2026年10月10日土曜日

試食しながら選べるバター専門店 LE BUTTER SHOP ル・バターショップ

 


 

 今年の夏、パリ15区にオープンしたばかりの「ル・バターショップ」は、フランス産のバターの専門店です。



 このお店の特徴は、お店で売っているバターをその場で試食しながら選べるという、そういう意味では非常に良心的で自分の好みに合ったバターを選べるお店でもあります。

 お店自体は、繁華街ではなく、住宅街?の中のあんまり目立たないところにあり、ほんの小さなお店です。しかし、実際に行ってみると、小さなお店ながら、わりと賑わっていて、お客さんの入りは上々といったところでした。

 お店は狭いこともあり、一度に入店できるのは10人までと、入場を制限しているため、少々、並ぶこともあるようです。




 このお店が扱っているバターは、いわゆる超有名どころのエシレバターやボルディエ、オーボン・ブールなどではなく、ル・ブール・デュポン(Le Beurre Dupont)とか、ヴュー・ブルグ(Vieux Bourg)が中心となっていますが、そのフレーバーの種類の多さは、なかなか見事です。

 ル・ブール・デュポン(Le Beurre Dupont)は、ミルクの自然な甘みとクリーミーさを味わうタイプで、濃厚でありながらクセが強すぎず、「フランスの良いバターってこういう味なんだ」と美味しさがわかりやすい感じです。 

 フレーバーは、プレーン、ゲランド塩、海藻、エシャロット、オニオン、黒トリュフ、野生ニンニク、スモークソルト、ピマン・デスプレット、フランボワーズ、マダガスカル・バニラ、ショコラなどなど、なかなか選びきれるものではありませんが、試食してみるだけでも楽しいお店です。



 また、たくさんのフレーバーを食べてみたい人には、ほんの5㎝くらいの包みのたくさんのフレーバーのバターが小分けされたものが売っています。これは1個1ユーロ。冷静に考えてみれば、えらく割高なバターではありますが、色々な種類を一度にたくさん食べ比べしてみたかったりする場合は、これをひとつずつ買っていくのも楽しいかもしれません。

 また、バターだけではなく、バターと相性のよいジャム、マスタード、ワイン、チョコレートなどや、バターナイフなども扱っています。




 これまでバターやバターを扱うお店もいくつかご紹介してきましたが、チーズならともかく、バターを試食できるお店は初めてで、そういう意味では、バター好きの方には、見逃せないお店だと思います。


🌟LE BUTTER SHOP ル・バターショップ   3 Rue Bouchut 75015 Paris  水・日休


<関連記事>

「バターだけじゃない ボルディエのプティ・ブール(サブレ系ビスケット)とフィナンシエ」 

「エシレバターもいろいろ苦労している・・」 

「エシレバターが小さくなった!」 

「ずっと食べてみたかったバター Au Bon Beurre オー・ボン・ブール」 

「エシレのミルクは超絶、美味しかった・・」

2026年10月9日金曜日

高校封鎖運動 学生組合が10月13日に再び大規模な抗議活動とストライキを呼び掛け

 


 高校生があまりの学習環境の酷さを訴えて始めている高校封鎖運動は、もはや一部の地域にとどまらず、フランス全土を揺るがす大きな波となっています。

 この動きは9月の年度初め早々から、ずっと続いていますが、あらためて、学校組合と専門職組合は10月13日(火)に再び全国規模の抗議活動とストライキを行うことを呼び掛けています。

 パリで行われた集会で学生組合のスポークスパーソンは、「100億ユーロの要求が提示されない限り、私たちは抗議活動を続ける」と述べています。

 10月13日(火)は、フランス全土で26万6,000人から45万人規模のデモが行われるとみられています。

 この全国規模のデモは、マルセイユ、リヨン、ナントで開始されます。パリでは午後3時にバスティーユ広場で集会が予定されています。Snes-FSU, CGT, FOなど、複数の全国教育組合がデモへの参加を決定しています。もはや高校生だけではありません。

 同時刻には、3つの学生団体が国民教育省を訪問する予定になっています。3つの学生団体とは、Union Syndicale Lycéenne(高校組合)、Renouveau Lycéen(高校改革)、Lycéens!(高校生!)です。

