2025年1月11日土曜日

ついにフランスのメディアでも報道 中居正広氏のスキャンダル

  



 日本は、年末年始にかけて、元SMAPの中居正広氏の性加害問題の発覚で大騒ぎになっているのをYouTubeで見て驚いていました。彼は女性との間に問題が起こったことは、認め、示談金を払って解決済みであることを弁護士を通じて発表していたものの、その示談金の金額が9,000万円という高額であったことや、この問題には、テレビ局が関わっているであろうことなどもあいまって、この問題はしばらくは、沈静化しないであろうと思っていましたが、同時にこれを問題のテレビ局だけでなく、他のテレビ局までもが報道を控えていることに、日本の報道機関は、やっぱり機能していないのではないか?と訝しく思っていました。 

 これでは、ジャニー喜多川の長年にわたる少年たちへの性加害問題が表面化しなかったときと、まるで同じではないか?こうなったら、あの時のBBCのように海外で騒ぎにならなければ、ダメなのだろうか?と思いながら、「でも、フランスでは、あんまり知名度がないし、報道はしていないだろうな・・」と思いつつ、一応、探してみたら、なんと、フランスでも報道されていました。

 その報道内容は・・

 「日本の元ボーイズバンドのスター 性的問題でテレビ番組から降板」こんな感じの見出しで、3日前に「BFM」、「20 Minutes」、そして1日遅れで、大手仏紙「Le Figaro」がこのスキャンダルについて、報道していました。

 「日本の主要テレビ局は、1990年代の人気グループ SMAPの元メンバーで現在はテレビ司会者を務める中居正広さん(52)が日本のメディアが「性的問題」と慎重に表現した問題で女性に55万5千ユーロを支払って和解した。」

 「これは、2023年に起こった事件に関するものですが、詳細は明らかにされていません。」

 「火曜日には、日本テレビのバラエティ番組は、中居の出演部分を全面カットという異例の編集をして放送、翌水曜日には、フジテレビが、中居正広氏出演の週刊番組を当面の間、中止すると発表し、この決定は状況を総合的に検討し、司会者の最近の状況を考慮したうえで、下されたと付け加えている」

 そして、そこまでフランスではあまり知名度がないSMAPについて、「SMAP」は、日本とアジア全域で約30年間にわたり、ベストセラー?のグループだったとも説明しています。

 AFP(Agence France Press)の取材に対し、中居正広のタレント事務所からは、現在のところ、回答を受け取っていないことも明かしつつ、朝日新聞を含む地元メディアに対し、「関係者間の秘密保持契約のために、詳細については公表できないとしつつも、このスターは、被害者の女性に対して、決して力を使ったり、暴力をふるったりはしなかった」と説明しています。

 併せて、これらフランスの報道では、SMAPが「何十年にもわたって名声を求める少年たちに暴行を続けてきたジャニー喜多川氏率いるジャニーズ事務所に所属していた」ことも伝えています。

 フランスでも昨年にラジオ番組の人気司会者が長年にわたり、性加害を加え続けてきたスキャンダルが巻き起こり、次から次へと 「Me too」被害者が名乗りでるスキャンダルが起こっていました。

 しかし、この時は、本人が堂々とテレビのインタビューなどに答えていましたので、スキャンダルにしても、なんだか、ちょっと印象が違います。また、何件もの性加害疑惑を告訴されている有名俳優、ジェラール・ドパルデュー氏から、レジオン・ド・ヌール勲章を剥奪するかどうか?などと大問題になったこともありました。それも、いずれも本人も、時には、被害者までもがテレビのインタビューに答えて証言したりもしていました。

 今回の仏紙の報道では、あまり積極的に報じない日本のテレビなどに対しても、もっと深く切り込んでほしかったのですが、今のところ、日本のテレビ局に対しては、メスを入れてくれていません。

 もっとも、日本のマスメディアに対して、フランスの報道は、とても厳しい目を向けてくれていて、目立っては、安倍元首相が暗殺された時の日本の報道などについては、「ものすごい人数を動員して何台ものヘリまでとばして、日本の大手新聞社は、全社そろって同じ見出し!」これが報道と言えるか!などと、痛烈に批判していました。

