2024年10月31日木曜日

フランスの刑務所受刑者数過去最高の新記録

  


 法務省は、フランスの刑務所の受刑者数は、前月の7万8,969人に対して、7万9,631人で刑務所の収容密度は127.9%、14の施設では+200%と新記録を樹立したことを発表しました。フランスの刑務所は慢性的な過密状態から抜け出すどころか、ますます悪化の一途を辿りつつあり、現状では、通常収容が間に合わずに、床には3,810枚のマットレスが敷かれている状況であるとも伝えられています。

 「刑務所は崩壊しつつある!刑務所の規制メカニズムを早急になんとかしなければならない!」と言われ続けていますが、この過剰収容状態は受刑者だけでなく、刑務所職員でさえも虐待している状況であると叫ばれています。この状況は非常に高い自殺率、医療機能不全、社会復帰任務の確保の不可能、再犯防止と安全の観点からも悪循環のスパイラルから抜け出せない状況であると言えます。

 欧州評議会が6月に発表した調査結果によると、フランスは刑務所の過密化に関して欧州で最も悪い国の一つで、キプロス、ルーマニアに次いで3位となっています。

 最近、話題になった凶悪事件からも、刑務所内から、逃亡計画を組織して、裁判のために移送中に刑務官を射殺して逃亡したりする事件や、SNSによる殺人依頼により、未成年の少年たちが殺し合いの手先として雇われ、命を落としたりする事件など、刑務所にいながらでも、なんでもできるのではないか? 一体、フランスの刑務所の中ってどうなっているのだろうか?と思っていました。

 つまり収容者数が多すぎて受刑者を刑務官が管理しきれていないということだと思いますが、フランスはやたらと人権などを主張するために管理がさらに難しくなっているとも考えられます。

 しかし、絶対的に犯罪者がいかに多いかということが基本にあり、そもそも、日本などに比べて、よほどの危険人物としてマークされている人以外は、簡単な犯罪では、なかなか刑務所には、入れてもらえない?狭き門である印象がありますが、にもかかわらず、収容しきれないほどの囚人で刑務所が溢れかえっているということは、全く恐ろしいことです。

 時々、凶悪な暴力的な事件で、実は刑務所から出たばかりの人間だった・・などという話は少なくない気がするので、一定数、隔離しておいてくれないと危険な人物というのは存在するような気がします。

 これに対して、日本の刑務所には、どのくらい受刑者がいるのだろうか?と調べてみたら、2024年5月のデータでは、40,308人が刑務所に収監されているとのことで、日本の人口が1億2,375万人であり、フランスの人口(6,654万人)に比べて2倍近くであることを考えれば、受刑者数は格段に少ない数字です。

 しかも、詳しいことはわかりませんが、フランスだったら、絶対に刑務所入り?できない?ような犯罪者でも日本では、収監されるようですから、やっぱりどれだけ治安が良いか?(フランスと比較するのも失礼かもしれませんが・・)ということは明白であるような気がします。

 フランスの国立刑務所の総管理者は、拘留者が刑務所の過密状態、多くの施設の老朽化、不足など原因が特定されている不当な拘禁条件に直面し、監督者の数が不足していることを定期的に指摘しており、2023年の年次報告書の中で、「私たちの社会は多くの点で古代の体罰に似た行為を容認している」と記し、これは国家の放棄だと指摘しています。

 やっぱり、フランスの治安の悪さってハンパないんだなと再実感させられます。


フランスの刑務所受刑者数過去最高の新記録


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2024年10月30日水曜日

ツナ缶の水銀汚染スキャンダルの衝撃

  


 「缶詰マグロは100%水銀汚染・絶対に食べてはいけない!」とか、「水銀汚染されたツナ缶の健康上の危険は何ですか?」など、ツナ缶水銀汚染スキャンダルの話題が炎上しています。

 これは、海洋防衛NGO BLOOM(ブルーム)が、18か月にわたる調査を経て発表した報告書の中で訴えているヨーロッパ 5 か国 (ドイツ、イギリス、スペイン、フランス、イタリア)で販売されているツナ缶についての危険性の話です。

 このNGO は「ヨーロッパ 5 か国 (ドイツ、イギリス、スペイン、フランス、イタリア) の148 個のツナ缶を無作為に選択し、独立した研究所で検査させたところ、100% が水銀で汚染されていた!」というもので、そのうち、約1割は、欧州連合で認められている水銀含有量基準 (1 mg/kg)を大きく超えていたと報告しています。

