信じられないほどの状況のようで、まず、クラスに生徒数の分の椅子が足りないとか、先生が足りずに、行われない授業があったり、トイレが壊れたままで修理されずに放置されていたりと・・まあ、挙げ始めたらきりがないほど悲惨な状況のようです。
その他、彼らの抗議には、パルクールサップ(進学先への応募・選考を管理するプラットフォーム)のシステム・制度に対する反対なども含まれていますが、とりあえず、基本的な学習環境がまったく酷い状況であることが、まず第一の彼らの抗議の根本的な問題なのではないかと思われます。
今年の夏の猛暑のときに、フランスの学校には、エアコンがないのはふつう・・という話を書きましたが、エアコンどころか、扇風機さえもない、とにかく劣悪な状況のようです。
その一部のパリ郊外の生徒たちが始めた訴えがSNSにより広まり、全国的に「自分たちのところも同じだ!」とこの高校生の訴えがあっという間にフランス全土に広がったわけです。
そして、その正当な訴えをして、平和に抗議行動をしている生徒に混ざって、破壊行為そのものを目的とする人々が便乗し始め、あちこちが燃えたり、破壊したりする暴動になっていっているのですが、もうその破壊行為と正当な抗議をしている学生たちが、ごちゃまぜにされていて、警察や憲兵隊が介入して、なんとかその暴動を制圧しようとしているのですが、その警察や憲兵隊の暴力が正当な抗議運動をしている学生にまで及んでしまっており、もうカオス状態になっているのです。
この正当な抗議を平和に行おうとしている学生たちを今度は、先生や保護者たちが守ろうとして、必死に警察や憲兵隊と闘うという状況です。
この状況に関しては、本来は、恵まれた環境で学習している高校生たちも連帯の声をあげ始めていますが、それを取り扱うマスコミも、ただただ暴力行為として報道したり、クローズアップしているところもあり、よくよく気を付けて注意深く報道を見ていかないと、とかく暴力だけが強調されてしまう、わけのわからないことになってしまいます。
年度初めには、高校生の学校での携帯電話禁止・・などと、ゆるいことを言っていたのに、実際の高校は、携帯電話云々以前に、学校の学習環境がまるでなっていない状態だったわけです。
政府の首脳たちのようなエリート集団には、おそらく、このような公立校に通った経験のある人もなければ、また自らの子どもたちもそのような学校に通わせてはいないので、まったく、一般的な公立校の状況が理解できていなかったのでしょうが、これは、どうにも改正していかなければならないことです。
しかし、フランスはことあるごとに、民衆が声を挙げて国を変えてきた国であり、今回は、高校生という年少の若者たちでさえも、こうして声を挙げて訴えている・・そんな姿勢は、すごいものだと思っています。
正当に平和に声を挙げている子どもたちの正当な訴えを無にしないでほしい・・そんな思いで見ています。暴力行為に加担する者たちのせいで、そんな正当な抗議が掻き消されてしまう・・それは、あってはならないことだと思うのです。
高校封鎖運動
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