2025年1月23日木曜日

フランスは2030年までに現役軍人を21万人、予備兵を8万人にする

  


 マクロン大統領は、なぜ?ドナルド・トランプ氏の大統領就任のセレモニーに出席しないのか? イタリアのメロー二首相やハンガリーのオルバーン首相、また、フランス国内の極右政治家なども参加するのにマクロン大統領が出席しない理由が説明されていました。

 本来、アメリカの大統領就任式には、外国の国家元首や政府首脳は招待するものではなく、各国は大使がこれに出席しているもので、むしろ、この伝統に逆らって、トランプ大統領がイタリアやハンガリーの首相を受け入れたことの方が例外的な話だったようです。

 マクロン大統領からしたら、本心では、あまり歓迎すべきことではないであろうし、昨年、12月の時点で、パリ・ノートルダム大聖堂の再開のセレモニーという特別な場所にトランプ大統領を招待し、その際にエリゼ宮で会談する機会を得ているので、外交的には、一応の礼を尽くしたといった感じもあったのではないか?と思われます。

 さて、トランプ大統領就任の日、マクロン大統領は何をしていたのか?と思いきや、彼は、レンヌ近郊にある軍(デジタル・サイバー地上支援司令部)の式典に参加し、新年のスピーチを行っていました。

 この演説の中で、マクロン大統領は、ウクライナ戦争以来の「危機の加速」を強調し、この戦争の早期解決を約束しているトランプ大統領とは異なり、この戦争がさらに長期化する可能性を語っています。

 そして、「今日の我々の課題は、ウクライナに存続の手段を与え、強い立場から将来の交渉に臨むことである」、「また、紛争が終結したときに、ウクライナに対し、同国領土で紛争が再び起こらないことを保証し、我々自身の安全を保障することが課題となる」と述べ、政府と陸軍参謀本部に対して「より多くの若者を軍に動員するための提案」(具体的には、2030年までに現役軍人を21万人、予備兵を8万人にする)、「若い志願兵が軍隊で学び、その戦力を強化できるようにする計画」を5月までに行うことを求め、「これは権利と可能性を与えるものだ!」、「自分の国の役に立ちたい若者はたくさんいる!」と訴えました。

 このマクロン大統領の演説に対して、「ますます軍国主義化するマクロン大統領の狙いは若者たち」など、彼の言う「危機の加速」以上に「マクロンの軍国主義化の加速」などと反発の声も大きいようで、同時にこれは、彼が力を入れてきたSNU(国民皆兵サービス・以前の徴兵制の縮小版みたいなもの)の失敗を隠すためのものだと指摘する人もいます。

 このSNUは、先週、上院でこのSNUのために割り当てられた予算を廃止することを決議しており、事実上、彼が望んでいたものが、否定されたようです。

 彼は、これを真っ向から認めないものの、別の方向から軍事化への道を探っており、「彼はメディアの舞台を独占すること以外にはあまり何も望まない、窮地に陥った大統領だ!」などと非難する人まで出てきています。

 マクロン大統領は、若者に「強い決意を示し」、「奉仕する選択肢を与えたい」とし、「若者の軍隊での勤務時間を延長することに彼らを従わせたい」という希望を表明しているものの、若者が何に対して「強い決意を示し」、どんな「選択肢を選択する」か?は、置き去りになっているところに、現実との乖離が感じられます。

 少なくとも、子どもに軍に入ってほしいと願っている母親はあまりいないと思うのですが・・。


マクロン大統領 軍事化強化


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2025年1月22日水曜日

3ヶ月半待ちの検査とさらに当日の待ち時間 初めての呼吸器科医

  


 専門医の予約がなかなか取れないのは、もういつものことですが、今回は、呼吸器科(pneumologue)フランス語でプニュモログとかいう、これまで聞いたことがなかった専門医だっただけに、余計にドキドキするものでした。

 体調が思わしくなくて、これまで心臓かな?とか肝臓かな?とか、血液検査をしたり、心臓専門医で検査したり、色々、見てもらった結果、私の体調不良の原因は心臓でも肝臓でもなく、かかりつけのお医者さんに、色々と症状を話したところ、ならば、呼吸器科(pneumologue)で検査してもらった方がよいと言われ、その時点で予約をとったら、なんと3ヶ月半後しかとれないとのことで、「え~~?来年じゃん!」と思ったのですが、待たされるのはいつものこと。