 そもそも、この欧州連合認可の水銀含有基準ですら、マグロに関しては、タラやイワシなどの他の魚の基準(0.3 mg/kg)よりもかなり高く設定されています。

 この水銀汚染は何十年も前から知られていました。大気中に放出された水銀は海洋で発見され、その後魚の体内で発見されます。NGOは特に、「マグロを調理すると水は蒸発するが、水銀は残るため、高濃度の水銀が含まれているにもかかわらず、黙認され続けてきたことを指摘しています。

 問題は、基準が最終製品ではなく生のマグロに対して定められていることを指摘しており、したがって、「缶詰には新鮮な魚の切り身よりも2〜3倍濃度の水銀が検出されることになる」と説明しています。

 フランスでは、1 人当たり年間平均 4.9 kg のマグロを消費しているそうで、日本のように一般的に生のマグロのお刺身などが流通しているわけでもないし、魚屋さんに、マグロはあるには、あっても、けっこう高価で、そこまで買っている人をそんなに多く見かけるわけではないので、フランス人が食べているマグロの大部分はツナ缶なのではないか?と思います。

 特に最近は、インフレで全ての食料品が高騰しているためにタンパク質を補う手段の一つとして、ツナ缶などを利用する人も増えていたかもしれません。

 この水銀の危険性については、特にツナ缶に限ったことではありませんが、国家食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)も健康勧告の中で明記しており、水銀は、海洋に存在し、人体に用意に吸収される毒で、子宮内での子どもの発育中および幼児期に特に危険です。具体的には、「マグロ、カツオ、タイ、スズキ、アンコウ、オヒョウなど、高度に汚染されている可能性が高い魚の摂取を制限することを推奨しています。こんな警告、この騒動で初めて知りましたが・・。

 また、WHO(世界保健機構)も水銀について、「海洋では、水銀が細菌と混ざり、さらに有毒な誘導体であるメチル水銀に変化し、このメチル水銀は神経系に有毒で、神経障害や行動障害が観察される可能性がある」と指摘しています。

 私はそこまでツナ缶を爆食しているわけでもなく、この年齢になるまで、一応、無事に生き残ってきたので、そこまで神経質になる必要もないとは思いますが、このNGOは少なくとも、この制限値を超える魚の販売を禁止するセーフガード条項を導入することや、学校の食堂、保育園、老人ホーム、病院、産科病棟などの施設での使用を禁止するように求めています。

 しかし、これを販売している業者やスーパーマーケットなどにとっては、売上げ激減に繋がる大スキャンダルです。

 この種のスキャンダルが出るたびに思うのは、食事は偏らずに色々なものを食べるように心がけることが、危険を回避することに繋がるな・・と思うのです。


ツナ缶水銀汚染問題


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2024年10月29日火曜日

最近、パリでやたらとクッキーが目につくようになった・・

  


 暇さえあれば、美味しいものを探して歩いている私ですが、パリには、たくさん美味しいものがあるとはいえ、やっぱり一番お手軽で、一番美味しいのは、パンやヴィエノワズリー、ケーキなのではないか?と思い至るところもあり、もっぱらブーランジェリーやパティスリーなどを巡り歩いているのです。

 そもそもブーランジェリーやパティスリーはさすがに店舗の数も多く、食品店の多い通りなどだと、一つの通りにブーランジェリーは何軒もあったりして、それこそピンキリとはいえ、一般的なレベルは高く、思わぬおタカラ(美味しいもの)を見つけたりもするのです。

 以前(といっても、私がまだパリに来たばかりの20年以上前の話ですが・・)は、ブーランジェリーといえば、だいたい、どこへ行っても同じようなものしか売っていなくて、たいていは、パンは別としてもヴィエノワズリー(クロワッサン、パンオショコラ、ショッソンオーポム、パンオレザンなど)とりんごや梨、季節の果物のタルト、フラン、ベニエ(揚げパンみたいなものでたいていチョコレートクリームなどが入っている)、パリブレスト、エクレア、ミルフィーユなどで、「まったくフランス人はいつも同じものばかり食べていて、飽きないのかな?」などと思ったものでした。

 それがここのところ、ケーキの種類もグッと増えました。そして、もうひとつ、特に目につくようになったのは、どこのブーランジェリーやパティスリーに行っても、必ずクッキーが置いてあるようになったことです。

