2025年12月3日水曜日

大晦日のシャンゼリゼのコンサートは安全上の理由から中止

  


 毎年、恒例となっているシャンゼリゼでの年越しには、ここ数年、凱旋門を背景にした大がかりな花火に加えて、コンサートが行われていました。

 個人的には、花火だけで充分じゃない?と思っていましたが、これが本当に安全上の理由からということで、大晦日のシャンゼリゼでのコンサートは中止になったようです。

 これは、パリ警察長官からパリ市長に向けて要請されたもので、パリ市長はこれを受け入れたそうです。

 というのも、昨年の大晦日のコンサートの際には、あまり公にはなっていませんでしたが、過去2年間のこのコンサートにはシャンゼリゼ周辺に100万人以上が集まり、特に、このコンサートが行われていた2時間の間におこった危機的状況は、オリンピックの開催時よりも多かったと言われています。

 まあ、オリンピック時の厳重警戒は、本当にもの凄いレベルのものだったので、比較するのはあまりふさわしくないとは思いますが、ただでさえ年越しのイベントということで、かなり盛り上がっている人々が音楽やダンス、そしてお目当てのアーティストがすぐそこに・・となったらば、ヒートアップするのも当然といえば、当然です。

 パリ検察庁の発表によれば、昨年の大晦日の年越しに関連してパリでは136人の逮捕者が出て、104人が拘束されたと言われています。

 警察側もこの状態では、アーティスト側と観客の安全を守り切れないと判断した模様です。

 しかし、この年末のシャンゼリゼの花火は、年々、派手になり、以前は単に大きな花火が打ち上げられる程度のものだったものが、レーザー光線を使ったり、映像を使った演出がされるようになり、ついには、コンサートまで始まって、そのコンサートはテレビ中継されていました。

 この安全上の理由から中止になったコンサートは、大晦日には事前収録(先日、すでにコンコルド広場で収録済)されたものが大晦日にはテレビで流されるそうです。

 とはいえ、花火だけでも、相当な人が集まることには変わりませんが、そのくらいで、充分なのでは・・と思います。

 考えてみれば、大晦日の年越しイベント+花火+屋外コンサート・・しかもシャンゼリゼ・・どう考えてもリスクは大きすぎるのです。

 シャンゼリゼの400本の街路樹は、すでにライトアップされており、毎日5時には点灯し、平日は午前零時、週末は午前1時に消灯しますが、12月24日と12月31日だけは、夜通し点灯し続けているそうです。

 このシャンゼリゼのイルミネーションは1月4日までということです。


大晦日のシャンゼリゼのコンサート中止


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2025年12月2日火曜日

旅先に届いた訃報で・・

  


 悲しいお知らせは私の旅行中に届きました。

 その時、私は友人とバルセロナを旅行中で、自分たちの旅行のスケジュールなど、どこで何を食べようか?とか、次はどこへ行こうか?とかいうことで頭がいっぱいで、LINEやメールをチェックしていませんでした。

 娘から電話がかかってきたのは、ちょうど遅めのお昼を食べようとバルに入って、食事を始めた時のことでした。娘は私がバルセロナを旅行中なのは知っていたし、それでもわざわざ電話してくるのは、なんか急用があるんだろうな・・くらいの軽い気持ちで電話に出るために、私はバルを出ました。

 すると、「LINEでもメッセージ送ったんだけど、となりの従姉妹(私の)の○○ちゃんからLINEが来て、おばちゃまが亡くなったって・・どうしよう?どうしたらいいのかな?」と。

 あわてて、私もLINEをチェックすると、私にも従姉妹から直に訃報が届いていました。

 とにかく、今日亡くなった・・その日ということで、娘も当惑し、「なんて返信していいかわからない、どうしよう?」というので、「とりあえず、今、家にいるなら、隣の家(従姉妹の家は隣)に行って顔を見て、話した方がいいから、とにかくすぐ行きなさい・・」とだけ言って、とりあえずは電話を切りました。

 そのあとは、食事を中断していたので、バルの中に戻ったのですが、もうなんだかその訃報のことで頭がいっぱいになり、私にもメッセージが来ていたのに知らん顔はできないし、なにしろ、同い年のずっと隣に住んでいる従姉妹です。