 そして、その3ヶ月半後がやってきました。

 当日、予約の時間に行くと、待合室には、信じ難い光景が・・なんと、待合室は椅子が足りなくなさそうな勢いの満員!大き目のクリニックの中の5階にあり、受付のような場所もはっきりせずに、なんとか、担当の人を探し出して、〇時に予約とってあるのですが・・と一応、到着を報告。

 しかし、これだけ待合室に人がいるということは、これだけの人が待っているということ・・。これじゃ、予約の意味ないじゃん!と思いながら、待つこと40分!ようやく呼ばれたと思ったら、不思議なカプセルみたいなものに入って、血圧を測ったり、チューブのようなものを加えて、脈をとりながら、息を吸ったり吐いたりを繰り返します。

 検査をしてくれたのがお医者さんだと思いきや、その人は検査技師で、お医者さんとの面談は、またその後・・。さらに待たされること1時間以上。お医者さんとの面談は、10分程度で、結局、その日の予定が終了するまでに2時間くらいかかりました。

 結局は、睡眠時の呼吸に問題がありそうだということで、また後日、今度は病院に一泊して検査をすることになりました。

 次の予約は、3月中旬で、もう、久しぶりにフランスの洗礼を受けたというか、この、とにかく、やたらと時間がかかる感じにウンザリするとともに、ガックリ疲れて、なんだか、病院に行くだけで、病気になりそうな気分でした。

 現在、パリではインフルエンザが大流行していて、さすがに私はマスクを忘れずにしていったのですが、病院ではマスク義務化などといっていたのに、マスクをしているのは、ごくごく少数で、待合室で、本当に死にそうな咳をしているおばあさんなどがいて、ちょっとヤバい感じがしました。

 かといって、いつ呼ばれるかわからないのに、席をはずすわけにもいかず、持って行った本を読みながら、ひたすら、不穏な気持ちで過ごした時間でした。

 次回の予約はとったものの、今度は一泊とはいえ、一応、入院。私は、これまで、入院らしきものをしたのは、アフリカにいた頃のお産の時だけ・・しかも、あの時は、切羽詰まって?というのもおかしいですが、已むに已まれぬというか・・初めてのお産・・しかも、アフリカというかなり特殊?な場所。

 あの時は、友人二人がついていてくれたので、心強かったけど、出産後も、特に何をしてくれるわけでもないのに、あまりに無神経に看護婦さんが部屋にバタバタ入って来たりするので、なんにもしないのなら、もう家でゆっくりしたい・・(あの時は、家にボーイさんがいたので、私は家事等もしなくてよかったし・・)「もう帰る!」と出産後1泊だけで、帰ってきてしまいました。

 今回は、最初から、たった一泊だけということで、おそらく、なにか検査機器をセットされて、寝てるだけで、データを取るのだと思うのですが、もうものすごく億劫で、ハッキリ言って今から行きたくないです。

 間髪入れずに、じゃあまた明日・・とか言うなら、勢いもつきそうなところですが、またさらに2ヶ月待ち・・。このまま、さらに検査・・とかなったら、私が生きているうちに終わるのだろうか・・などと思いつつ、病院に行くのも体力と気力がいるな・・検査ってホント、身体に悪いよな・・などと、ぶつくさ思うのでした。


呼吸器科医


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2025年1月21日火曜日

外圧がなければ動かない日本と昭和 

  


 国民的アイドルと言われてきた中居正広氏のスキャンダルから、現在はフジテレビ問題へと移行しつつある日本の報道を見ていると、やっぱり日本は外圧がないと問題に対して具体的なアクションを起こさないのは、とてもおかしな話だな・・と思って見ています。

 この問題に関しては、フランスでも早々に報道されていましたので、フランスでは、そこまで知名度はないSMAP・・というか中居正広氏についてまで報道しているのは、一昨年?前のジャニー喜多川問題と関わりがあるからなのかな?などと思っていました。

 今回の問題は、すでに、どちらかというと、この問題を隠蔽し、何ごともなかったかのようにやり過ごし、被害者の自分の会社の女性を切り捨てて、加害者の番組を継続していたフジテレビの問題になっていますが、これが、この会社の問題の氷山の一角に過ぎず、他の被害者の証言なども浮上してきて、社内人事や上下関係を利用して女性アナウンサーを接待要員のように、あたりまえに利用するような会社の体質が問題視されているようです。

