元大統領という立場にありながら、実刑の有罪判決を受けて、パリ市内の刑務所に収監されていた二コラ・サルコジ氏ですが、刑務所では既に収監されている囚人たちから熱烈歓迎?を受け、夜中には、野次や怒号が飛んだり、SNSで彼の情報が拡散されそうになったり、刑務所内でも、ちょっとした騒ぎなったようでした。
サルコジ氏の弁護団は、彼の入所とほぼ同時に釈放請求を提出していたようで、結果的に彼は投獄から3週間後に釈放されました。
釈放の際の映像を見ると、黒塗りの車がお迎えにあらわれ、警察の護衛隊のバイクや車に先導されて、帰宅する様子は、およそ、刑務所帰りとは思い難い様子でしたが、刑務所内でも他の囚人たちからの嫌がらせなどもあったことを考えれば、彼の身の安全を考えれば、あり得ることだったのかもしれません。
しかし、なぜ?彼の釈放請求が認められたかについては、賛否両論あったようではありますが、釈放されたとはいえ、一応、控訴審まで司法監視下におかれるという名目で、これは、検察庁が下した決定のようです。
パリ控訴院は、彼を釈放した理由として、「二コラ・サルコジ氏は家族、経歴、資産を通じてフランスに深く根ざしているため、フランスの司法を逃れるリスクはないと判断した」とし、刑事訴訟法第144条により、「拘留の継続は、証拠保全、強制の防止、逃亡の防止、あるいは被告人の保護のための唯一の手段である場合のみ」としているため、サルコジ氏はこれにあたらないと判断されたということです。
また、彼の年齢も釈放される理由の一端となっており、刑事訴訟法第729条によれば、「70歳以上の受刑者に対しては、社会復帰または社会復帰が保障される限りにおいては、仮釈放が認められる」ということになっています。
そんな経緯で彼は収監後から3週間後に釈放されたわけですが、この釈放の手続きには、数ヶ月間かかることもあることを考えれば、彼の釈放の早さは特別待遇だったのではないか?と反発の声もあがっています。
また、彼の釈放の際には、釈放の際の慣例として、彼の年収が公表されてしまい、450万ユーロ(約8億600万円)という彼の年収がさらに一般市民の反発を買ったうえ、翌日から黒塗りの運転手つきの車でパリ市内の高級レストランに食事に出かけた様子などが報道され、SNS上では、「二コラ・サルコジは、運転手を雇い、国民の税金で賄われる経費を使いながら、年間450万ユーロもの収入を得ている贅沢な生活に戻った・・そんな者のために税金を支払っているフランス人はバカだ!」などという投稿が飛び交ったりしていました。
まあ、彼にしてみれば、刑務所での3週間の生活は充分に耐えがたい生活であったに違いなく、また、今までしていたとおりの生活に戻っただけなのでしょうが、これを快く思わない国民は少なくないようです。
サルコジ元大統領釈放
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