2020年3月31日火曜日

フランスのコロナウィルスのピークは、まだ、これから・・絶対に病気になれないパリ

 とうとう、フランスの1日の死者が400人を超えてしまいました。それでも、まだ、集中治療室での治療が必要な患者さんが、それを上回る人数で増え続け、現在、5107人(3月30日現在)が集中治療室に入っており、これまでに、3000人以上が亡くなっています。  昨日、書いたように、イル・ド・フランス他、複数の地域では、病院は、すでに満床で、救急隊も、新しい患者の割り振りに、四苦八苦しています。  単に感染しているだけでは、もはや、入院することはできず、自宅で隔離生活を送り、高熱を出して、呼吸が厳しい、かなり深刻な状況にならなければ、受け入れてもらえません。これは、悪循環で、医療がウイルスの勢いに付いていけずに、重症患者を増やしています。  マスク不足は、当初から、叫ばれ続け、今日、中国から1000万枚のマスクが到着したことが、ニュースで、大々的に報道されるほどですが、しかし、実は、足りないのは、マスクだけではなく、呼吸器や集中治療室に必須の薬品類も十分な量がありません。  高校の実験室に大きな機械を設置し、学生を動員して、消毒液を作ったりする様子は、まさに、戦時中の学徒動員です。  海外からの到着を待ちきれない呼吸器を動物病院にあるものまでを供出させて使っているというニュースは、衝撃的でしたが、実際に、呼吸器としては、同じように機能するので、緊急を要する患者さんには、必要不可欠なもので、非常に厳しい状態だった15歳の少女が、その呼吸器のおかげで、助かり、退院したという例もあるそうです。  呼吸器の注文も中国に頼っているようで、注文も時間毎に値段が上がり、届いたところが、ちゃんと機能しないという酷い事例も起きているようです。  もはや、ジャーナリストも毎日、増加し続ける数字に、「ピークはいつでしょうか?」というフレーズを連発しています。残念ながら、こんなに悲惨な状況でも、まだ、感染者、重症患者、死者が増え続けているということは、ピークではなく、これから少なくとも、まだ、しばらくの間は、この悲惨な状況が続くということです。  街の中は、静まりかえっていますが、医療現場は、まさに、医療崩壊というのは、こういう風に進んでいくのかを目の当たりにしているような、地獄絵図です。  あまりに悲惨なニュースが続くせいか、最近は、ニュースの終わりに、短時間ですが、音楽の演奏が流されるようになりました。私も気が滅入るのですが、外で何が起こっているのかを知らずにはいられないので、ニュースは、夜だけ、見るようにしています。  もう、絶対に、感染は、できない、他の病気にもなれない・・と、日々のニュースを見ながら、強く思うのです。  引きこもり生活で、少し身体を動かさなければ・・と、YouTube...

2020年3月30日月曜日

フランスのロックダウンは遅すぎた コロナウィルスと戦う大移動作戦

 フランスでは、コロナウィルスの蔓延から、病院が飽和状態に達している地域から、まだ余裕のある地域の病院への、重篤な状態の患者さんの大移動が、始まっています。  日々、300名近くの死亡者が出ている状態が続いていると同時に、新たに、集中治療室のケアが必要な重症患者がそれを上回る数字で増え続けています。(+359名/4362名/3月29日現在)  移動する患者さんは、既に、かなり重篤な状態なので、人工呼吸器等の装置をつけた状態での移動ですから、大掛かりな装置とともに、スタッフが付き添っての救急車、TGV(新幹線)、場所によっては、軍のヘリコプターを使っての大移動ですから、かなり、物々しい大掛かりな大移動です。  日曜日は、3箇所の飽和状態の地域からのドイツなどの海外を含む大移動となりました。中でも、もっとも、被害者を多く出している...

2020年3月29日日曜日

イル・ド・フランスの病院は、コロナウィルスのために飽和状態

            フランスのフィリップ首相は、前日の外出禁止延長(4月15日迄)の発表に続いて、昨日も、今後のコロナウィルス対策について、さらに詳しく政府の対応を説明しました。  それもこれも、感染者はもちろんのこと、重篤な患者の数が増え続け、死亡者も毎日、300人以上(これまでに2314名・3月28日現在)という状態が続いていることによる、国民の不安への対応でもあります。  事態は、非常に厳しい事態ではあるが、政府は、全力で対応しているということ、特に、医療用品(マスク、呼吸器等)の調達について、(海外への十分な数の注文をし、続々とそれらが届く予定になっているということ)...