 これに対し、政府は欠勤した教員の補充のための緊急計画を間もなく発表すると約束しています。

 それにしても、ここまで公立高校の状況が全国的に悪化しているにもかかわらず、放置され続けたのは、一体、どういうことなのでしょうか? 予算がないのはもちろんのことながら、学校の管理責任者は、もう諦めていたということなのでしょうか?全く理解ができません。

 国民教育省によると、「学校の94%が全面的、または部分的に開校している」と発表していますが、この状況で開校していても、とても、ふつうに学習ができる状況ではなさそうな感じです。

 また、今回の高校封鎖運動に関しては、高校生が登場する討論番組なども行われたり、また、デモ中の学生にインタビューしたりしている映像が流されるようになってきましたが、彼らが理論立てて、しっかり話すことができるのには、すごいな・・と感心しています。

 こんなにしっかりと自分の意見を持って話すことができる高校生に正当な学習の機会や環境が与えられていないということは、フランスにとっても大変な損失だと思うのです。

 フランスの教育は、自分の意見をしっかり持ち、それをしっかりと理論立てて話したり、発表することに重きを置かれている感じですが、そこのところは、しっかり教育がなされているんだな・・と妙なことにも感心してしまうのです。

 なんなら、彼らは日本の政治家たちよりも、ずっとしっかり話ができている・・と思うのです。


高校生デモ10月13日


<関連記事>

「現在、フランスで起こっている高校封鎖運動の暴動についての説明」 

「高校封鎖の運動の騒乱から・・「暴徒賠償法案」の審議が前倒し、加速」 

「想像以上に規模を拡大している高校封鎖運動は全国規模へ拡大・・ごくごく身近にも・・」

「イル・ド・フランスの高校生抗議 パリ郊外での高校封鎖運動」 

「新年度からの高校でのスマホ禁止 フランス政府と現場の隔たり」

2026年10月8日木曜日

現在、フランスで起こっている高校封鎖運動の暴動についての説明

  


 9月の年度初めから、まもなくして勃発したフランスの高校封鎖運動は、そもそもは、パリ近郊の公立校の学習環境の酷さを訴える高校生の声が発端となっています。

 私の娘は、小学校から高校まで、ずっと私立校に通わせていたので、公立校の悲惨な状況というものを全く知らずにいたのですが、その状況は、先進国の公立校がこんなに酷いものなのかとは、信じられないほどの状況のようで、まず、クラスに生徒数の分の椅子が足りないとか、先生が足りずに、行われない授業があったり、トイレが壊れたままで修理されずに放置されていたりと・・まあ、挙げ始めたらきりがないほど悲惨な状況のようです。

 その他、彼らの抗議には、パルクールサップ(進学先への応募・選考を管理するプラットフォーム)のシステム・制度に対する反対なども含まれていますが、とりあえず、基本的な学習環境がまったく酷い状況であることが、まず第一の彼らの抗議の根本的な問題なのではないかと思われます。

 今年の夏の猛暑のときに、フランスの学校には、エアコンがないのはふつう・・という話を書きましたが、エアコンどころか、扇風機さえもない、とにかく劣悪な状況のようです。

 その一部のパリ郊外の生徒たちが始めた訴えがSNSにより広まり、全国的に「自分たちのところも同じだ!」とこの高校生の訴えがあっという間にフランス全土に広がったわけです。

 そして、その正当な訴えをして、平和に抗議行動をしている生徒に混ざって、破壊行為そのものを目的とする人々が便乗し始め、あちこちが燃えたり、破壊したりする暴動になっていっているのですが、もうその破壊行為と正当な抗議をしている学生たちが、ごちゃまぜにされていて、警察や憲兵隊が介入して、なんとかその暴動を制圧しようとしているのですが、その警察や憲兵隊の暴力が正当な抗議運動をしている学生にまで及んでしまっており、もうカオス状態になっているのです。

 この正当な抗議を平和に行おうとしている学生たちを今度は、先生や保護者たちが守ろうとして、必死に警察や憲兵隊と闘うという状況です。

 この状況に関しては、本来は、恵まれた環境で学習している高校生たちも連帯の声をあげ始めていますが、それを取り扱うマスコミも、ただただ暴力行為として報道したり、クローズアップしているところもあり、よくよく気を付けて注意深く報道を見ていかないと、とかく暴力だけが強調されてしまう、わけのわからないことになってしまいます。