 今のところは、フランスでの報道は、元人気スターの性加害でテレビ番組降板という感じでの報じ方に留まっていますが、これがまた、テレビ局が加担しての接待疑惑、また、同社社員が会社に被害を報告したにもかかわらず、何の対応も行わず、このスターのテレビ出演を継続し続け、問題を隠蔽し続けた・・となると話はまた別。

 「人権問題」には、ことさら厳しいフランスでは、もし、こんなことがフランスで起これば、こんな問題を放置するわけはなく、テレビ局同志でも、新聞でもマスコミは容赦なく、厳しく追及することだろうと思います。

 しかし、富も名声も手にすると、驕り高ぶり、何でも許されると勘違いする人が多いのはフランスも同じことですが、それにしても、こんなこと(ってどんなことかわかりませんが)しても、大丈夫だと思っていたなんて、あまりにも愚かで言葉もありません。

 そして、フジテレビがもし、こんな事件を隠蔽していたとしたら、あまりにも恐ろしい職場です。被害に遭われた女性もどんなに辛かったことでしょうか? とんでもない被害に遭いながら、勇気をもって会社に訴えたら、スルーされるなんて!こんな酷い会社ってあるでしょうか? また、ついつい母親目線になってしまいますが、娘がもしも、こんな目にあったら・・と思うといたたまれない思いです。


中居正広スキャンダル フランス報道


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2025年1月10日金曜日

インフルエンザが猛威を振るい始めたらしい・・35以上の病院がホワイトプラン適用

  


 インフルエンザは、ひと足先に昨年末にかかって、「ワクチンしたのに・・」と少々、恨みがましく思っていたものの、当時は、流行り始めているものの、ピークはこれから・・などと言われていました。

 その予告どおり、現在、ピークなのかはわかりませんが、かなりインフルエンザ感染が広まっているようで、ホワイトプラン(plan blanc)という特別措置をとり始めた病院が35ヶ所を越えたとかで、深刻さを物語っています。

 ホワイトプランとは、フランスのすべての医療機関で導入できる緊急システムのことで、これにより、伝染病、感染症、攻撃、自然災害などの例外的な状況が発生した場合に病院の人的資源、物的資源を迅速に動員できるような体制をとることを言います。

 具体的には、不急の検査、入院、手術などの予定を延期し、休暇中の医療従事者を動員するなどの措置が取られます。

 思い起こせば、新型コロナウィルスによるパンデミックの際などは、感染が劇的にあっという間に広がったために、ホワイトプラン云々以前にパニック状態に陥り、多くの患者が病院にかかることもできない状態になり、有無を言わさない感じでオートマティックにホワイトプランになっていたのだと思いますが、一端、平常が戻っている今、再び?「ホワイトプラン」とは、穏やかではありません。

 これらのホワイトプランが導入された病院では、どこも病床は満床もしくは、20~30床ほど不足しているということです。

 特に、今回のインフルエンザには、「呼吸補助を必用とするほど毒性の強いインフルエンザがある」ということで、その他、「脳卒中、心停止、細気管支炎など」のさまざまな症状が付属して引き起こされるケースがあるのだそうです。

 このため、緊急の治療が必用なケースもあるのですが、このようなケースに陥った場合でも、直接、個人で救急外来に行っても、受付不可能な場合もあるため、一端「15」に電話してから、行かないと適切なタイミングで治療が受けられないケースも考えられます。「15」に電話してからなら、受付可能な病院に早急に割り振ってもらえるために、手遅れになる可能性が軽減されます。

 これでも、そういえば、私は以前よりもインフルエンザにかかることは減ったのではないか?と思うのですが、考えてみれば、以前はたいてい、娘が学校からもらってきて、娘のところでパワーアップしてから、私がかかるというパターンだったので、それがなくなった分だけ、感染の可能性は減っているのかもしれません。