2020年3月28日土曜日

4月15日まで延長されたフランスのコロナウィルス外出禁止 

       フランスのコロナウィルスのための外出禁止の期間が4月15日までに延長されました。現在のフランスの状況から考えると、当然で、この報道を聞いて、驚いた人は、おそらくいないと思います。  私は、4月15日までの外出禁止・・を聞いて、「えっ??それだけなの??」と思ったくらいです。まあ、少なくとも4月15日までと、言っているので、更なる延長も確実だと私は、思っています。  それくらい、今のフランスの状況は、深刻で、死者が2000人に迫り、日々、重症患者が増え続けている、先の見えない、悲惨な状況なのです。  昨日は、これまでで、最年少の16歳の、何の既往症も持っていなかった、ごくごく普通の生活を送っていた少女が、咳から始まり、あっという間に一週間で亡くなってしまったという事例まで、起こり、衝撃的なニュースとして、報道されました。  当初、若年者は、致命的なことにはならないと言われていたのは、全くの間違いだったと言わざるを得ません。  現在、フランスでは、3787人(3月27日現在)が集中治療室に入っていると発表されており、その多くは、70才以上でありながら、42人は、30歳以下という状況なのです。  これまで、ほとんどが高齢者、もしくは、既往症のある人がほとんどであった死亡者、もしくは、重症患者が日々、若年層のごくごく健康に生活していた人々にまで及んでいるのです。  今、フランスは、そうして亡くなった人も、感染の危険回避のために、最期の時に、家族と面会することもできず、お葬式さえできない状況で、ご遺族の方々の心痛は、計り知れません。  そんな中、ここのところ、フランスで、一気に注目されているのは、マルセイユの大学病院で、感染症専門医として研究を続ける...

2020年3月27日金曜日

フランスのコロナウィルス医療従事者の悲痛な叫び

          一昨日、マクロン大統領がミュルーズの軍の設置する野営病院を訪問し、夜、テレビを通じて、国民に向けて、コロナウィルスの対応に疲弊している医療を中心とした支援のため、軍を動員する方針を発表しました。  実際に、この時代に、フランスに野営病院という映像も十分にショッキングですが、酸素吸入器や医療機器の設置されたTGVが用意され、重篤な患者が移送され、薬品や患者が国内、あるいは、国を超えて行き来する様子にも、言いようもない気持ちにさせられます。  フランスの高級ブランドのLVMHは、香水の工場で、消毒用ジェルを作り、サンローランでは、マスクの生産を始めました。これをコロナ...

2020年3月26日木曜日

コロナウィルスによるロックダウンは、別の混乱も生み始めた・・

 コロナウィルスが拡大し続ける中、フランスは、何よりも人命優先で、感染の拡大を防ぐために、いわゆる「ロックダウン」の状態にあります。  来週は、交通機関もさらに縮小され、シャルルドゴール空港は、ターミナルもわずかとなり、オルリー空港(主に国内線やヨーロッパ便)は閉鎖という局面から、駆け込み移動でバタバタ。 「とにかく、家にいろ!」と外出禁止を強いられて、街には、警察が巡回し、外出の際にも外出許可の用紙を持ち歩き、検問に合った時に備えています。  やたらとうるさい地域では、アパートの外にちょっとだけゴミを捨てに行った際に、「外出許可の用紙を持っていない!」と135ユーロを取られ...

2020年3月25日水曜日

コロナウィルス被害で、日本へ帰る人、帰らない人、帰れない人、それぞれの決断

 コロナウィルスがヨーロッパで、これだけ蔓延してしまった今、日本への帰国は、既に、容易なことではなくなってしまいました。  当然ではありますが、今、フランス(ヨーロッパ)から、日本に入国するのには、空港でのチェックに加えて、空港からの公共交通機関利用の禁止、ならびに2週間の自宅待機、あるいは、ホテルでの監禁生活が義務付けられています。ですから、家に帰るのにも、家族に空港まで車で迎えに来てもらうか、レンタカーを借りて、帰らなければなりません。  しかし、来週からは、JAL、ANA、エアフランスともにパリ発の日本への直行便は、欠航となってしまうため、また、フランスでも、さらなる外出...