 駅のパン屋さん(クロワッサンなどのヴィエノワズリーに加えて、サンドイッチや簡単なケーキ類を売っている)などにも必ず、大ぶりなクッキーが並んでいるのです。

 いくら大ぶりとはいえ、1枚3ユーロ程度なので、なんとなくクッキーにしては、高いな・・コスパ悪いし、クッキーなら自分で焼ける・・などとケチな根性が頭をかすめるため、これまで、このようなクッキーを買うことはありませんでした。

 しかし、次第にパリ市内にもクッキー専門店というものが増えだして、「えっ??クッキーだけで、成り立つの?」と思ったりしていました。

 先日、たまたま、別のお店に行こうとしていた時に、このクッキー専門店のひとつをみかけて、全然、買うつもりはなく、クッキー専門店ってどんな感じなのかな? いくらくらいするのかな? どんなクッキーを売っているのかな?と覗いて見ていたところ、お店の人が味見してみますか?と言ってくれたので、「えっ?うれしい!!ぜひぜひ!」と、クッキーの試食をさせてもらいました。



 全然、期待せずに、おもむろに口に入れてビックリ!クッキーだからサクッといくものかと思ったら、表面は、乾いているのですが、中はしっとりフワッとしていて、私のこれまでのクッキーの概念を打ち砕くものでした。

 これまで日本でもイギリスでもアメリカでも、クッキー専門店などには、行ったことがないので、他の国のクッキーというものがどういうものなのかは知らないのですが、この表面は、乾いているけど、中はしっとり、むしろ、半生タイプみたいな感じが新鮮で、思わず、一つ買っていきたくなりました。

 考えてみれば、最近、人気になっているクルッキー(クロワッサン+クッキーの合体バージョン)のクッキーの部分もこのしっとりタイプのクッキーで、つまり、フランスに伝統的に存在するクロワッサンにさえも合体させてしまうほど、なぜかクッキーは今、パリで人気なのです。

 今のところ、そんなにたくさんのクッキー屋さんを知っているわけではありませんが、どうも、パリのクッキー屋さんの大ぶりなクッキーは、表面が乾いていて、クッキーの形ですが、中身は、しっとりしていて、どちらかといえば、ケーキにも近いようなものが多い気がします。

 偶然とはいえ、また、ひとつ見つけてしまった私のグルメターゲット・・。私はつくづくダイエットとは無縁のようです。



パリのクッキー専門店


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2024年10月28日月曜日

日本の選挙結果に関するフランスの報道

  


 今回の日本の衆議院選挙の結果は、深刻な日本の経済状況などからも、とても気になっていたし、自分自身も在外投票にも行ってきたし、とても気になって、少しずつ発表されていく当選・落選の行方をネットでずっと見守っていました。

 結果は自民・公明の大敗という結果でしたが、だからと言って、すぐに政権交代して、ガラッと日本が変わるというわけでもなく、まだまだ目が離せない状況が続きそうです。

 そして、フランスでは、今回の日本の選挙はどんな風に報道されているのかな?と、一応、目を通してみました。

 「自民党は2009年以来、ほぼ前例のない過半数を大幅に下回る結果となった」、「自民党と連立していた公明党もまた大幅に議席を失い、連立でさえも、過半数に満たない大敗に終わった」とまず事実を説明し、これに至った原因として、金融スキャンダル、統一教会問題などを挙げています。

 それに加えて、石破茂氏は、「公平、公正、誠実な党として新たな基盤で再スタート」したいと明言したにもかかわらず、総裁就任直後に、早期解散選挙を宣言し、夫婦別姓の可能性やキャピタルゲイン課税の強化など、当選以来いくつかの問題で方針を転換したことに加えて、裏金議員への偽装非公認・非公認としながら、裏で2,000万円を援助していたことがスクープされたことなどを挙げています。

 この内容は、ほぼ日本で報道されている内容と同様のものですが、一部、この偽装非公認の2,000万円問題のスクープ記事元が朝日新聞となっていることが奇妙でした。(日本では、赤旗のスクープだと言っていましたが・・)

 特にこの2,000万円問題は、購買力を侵食する持続的な価格高騰が有権者の不満を煽っているにもかかわらず、野党の激怒と有権者の怒りを引き起こすには十分だったと説明しています。

 自民・公明の連立政権を維持するには、より広範な連立を構築するよう努める必要があり、これは明らかに行動能力を制限することに繋がり、政府は麻痺する危険があり、日本では、不確実性と政治空白の時代が始まると見ています。