 この歳まで、結婚もせず、ず~っと一緒に暮らしてきた母親が亡くなって(介護が大変だとこぼしていたものの・・)、一人になってしまったのです。

 ついひと月くらい前に、とうとう家で立ち上がれなくなってしまった叔母を、なんだか、えらくお金のかかる介護施設(しかし、新設されたばかりのところなので、きれいでスタッフもとても親切だと言っていた)に入れざるを得なくなって、もういくらかかってもいいから、ずっと生きていてほしい・・と言っていたばかりでした。

 私のように日本を出たり入ったりしていた挙句に結局、遠い国に出てしまって離れて暮らしてきた私と違って、ず~っと一緒に暮らしてきた母親を亡くすって、とんでもない喪失感ではないか?と思ったら、なんだかいたたまれなくなったのです。

 また、亡くなってしまった叔母に対しても、さすがに幼少期からずっと隣に住んでいた親戚のおばさんではありますが、従姉妹が同い年ということもあって、ことさら、関わりは深く、また、娘が生まれて日本に帰国するたびに、娘は私の実家に着くや否や、隣の家に、その叔母や私の従妹に会いたくて、すぐに一人でも出かけていく・・そんな感じでもありました。

 性格も明るくて、誰とでもすぐに打ち解けられる温かく、ざっくばらんな人で、どこに行っても、お友達がすぐできて、ずっと通っていたリハビリの施設などでも人気者の存在でした。

 もう年齢も年齢(93歳)なので、さすがにお友達も少しずつ先に旅立たれたりしていて、葬儀はごくごく内輪の家族葬でということになったようです。

 とにかく、私も一言でも直接、従姉妹と話したい・・と思い、もう一度、食事を中断して外に出て、従姉妹に電話。すると、娘はもう従姉妹の側にいる様子でしたが、構わず、その日の様子などを聞き、叔母の話などをしていたら、もう次から次へと色々なことを思い出して、もう私もバルセロナのバルの中庭で電話をしながら、号泣。

 従姉妹も、「もうわざわざ、葬儀のために戻って来たりしなくていいからね・・」と言ってくれ、友人もパリに滞在中ということで、やっぱり帰れないよな・・と思いつつも、なんだかずっとモヤモヤしたままでいました。

 結局、葬儀のためには帰らないことにしたのですが、色々なことが片付いてきて、ホッとして、従姉妹の寂しさが募ってきた頃に帰ろうか・・という言い訳を自分の中で作り出し、自分を納得させました。

 私にしてみれば、もう自分自身の両親は他界してしまっているために、もうこんな思いはすることもないだろうな・・と思っていたのですが、想像以上にショックだったことは、驚きでした。

 海外で暮らしていれば、こうして身内の不幸などの際にすぐにかけつけられないことは承知しているつもりでも、いざ、そういうことが起これば、やっぱりあらためて、ズッシリ思い知らされるのです。

 代わりに娘が日本にいてくれることは、私にとってのせめてもの罪滅ぼしのような気持ちでもあります。

 こういうことがあるたび感じることは、どんな人の最期もやはり突然に感じられることだということです。


旅先の訃報


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2025年12月1日月曜日

偽の駐車違反切符詐欺にご注意ください

  


 半年くらい前に、リヨンでこの手の詐欺が横行しているために注意してくださいという記事を見た気がしましたが、今度はパリです。

 先週、パリ17区で警察が摘発したこの詐欺は、違反切符が発行されたと伝え、罰金を支払うための偽ウェブサイトにリダイレクトするQRコードをスキャンするように促すというものでした。

 これは多くの人を罠にかける可能性のある詐欺です。

 パリおよびパリ郊外やフランスの他の都市でよく知られている「偽の駐車違反切符」詐欺は手口はシンプルですが、非常に罠にはまりやすい形態をとっています。

 まず、 「フランス共和国」と刻印されたチラシ?に駐車時間制限超過で切符が切られたことを知らせ、QRコードを使って「35ユーロ」の罰金を支払うように促してきます。

 しかし、このコードは偽の政府ウェブサイトにリダイレクトします。「フランス共和国」のロゴと「amendes.gouv.fr」というアドレスが表示されており、公式(オフィシャル)の罰金支払いプラットフォームと見分けがつかないほど精巧にできているため、ホンモノだと思わされてしまいます。