 この報道を見ていると、牽引しているのは、文春とYouTubeなどのSNSではありますが、この解説などを聞いていると、「フランスやシンガポールなどの海外でも報道している・・」とか、最近では、「フジテレビの大株主である米国投資会社のダルトン・インベストメンツがフジテレビ経営陣・取締役に対する書簡を発表した・・「OUTRAGED」アウトレイジド・・と言っているので、これは激怒しているという意味です・・」などと紹介していて、実際にフジテレビはこの株主からの突き上げで、ようやく記者会見を行ったようですが、これがまた最悪な記者会見。

 しかし、このダルトン・インベストメンツは大株主ではあるものの、筆頭株主ではなく、日本マスタートラスト信託、東宝などなど、日本にもそれ以上の株主はいるわけで、なぜ?彼らは何も言わないのか?おかしいな・・と思います。

 そして、「海外展開している会社などは、絶対に許されない話」などと言っているのもよく聞きますが、これもおかしな話。日本の消費者だって許さないでしょう。

 また、このおかしな風土?の社風に対して、「いつまでも昭和」といった感想を述べている人もおり、昭和は、まさにこのようなことが、とりたてて問題視されにくかったと思う一方、私は、その昭和に生まれ育ち、私が仕事を始めたのも、まさに昭和・・と思うと複雑な気もします。私が働いていた昭和の世界はそんなに恐ろしい世界だったのか??と。

 そして、結果的には、記者会見後にさらに、状況が悪化したフジテレビに対して、スポンサーの多くが、中居正広氏の番組のみならず、フジテレビからCM撤退を発表し始め、このCM差し替えの雪崩が止まらないようです。

 X(旧Twitter)を見ていたら、ライオン(株)の「フジテレビのCM放映に関するお知らせ」というのが流れてきました。



 個人的には、ライオンのCMは、とても印象に残っているもので、娘がまだまだ小さい頃、できるだけ日本語に触れる機会を持てるようにと、今のようにネットなどもない時代、両親が私と娘のためにテレビ番組を録画して定期的に送ってくれていました。

 娘は小さい頃は、ちびまる子ちゃんやサザエさんや、それこそSMAP×SMAPなどなど、色々な日本の番組のビデオを喜んで見て、日本語をおぼえていきましたが、ある時、「この番組はライオンの提供でお送りしました・・」というのを聞いて、「ライオン・・」と聞いて、固まっていたのがとても、可笑しくて、可愛くって、私にとっては、娘が初めて、私以外の人からの日本語をちゃんと聞き取れているのだな・・と確認できた一場面でした。

 そんなわけで、ライオンのCMには、なんだかほっこりとした思い出があるのです。私の中での甘い思い出です。

 話は逸れましたが、こんな感じに、日本も「外圧」がなければ、なかなか動き出せないのは、どう考えてもマスコミ・報道機関の機能不全(ていたらく)も一因であるように思います。

 フランスだったら、まず組合が絶対に黙っていない!フジテレビの、恐らく大部分の真面目に働いている人々は、なぜ?会社に対して何も言わないのか?ストライキはしないのか?などと思ったり、いやいや、フランスだったら、今ごろ、フジテレビは燃やされているかも??などと、思わないでもありません。

 フランスのテレビ局など、社員のストライキのため(何の問題だったか忘れましたが・・)、カメラは定点カメラ1台でキャスター一人がニュースを読む・・なんて時もありました。

 

フジテレビ CM


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2025年1月20日月曜日

シャンゼリゼのルイ・ヴィトンの巨大トランクは違法な広告なのか?

  


 ルイ・ヴィトンがシャンゼリゼにシルバーに輝く巨大トランクを設置したのは、2023年の秋のことで、当初は、ひと際輝くこの巨大なトランクに「お~~!!ルイ・ヴィトン!さすがにやることがド派手!でも、どこか洗練されていてカッコいいな・・」と思っていました。

 同時にそれは、工事現場の目隠しのためのものであることは、わかっていましたし、それにしても、目隠しにしても、さすがルイ・ヴィトンともなると、お金をかけて美しくカバーするものだな・・などと、思っていました。

 工事現場の目隠しと思っていたので、すぐになくなってしまうと思ったこのトランクは、昨年のノエルの時にも健在で、一体、いつまでこのトランクがあるんだろう?とまだ、それがあることに驚いてもいました。