2020年3月24日火曜日

コロナウィルスに対する各国首脳のスピーチ

 ヨーロッパ(フランス)に居を移して、もう20年以上になりますが、私は、滅多に、フランスを褒めることは、ありません。日常の生活でも、日本なら当たり前にスムーズに行くことが、いちいちすんなりとは行かず、不便なこと、不快なことが当たり前です。  コロナウィルスの蔓延にしても、周囲からの警笛に耳を貸さない市民が、いつまでも予防をせず、ロクに手も洗わず、マスクもせず、大勢の人が集まる場所を避けずに、外出禁止令が出るギリギリまでデモで騒いでいたことも、爆発的な感染に繋がった要因になっているとも思っています。  ただ、コトが非常事態になってからの政府の対応、マクロン大統領の毅然としたスピー...

2020年3月23日月曜日

コロナウィルス外出禁止から1週間のフランスの変化

 コロナウィルスによる外出禁止の戒厳令状態になって、1週間が経とうとしていますが、状況は、日々、変化しています。  フランスは、これまでに死者が674人出ており、昨日から、1日で、112人も増え、さらに一日経って、200人近く増え、現在は、860人となっています。重篤な患者は、余裕のある地方の病院に、軍の飛行機で移送されたり、新たな、テントを立てて、病室のような施設を作ったりと、緊急の対応に追われています。  こんな状況の中で、必死でマクロン大統領が、「とにかく家にいろ!」と、繰り返し訴えているにも関わらず、91824人の人が、罰金を払っている状況です。ここまでの状況になって、...

2020年3月22日日曜日

在外邦人は、コロナウィルス対策への日本の状況を心配している

 フランス(ヨーロッパ)のコロナウィルスの事態は、日々、刻々と変わっています。イタリアでは、すでに医療崩壊を起こし、既に発症元の中国の死者数を上回っているので、イタリアの状態ばかりが報道されていますが、それは、イタリアに限ったことではありません。  フランスとて、15000人近くの人が感染し、600人近い人が亡くなっています。つい、先週までは、黄色いベスト運動のデモが止まずにいたことや、フランス人の意識の低さを考えれば、致し方ないことかもしれません。  外出禁止の措置が取られてもなお、従わない人が後を経たず、警察、軍、ついには、ドローンまで使っての監視が始まっています。  当...

2020年3月21日土曜日

世界は、オリンピックどころではない 日本人は、世界のニュースを見るべき

 「復興五輪」を掲げる東京オリンピックで、聖火は東日本大震災の被災地に到着し、此の期に及んで、まだ、オリンピックを開催するか否かで、喧々諤々としながらも、26日からは、日本国内の聖火リレーが行われるといいます。  この時代に、海外からのニュースが入らないわけはなく、今やコロナウィルス(COVID-19)の蔓延は、世界規模になり、ヨーロッパをはじめ、世界の様々な国が、国を閉鎖しているというのに、予定どおりに東京オリンピックの開催の姿勢を崩さず、オリンピックの話題が横行している日本の状況は、本当に恥ずかしいです。  オリンピックの開催国としては、致し方ないこともあるかもしれませんが、フランス(ヨーロッパ)では、オリンピックの話など、誰もしていません。  それどころではないからです。  オリンピックは、世界の祭典であり、日本人だけが参加するわけではありません。 この世界の状況で、オリンピックを予定どおりの期日で迎えることが、不可能であることは、明白です。    コロナウィルス対策にせよ、オリンピックにせよ、国のトップである人が、「慎重な対応を求める」などという曖昧な言葉ではなく、毅然とした態度で、国民に向けて説明できないことが、日本をまるで、違う惑星のような状況にしています。  もとより、その清潔さ、安全さなどから、まるで、違う惑星のように感じを受けることもありますが、今回、私が感じている「違う惑星」というのは、世界の潮流からズレているということです。  それもこれも、国のトップがしっかりと国民をリードしていれば、本来、日本人は、自制心が強く、他への思いやりもあり、衛生観念も優れ、規則はしっかりと守る国民なので、このような世界に恥じるような状況には、陥ることはないはずです。  日本のマスコミは、明らかに偏っていますから、自らが海外のニュースにも積極的に目を向け、何が今、世界で起こっているのか? 何が本当なのか? 今、何が必要なのかを自分で見定めなければなりません。  ここへ来て、コロナウィルスへの警戒が緩んでいる日本を心配しています。 <関連> 「コロナウィルスに関するマクロン大統領のテレビ放送を見て思うこと」 https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_13.html     p.p1...

