2024年8月14日水曜日

クロスボウの矢を頭に受けた女性が危篤状態

  



 パリオリンピックが終わって、堰(せき)を切ったように凶悪事件が報道され始めて、残念ながら、通常モードのフランスが戻ってきたことを実感しています。

 最初に目にしたのは、ヴィルジュイフ(ヴァル・ド・マルヌ県・イル・ド・フランス・パリ近郊)の寺院で、32歳の女性が頭に矢が刺さった状態で発見されたというもので、またその犯行に使用された凶器(武器)がクロスボウという私にとってはあまり聞きなれないもので、調べてみたら、「西洋で用いられた弓の一種、洋弓銃」というものらしく、その凶器に使われたものが、耳慣れないものであることは、余計に不気味に感じられるものでした。

 被害者は発見後、頭に矢が貫通した状態で病院に運ばれ、手術を受け、矢は頭蓋骨から取り出すことができたそうですが、生命予後は依然として危険な状態にあると言われています。

 ナイフとか、銃などなら、まだよくある話ではありますが、矢で頭を射抜かれるというのは、初めて聞きましたし、被害者を発見した人は、ちょっと信じ難い光景であったのではないかと思います。

 このクロスボウという洋弓銃というものは、どんなものなのか?そんなに出回っているものなのか?不安になります。

 この事件の容疑者3人は被害者が発見された翌日には逮捕され、取り調べが続いていますが、クロスボウが使用されたという状況と動機はまだ正確に解明されていないということです。というのも彼らは、障害のある人々のようで、全員が就労支援サービス事業所(Esat)で働いていました。この施設は障害のある者が医療の恩恵を受けながら専門的な活動を行えるようにするものです。

 この障害が精神障害であるかどうかは明らかにされていませんが、このような場合は、まず責任能力の問題が登場し、一定の期間、入院施設に保護されますが、いつの間にか、また世に解き放たれてしまうのが、よくあるケースだという印象を受けてしまいます。

 捜査はヴァル・ド・マルヌ司法警察に委託され、当初は配偶者による殺人未遂容疑で開始されましたが、被害者も同施設に所属していた者だったようです。

 事件の取り調べとともに、同時に彼らの精神鑑定も進行中とのことです。

 いずれにしても、パリオリンピックが終わった途端に、このような事件が堰を切ったように出てくるにつけ、オリンピック開催期間中は、このような事件がたとえ起きていても伏せられていたのか、または、報道されなかったということ?

 いずれにしても、オリンピック関係者や観客がこのような事件に巻き込まれることがなかったことは、全く、日常のパリ、パリ近郊、フランスからしたら、奇跡的なことだったと今さらながら思っています。


クロスボウ殺人事件


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2024年8月13日火曜日

38℃に怯えて過ごした一日

  


 もう数日前から、来週の初めには、38℃まで気温が上昇すると聞いていて、身構えていました。最近、体力にめっきり自信をなくしていることもあり、これはもう無駄な抵抗はやめようと、この日は、出かける予定は入れずに終日、家にこもっていることにしていました。

 出かけた先には、最近では大抵は冷房が入っていることがほとんどではあるものの、そこへ到達するまでの炎天下の路上を歩くことも、もう恐怖に近く、公共交通機関も必ずしも冷房車ばかりとは限らないのがパリなので、もう無駄な抵抗はしません・・という気持ちでした。

 この間、暑いときに、プールに出かけて泳いでいる間にめまいを起こして、立ち上がれなくなって以来、今まで以上に臆病になっています。

 とはいえ、我が家にはエアコンもないので、涼しくはないのですが、朝のうちに部屋の空気を入れ替え、ベランダの野菜に水をたっぷりとあげて、あとは窓を閉め切って、光を遮断した薄暗いなかで過ごせば、まあまあ耐えられないこともありません。