 また、この選挙結果は、このシナリオに慣れていない金融市場をパニックに陥らせる可能性があるとアナリストが警告しています。

 まったく、さんざんな書かれようですが、事実なので仕方ありません。

 ただひとつ、好意的に評価されていたのは、「今回の選挙で選出された女性の数は、これまでの2009 年の記録である 54 名を上回り、70 名でした。今回の選挙に立候補した女性は 314 名で、全候補者の 23.4 % に相当します。この結果により、日本は2024年に世界経済フォーラムが定める男女平等ランキングで146位中118位と順位を向上させることになるだろう」という点だけです。

 また、フランスの報道には、記載されていませんでしたが、私が特にショッキングだったのは、相変わらずというか、ほぼ記録的な投票率の低さということで、これは、本当に深刻な問題だと思います。

 日本で生活していて、日本経済や暮らし向きなどなどが悪化していることは実感しているだろうに、にもかかわらず、選挙に行かないという無責任というか、無関心というか、ちょっと○○なのか? 文句は言っても、最低限の投票という義務を果たさないのは、本当に意味がわかりません。

 フランスならば、こんな低い投票率は大スキャンダルです。

 よく知らないとか、よくわからないとかいう人がいますが、知らないなら、知る努力をしなければいけないし、今はそれこそネットだってなんだって、いくらでも情報はあります。必ずしも正しい情報ばかりではありませんが、数を見ていれば、どれが本当だろうか?ということは、見えてくるものです。

 日本の失われた30年は、たしかに政治家に一番の原因がありますが、この投票にさえ行かない国民にも大きな責任があります。


衆議院選挙についてのフランスでの報道


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「日本の失われた30年に思うこと」

2024年10月27日日曜日

パリで美味しいクスクスが食べられるお店 Le 404 と La mosquée

  


 日本でどの程度、「クスクス」というものが食べられているのかわかりませんが、私が初めて、クスクスを食べたのは、考えてみたら日本で、しかもフランス人の家庭に招かれたときのことで、「クスクスパーティーするからおいでよ!」と・・。当時は、「クスクスってなに?アフリカの食べ物だよね・・珍しいものが好きなフランス人なんだな・・」などと思ったような記憶があります。

 クスクスは、小さな粒状のパスタみたいなもので、これを蒸してバターやオイルでパラパラにしっとりさせて、これにシチューのようなものをかけたり、サラダのように野菜と混ぜたりして(フランスではタブレと呼んでいますが・・)食べます。

 フランスに来る前に私たちは、2年間西アフリカのコートジボアールに住んでいた時期があったので、それこそ、クスクスの本場、マルシェでもテイクアウトで食べられるクスクスが売っていたし、クスクスだけではなく、似たような形状のアチェケ(原料はキャッサバ)というものもあったりして、こちらはクスクスよりも若干モッチリしていますが、似ていて、主食というか、肉・野菜などのシチューのようなものや魚料理などと一緒に食べたりします。

 形状的には、お米よりも細かくて食べやすいために、アフリカの人は、赤ちゃんにもこれを食べさせたりして、離乳食のようにもしていたので、アフリカで生まれた娘には、赤ちゃんの頃からこれを食べさせたりもしました。

 アフリカにいた頃は、家にお料理をしてくれるボーイさんがいたので、クスクスを作ってもらうだけでなく、作り方を教わったりもしました。

 それこそ、地方や家庭によって、材料も様々なのですが、多くはトマトベースでお肉、様々な野菜やひよこ豆などを入れる、栄養的にもとてもバランスの良い食事だと思います。

 そして、フランスに来て、ビックリしたのは、フランス人にとって、このクスクスはかなりポピュラーで一般的なお料理で、これってフランス料理だった?と思うほど、よく食べられている食品で、もしかしたら、日本で言うカレーのような位置づけのお料理かもしれません。

 以前は、もっとたくさんクスクスがファストフードのような感じで安価に食べられるお店が多かったような気がしますが、気が付いてみれば、時代の変化かこのお手軽な感じのクスクス屋さんはずいぶん減ったような気がします。

 以前は、お金のない学生などは、今日もクスクスでいいね・・なんて言っていたと思うのですが、このクスクスの位置は、ケバブやハンバーガーに置き換わったような気がします。

 私自身、自分でも作れるので、何も外でクスクス食べなくてもいいかな?とあまり、外でクスクスを食べようとも思わなかったのですが、ここ最近、クスクスの美味しいお店・・というのを見つけて、立て続けに行ってみたら、けっこうボリュームもあって、スパイスなども自分で作るのとは一味違ったり、またお店の内装がちょっとオリエンタルな感じで素敵だったりしたので、ちょっとご紹介したいと思います。