 ところが、シャンゼリゼの、このルイ・ヴィトンのトランクに対して、「これは違法な広告である!」と環境保護活動家やSOSパリ遺産保護協会の面々がこのトランクを撤去する要請をパリ市長に提出しています。

 「この建物はLVMHが所有している建物であると同時に歴史的建造物に指定されているため、広告は禁止されている」という理屈らしいです。たしかに、このトランクには、誰もがルイヴィトンと一目でわかるLVモノグラムが描かれています。

 ルイ・ヴィトンは、この場所に次の店舗をはじめ、ホテル、スパ、レストラン、アートギャラリーなどをオープンする予定にしており、これは一時的なものであると弁明しています。

 これに対し、パリ市は公式回答の中で、LVMHは、規則を遵守しており、屋外広告にかかる税金を徴収すると説明しています。

 これは、この税金は、ルイ・ヴィトンのシャンゼリゼプロジェクト全体で170万ユーロに相当するものであると言われています。

 反対派は、これに対し、パリ市が考えを変えない場合、権力乱用を理由に行政裁判所に訴える用意があると息巻いています。

 これは、シャンゼリゼ103-111番地、LVMHは、「仮標識」申請を2023年6月に行っており、パリ市の認可は2027年までということになっています。

 しかし、これに異議を唱える環境活動家らは、「これは、広告に関する地域および国の規則を逸脱し、4年間という認可の期間は、過度かつ違法である」と訴えているのです。

 170万ユーロという巨額の税金に対しても、お金さえ出せばなんでも通ると思うなよ!とばかりに「パリは売り物ではない!」と言っています。

 夜になるとライトアップされるシルバーのトランクはとても美しくて、私などは、きれいだしカッコいいし、いいじゃない!と思うのですが、とにかくフランスは物申す人が多いのです。


シャンゼリゼ ルイヴィトン トランク


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2025年1月19日日曜日

最近、私が好きなショコラティエ ジャン・ポール・エヴァン Jean Paul Hévin

  


 若い頃の私はもっぱらの辛党で、甘いものは苦手でした。お酒が大好きで、いわゆる「酒のつまみ」になるようなものが好みで、スイーツには、目もくれませんでした。お酒なら、なんでも、日本にいる頃はビールをよく飲んだし、その他、ウィスキー、焼酎、日本酒、ワインなどなどアルコールはなんでも大好きでした。

 フランスに来てからは、もっぱら、ウォッカを好んで飲んでいましたが、そのうち、フランスはやっぱりワインが一番コスパが良いかも?などと、もっぱらワインを飲み、そこまで有名じゃないのに、お手頃な美味しいワインを探すのが楽しくて、毎年、ワインフェアの季節には、フレンチおやじに交じって、ワインを箱買いしていました。

 ところが、ここ数年、なぜか、全くアルコールを欲しなくなり、まあ、ムリに止めようとしているわけじゃないけど、「まぁいいっか・・飲みたくなくなったんだから止めとこうか・・」と、ほぼほぼ、アルコールは飲まなくなりました。

 その代わりと言っては何ですが、これまで見向きもしなかったスイーツ類が好きになり、今は美味しいスイーツ探しに夢中です。

 中でもチョコレートは、欠かせないもので、必ず家には、チョコレートが常備してある状態で、簡単にはリンツなどの板チョコで済ませるのですが、たまに贅沢したくて、ちょっと有名なショコラティエに行ったりもします。

 なにしろ、チョコレートにはポリフェノールという、なんだか身体に良いらしい成分が含まれているというエクスキューズもあり、ちょっと甘いものが欲しい時など、ちょっと欠片をつまんだりします。

 パリにある有名どころのショコラティエはひととおり行ってみた結果、なんだかんだいっても、やっぱり「メゾン・ド・ショコラ」がお気に入りで、ポイントカードなどを持っていることもあり、日本に行く時などのお土産にも、メゾン・ド・ショコラのチョコレートを持っていくことが多かったのです。

 ところが、ここのところのインフレでカカオの値段が上がっているからと値段は爆上がり・・しかも、気のせいか、なんか種類も減った気もして、要は、私自身が少々、飽きてしまったこともあるのかもしれませんが、なんだかパッとしない気がしていました。