2020年3月20日金曜日

フランスのコロナウィルスのための外出禁止による二次災害

 新型コロナウィルスの感染が急激に広がっているヨーロッパでは、最も深刻なイタリアに続き、フランス、スペイン、オーストリア、ベルギーなどの国で不要不急の外出禁止令が敢行され、各国の人口の合計で外出禁止対象者は、2億人に上ります。  フランスでは、違反者には、最大135€(約16000円)の罰金が課されることになっていますが、にも関わらず、外出証明書を持っていればいいだろうと言わんばかりに、外出する人が後を絶ちません。  あるフランス人の女性の医療従事者は、テレビ局のインタビューに対して、「私たちが、必死でウィルスの蔓延を阻止しようと命がけで、働いているのに、(私の同僚は、妊婦であるにも関わらず、働いている!)外出する人が後を絶たないのは、許しがたいことだ! 今は、バカンスではないのだ! どうか、外出を控えてほしい!」と強く、訴えていました。  また、こんな状況の中でも、それを逆手にとり、警官を装って、罰金を取ろうとする詐欺や、所持品検査を装って、財布から現金やクレジットカードを抜き取ろうとする盗難、防疫官を称する者が自宅に入ってきて、貴重品を奪われるなどの被害も出始めています。 (現在、フランスにおいての罰金徴収方法には、その場で現金で支払うことはありません。)  そして、今やフランスでは、軍の管理下となっているマスクは、軍の手によって、各病院に配布されていますが、その病院において、そのマスクの転売のための盗難事件までもが起こっているのです。そんな盗難のせいで、命がけで、医療に当たっている人に充分なマスクが行き渡っていないのです。  マクロン大統領が仰っている「ウィルスとの戦争」は、本来ならば、味方同士であるはずの人々の中でも、混乱を起こしています。  また、事実上、軟禁状態にある人々の中で、さらに深刻な状況なのが、DV被害に遭っている人々です。ただでさえ、外出できずに、精神的な均衡を保つのが難しい状況で、DVが日常的に起こっている家庭での惨状は、察するに余りあります。  ただでさえ、表面化しにくいDVは、この状況下では、さらに深刻化する懸念があります。このような事態を予測して、政府も外出禁止状況でのDVからの救済も呼びかけています。@gouvernementFR...

2020年3月19日木曜日

フランス(ヨーロッパ)でコロナウィルスが広まる理由

 当初、日本の方が危うかったコロナウィルスの蔓延が、一気に日本を上回り、ヨーロッパ(フランス)で蔓延したのは、なぜでしょうか?   当時、日本には、ダイヤモンド・プリンセスの対応で世界中の批判が殺到したものの、現在の状況は、ヨーロッパの方が危機的状況を迎えています。 比較的気温が低く、乾燥している気候も原因の一つであると思います。  フランスでも先週、木曜日にマクロン大統領からの、コロナウィルスに関する詳細な説明等の注意勧告の声明の発表があり、週末には、買いだめに走る人でごった返したにも関わらず、屋外とはいえ、土曜日には、感情的になり、興奮状態の黄色いベスト運動のデモが行われ、...

2020年3月18日水曜日

フランスのコロナウィルス対策・非常事態宣言 外出禁止・フランスのロックダウン

  一昨日の夜のマクロン大統領の非常事態宣言から、開けた翌日、その日の正午には、フランス全土で外出を禁止するという日の朝のスーパーマーケットは、開店前からのまさかの大行列でした。  もうすでに数日前から、連日、買いだめに走る人で、開店早々のスーパーマーケットは、商品がないのか、間に合わないのか、早々に陳列棚は、空だらけの状態で、それでも、少しでも買い置きをしておこうという人で、いっぱいでした。  日本と違って、日頃、マスクをする習慣のないフランス人の中で、ほんの1週間ほど前までは、マスクをしていると、逆に、「あの人は、感染しているのではないか?」と怪訝な顔をされましたが、フ...