 しかし、私事で何なのですが、実は、1月半ば過ぎに3ヶ月くらい待ちをしている「呼吸器科医」の予約が入っており、もしかしたら、これがキャンセルもしくは延期になるのではないか・・と密かに恐れています。


ホワイトプラン インフルエンザ


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2025年1月9日木曜日

タカタのエアバッグリコールキャンペーンについに政府が乗り出す

  


 昨年5月にフランス大手自動車メーカー「シトロエン」が約24万5千台をリコールして、大騒動を起こした日本製の「タカタ」のエアバッグ問題。

 今年に入り、今度は、この対応に政府が乗り出しました。

 政府の広報によれば、「1998年から2019年にかけて製造されてきた多くの車両には、タカタ製のエアバッグが装備されており、運転席や助手席に重症あるいは致命傷を引き起こす可能性があるため、該当する車両は、すぐにこのエアバッグの交換を行うことを奨励している」というもので、修理は無料かつ迅速に行われる(車両の修理は半日以内)と述べています。(しかし、半日以内とは・・これは、極めて信憑性が低い・・とは思う)

 フランスでは、2016年以来、このエアバッグのために少なくとも15人が死亡しており、特にこの問題が発生しやすい高温多湿の地域(海外圏)において発生しています。

 この問題のエアバッグを製造していた「タカタ」は、もうとっくの昔に倒産していますが、それにしても、この問題が米国等の諸外国でも多発していたことを考えれば、なぜ?今ごろ?と不思議でもあります。

 フランスでは、2013年からホンダが特定モデルのエアバッグを交換し、トヨタも2015年から変更しています。ところが、シトロエンに関しては、この変更を行わなかったために、より問題車が広く市場に拡大し、政府より先に昨年、大リコールに至っています。

 このエアバッグの最盛期には、このエアバッグに使用されているカートリッジが他社のものよりもかなり安価であったために、多くの自動車メーカーがこれを搭載したため、当時は世界市場の20%を占めていたと言われています。

 Audi、BMW、Citroen、キュプラ、DS、Ford、HONDA、Jeep、MAZDA、メルセデス、MITSUBISHI、NISSAN、Opel、Seat、Skoda、SUZUKI、TOYOTAがこのキャンペーンに参加しています。

 環境交通省の公式ウェブサイトでは、登録書類に記載されている車台番号(または、運転席側のダッシュボードに記載されている固有の17文字の番号、また、保証書、またはフロントグラスに貼られたメーカーのプレートにも記載されています)を入力すれば、所有の車がリコール対象車であるかどうかを確認できます。

 1998年から2019年にかけて製造されてきた車両についてのリコールは、中古車を好んで乗るフランス人には、大きく関わることでもあり、また、これまで高温多湿の地域でのトラブルが多かったとはいえ、このエアバッグは、経年劣化の問題も大きく、また、以前に比べれば、雨が多くなり、湿度が高くなったフランス本土においても事故がおこりかねないことが予想されてのことでもあります。

 しかし、一般的には、安全と信頼の日本製品という日本製品のイメージを打ち破り??、とんだ不良品であった「タカタ」のエアバッグ。しかも、命を守るために搭載しているエアバッグが命を奪いかねないという質の悪いことです。


タカタ エアバッグ リコール


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2025年1月8日水曜日

M-pox エムポックスの新変異種クレード1b フランス初の感染者発生

  

 

 まったく、次から次へと奇妙な病気が発生して、拡散されるものだと、正直、うんざりしています。

 フランス公衆衛生局は、この夏(といっても2024年)以降、欧州経済領域(EEA)内のスウェーデン(8月)、ドイツ(10月)、英国(10月)、ベルギー(12月)の4ヵ国でM-pox エムポックス クレード1bの症例が確認されたのに続いて、2025年1月6日にフランスで最初の感染者が発見されたことを発表し、警戒を呼び掛けています。

 このM-pox エムポックスウィルスは、以前はサル痘と呼ばれていたもの(Monkey Pox)で、1970年にコンゴ共和国で初めて人間に感染した症例が確認された感染症です。