 ひとつは、Le 404 というお店で、入口はけっこう地味だけど、中に入ると素敵な空間が広がっているお店。クスクスだけでなく、ケフタやタジンなど、モロッコ料理?全般、けっこう有名なお店らしいです。気候の良い時期ならテラス席のある中庭も気持ちよいです。




 もうひとつは、 La mosquée モスケというだけあって、もっと大規模な空間で、もっと異国情緒溢れる空間でハマムなども併設しています。ただ、場所的に、ちょっと行きづらいかもしれませんが、なかなかゆっくり、ゆったりできます。猫ちゃんがウロウロしていたりして、となりの席にやってきたりするのもご愛敬です。






 どちらもボリュームたっぷりで、お店の人も至極感じよく、デザートなどもアラブならではのお菓子が山盛りになっているので、(ただデザートまで食べるお腹の余裕がなくなる可能性大ですが・・)そんなところも楽しいです。

 どちらもお値段は、比較的、良心的な価格。パリでのランチとしたら、ごくごくふつうのお値段ですが、かなりボリューミーですので満足できると思います。

 なにも、パリでクスクス食べなくても・・と思うかもしれませんが、クスクスはほとんどフランス人の国民食といってもいいくらいポピュラーな食事・・フレンチに飽きたら、ちょっとトライしてみるのも、楽しいかもしれません。


🌟  Le 404            69 Rue des Gravilliers 75003 Paris 

🌟  La mosquée     39 Rue Geoffroy -Saint-Hiliare 75005 Paris


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2024年10月26日土曜日

久しぶりのオルセー美術館 予約なしでも、あんまり並ばずに済んだ・・

 


 いつでも行けるのに、結局、なかなか行かない場所のひとつに美術館などがありますが、その行かない理由に大行列が嫌だ・・という理由があります。ルーブル美術館にしてもオルセー美術館にしても、なんとなく、いつも、ものすごく行列しているというイメージがあって、あの行列に並ぶのはなぁ~~と思ってしまいます。

 もっとも、最近は、ほぼ予約制で事前にネットでチケットが買えるようになったので、予約していけばよいのですが、それさえも、お天気の悪いことの多い最近では、事前に予約しておいて、その日は大雨・・なんていうことになったら嫌だ・・という全くのわがままで予約するのも躊躇われるのです。

 私は、あまり絵画や美術品に詳しいわけではないのですが、やはり美しいものに囲まれた空間は、心が満たされるような気分になるものです。

 娘が小さい頃に一時、娘が美術館にハマったことがあり、やたらと美術館に行きたがるので休みの日になると度々、美術館へ通ったこともあったりしたのですが、それ以来、一度、ロックダウンの明けたすぐあとに、今なら、ルーブルガラガラだよ!という話を聞いて、すっ飛んで行ったことがあったくらいで(本当に、あの時は、もう二度とあんなことはないと思うくらい空いていて、ほぼほぼ人のいないルーブルを堪能しました)、その後は、ほとんど美術館には、行っていませんでした。

 それが、急に思い立って、「そうだ!今日はオルセーに行ってみよう!予約していないけど、ダメならダメでいいわ・・お散歩がわりと思って行ってみよう!」と思い、出かけたのでした。

 ルーブル美術館は、恐ろしく中も広いので、見て歩くのも大変だけど、オルセー美術館は、そこそこ、そんなに抵抗なく歩いて回れる範囲内、しかも、あんまり絵画に詳しくない私でも、「ああ~これ見たことある!この絵は、ここにあったんだ!」と思うような絵がけっこうあるので、楽しみやすいのです。

 予約していないのだから、ある程度の行列は覚悟していたものの、ほぼ予約制になったからなのか?行列は思ったほどでもなく、15分ほど並んで入れました。これくらいなら、全然OKです!




