2022年9月21日水曜日

ストラスブール大学 節電のためにこの冬の15日間の臨時休校を決定

  ストラスブール大学の学長は、エネルギー価格の高騰に伴い、この冬の2週間を臨時休校とすることを発表しました。 一昨日、ストラスブール大学学長は、エネルギー価格上昇のためのコスト削減のために、1月初旬に3週目のクリスマス休暇(通常、クリスマスの休みは2週間)、そして、さらに、2月に1週間のリモートワーク期間を設けることを説明したビデオをYouTubeで公開しました。 「政府の発表を受けて、エコロジーへの移行において、大学もその役割を果たす必要がある」と述べ、「大学の機能をできるだけ維持しながら、エネルギー消費を10%削減する方法を模索しました」と学長はビデオの中で語り、これを正当化しようとしています。 同大学では、エネルギーコストが爆発的に上昇しており、電気、ガス、暖房費は2021年の1000万ユーロから、補正予算で150万ユーロが追加で認められ、2022年には1300万ユーロに上昇し、2023年には、2000万ユーロの予算が計上されています。 ちょっと一般的な家庭の金額とは規模が違うためにピンとこないのですが、大学がそもそもの本来最も優先すべきである授業を休講にしてしまうのは、ちょっと違ううえに、かなり乱暴な方法ではないかと思います。 案の定、さっそく、これには、組合から反対の声が上がっており、組合は声明で、「行政閉鎖は公共サービスの継続性の原則に違反するものである」と述べ、「この措置により研究室へのアクセスが減少し、研究活動に支障をきたす可能性がある」 そして、「この措置は学生や一部の職員に対する「リモートワークの押しつけ」に相当し、「雇用主が負担すべき暖房費と電気代」を学生や職員が負担することにつながる、「国が自らの雇用主の費用(暖房、(インターネット)接続、照明、ケータリングなど)を職員や学生に転嫁することは全く受け入れられない」と訴えています。 パンデミックのために、かなり普及したリモートワーク、リモート授業の習慣ではありますが、パンデミックの場合は、感染対策のためであり、まだ合点もいく話ですが、今回のエネルギーコスト削減のための場合、リモートワークによる個々人の家庭の電力消費に負荷がかかるわけで、負担を個人に押し付ける結果になるのは納得がいきません。 同大学組合はさっそく、「緊急の投資計画」を要求し、9月29日にストライキとデモを予定しています。また、デモです。 中には、休みが長くなるのを喜ぶ学生もいるかもしれませんが、学生にとっての本業である講義を犠牲にしてまでの節電はお門違いで、大学側は、他の方法を模索する必要があるような気がしています。ストラスブール大学節電のための臨時休校<関連記事>「電気料金値上げによるエネルギークーポン再び配布」「エネルギー危機が招くデュラレックスなどの工場での冬の間の時短勤務と部分的失業手当」「「私たちは豊かさの終焉の時を生きている」マクロン大統領閣僚理事会での厳しめのスピーチ」「省エネ対策のため、エッフェル塔のライトアップ時間短縮」「ロシア...

2022年9月20日火曜日

完璧だったエリザベス女王の国葬は世界中にイギリスを再評価させた

   エリザベス女王の国葬の日は熱狂し続けているフランスの報道も、いよいよピークを迎え、早朝6時過ぎからイギリスでの国葬の生中継が始まりました。「今世紀最大のセレモニー」と言われていたエリザベス女王の国葬は、どこを切り取っても完璧で美しい葬儀でした。 イギリスの威厳と品格をこれでもかと感じさせるセレモニーのどの場面も、どこを切り取っても美しい素晴らしい国葬でした。      そして、これを一層盛り上げたのは、数えきれないほどの一般市民で、それぞれに女王を見送る姿は、故意に演出しようとしても成し得ないものでした。 これを相変わらず、我が国のことのように前のめりに報道し続けるフランスは、報道だけではなく、この日は、パリのメトロの駅...