 主に中央アフリカおよび西アフリカで流行していたこの感染症は、2022年にヨーロッパに広がり始め、その年の世界的流行の原因となったのは、クレード2変異種とよばれるウィルスで、今回の新変異種クレード1bバリアントは、より感染力があり、より危険であると考えられています。

 この新変異種に感染したのは、ブルターニュ在住の女性で、彼女自身は渡航していたわけではありませんでしたが、中央アフリカから帰国した2人と接触していたと伝えられています。

 現在、彼女はレンヌ(ブルターニュ)の大学病院に入院し、隔離状態にあるということですが、感染経緯や、彼女の周囲の接触者を特定するための調査が進行中と言われています。

 たしかに2022年に「サル痘」感染拡大が話題にのぼり、パリ13区にも「サル痘ワクチンセンター」が設置されたことを記憶していますが、幸いにもこのワクチンキャンペーンが功を奏して、その後、さらに拡大をすることはありませんでした。

 しかし、ここへきて、さらにパワーアップした新変異種の登場に、フランス公衆衛生局は警戒を呼び掛けているのです。そして、以前のクレード2変異種感染の場合は主に、同性愛者や両性愛者の男性に影響を及ぼしてきましたが、今回のクレード1bは、異性間性交中、また、性的接触なしでの感染例が多数報告されていることが、大きな違いです。つまり、より、感染する可能性が高いということです。

 公衆衛生局によれば、「M-poxの感染は、液体を包んだ小胞からなる水疱性発疹を引き起こす可能性があり、その後、それが潰れて乾燥が進み、痂皮が形成され、瘢痕化する」と言われており、「この発疹は、発熱、頭痛、身体の痛み、無力症を伴う場合があり、あごの下、鼠径部のリンパ節が腫れて痛みが伴う場合もある」とされています。

 また、この発疹はかゆみが生じる可能性もあり、水疱は、顔、肛門性器領域、手のひら、足の裏に集中する傾向がみられるということです。

 公衆衛生局によれば、治癒には、2~4週間かかるが合併症が起こる可能性もあり、消化器系、神経系、また、肺に重篤な症状を引き起こす場合もあると言います。

 致死率は、全体的に低いと言うことですが、子ども、妊婦、免疫力が低下している人は、危険度が高いため、特に注意が必用ということです。

 ただでさえ、インフルエンザなどが流行しており、体調不良を訴える人が多いこの時期、やっぱり免疫力を高める努力は大事だな・・と感じます。

 該当する症状があらわれた場合は、早急に医師、または、無料の検査・情報センターに連絡することをお勧めします。


M-pox エムポックス


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2025年1月7日火曜日

キャンセルされたエアフランスの払い戻しに3年かかったという話

  


 今、フランスでは、昨年中に決まらなかった2025年の予算案が審議されている最中ですが、あの問題の航空券に課せられる連帯税の大幅値上げの話はどうなるのか?と調べていたところ、全然、違う話、「3年かかってエアフランスの払い戻し金をようやく受け取った人」の話をみつけ、「ヤレヤレ・・やっぱりこれは勘弁してほしい話だな・・」と思ってしまいました。

 事の発端は、2022年1月のことで、マダガスカルに行く予定だった男性は出発当日、空港にまで出向いていたにもかかわらず、直前になってフライトがキャンセルされたことを知りました。エールフランスは、このキャンセルに対して、代替便の提供もせず、払い戻しもしませんでした。

 そもそもこのキャンセルの理由がわかりませんが、払い戻し問題以前に当日の航空会社からのドタキャンって、「それはないでしょ!」という話です。

 ふつう、旅行先のホテルなどだって、予約してますよね・・それらのキャンセルにだって、当日となれば、キャンセル料がかかりますよね・・!!