 要は、まず入場するために行列するのは、荷物チェックのために並んでいるのであって、わりと、行列もどんどん進みます。

 今は、観光客だけでなく、トゥーサンのバカンスのために子ども連れの家族もけっこういて (全てのパリの国立美術館は25歳以下の子ども、若者は無料)、そういえば、夫が存命中、休みといえば、娘をミュゼ(美術館や博物館)に連れ歩いていたことを思い出したり、後ろに並んでいた年配の女性がこのバカンス中のミュゼ巡りの予定を今日はオルセー、明日はケ・ブランリー、その次は・・などと、とうとうと語っているのが聞こえてきたりしました。









 こんなにすんなり入れるなら、少しは勉強してから来るんだったな・・などと思いつつ、自分のペースで好きに美術館内を廻る時間はなかなか心地よいものです。




 オルセーの中のレストランはなかなか悪くないという話だし、カフェもちょっとおしゃれな感じでお値段もそこそこで、市内のレストランやカフェと比べても、そんなに高すぎることもなく、かなり賑わっていました。

 最近は、オルセーといえば、その絵画や彫刻とともにシンボル的になっている時計のシルエットが撮れるインスタスポットもなかなか賑わっていて、ああ~これだったか・・と見てきました。


 家からも30分くらいで来れるし、そんなに並ばなくてもいいんだったら、もっと頻繁に来てもいいな・・と思いながら、芸術の秋だ・・などと、一人ごちて気分よく帰途につきました。

 ちょうどオルセー美術館の正面には、レジオン ドヌール勲章博物館もあります(こちらは、大人も入場無料です)。

 行くまでは、なんとなく億劫でも行ってみるととてもよいところは、なんかジムみたい・・とか思いながら、こういうものは、気負わず、リラックスして日常と違う空間に身をおく、とても良い場所だな・・などと思いつつ久しぶりの美術館を楽しんできました。


オルセー美術館


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2024年10月25日金曜日

ノートルダム大聖堂に入場料5ユーロは有りか?無しか?

  


 2019年に発生した大火災から、5年間の再建期間を経てパリ・ノートルダム大聖堂は、12月7日に公開を再開する予定になっています。再公開まで2ヶ月を切るタイミングで、文化大臣がノートルダム大聖堂入場を有料にすることを提案し、賛否両論の嵐が巻き起こっています。

 彼女が提案しているノートルダム大聖堂入場料5ユーロは、年間訪問者数が1,500万人にも及ぶパリ・ノートルダム大聖堂には、年間7,500万ユーロ(約118億円)をもたらすことになります。この入場料による収入で「宗教遺産を保護する大規模な計画」に資金を提供することが可能となり、「ノートルダム・ド・パリはパリとフランスのすべての教会を救い、それは素晴らしい象徴となる」と説明しています。

 フランスでは、特定された約5万の礼拝所のうち、5,000の宗教的建造物がその持続可能性への懸念を引き起こしており、緊急の介入が必要な状態にあると言われています。

 一方、フランス司教会議は、「これらの祈りの場所へのアクセスは無料でなければならない、アクセスに価格を設定することは、それを観光目的と商業目的に歪めることに等しい!この提案は、フランスで施行されている法律に反するものである!」と主張しています。


 政教分離に関する1905年以来の法律は、ノートルダム・ド・パリなどの歴史的建造物に分類される教会や大聖堂へのアクセスは「無料」のままでなければならないと規定しており、この法律の第 17 条には、「建物の訪問および機密の動産の展示は公開され、いかなる税金や料金も発生することはない」と書かれています。

 パリ・ノートルダム大聖堂は宗教的施設であると同時に多くの観光客が訪れる場所であり、この5年間も、たとえ、入場できないことがわかっていても、たくさんの観光客が常に集まっていました。

 観光客にとって、5ユーロという金額は、決して、他の観光施設に比べて高い価格?設定ではないと思いますが、それが祈りの場でもあり、宗教施設だということには、多少、引っ掛かりを感じないでもありません。

 しかし、カトリック教会全体を救うために資金が必用であるということで、その資金集めをするためであれば、入場料を取る(信者からはとらないそうですが・・)ということも、理解できないではありませんが、それを政府が提案し先導するということには、抵抗を感じます。

 パリ・ノートルダム大聖堂は、1905年に制定された法律以前に建てられたため、国家の所有物であり、カトリック教会が譲受人であると規定されています。所有者であるとはいえ、政教分離の立場からいえば、国が介入しすぎることは、いかがなものかと思います。

 ただでさえ、ノートルダム大聖堂の改築に関しては、火災での被害を逃れたにもかかわらず、マクロン大統領が「現代的ステンドグラスプロジェクト」などと、現代的デザインのステンドグラスに置き換える方向で国家遺産建築委員会(CNPA)(15万人の嘆願書も添えている)の大反対を無視して進めようとしている経緯などもあり、どうにも政府が先導しようとしているイメージが強いのです。

 政教分離というのは、けっこう大切なことだと思うのですが・・。

 

ノートルダム大聖堂入場料5ユーロ


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