 昨年の夏に、たまたま友人とランチをした際に、「デザートは、後でアイスクリームでも食べよう!」とレストランを出て、しばらく歩いたのちに、「ジャン・ポール・エヴァン」のお店を見つけて、半分、ひやかしに覗いて見たら、チョコレートのアイスバーがあって、「あれ!これデザートにちょうどいいじゃん!」と友人とそのアイスバーを買って、近くの公園で、食べました。

 そのチョコレートのアイスバーが想像以上に美味しくて、今まで無視していたジャン・ポール・エヴァンに再注目! 今回、日本にいる娘が「チョコレート買ってきて!」というのでチョコレート探しをしていて、パリにあるほとんどのジャン・ポール・エヴァンのお店をまわりました。

 以前・・といっても、もう10年くらい前ですが、職場の同僚で、「チョコレートは、絶対これが好き!」といつでもジャン・ポール・エヴァンの板チョコを持って歩いていたので、一度、お店を覗いて見たら、当時は、とてもお高くとまっている感じのお店で、チョコレートの温度を管理するために入場制限している・・とかで、しかも入ったら入ったで、「○○産のカカオ○○パーセント、○○の香りとか苦みとか・・」ひとつひとつ、細かく表示してあって、なんだかよくわからなくて、店員さんに聞いても、あんまり教えてくれなくて、ハッキリ言って、あんまり印象が良くなかったのです。


 しかし、時代?は変わって、今回、ずっと店舗を廻った結果、店員さんはどこも感じよく、種類も豊富で色々と教えてくれて、今回など、これが欲しかった!という要望に応えて、わざわざ販売停止になっていたコフレを作ってくれたりして大感激でした。

 もちろん高級なショコラティエにはかわりないので、そんなに頻繁に通うというわけにもいかないのですが、それでも、昨今のグランメゾンのパティスリーなどのスイーツにはビックリするような値段のものも多く、ジャン・ポール・エヴァンも決して安くはないのですが、中には、まあ、これなら納得かな?というかギリ許容範囲かも・・と思われるものも、いくつかはあって、(チョコレートタルトなど)最近は、もっぱら、ジャン・ポール・エヴァンがお気に入りなのです。

 長いことお世話になり続けたメゾン・ド・ショコラから浮気しているような気分ですが、また、そのうち行きます。


ジャン・ポール・エヴァン Jean Paul Hévin


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2025年1月18日土曜日

インフルエンザの流行 特に死亡率の増加は深刻

  


 フランス 国立公衆衛生局は、猛威を振るっているインフルエンザの流行がおさまらず、15日に発表したプレスリリースの中で、「インフルエンザによる死亡者数の増加」に、流行の著しい深刻さを警告しています。

 この背景には、ここ数年に比べて、ワクチン接種が受け入れられていないことや、例年のインフルエンザに比べて症状が重いことがあるようです。

 パリは、ここ数週間で気温が氷点下になる日も度々で、気温もいちだんと下がっているので、それもウィルスが活発化する原因のひとつになっているとは思いますが、また、外の気温が低い分、店舗やレストランの暖房が強く、外気に合わせて防寒に供えた服装をしていると、店内に入ると、ちょっと暑くて、汗ばむ感じさえするので、うわっ!この気温差・・風邪ひきそう!とも思います。

 また、新型コロナウィルスの際にあれだけ浸透したと思われた「マスク」もすっかり姿を消しており、その存在はすっかり忘れ去られてしまったようにさえ思います。

 私自身も少し前に、「もしかしてインフルエンザ?」と具合が悪かったときには、「あ~そうそう!マスクしてなかった!これから出かけるときには、マスクしなくちゃ!」と思ったにもかかわらず、またすっかり忘れていました。

 しかし、かろうじて、家に戻った時には念入りに手を洗ったり、うがいをしたりすることは続けています。

 今回のインフルエンザの特徴は、症状が重いことに加えて、高齢者はもちろんのこと、15歳以下の子どもにもかなり重症の場合が多いことで、救急サービスが飽和状態になり、(すでにホワイトプランが適用になっている病院も多い)、全国平均では、救急外来のインフルエンザ患者の26%が入院する事態になっています。