2020年3月17日火曜日

フランス人の買いだめは止まらない フランスの外出禁止令

週が明けて、月曜日になって、少しは、落ち着いたかと思い、近所のカルフールへ行きました。土曜日には、商品の棚はカスカスになっていましたので、朝、開店と同時だと、いつもの調子だと、まだ、品物が出しきれていないと思い、わざと、開店1時間後くらいに行ったのですが、これがまさかの、もの凄い人出。  店内に向かう途中も、これまでは見かけなかったマスクをしている人も、ちらほら見かけられるようになり、店内は、まさかの大混雑。相変わらずの買いだめモードは、止まらないどころか、さらに拍車がかかっている様子で、どのカートにも山盛りの商品が詰め込まれ、相変わらずの大人気(?)のトイレットペーパーやパスタ...

2020年3月16日月曜日

コロナウィルス対策のためのフランスの学校閉鎖

 今週から、フランスの全ての学校(保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校・大学)は、閉校となります。  娘が小さい頃に学校から、風邪をうつされてきて、鼻をぐずぐずしていたり、ちょっと咳をしていたりすると、それは、たちまち娘を通じてパワーアップされて、私を襲いかかり、娘は、鼻がグズグズしていたりする程度で、あっという間に完治したにも関わらず、娘よりも、体力的に衰えている私には、あっという間にヒドい風邪となって襲いかかって、私は、寝込む寸前の状態になり、それでも仕事は休めずに、ふらふらになりながら、通勤するという目に遭ったりしていました。  今回の学校閉鎖も、たとえ、子供がコロナウィ...

2020年3月15日日曜日

コロナウィルスがみるみる変えていくフランスの景色

 私は、先月、2週間ほど、日本に一時帰国をしていました。すでに、コロナウィルスの感染騒ぎが始まっており、特に、クルーズ船内での感染者の拡大が問題になっていて、日本は、アジアがその拠点とされている中、なかなかの注目を集めており、日本からフランスに帰国する際には、フランスに入国させてもらえるか、心配したほどでした。  そしてフランスに帰国して、2週間、みるみる事情は、変わってしまいました。  もはや、フランスからどこか別の国に行くことの方が難しいような状況になってしまいました。  騒いで、アジア人を避けたり、マスクや消毒薬が手に入らなくなっているわりには、街中には、マスク...

2020年3月14日土曜日

フランスにホワイトデーはない

 先日、日本に一時帰国をした際には、ちょうど、バレンタインデーにぶつかって、本当に久しぶりに、日本のバレンタインの様子を目にしました。  私が学生の頃から、日本には、バレンタインデーがありましたが、私が就職した頃から、バレンタインデーは、どんどん拡大し、義理チョコ、友チョコ・・などというものまで登場し、会社でも、何やら結構な数のチョコレートをばらまく羽目になりました。  私が、日本で最初に就職した会社の部署は、以前にも書いたように(注1)、理系の専門分野においては、至極、優秀な人たちの集まっている、ちょっと浮世離れした人が多い部署だったので、バレンタイン当日、チョコレートを渡して...

2020年3月13日金曜日

コロナウィルスに関するマクロン大統領のテレビ放送を見て思うこと

 マクロン大統領が夜8時から、テレビでお話することは、前日の午後に、事前に発表されていました。  事前の予告どおりに、コロナウィルス対策に関するお話は、約30分間にわたって、きっちり、放送されました。  きっと、もの凄い高視聴率だったと思います。普段、テレビをあまり見ない私でさえ、見ましたから・・。  フランスは、来週の月曜日から、保育園、小学校、中学校、高校、大学と全て、当面の間、閉校となることになりました。学校を閉校とするのは、たとえ、症状が現れていなくても、若者から、感染が広まりやすいということは、科学的見地からも明らかなことだからだそうです。  そして、70歳以上の年長の人、持病のある人、障害のある人には、可能な限り、自宅にいてほしい、また、仕事をしている人も、可能な限り、リモートワーク、あるいは、人との距離をおいてほしい。石鹸で手を洗うこと、挨拶のビズー(頰を合わせる)をしないことなど、基本的な感染回避の方法の説明が続きます。  また、全フランスの国立病院、医療システムは、全力で、力を合わせて、これに臨み、全ての医療従事者は、もちろんのこと、引退して間もない人や学生までをも動員し、また、ヨーロッパとしての連携を保ちながら、この危機に臨みますという意気込みと体制について・・。  この間に、仕事をすることができない場合の社会保障について・・。  とにかく、30分間、淀むことなく、噛むこともなく、きっちりとカメラ目線でしっかりと訴えかけるように、何よりも最優先されることは、健康なのだ、みんなで力を合わせて冷静に立ち向かいましょう!と話す様子は、説得力があり、とても、頼もしく感じられました。  ついつい、日本の首相も、こんな風に、国民に対して、きっちりと具体的に話をしてくれたらいいのに・・・と、思ってしまうのは、私だけでしょうか?   用意された原稿を恥ずかしげもなく、読み上げるような声明の発表には、何の説得力もありません。  日頃は、私は、日本人であることに誇りを持っていますし、日本は、素晴らしい国だと思っていますが、こと、政治家に関しては、このような放送を見るたびに、日本は恥ずかしいなと思います。  フランスの大統領は、お話がとても上手です。フランスだったら、このような機会に原稿を読み上げるようなことは、ありえないことですし、もし、あったとしたら、大スキャンダル、即刻、大統領失格の烙印を押されることと思います。  このような、世界的な危機的状況下で、国のリーダーが国民の前で、堂々と、しっかりと話をしてくれることは、とても大切なことだと思います。  とはいえ、コロナウィルスの感染拡大が加速しているフランス・ヨーロッパ。  とうとう、アメリカからも入国拒否の宣告を受け、学校は閉校になり、観光客も、いなくなり、危機的状況に突入してしまいました。  テロの後は、デモ・ストライキ、デモが治まらないうちに、パンデミック・・。  ここ数年、フランスは、危機的状況が続いていて、平和な時が訪れるのは、いつになるのでしょうか?  早く、この騒ぎが終息してくれることを心から祈っています。  Vive...