 年度初めには、高校生の学校での携帯電話禁止・・などと、ゆるいことを言っていたのに、実際の高校は、携帯電話云々以前に、学校の学習環境がまるでなっていない状態だったわけです。

 政府の首脳たちのようなエリート集団には、おそらく、このような公立校に通った経験のある人もなければ、また自らの子どもたちもそのような学校に通わせてはいないので、まったく、一般的な公立校の状況が理解できていなかったのでしょうが、これは、どうにも改正していかなければならないことです。

 しかし、フランスはことあるごとに、民衆が声を挙げて国を変えてきた国であり、今回は、高校生という年少の若者たちでさえも、こうして声を挙げて訴えている・・そんな姿勢は、すごいものだと思っています。

 正当に平和に声を挙げている子どもたちの正当な訴えを無にしないでほしい・・そんな思いで見ています。暴力行為に加担する者たちのせいで、そんな正当な抗議が掻き消されてしまう・・それは、あってはならないことだと思うのです。


高校封鎖運動


<関連記事>

「イル・ド・フランスの高校生抗議 パリ郊外での高校封鎖運動」 

「想像以上に規模を拡大している高校封鎖運動は全国規模へ拡大・・ごくごく身近にも・・」 

「高校封鎖の運動の騒乱から・・「暴徒賠償法案」の審議が前倒し、加速」 

「パリ・アンヴァリッドでの介護者のデモ・1万8千人を震撼させた暴力・ウルトラジョンヌとブラックブロック」 

「フランス全土で13万3千人超のデモで大荒れ パリ・フランス銀行まで燃やされる大惨事」


2026年10月7日水曜日

エアフライヤーが楽しくてたまらない・・

  


 食べることが好きな私は、常日頃から美味しいものを求めて、美味しいお店(といっても、どこどこの三ツ星レストランとか、そういう高級レストランではなくて、お手頃価格のお店)があれば、できるだけ行くようにしているのですが、それでも外食というものは、なぜか飽きるし、結局は、自分で好きなように家でお料理して食べることが一番なのかな?という気がしないでもありません。

 日本ならば、行きたいお店や食べたいものは、短い一時帰国の日程では足りないくらいあるのですが、パリでは、そこまでではありません。

 時々、これは大当たり!と思うようなお店に出会うこともありますが、それは、本当にごくごく稀なことで、実はハズレ・・大したことないのにやたら高い・・これにして、この値段は納得できない・・というものも少なくありません。

 元来、お料理は嫌いではないので、手に入らないものは自分でつくる努力を日々、重ねています。

 そんな中、最近、ずっと気になっていたのが、「エアフライヤー」で、なにかとカロリーが気になるお年頃?、少しでもカロリーを抑えてお料理ができるという「エアーフライヤー」に興味津々でした。

 YouTubeなどでも、エアフライヤーを使ったお料理を紹介している動画などが多々あり、私が作りたいお料理は、ふつうの日本人が作るようなお料理なので、必然的に日本人が紹介しているお料理動画になるわけです。

 もう見ていると、「こんなものまでできるの~~?」と感動していると、どんどん、そのエアフライヤーが欲しくてたまらなくなってしまったのですが、問題は、私が住んでいるのはフランス。

 フランスで売っているエアフライヤーは、当然のことながら、フランス人が使うようにできているわけで、多くのエアフライヤーは、まず、「フライドポテトが油で揚げずにできます!」と「フライドポテト」が前面に広告されているものが多く、その他は「プーレ・ロティ(鶏の丸焼き・もしくは丸のままでなくとも・・」などが主なのです。

 しかし、私の作りたいものは、必ずしも揚げ物ばかりではないし・・となると、フランスで買えるエアフライヤーの中でどれを選ぶのが良いのか?とそれを悩んでいました。

 結果から言うと、エアフライヤーで、こんなものを作りたい・・とか、置く場所を考えたサイズなどを提示して、最近、よくお世話になるChatGPTに相談して決めました。

 私にとっては、新しいおもちゃがひとつ増えたみたいな感じで、今はエアフライアーで色々なものを試してみるのが楽しくてたまりません。

 オーブンなどと、結局は変わらないのでは?とも思うものもありましたが、結局は、今のところ、オーブンよりも時短・・というか、効率がよく、時間がかからず、あっという間にできるものが多く、オーブンほど乾燥しすぎない・・という印象です。