 彼は、航空券の料金として、1200ユーロを支払っていましたので、当然、この金額の払い戻しを請求しましたが、エアフランスは、これを却下していました。

 ストライキやトラブルの多いフランスで、エアフランスなどは、当然、フライトのキャンセルや払い戻しに対しても、慣れていると思うのですが、なぜ、頑なにいつまでも、エアフランスが、この程度(大きな航空会社にとって)の金額の払い戻しを渋ったのか、腑に落ちません。

 このようなことも起こり得ないではないとは思うのですが、よっぽどたちの悪い、いい加減な、いじわるな人にあたってしまったのかな?(どんな業界でも、そういう人もどこでもいないわけではないというか、たまに遭遇します・・)とも思います。

 しかし、この男性は、決して諦めなかったようで、連邦消費者組合(UFC-Que Choisir)にこの手続きを支援してほしいと要請し、エアフランスはマルセイユ裁判所から、1,200ユーロ+遅延金600ユーロ=合計1,800ユーロの支払い命令を受け、この男性は3年がかりでようやく払い戻しを受けることに成功しています。

 この連邦消費者組合(UFC-Que Choisir)は、航空券のみならず、消費者に情報を提供し、適切なアドバイスを行い消費者保護を目的とした協会で、フランス全土に350ヶ所の受付ポイントがあります。

 フランス全土に4,500人のボランティアが定期的なサービスを提供し、憲法71-1130 第 63条に基づいた消費者へのアドバイスや専門家との紛争解決を支援してくれるそうです。

 できれば、お世話になりたくありませんが、いざというときに、このような協会があるということも知っていれば、なにかの手助けになるかもしれません。

 私自身、エアフランスのお世話になってきたこともあったのですが、一度、日本から帰ってくるフライトが前日にキャンセルされ、その時は、代替便を提供してくれたものの、半日、前倒しのフライトで、しかも直行便が経由便に変更され、焦ったことがありました。

 考えてみれば、直行便と経由便は、通常、値段は違うので、差額を請求してもよかったとも思うのですが、面倒で請求はしませんでした。しかし、それ以来、できればエアフランスは避けたい・・と思うようになってしまいました。

 やっぱり、こういうことに関しては、日本の航空会社の方が安心なのです。


エアフランス払い戻し


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2025年1月6日月曜日

1月8日キセル乗車の取り締まり強化

 

 


 UTPF(公共鉄道交通連合)によると、キセル乗車の未回収の罰金は、年間8億7,100万ユーロにものぼると言います。未回収分がこれだけあるということは、回収している分も併せると一体、どれだけキセル乗車をしている人がいるのかと、驚かされます。

 私は、ふだん、パリかパリ郊外しか移動していないので、ほぼRATP(パリ交通公団)しか利用していないのですが、その範囲内でも、ここ数年で、バスやメトロでのコントロール(検札)が増えた気がしています。

 このコントロールに遭遇すると、大概、誰かが違反切符を切られているのを見かけはするのですが、それでも、年間でここまでの金額に至っているのには、驚きです。

 そこで、UTPF(公共鉄道交通連合)は、1月8日から「Stop Fraude」と呼ばれる新システムを導入し、財務総局(DGFiP)のファイルにアクセスできるようになり、違反者の正確な住所情報をその日のうちに確認できるようになると言います。このシステムの導入により、罰金回収率の向上に繋げるとしています。

 このキセルの違反者がどういう経緯で罰金を払わないまま放置できるのか?この罰金切符と言われるものが、これまで本人に正確に届いていなかったのか?、コントロールで捕まった時に、偽の住所を提出しているのか?多くの場合は、IDカードを確認しているようなのに、これで罰金切符(罰金の請求書)が届かないというのは、どういうことなのか? また、長年、これを放置してきたのか?と実に疑問に思うことは多いです。

 私はキセルをしたことがないので、詳しい事はわかりませんが、特に旅行者などに対して、よく交通システムがわかっていないゆえに、正しいチケットを持っていないような場合でも容赦なく、罰金を徴収していたり、チケットやカードを持っていても、チケットを機械に通し損ねていたり、「チン!」というチェックをし忘れていたりする場合に罰金を請求されていたり、ほとんど「言いがかり」みたいなコントロールを見かけることもあります。