2022年9月19日月曜日

日本の天皇皇后両陛下のエリザベス女王国葬参列は別格扱いの報道

   フランスは9月8日のエリザベス女王ご逝去からの一連の流れに釘付けのような騒ぎようですが、いよいよ国葬の日を迎えるにあたって、脅威的な盛り上がりを見せています。 エリザベス女王のご逝去からイギリス王室の伝統的な一連の儀式や、どれほど、イギリス国民にとってエリザベス女王がどんなに大きな存在であったか、棺と対面するためにウェストミンスターから、ベッカムでさえも12時間並んだとか、今は16時間待ちだとか、夜通し行列する人々の声などを届けながら、今世紀最大の葬儀の様子をフランスは、もう一週間以上も熱狂的に報道し続けています。 そんな報道を見ていると、これまで取り立てて考えることもなかっ...

2022年9月18日日曜日

フランス人の衣替えの素早さにはいつも驚嘆させられる

    ここ数日でパリはあっという間に寒くなってきました。つい数日前までは、30℃超えのちょっと動くと汗ばむような気候だったのに、あっという間に朝晩は10℃を切る寒さに突入しました。 日中と朝晩の寒暖の差が激しいのには、さすがにもう慣れましたが、この季節の変わり目の衣替えのタイミングというものは、未だに出遅れそうになります。 とはいえ、さすがに、出かける前には、天気予報を見て、お天気や気温を見るくらいの習慣はついたものの、その変わり目となると、どうにも、その気温の感覚が選ぶ服装と直結せずに、なんとなく、こんな感じでいいかな?と思っていくと、少し肌寒かったり、逆に暑すぎたりとどうにも...

2022年9月17日土曜日

WHOが発表 パンデミックの終焉は手にとどくところにある 

   「世界はパンデミックを終わらせるためにかつてないほど良い状況にある」「まだそこには到達していないが、終わりは手の届くところにある」コロナウィルスの出現から約3年、WHOのトップは世界的なパンデミックの将来について楽観的な見解を発表しました。 WHOの最新のレポートによると、先週、コロナウィルスによる週間死亡者数は2020年3月以来、最低に減少したと報告しています。 ワクチン接種の拡大により、大幅に重症化する患者数やそれに伴う死亡者数も確実に減少した結果であるとはいえ、2020年3月以来、最低の死亡者数までになたたということは、ようやく振り出しに戻っただけであるということもできます。 このパンデミックによって、世界経済は長期間にわたり麻痺し、ワクチン接種の開発と浸透により、多くの人々の命が救われたと同時に、このワクチン接種を含む世界規模の不平等を露呈させたとも言われています。...

2022年9月16日金曜日

子供の「はじめてのおつかい」も時代が変わったことにしみじみする

   この間、スーパーマーケットに買い物に行ったら、レジで私の前に5歳くらいの男の子が並んでいて、気がつけば、彼は一人でレジに並んでいました。彼がレジのベルトコンベアーの前に置いているのは、数個のパンが入った袋だけでしたが、手にはゴールドカードを1枚、握りしめていました。 スーパーマーケットのレジの近くには、つい追加してしまいそうになるガムやキャンディ、チョコレートなどが置かれているのは、どこの国も一緒で彼もまた、その中のチョコレートバーに魅了され、手にとって、それをしばらく見つめていました。 パリで小さな子供が一人で買い物に来ているということは、非常に稀なことで、そもそも一人で外出させるということはあまりないのです。 家庭によっても多少は差があるとは思いますが、小学校卒業までは、学校の送り迎えをするのが普通で、我が家の場合、朝学校に送って行って、仕事が終わって学校に迎えに行って帰ってくると、もう夜7時過ぎくらいにはなってしまうので、学校が終わって友達と遊ぶということもなく、学校がお休みの日はお稽古事などに追われているわけで、それも全て送り迎えが必要で、一人で出歩くということはまずなかったのです。 たまにお友達のお誕生日会などに呼ばれてお友達の家に行く時も、必ずお友達の家まで送って行って、また終わる頃にまた迎えに行く、もしくは、招待してくれたおうちの人が家までおくってくれるという感じなので、一人で買い物に行くとか、寄り道をするとかいうことは、少なくとも小学生のうちは、ありませんでした。 なので、買い物に行くことはあっても、必ず家族の誰かと一緒なわけで、一人で買い物をするという、日本でいう「はじめてのおつかい」のような体験はありません。 しかし、娘が小さい頃に、一度、お店で何か一人で買い物をするということをさせてみたくて、一緒にパン屋さんに行った時に、1ユーロのコインを娘に渡して(あの頃は1ユーロでバゲット1本買ってもお釣りがきた・・)、「バゲット1本買ってきて!焼けすぎていないやつ(「Une...