2020年3月12日木曜日

フランス人の買いだめと、コロナウィルス騒ぎの中、どこか漂う緊張感

買いだめの典型とも思えるトイレットペーパー、小麦粉、パン、クラッカーなどを買い込んでいるカート  フランスでは、何やら、ヤバそうな気配が漂い始め、きっと、週末には、混雑するだろうから、今日のうちにでも、少し、買い物をしておこうと、スーパーマーケットへ行きました。  すると、平日の中途半端な時間ながら、結構な人出で、しかも、買いだめ・ストックであろう買い物の人がほとんどで、フランス人にも、コロナウィルスの危機感がいよいよ高まってきている事を感じます。  どのカートにも、共通するトイレットペーパーの大きなパッケージ、明らかに備蓄と思われるような、小麦粉、パン、パスタ、クラ...

2020年3月11日水曜日

海外での出生届の提出 大使館もところ変われば・・さまざまで・・

 私が娘の出生届を出したのは、コートジボアールの首都、アビジャンにある日本大使館でした。当時、コートジボアールの日本大使館は、アビジャンの中心地にあるビルの中の一室にあり、薄暗くて、閉鎖的で、おまけに、防犯上なのか、応対してくれる大使館員の人の顔が見えないように、スモークガラスが貼ってあり、はっきり言って、感じ悪いことこの上ありませんでした。  行ったことはありませんが、刑務所の面会でさえ、相手の顔は、見えるだろうに・・と思ったものです。  その上、コートジボアールでの日本人の出生届など、滅多に受け付けることがないためなのか、慣れていない様子で、応対もおぼつかないものでした。 ...