 ここで敵の周到なところは「35ユーロの罰金は2日以内に支払わなければ、135ユーロに増額される」という文面も追記して、急いで支払いをさせようとするところです。

 では、このように公式(オフィシャル)のプラットフォームと見分けがつかない場合はどうしたらよいのか?といえば、とりあえずパリでは解決策はシンプルです。

 パリでは「スキャンカー」(市内を巡回し、ナンバープレートを自動で読み取る車両)の導入により、駐車違反切符はワイパーの下に挟まれるのではなく、車の所有者に直接、郵送されるようになっているそうなので、この手の車両に直接、罰金切符が置かれていることはないのだそうです。

 つまり、このような切符がワイパーの下に挟まれていたとしたら、それは詐欺だということです。

 また、このような通知を郵送で受け取ったとしても、支払いは「https://stationnement.gouv.fr/fps」で行わなければなりません。

 先週、摘発されたパリ17区での駐車違反罰金詐欺については、パリ検察庁の金融犯罪課に委託されたとのことです。

 この手の罰金詐欺に関しては、駐車違反に対する罰金だけではなく、スピード違反等の通知がかなり無尽蔵に送られてきているという話もありますので、充分にご注意ください。

 詐欺にも色々ありますが、警察の名をかたられたり、罰金などと言われると、ついビビってしまいがちではありますが、常に気を抜いてはいけません。


駐車違反切符詐欺


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2025年11月30日日曜日

年々加熱するブラックフライデーの落とし穴

 


 ここ1ヶ月ほどの間、やたらと「BLACK FRIDAY(ブラックフライデー)」の広告をやたらと目にしていて、もう少々、鬱陶しく感じるほどで、いったいブラックフライデーっていつよ!と私は思っていました。

 なんだか世間がやたらと「ブラックフライデー・ブラックフライデー」と騒いでいるので、私はむしろ、なんだか少々、胡散臭いとまでは言わないものの、あまりに踊らされている感じが嫌で、特に何かをこの時期に買物しようという気にはなっていませんでした。

 しかし、この「ブラックフライデー」・・フランスでも年々、クリスマス前の年間最大のショッピングイベントとなっていて、オンラインでも実店舗でもかなりの広告を打ち、多くの人が少しでも割安な買い物をしようと待ち望んでいるイベントになっているようです。

 ボストン・コンサルティング・グループが11月中旬に発表した調査によると、フランスでは10人に7人以上の人々がブラックフライデーに買物を計画しており、2025年には平均345ユーロを支出する予定で、これは昨年の平均315ユーロ(約62,000円)を上回る数字になっています。

 中でも衣料品、電化製品、美容製品などが特に人気なようです。

 そういえば、数年前に娘が携帯電話を買うのにブラックフライデーを待って買おうかな?などと言っていたことを思い出します。

 ところが、消費者が期待しているこのブラックフライデーの破格の割引というのは、必ずしも大したことがないことが明らかにされてきています。

 衣料品・電子機器などが30%、40%、50%、ときには70%オフ?などとのふれこみでアメリカで始まったことのブラックフライデーはフランスでも非常に注目され、小売業者は時に破格の値下げをうたいます。しかし、現実の割引は大きく異なり、消費者擁護団体UFC Que-Choisirの調査によると、実際の値下げは0.5%から3%ほどのもので、消費者が期待している割引からは程遠いものでした。

 消費者擁護団体UFC Que-Choisirの調査によれば、携帯電話の価格はわずか1.6%、テレビは3.7%、パソコンの場合は1.9%でした。

 ブラックフライデーでのショッピングの場合、注意が必用なのは「参考価格」というもので、この参考価格は例えば競合他社の価格や過去の価格と比較してブランドが自由に設定できる価格で、政府によると、2023年には当局の検査を受けた1,000店舗のうち、約3分の1に価格設定に異常が認められ、これには偽の割引、水増しされた参考価格、在庫状況に関する誤解を招くような表示、虚偽広告などが含まれていました。

 本来ならば、ノエルの前の時期には、一番、買い物をすると言われてきたフランス人にとって、業界では、クリスマス前には、絶対に値下げをしなかったはずの季節です。そして、クリスマスが終わると、バーゲンが始まって、一気に値下げする・・これが今までのパターンだったのです。

 それを易々と一番高く物が売れていた時期にそんなに値下げをしてしまうイベントが登場するとは、時代も変わっているのでしょうが・・実はブラックフライデーとは名前だけで、実は大して値下げしていない・・そんなものも紛れているのです。