2022年9月15日木曜日

電気料金値上げによるエネルギークーポン再び配布

    たまたま、昨日、EDF(フランス電力)から、請求書が届いて、今までになく、ドキドキして開封しました。電気料金の請求書は2か月に一度で、これまでは、毎回、似たり寄ったりの金額で、そんなに深く考えることもなく、支払っていたのですが、ここのところ、どんどん電気料金が値上がりしているというし、周囲からも「EDFの請求書を見てビックリした!」とかいう話も聞いていたので、ちょっと怖かったのです。 電気料金については、自分のアカウントがあって、調べれば、現在、自分がどの程度、電気を消費しているかは、ネットでいつでも見ることはできるのですが、さすがにそこまですることはなく、それでも今までよりは、使っていない電気製品のコードを外したり、こまめに電気を消したり、ある程度は気をつけてはいるものの、我が家の場合は冷房もなく、どうしても暑いときに扇風機を使う程度なので、今の時点でも、かなり節電しているつもりなので、請求書がくれば、その通りに支払うしかありません。 新年度が始まって、税金の支払いなど、出費がかさむ中、昨日、ボルヌ首相がエネルギー危機に関する政府発表を行いました。 首相は特に「今の我々の目的は、ヨーロッパ規模でのエネルギー価格の爆発を止め、より穏やかな価格に戻すこと」と述べ、2023年に向けてのエネルギー危機への対応とともにエネルギーに関する援助を延長することを発表しました。 この冬、フランス人が十分なガスと電気を使えるようにするために、ガス在庫の充填を加速(現在95%)、LNG基地の輸入能力の増強、再生可能エネルギープロジェクトを加速するという政府の方針です。 この発表の中で、最も驚いたのは、「誰もが自分の責任を果たし、必要な節度を保てば、冬場に停電は起こらないであろう」という部分で、逆に言えば、「皆がこれまでどおりに生活していたら、冬場には停電する」ということで、そこまで差し迫った状態であるということが、エネルギーに関する政府の発表があるたびに、明らかにされていく気がします。 彼女は、前回の発表の際に、エネルギー消費量を10%削減するという目標をかかげていましたが、混乱を抑えるためなのか、「節制とは、生産量を減らすことではなく、暖房を少し減らし、無駄な消費を抑えること」と説明しています。 フランス人はパニック状態になった場合、最も収拾がつかない状態に陥る可能性が高いことを考慮している発言であると思われます。 これにより、フランス高級ブランドグループLVMHは、10月からフランス国内の店舗で夜間照明を午後10時に消灯することを発表しています。 いつの間にかどんどん上昇している電気・ガス料金は、それでもEDF(フランス電力)などの電気・ガスの供給会社に値上げ分だけでは賄いきれない不足分を直接、電気・ガスの供給会社に不足分を政府が援助しながらも、これでもギリギリの値上げを続けているわけで、それでさえも、2023年には、電気・ガスともにさらに15%の値上げが見込まれています。 しかし、それでさえ、政府の介入がなければ、来年の初めには、電気・ガス料金は...