2020年3月10日火曜日

フランス・欧州におけるコロナウィルス対応

 在留邦人向けに、外務省から、「欧州における新型コロナウィルスに関する注意喚起」が、送られてきました。  イタリア、フランス、ドイツ、スペイン、スイス等を始めとする欧州において、新型コロナウィルス感染症の新規感染者が多数報告され、件数も増加しており、感染も地理的に拡大の傾向にあるので、感染の可能性に注意し、最新情報を入手し、感染予防に努めるようにとのこと。  特に、イタリアの一部の地域は、感染症危険レベルが高く、スイス、スペイン、ドイツ、フランスも危険レベル1が発出されています。  3月8日付の各国政府の発表によれば、スイス、スペイン、ドイツ、フランスにおける新型コロナウィルスの感染症例数は、  スイス:281例(うち死亡2例)  スペイン:589例(うち死亡17例)  ドイツ:902例(うち死亡0例)  フランス:1126例(うち死亡19例) と、なっています。  感染症例が7000人を超える勢いのイタリアを除くと、フランスでの感染症例が多いのも、私は、わからないでもない気がしているのです。  中国から発症し、当初、日本に停泊していたクルーズ船で多くの感染者が出たことなどから、アジア人を回避しさえすれば、感染しないとでも思っていたような節もあり、やたらとアジア人が避けられたり、差別されるといった話が聞こえてきました。  街中から、マスクや消毒用のジェルなどが売り切れたり、トイレットペーパーやパスタの買い占めに走ったりしているわりには、街中でマスクをしている人は、あまり、見当たらず、5000人以上、人が集まる集会などは、禁止されているにもかかわらす、先週末にも、年末から続いている年金改革反対のデモがけっこうな規模で行われたり、マラソン大会が予定どおり行われたり、はたまた、奇をてらったのかもしれませんが、パリでは、物騒な事件が起きています。  「人との接触は、出来るだけ、控えましょう!」との呼びかけにもかかわらず、91%の人は、まだビズ(挨拶がわりに頰を合わせる)をし続け、75%の人は、まだ握手をし続けているといいます。  まるで、コロナウィルスは、フランス人だけでいる分には、感染しないと思っているとしか思えないような理解不能な状況なのです。  ヨーロッパでは、感染者数が爆発的に増加している地域を封鎖されたはずのイタリア北部の人は、北イタリアから逃れようと、パニック状態になっているといいます。  ヨーロッパは、陸続きですから、感染しだしたら、街を封鎖しようと、身勝手な行動に走り、人々が逃げ出すなど、感染が蔓延するのは、目に見えています。  WHO(世界保健機構)も、「パンデミック(世界的な感染の流行)の恐れが非常に現実的になっている」と発表しています。  非常に身勝手な認識の仕方をして、パニック状態で激しやすいフランス人に、的確な情報を冷静に受け取り、賢明な行動をとってしてほしいと切に思っています。   p.p1...

2020年3月9日月曜日

フランス人の若い女の子は、前髪を切らない

 日本の若い女の子、特にアイドルと言われる女の子たちを見ると、ほとんどの女の子が前髪がある・・というか、前髪を切っていることに気付かされます。  たかが、前髪、されど、前髪です。  フランスの若い女の子は、前髪を切りません。いや、前髪を切る子がいたとしても、ごくごく少数です。  「どうして、フランスの女の子は、前髪を切らないのかな???」と娘に聞いてみると、間髪入れずに、「かっこ悪いから・・」と言います。  それは、美的感覚が違うことによるのかもしれませんが、日本人が可愛い、良いと思う女性像とフランス人が良いと思う女性像の違いが、前髪の有る無しに現れているような気がするの...

2020年3月8日日曜日

フランス人は、ゼリーを食べない

 私は、ゼリーが好きで、家ではよく、デザート用に、コーヒーゼリーなどを作ります。食事の後、淡白で、サッパリしたゼリーは、口当たりも喉越しも良く、カロリーも控え目で、なかなか良いデザートだと思っているのです。  日本だと、コンビニを始め、ゼリーを使ったデザート・スイーツは、数多く売られていて、たくさんのフルーツが入ったゼリーや、熱湯を注ぐだけでできる自分で作れるゼリーなど、バラエティーに富んでいて、色々な味を楽しめます。  ところが、フランスでは、スーパーマーケットなどのデザートのコーナーにもゼリーはないのです。デザートといえば、チーズ類か、ヨーグルト、さもなければ、クリームを加...

2020年3月7日土曜日

娘の帰省

 娘が一人暮らしを始めて、一年半が経ちました。学校が一週間以上のお休みに入るとパリに帰ってきます。それは、さながら、私が日本に帰国するときの様子のようで、とにかく、食べることに真剣で、一食も逃すことなく、食べることに重きを置いています。  日頃、自炊をしている彼女にとって、普段、自分で作ることができない料理をここぞとばかりに食べて行くのです。  私が日本に帰国する時と違うのは、彼女が出来るだけ、外食を避けていることで、フランス料理嫌いで、何よりも和食党の彼女にとっては、パリでは、いくらでも和食も、外で食べられるとはいい、彼女曰く、「たとえ、ラーメン一杯であっても、安くて12〜1...

2020年3月6日金曜日

新たに娘が見つけた居るだけでいいというフランスでのアルバイト

 依然として、失業率が高く、若年層においてさえも厳しいフランスの雇用情勢の中、若者の学生アルバイトとて、見つけるのは、容易ではありません。  これは、フランスの経済が低迷していることはもちろん、その雇用形態と、本来ならば、労働者を守るための法律に起因しています。  つまり、一度、雇ったら最後、解雇することも容易ではなく、若者を含めた新規の雇用が難しい状態になっているのです。  そんな中、いわゆる日本には、有り余るほどある学生アルバイトのような仕事でさえ、なかなか、若者にもその機会が巡って来ないのが現状なのです。  こういった状況の中、娘は、一人暮らしを始めて以来、彼女の現在...