 また、洗い物が少なくて済むのもありがたいところです。

 特に揚げ物のようなものは、健康面だけではなく、油の始末がいらないのは、本当にラクです。

 なにかと揚げ物が注目されがちではありますが、野菜を焼いたりする(今のところ試したのは、ナスととうもろこし)のにも便利であっという間にできます。

 私が今のところ、特に気に入ったのは、焼きおにぎりです。これは、本当に外側がカリッと香ばしく、中がふっくら出来上がるので、とても美味しいです。ナスの焼き浸しのようなものも、下処理というか、前段階まで処理しておいて、あとは、ちょっと漬けるだけ・・とか・・そんな使い方も気に入っています。

 つい先日はローストビーフを作り、たった10分でできてしまい、ちょっと感動ものでした。

 ちなみに私が買ったエアフライアーはMOVA Aero Glass AF20 Proというタイプのものですが、AIR FRY, ROAST, BAKE, REHEAT, FRENCH FRIES, CHICKEN WINGS, STEAK, VEGTABLESのいずれかがチョイスできるようになっていて、温度、時間をセットすることができます。

 私は、この一台しか使ったことがありませんが、基本的には、エアフライアーは、こんなものなのかな?と思います。

 食品を入れる場所は耐熱ガラスでできているので、調理中の焼け具合?が外からも覗けるのが便利ですが、一時停止をして、また再スタートをすることも自由にできるので、非常に扱いやすいです。

 このエアフライヤーで試したいものが次から次へと出てきて、買い物に行くと、あれもこれもとついつい買いすぎてしまうのですが、実際には、私は一人暮らし(+猫一匹)なので、作っているものが、どんどん溜まって行ってしまって、買い物に行っても、もう冷蔵庫の中身を考えると、もうムリ・・となってしまっています。

 しかし、ともかくも迷いに迷ったすえ、ようやく買ったエアフライヤー・・使いこなせるかな?、買ったのはいいけど、結局、使わないまま放置・・ていうことになりかねないと思っていたのですが、今や、炊飯器以上に使う頻度が高くなっています。

 少しでもカロリーオフになるかと思いきや、結局、以前よりも食べています。


エアフライヤー


<関連記事>

「パリ中心部にオープンした生鮮食料品限定のお店 モン・マルシェ Mon Marché 」

「フランスで流れてくるAJINOMOTOのGYOZAのCM」  

「ネットショッピングと商品配達のトラウマ 」 

「PICARD(ピカール)の日本食メニュー開発の努力と微妙なズレ」 

「海外から見ると日本人の食卓はとてもレベルが高い」


2026年10月6日火曜日

フランスの刑務所収容人数 90,020人で過去最多を記録 過密状態のフランスの刑務所

  


 フランスの刑務所収容人数が2026年9月1日時点で90,020人に達し、過去最多を記録しました。フランスは刑務所の収容密度において、ヨーロッパで最も劣悪な国の一つのようです。

 過密状態にある刑務所はフランスでは慢性的なものではありますが、今回の記録更新は、憂慮すべき事態と言われています。

 司法省が発表した公式統計によると、フランスの刑務所には90,020人が収容されていますが、収容定員は64,348人となっています。

 受刑者数は前年同期比で6.8%増加(2025年9月1日時点で84,311人)、収容定員は同時期に1.2%増加しました。

 したがって、現在の刑務所過密率は142.1%となります。

 短期刑を宣告された者や裁判待ちの者が収容される拘置所では、収容率が176.1%にも達します。刑務所はベッド不足に直面し、床に敷かれたマットレスの数は8,347枚に達し、昨年と比較すると51.8%増加しました。

 欧州評議会が発表したデータによると、フランスは刑務所の過密度においてヨーロッパ最悪の国の一つであり、トルコ(収容定員100名あたり131名)と同率で、クロアチア(123名)、イタリア(121名)などを上回っています。

 欧州評議会は年初にフランスの刑務所の現状を非難し、報告書の中で「人間の倉庫」と化す危険性を警告していました。

 これを受けて法務省は、建設費用が安く、工期も短いとされるモジュール式刑務所(工場などで予め製造した居住・管理用のユニット(モジュール)を現地で組み合わせて作る刑務所)に3,000人分の収容スペースを追加する計画で、そのうち半数は2027年までに完成させる予定になっています。