 ともかくも、この新しいシステムは、SNCF(フランス国鉄)、RATP(パリ交通公団、Keolis、Transdev、RTM(マルセイユ公共交通網)、Tisseo(トゥールーズネットワーク)の6社によってスタートします。

 他のネットワークも3ヶ月以内にこれがスタートする予定になっており、合計約150社の都市ネットワークオペレーターが集結するそうです。

 ただし、当面の間は、検察官自身がその場で違反者の住所を確認することはできないため、その確認作業は、「当日内に」ということになっています。

 しかし、罰金未払いが、果たして罰金切符(罰金の請求書)の未払いが本人に正確に届いていないという理由なのかどうかは、甚だ疑問に感じるところではあります。


キセル取り締まり強化


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2025年1月5日日曜日

リーダープライス(Leader Price) 宙ぶらりん従業員の悲劇

  


 リーダープライス(Leader Price)はフランスの低価格帯のスーパーマーケットチェーンのひとつでしたが、1997年にカジノグループ(スーパーマーケット・カジノ・モノプリ等)の子会社となりました。

 リーダープライスは、フランスでも有名なスーパーマーケットチェーンではありますが、私にとっては、近所に店舗がないため、あまり縁がないスーパーマーケットでした。

 ところが、リーダープライスはカジノグループ傘下になってもなお、業績不振が続いていたようで、カジノグループの資産処分計画の対象となり、2020年3月にカジノグループは、リーダープライス656店舗のうち、567店舗と同ブランドの3倉庫を7億3,500万ユーロでアルディ・フランス(ALDI France)に売却しています。

 カジノグループはその後も残りのフランチャイズの店舗と同様にリーダープライスブランドを維持し続けていましたが、2022年12月に、ノルマンディーとオー・ド・フランスにある残りの90店舗をLPブランドで再スタートすることを発表。同時に特定のリーダープライスの商品は同グループのスーパーマーケットカジノなどでも取り扱いを拡大することも発表していました。

 しかし、2024年上半期の業績の中で、フランスのリーダープライスのフランチャイズは、廃止されたと発表。

 紆余曲折を経て、どうにもこうにも改善できなかったリーダープライスは、悲惨な末路を迎え、中には、1ユーロという象徴的な価格で売り出される店舗まで登場していたようです。

 ところが、この1ユーロで売られた数店舗のオーナーが交代したのは、3月のこと、それから徐々にサプライヤーへの支払いも滞り、従業員への給与の支払いも遅れがちになり、直近3ヶ月~4ヶ月にわたって、給与が支払われなくなったということです。商品も入らず、お店の中はガラガラで開店休業状態。

 店舗の売却は、いわゆる「居抜き」の状態で売却されたために、本来ならば、従業員からしたら、オーナーが交代したとしても、そのまま働くことができるわけです。ところが、徐々に給与が支払われなくなって、お店にも商品が入らなくなり、開店休業状態になり、とうとう給与もストップ。

 給与の支払いなしに、3ヶ月も4ヶ月も放置されていることに業を煮やして、彼らは、CGT(組合)に通報したところ、同オーナーの所有する店舗5店舗が同様の状態にあることが発覚した模様です。

 彼らは、全員、病気休暇の手続きをとったものの、そんな状態を続けることは不可能で、解雇なら解雇で正式に手続きをとってくれれば、それなりに法的に保護された失業手当を受けることが可能であるのに、それもできずに宙ぶらりんの状態です。

 一部では、失業者天国とも言われるフランスで、こんな酷いことが起こり得るのか?と驚くばかりですが、彼らは訴えを起こし、1月16日にパリ商事裁判所で審問が行われることになっており、彼らの訴えが認められれば、ようやく彼らには正当な契約解除手続きが行われることになり、失業保険が受給できるようになります。

 このオーナーがどのような人で、どのようなつもりで店舗を購入したのかはわかりませんが、そもそも業界大手でも手におえなかった店舗の経営を甘く見ていたのかもしれませんが、従業員にとっては、大変な災難。解雇より酷い宙ぶらりん状態・・こんなことあるの?と思ってしまいました。


リーダープライス Leader Price


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