2020年3月5日木曜日

理系の人間がまともな日常生活を送れない話 その2 娘が理系の道に進んで・・・

 以前、昔の私の職場にいた、ある意味、その道では、恐ろしく優秀な理系のトップの人たちが、なかなか、ユニークな人材の集まりでもあり、彼らが、ちょっと浮世離れした感じというレベルからも、かなり逸脱しており、往々にして、ごくごく普通の一般人の送る日常生活を普通に生きられないという話を書きました。  そして、そんな昔の職場の理系の博士たちを懐かしく思い出した時に、自分の娘が理系の道に進み出したとたんに、まさかまさかで、その兆候が見え隠れし始めて、ヤバいというところまで、書きました。  彼女は、小学校から高校まで、家の近所の私立の学校に通い、高校卒業後、プレパー(グランドエコールの準備学...

2020年3月4日水曜日

コロナウィルスにも屈しないフランス人のデモ・ストライキ

 私が日本から帰国した翌日、猫の世話を頼んでいたジャン・ピエールという元同僚のフランス人から電話がかかってきました。  「無事、予定どおり、帰れたんだね。日本は、どうだった? コロナウィルスで日本は、患者がたくさん出ているんでしょ! 」そう言って、彼は、ほとんど、一人で、フランスのテレビで報道されているであろうことをほとんど一人で滔々と話し続けていました。  日頃からおしゃべりで、話し出すと止まらない人ですが、それにしても、手をこまめに洗った方がいいとか、うがいをした方がいいとか、そばにいる彼の奥さんも加わって、説教じみたことを言い始めたので、内心、うんざりしながらも、彼の...

2020年3月3日火曜日

潤沢な日本食材を目の前にして思うこと 満ち足り過ぎると幸福に鈍感になる

 今は、日本から帰国したばかりで、山のような日本の食材を持ち帰り、ニコニコの生活を送っています。たくさん持ち帰ったとはいえ、この限られた食材を、少なくとも、向こう半年は、日本へは、行かないと思われる間に、少しずつ、少しでも無駄のないように、使っていくのですから、決して多すぎることはありません。  こちらで手に入る食材と掛け合わせながら、愛おしい気持ちで、この食材を大事に大事に使っていきます。  それは、日本に行った際にも同じようなことを感じるわけで、食事のたびに、今日は、何を食べよう?とか、買い物に行けば、新鮮な気持ちでワクワクします。一食一食を感動しながら頂き、幸せな気持ちに...

2020年3月2日月曜日

叔母の美徳

 私の両親は、すでに他界してしまいましたが、日本には、叔父、叔母や従姉妹たちがたくさんいます。日本に行けば、ありがたいことに、この日本にいる親戚の面々が本当に暖かく迎えて、支えてくれています。  特に、私にとっての叔母たちは、母のいなくなってしまった今、私がこれから、年齢を重ねていく上での、ある意味での指標となってくれます。  もしかしたら、母という近すぎる存在よりは、もう少し、客観的に眺めることができるかもしれません。  親に育ててもらい、教育を受けさせてもらい、就職して、結婚して、子供を持ち、子供も成人し、まだ学生ではありますが、一応、独立する目処がたった今、これからどの...

2020年3月1日日曜日

お留守番していた猫は、とても寂しかったらしい

 我が家には、もう今年で12歳になる猫が一匹います。名前は、ポニョと言います。  とても、気が強く、プライドの高い猫で、うちにお客様が来ても、気に入った人の場合は、顔を出して、そばをウロウロしたりするのですが、嫌いな人が来ると、容赦なくカ〜ッと威嚇します。  一度、ポニョが病気になり、入院させたことがあるのですが、入院当初は、グッタリしてしまっていたのですが、点滴をして、回復すると、ものすごい勢いで、お医者様にもカーッと威嚇をはじめ、2日目に面会に言った際には、「とっても、怒ってます。まあ、少し回復してきたし、連れて帰った方がいいでしょう。」と言われるほどで、違う状況に馴染...