パリオリンピック期間中は、 パリ市内のバスやメトロで全くチケットのコントロールの検札官の集団を見かけることはありませんでした。おそらく、オリンピックのための駅の警備や案内係等のために多くの人員を割かなければならなかったのと、混雑時の混乱を避けるためではなかったかと思われます。
パリオリンピックの開会式の一週間ほど前から、パリのバスやメトロの料金は、通常の倍近くに値上がりしましたが(月額、年額のNavigo(定期券のようなもの)購入済みの場合を除く)、このオリンピック料金は、オリンピックが終わった現在もまだ続いています。
パラリンピックを控えているということもあるのでしょうが、「オリンピックが終わって、パラリンピックが始まるまでの期間も値上げしたままなのは、酷いではないか!どういうことになってるんだ!」という声も上がっているようですが、技術的な問題を理由に価格は元に戻っていません。
私は、Navigo(定期券のようなもの)を持っているので、この値上げの影響は受けていないのですが、オリンピック期間中のことを考えれば、この期間は駅が閉鎖されていたり、迂回を余儀なくされたりと、通常よりはずっと不便で、これでいつもの2倍の料金のチケットを購入しなければならない人々は気の毒だな・・と思っていました。
現在は、未だ閉鎖されている駅もあるものの、私がよく利用するバスなどの迂回経路などは元どおりになり、昨日、バスに乗ったら、久しぶりにコントロールと呼ばれる検札官が乗っていたのでビックリしました。
そもそも日本(東京)のバスには検札なんていうものはないわけで、皆、入口から乗る時に運転手さんがチェックして済むわけなのに、パリではみんなが入口から乗るとは限らないし、そのうえ、入口から乗っても、平気でチケットなしに乗って行く人までいるからこういうことが必用になるというところなどは、日本とは民度が違うと言わざるを得ません。
運転手さんの方も注意をしようものなら、逆ギレされてボコボコにされる・・なんてことも無きにしも非ずなわけなので、多くの場合は、この逆ギレされないように口で注意せずに、あらかじめ録音されたものを随時、流すというケースが多いような気がします。
昨日は、どういうわけか、その検札官たちは、バスの入り口付近にいたので、もし、チケットを持っていない人がいれば、その場で何食わぬ顔をして、運転手さんからチケットを買えばよいので、なんだかあんまり意味がない?ような気もしたのですが、そこに乗ってきた小さい旅行用のキャリーバッグを持った明らかに観光客らしき子連れの女性がチケットを買おうとして、運転手さんに10ユーロ札を出したら、お釣りがないと言われていて、小銭がないなら、ネットで買ってくださいと言われて、苦労していました。
バスに乗るときにその場で運転手さんからチケットを買っている人というのは、時々、見かけるのですが、お釣りがないと断られているのは初めて見て、観光客相手にネットで買えというのは、そりゃないでしょ!いつもの倍額取ってるのに・・この冷たい対応は何なの?と思ったわけです。お釣りを用意していないのは、明らかに運転手さんの不備なのに、申し訳ないという感じは微塵もなしです。
観光客の場合、必ずしもネット環境が整った携帯を持っているとも限らないわけで、私がもし、外国で言葉もよくわからない国でそんなことを言われたら、どうしよう?と思ってしまうと思うのです。
こういうことがあるから、パリは感じが悪い!と言われてしまうのだろう・・と思った次第です。
現在はまだパリはいつもよりも空いているので、バスもメトロもあまり混雑することもなく、駅などもオリンピックの余韻?でまだ清潔さを保っているので、やっぱり今の季節はよいな・・などと思うのですが、やっぱりところどころで、こういう場面に出会うのがパリ・・だって、カード払いもできなくて、お釣りを用意しないで何かを売るって、ちょっとあり得ないことです。
駅ならばともかく、バスの場合は、チケット売り場がバス停にあるわけでもないのですから、やっぱり酷い話です。
こうして観光客の立場にたってみれば、やっぱりまだまだパリには、困ったところがけっこうあるのかもしれないな・・と思った日でした。
パリのメトロとバス
<関連記事>