 あまりに騒がれすぎているブラックフライデー まさにブラックな部分もあるようです。


ブラックフライデー BLACK FRIDAY


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2025年11月29日土曜日

来年度から高校での携帯電話使用禁止

  


 マクロン大統領は、11月末に行われた自身の演説の中で、「来年度から高校での携帯電話の使用は間違いなく禁止される」と発表し、中学校ですでに禁止されている措置を拡大することを明かしました。

 この演説の中で、マクロン大統領は、スクリーン中毒の危険性を強調し、「高校は、学ぶ場所であり、コミュニケーションをとる場所でもある」と説明しています。

 すでに実施されている中学校においての「校内における携帯電話禁止」のプログラムはまだ、全ての学校において実施されているものではないものの、大統領はこの禁止措置は概ね上手く機能していると考えています。

 長年にわたり、マクロン大統領は、15歳未満のソーシャルメディアの使用を規制、あるいは禁止することを支持してきました。

 携帯電話は2018年の法律により、幼稚園・小学校・中学校での校内での使用はすでに禁止されていますが、この法律の施行は実際には簡単なことではないのが現状で、必用に応じて、授業中にロッカー、ブリーフケース、ポーチなどに入れておくことを学生に義務付けることでその適用を強化しています。

 しかし、実際問題として、その管理、受け渡し、保管等の問題で、時間と手間、リスクなどの諸々の問題に直面する各学校がそれに対応しきれていないという問題もあります。

 携帯電話どころか、凶器を持っていないかどうかのチェックまでを抜き打ちで行っている学校まである中で、生徒の手荷物、ひとつひとつをチェックしきる対応が容易なことでないのは、想像に難くありません。

 実際に、すでに全国学校管理者組合(SNPDENーUNSA)の代表は、高校生というこの年齢特有の複雑な状況のため、また、中学校とは違って高校には大人の監視の少ないプライベートなエリアがいくつかあるため、そこでは高校生たちが携帯電話禁止を回避できてしまうため、非常に難しい状況であることを説明しています。

 また、それをおして携帯電話禁止を高校内で取り締まる?となれば、さらなる人員が必用となるであろうと述べています。

 私の高校生の頃などには、影も形もなかった携帯電話がすでに、その使用を校内で禁止することすら、容易なことではなくなっているという事実。携帯電話なんてなくても全然、楽しかったのに・・それがある時代になると、それを禁止することも難しくなってしまうのですね・・。

 日本の学校での携帯電話の扱いってどうなっているんでしょうか?


高校内携帯電話使用禁止


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2025年11月28日金曜日

フランスが2026年から実施する志願制兵役・国家奉仕活動とは?

  


 マクロン大統領が来年から実施される志願制兵役の実施を発表し、具体的にフランスの軍事化に単に金銭的なことだけではなく、具体的な人的資源を集める手段に進み始めたことに衝撃を受けています。

 マクロン大統領の発表によれば、これは2026年夏から開始されるもので、大統領はこれを「国家奉仕活動」と呼んでいますが、これは、志願制に基づく純粋な軍事奉仕活動であり、志願者はこの10ヶ月間、最低月額800ユーロ(約 14,5000円)の手当に加え、その間の宿泊、食事、装備が提供されます。

 2026年には3,000人、2030年には10,000人、2035年には50,000人の若者を募る予定になっています。

 マクロン大統領が、『「国民奉仕活動」は我々を守るために動員されるため、国民奉仕活動は「国家の領土内」でのみ、奉仕活動を行う』と明言しているとおり、奉仕活動を行うこのプログラムに参加する者は、10ヶ月間の訓練プログラムにおいて、国内でのみ奉仕活動を行うことが基本となっていますが、「重大な危機が発生した場合」議会が志願者だけでなく、他の若者の参加を承認できるようになる・・という意味深な文言もついています。

 同時にマクロン大統領は、「我々が追及する目標は軍事的なものである」ということも同時に名言しています。

 また、この国家奉仕活動の中核は18歳から19歳の若者を中心に構成されるということで、政府は若者たちが高校時代に軍隊でのインターンシップを完了することを奨励したいとしており、同時にマクロン大統領は、「防衛・国際安全保障」の授業期間をこれまでの1年から3年に延長することも同時に発表しており、「そのため、若者は各学校で少なくとも年に1回は記念式典に参加しなければならない」と教育の場面から変えていこうとしているところが、なんとなく、空恐ろしい気もします。