 しかし、2018年に策定された国家計画で計画された15,000人分の収容スペースのうち、実際に完成したのは、3分の1にも満たない状況です。

 工期どおりに行かないのは、フランスではよくあること・・というよりも、工期はあっても、まったくあてにならないのがふつうという印象です。

 むしろ、パリ・オリンピックのために様々なものがオリンピックに併せて建設されましたが、それがオリンピック開催に間に合ったのが、不思議に感じられるくらいでした。

 それにしても、ここまで刑務所の過密度が進むということは、確実に犯罪が増加しているということ。しかも、フランスでは、よほどのことがないと、刑務所には入れない。単純な窃盗等では刑務所行きにはならない・・という感じであり、妙な言い方をすれば、刑務所は「狭き門」というか、ハードルが高い・・のですが、それでもなお、刑務所に入りきらないほどの人がいる・・実際には、スペースがないところに床にマットレスをひいてまで収容しなければならない人がいる・・って、やっぱり怖いことだな・・と思います。


フランスの刑務所の過密度 


<関連記事>

「サルコジ元大統領収監の波紋 刑務所は大変そうだ・・パリ14区 ラ・サンテ刑務所」 

「サルコジ元大統領が3週間で釈放された理由と国民の反発」 

「フランス政府 ギアナのジャングルの真ん中に厳重警備の刑務所開設」 

「3夜連続のフランス各地の刑務所襲撃 刑務官たちの車が燃やされ、刑務所に銃撃弾の異常事態」 

「麻薬密売人専用の厳重警備刑務所と刑務所警察部隊創設」 


2026年10月5日月曜日

高校封鎖の運動の騒乱から・・「暴徒賠償法案」の審議が前倒し、加速

  


 全国規模にまで拡大した高校生による「高校封鎖運動」により、多くの学校校舎や周辺が破壊、損壊、延焼の被害を被っています。

 この騒動を受けて、フランス政府は、「暴動参加者全員に賠償を義務付ける法案」の枠組みを拡大しようとしています。

 今回、上院には、「連帯責任」の原則に基づく法案が提出されています。

 これは、暴動参加者グループの一員と認められた者は、たとえ直接損害を与えていなくても、最大1万ユーロの賠償を求められる可能性があることを意味します。

 この「暴動参加者負担」の原則を最大限に活用することが目的であり、費用は時に非常に高額になることがあります。

 政府の試算によると、3年前のナンテールでのナエル君死亡事件に端を発する暴動による個人および企業の損害額はおよそ8億ユーロに上り、「黄色いベスト運動」による損害額は約2億5,000万ユーロ、昨年5月のパリ・チャンピオンズリーグ優勝後の損害額は、数百万ユーロと推定されています。

 このような大規模な暴動が起こるたびに、地方自治体、国、企業には十分な補償がなされておらず、今回の法案はこれを補完することを目的としています。

 「暴徒賠償」の原則は理論上は2019年から存在していますが、その実施は非常に困難なものとなっていました。

 現在、個人賠償を負わせるには、損害に対する直接的な責任が立証されなければなりません。

 加害者はマスクやフードを着用している場合もあり、たとえ特定できたとしても、誰が責任者なのか?を特定するのは非常に難しく、特に今回発生した燃え上がる校舎の前で行われた高校生によるデモの映像では、数十人のデモ参加者が映っている場合があり、誰が放火したかを特定するのは困難となっています。

 さらに暴徒が裁判にかけられた場合、地方自治体や国に必ずしも通知されるとは限らず(なんで?と思うけど・・)、そのため暴徒に対して賠償を請求することができなくなってしまいます。

 今回の「暴徒責任法」には、特に「集団責任」に関する条項(全5条)が含まれています。

 契約外の過失による民事責任(第1条)は、こうした行為に参加したすべての者、すなわち暴力行為の加害者だけでなく、デモにおいて近接していた周囲の人々全員に連帯責任を負わせる。各参加者は1万ユーロを上限として、損害賠償について連帯責任を負うというものです。