 また、死亡率の上昇は、さらに深刻で、1月6日から10日までの死亡者の7.3%はインフルエンザによるもので、これは2019年以来の記録的な数字と言われています。

 ふつう、インフルエンザ=風邪=死ぬわけじゃない・・といったイメージですが、死亡率がここまでの数字に上昇していることは、ある意味、脅威的です。

 インフルエンザも今年は、なかなか侮れないようで、まだ、ワクチン接種をしていない方は、しておいた方がよいかもしれません。


インフルエンザ死亡率上昇


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2025年1月17日金曜日

カタコンブ・ド・パリ 600万人の遺骨が納められているパリの納骨堂

  


 前々から一度は、行ってみたいと思っていました。なにせ、パリの地下空間に600万人の遺骨が納められているというのですから、かなりシュールな空間です。

 四半世紀以上もパリにいて、先日、初めて、この空間に行ってきました。

 この納骨堂?は、そもそもパリの採石場であったために、地下空間ができた場所のようで、そこに、パリ市内の墓地を閉鎖した際に発掘された遺骨の移動場所として使用されたことが最初だったようで、展示されている説明書きには、「この移転は、夜間に行われたために、誰も恐れることはなかった・・」と書いてありました。

 夜間に遺骨を移動するって、余計に怖い気もするけど・・などと思いましたが、ともかくも、最終的には、600万人分の遺骨ですから、すごいことです。

 カタコンブというある種、特殊?な場所ゆえ、そんなに観光客もいないんだろうな・・と思いきや、これがけっこう行列ができていました。

 地上の入り口は、そんな、おどろおどろしいイメージは皆無です。しかし、入場後、深い深い地下には、螺旋階段が延々と続いていて、かなり地下に降りていきます(地下20m)。そして、ある地点まで下りると、今度は薄暗い細い地下道をかなり長い間、歩きます。




 正直、私は、これまで、はっきりと形を留めた人間の本物の骨というものを見たことがなく、祖父母、両親等の火葬後の骨は拾ったのですが、火葬しているために、あまりはっきり形を留めたものではなかったし、それさえも、骨がどんなだったか?悲しみの方が上回っていて、あまり記憶にないのです。

 長い長い地下道を歩きながら、「骨はどこだ?」、「一体、いつになったら、骨が出てくるんだろう?」と思っている自分がなんだかおかしな気もしました。



 どのくらい歩いたでしょうか?時間は計っていませんでしたが、あんまり歩きやすくはない暗い道を「骨」を探しながら歩くのですから、実際以上に長く感じたのかもしれません。あとから、調べたら、全長1.7㎞なのだそうです。



 しかし、ある地点まで達すると、これでもか!というくらいに「遺骨」が登場します。ようやく納骨が展示?されている地点に到達すると、そこからは、その遺骨の展示?に仰天します。



 大量に重ねられた手足の骨の間に頭蓋骨が様々なデザインで飾られており?なんだか、これらの遺骨を重ね合わせて、色々デザインして展示?して見せるというのは、どういう感覚?どういう発想なんだろうか?とか、夫の遺骨は、今ごろ、どうなっているのだろうか?(夫は、没後、家から一番近い墓地に埋葬(土葬)されています)とか、不思議な気持ちになりました。



 このカタコンブが一般公開されるようになったのは、1809年のことだそうで、1860年には、ナポレオン3世も息子を連れてここを訪れているそうです。

 現代の倫理観では、当然、あり得ないことであると思われるので、今後、新しくこのような場所ができることはないという意味では、貴重な場所であるとも言えます。




 地下道には、いくつも、侵入できない部分がまだまだ広がっており、作品?ごとに、その遺骨が採掘された場所や日付、そして、展示ポイントが出来上がった日付なども記載されているのですが、わりと最近の日付のものもあるので、まだ、この遺骨を積み重ねて展示する作業はまだまだ進行中なのかな?とも思います。




 キラキラなイメージのパリとは全く違う場所ですが、歴史の積み重ねを感じることのできる場所、パリのまた違う一面を見られる場所でもあります。

 周囲には、ヨーロッパの他の国から来たと思われる家族連れなど、けっこう多くの人々が、「この頭蓋骨、歯まで残っている!ブラボー!」などと、軽く冗談などを言いながら、見ているのも興味深い気がしました。

 美術館やショッピングに飽きたら、パリには、こんな場所もあります。


🌟カタコンブ・ド・パリ パリの納骨堂

Les Catacombes paris    1 Avenue du Colonel Henri Roi-Tanguy 75014 Paris

 月休 9:45~20:30 大人31€(オーディオガイド付)・5歳~17歳 12€(オーディオガイドなし)


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