 入学式や卒業式などの記念式典のようなものさえ、ほとんどないフランスの学校で軍事関係の記念式典だけは行われるというのもなんだか奇妙な気がするところでもあります。

 しかし、現実的に考えれば、18歳から19歳といえば、高校卒業後のそれぞれの進路を構築していくために必死な年代(つまり大学受験の年代)で、振り返ってみれば、うちの娘などは、勉強ばかりしていた年代でした。

 その年代の若者たちがそのような「国家奉仕活動」に参加するかどうかは大いに疑問ではあります。

 しかし、経済的にひっ迫している家庭にとってみれば、これに参加せざるを得ないような場合もあり得るのではないか?とも思われることには、まさしく格差社会を逆手にとったやり方のような気がしないでもないのです。

 この「志願制兵役」、「国家奉仕活動」には、20億ユーロ以上の費用がかかることが見積もられていますが、これまで政府は、軍隊に追加の人員を提供するための最善の方法を検討し続けていたとも言われており、今年7月14日に発表された戦略レビューによれば、これは、「危機発生時に動員できる人材プールを構築するため」のものであると見られています。

 なんだか軍事化がどんどん進んで、正直、怖いです。


フランス志願制兵役・国家奉仕活動


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2025年11月27日木曜日

サルコジ元大統領に2度目の有罪判決

  


 フランスの最高行政裁判所である破毀院はピグマリオン事件に関する二コラ・サルコジ氏の上訴を棄却する判決を下し、これにより、サルコジ元大統領の刑事有罪判決が確定しました。これでサルコジ元大統領にとっては、盗聴事件(ポール・ビスマス事件)とそれに関わる弁護士と判事と汚職協定を結んだとされる事件に続く2度目の有罪判決の確定になります。

 今回のピグマリオン事件とは、2012年の大統領選に失敗した選挙運動への違法な資金提供を罪に問われていたもので、2024年2月にすでにパリ控訴院において、懲役1年(うち6ヶ月の執行猶予付)の判決が下されていたもので、これに対してサルコジ氏が上訴していたものが棄却されたということです。

 この事件に関しては、捜査の結果、サルコジ氏の選挙費用が急増した事実(認可上限額2,250万ユーロに対し、約4,300万ユーロに上っていた)を隠蔽するために、架空の契約を装い、集会費用の大部分をUMP(現LR)党に負担させる二重請求システムが構築されていたことが明らかになっています。

 共犯者とは異なり、サルコジ氏はこの虚偽請求書システムに関与したのではなく、候補者として違法な選挙資金の受益者として関与していた事実に基づいて判決が下されています。

 サルコジ氏は一審と控訴審の両方で刑事責任を強く否定し、告発内容は捏造であり、嘘であると非難していました。控訴審におけるサルコジ氏の判決は拘禁部分(電子タグの装着、半自由など)の調整を命じたもので2021年の第一審で言い渡された懲役1年よりわずかに軽いものにはなっています。

 とはいえ、今年の9月25日、2007年の大統領選において、ムアンマル・カダフィ独裁政権下のリビアから側近らが不正資金を募ることを容認したとして懲役5年の有罪判決を受けて、サルコジ元大統領は、パリ市内にあるラ・サンテ刑務所に収監されました。3週間後に保釈されていますが、彼は、この判決に対しても上訴しており、この控訴審が来年3月から6月にかけて予定されています。

 この他にも彼は、このところの裁判に関わる問題においても、数件の告訴事案を抱えており、これからもしばらくは、彼の有罪判決→控訴→確定判決・・の日々は続きます。

 彼のケースにおいては、ここまでのところ、全ての嫌疑は大統領選に関わるもので、そこまでして大統領になりたかったのか?大統領になるためには、手段を選ばなかったのか?などということをありありとつまびらかにされていくことで、まさに高齢者枠に入りつつある彼の後半人生は、大統領にまでなりながら、結局、その後の人生は、「晩秋を汚す」日の連続となっているようで、虚しさしか感じないのです。

 だって、有罪判決をいくつも重ねて行ったら、彼は前科何犯?って話ですよね・・。


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