 この法律には、損害賠償のために社会保障給付を差し押さえる可能性も含まれていますが、極めてデリケートな問題のため、政府はこの部分は支持しないと述べています。

 加害者が未成年の場合、本条では、「国家の利益となる公益活動への参加」という形で債務を回収できる可能性が示唆されています。

 しかし、現実的に言って、連帯責任にしたとしても、この保障が回収できるかどうかは、甚だ疑問であり、単なる脅しのようなものになりかねない気がしています。

 だって、あの暴動のときの勢いや混乱ぶりの中で、このために、撮影部隊が動き始めるということなのでしょうか? そして、暴動参加者全員を特定し・・その後の賠償請求を行うに至るまでは、膨大な作業が必用になります。

 これは、警察?憲兵隊?また、別の国家組織? 一体、どこの管轄?がどのように行うのでしょうか? 

 あまり、現実的ではない気がしてなりません。


暴徒賠償法案 連帯責任賠償


<関連記事>

「想像以上に規模を拡大している高校封鎖運動は全国規模へ拡大・・ごくごく身近にも・・」 

「イル・ド・フランスの高校生抗議 パリ郊外での高校封鎖運動」 

「暴動被害修復にフランス政府1億ユーロ放出 未成年破壊者の親に損害賠償負担義務」

「服従拒否で警察官発砲 17歳の青年死亡の後、警察官のウソがばれた・・」

「大惨事となっているフランスの暴動とSNSの関係」



2026年10月4日日曜日

イワシの缶詰めが品薄になっているのは・・

  


 イワシの缶詰めは、そこまで頻繁に食べるわけではないにせよ、我が家には、たいてい、いつも、なぜかストックがある気がします。

 おそらく、多くの家庭において、その程度のもののような気もしますが、そのイワシの缶詰めが今、スーパーマーケットの棚から急激に姿を消しつつあるようです。

 フランスにおけるイワシ缶産業は、モロッコ産のものにその多くを依存している状態で、90%以上がモロッコ産のものです。今年のモロッコ産のイワシは、海洋環境の変化(気候変動)のために資源が不安定化し、具体的には、イワシが小さくなり、加工効率が低下し、生産性(缶詰め)が低下しているために、缶詰めの輸出量が減っているということです。

 気候変動による海洋環境・プランクトンの変化がイワシの成長や生息状況に影響していると言われていますが、そもそも缶詰めに入っているイワシは、もともとあまり大きなものではないのに、それがさらに小さなイワシになっているということは、どの程度の大きさのイワシになっているのだろうか?と思います。

 そもそもの品薄に加えて、最近、缶詰食品そのものがフランスで再び人気になっており、特に若い世代の消費が増加しています。

 これはインフルエンサーたちがSNSで安価な滋養食品と推し始めたこともあり、25歳~35歳の缶詰消費者が30%以上増加したといわれています。

 そういえば、少し前に、若い男の子がバゲット2本抱えて、スーパーにイワシの缶詰だけ3缶を買いに来ていたのを見かけたことがあり、若い子って、こういう食事しているの?とビックリした覚えがありました。

 つまりイワシ缶がスーパーの棚から急激に姿を消しているのは、イワシが完全になくなったというよりも、イワシが小さくなり加工効率が低下+海洋環境の変化で資源が不安定+モロッコなどからの供給減+缶詰人気による需要急増という複合的な現象です。

 これは、一時的な品切れではなく、供給構造の問題ともいうべく事態。

 私など不勉強でイワシ缶はブルターニュで作られていると思っていましたし、(もちろん、今でもブルターニュ産のイワシは現在も存在している)、モロッコがそんなにイワシ缶で有名な国であったことも知りませんでした。

 しかし、缶詰そのものが再注目されていることは、悪くない話。冷蔵、冷凍などが必用なく、保存が効き、安価。栄養的にも決して悪くありません。

 そのままでも食べることができて、それを材料にして、お料理することもできる。

 なんとなく、これまで見過ごされていた缶詰をイワシだけでなく、探求してみるのも、ちょっとおもしろいかもと思っています。

 

イワシの缶詰不足


<関連記事>

「カニ缶を探すのが大変になっていました!」 

「地球温暖化とイワシ」 

「ツナ缶の水銀汚染スキャンダルの衝撃」 

「パリでの私の日常に「旬の魚」は存在しない」 

「もうカーフールで魚は買わない」