 もちろん、熱を発するお料理はしたくないので、朝、早いうちにサンドイッチを作って冷蔵庫にいれておき、あとはフルーツやヨーグルトやゼリー、アイスクリームなどで凌ぎます。

 パレオを濡らして、肩からかけて身に纏い、時々、それが熱くなってくれば、また水の中をくぐらせては、身体にまとい、しまいには浴槽に水を張って、そこでパソコンやタブレットを持ち込んで、静かに過ごしました。

 もう夏の間にパリが数日間は40℃近い猛暑に襲われるようになってからは、少しずつ対応策を自分なりに構築してきたのですが、年々、自分の体力は低下しているのは、最近、とみに自覚してきているので、もう絶対に無理はしないことにしました。

 いい加減、エアコンを買えばいいのに・・と思わないでもありませんが、まあまあ、こんな日は一年のうちにそんなにあることでもないし、暖房としては、セントラルヒーティングになっているので必用ないので、やっぱりもったいないな・・とけちな私は買わないのです。

 最近では、このような人間の体温よりも高い気温になる猛暑日が夏の間には、何日かあるために、オリンピックの期間にあたってしまっては、選手も気の毒だな・・と心配していたのですが、幸か不幸かオリンピックが終わった翌日のこの気温です。

 RATP(パリ交通公団)では、珍しくサービスよく、ペットボトルの水を配ったりしていたようですが、これも恐らく、オリンピックの際にこの猛暑日にあたった際のために準備されていたものではないか?と思われます。

 今回のオリンピックは、結果的には、ギリギリでこの猛暑を避けられましたが、なぜ?もう少し気候の良い時期にやらないのかな?と疑問です。しかし、これは、またオリンピックをパリでやってほしいという意味ではありません。

 今年はどういうわけか、7月に入っても、気温が上がらずにお天気もパッとしなかったので、いつもの夏ほどではありませんが、いずれにしても、パリでは、多くの人が家にはエアコンを入れていないし、どちらかというと家の中は暖房はキッチリしていても、冷房は完備していない場合が多いと思います。

 ようやく窓から涼しい風が入ってきたのは夜中の1時頃でした。

 


猛暑日


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2024年8月12日月曜日

やっと終わったパリオリンピック 

  


 今回のパリオリンピックが始まる直前までは、フランス人にとっては、突如として行われることになった選挙の方に注目が傾きがちで、また、パリでは数々の警備のための厳しい交通制限などが続いて、パリを脱出してしまった人も多く、また、観光客でさえも、通常よりも少なくなるという事態になって、オリンピックはあまり盛り上がらないのでは?とさえ疑いを持つほどでした。

 しかし、いざ蓋を開けてみれば、お祭り好きのフランス人。また、かなりフランスの選手がメダルを獲得したりして、日々、盛り上がりを見せてきました。

 まず、どうしても貫きたかったらしいセーヌ川での開会式は、けっこうな雨のうえ、演出なども、かなりぶっ飛んだ内容が織り込まれていて、賛否両論を巻き起こしましたが、そこはフランス。否定的な意見があることも充分、承知のうえで、ふつうのものでは終わらせないなにかを入れてくるところはフランスらしいところでもありました。

 また、選手の宿舎にエアコンがないとか、食事がマズいとか、色々と苦情もあったようですが、一般的な食事のレベルはそんなに高くはないし、エアコンがないのも現地の人間からしたら、そんなに驚くことでもありません。

 今回のパリオリンピックで指摘された悪い点は、そのままのフランスで、良いところも悪いところもそのままよく表れていたと思います。

 個人的には、あの、どう見ても、泳げるとは思えないセーヌ川でのトライアスロンを強行して、病人まで出してしまったのは、どうかと思いますが、概ね、日常のフランスからしたら、上出来なオリンピックであったと思います。

 何より、この世界情勢が決して穏やかとは言えないご時世のなか、テロのようなことがほぼ起こらなかったことは、何よりでした。常日頃から、他の都市に比べて格段に警察の多いパリでも、これほどの警察官や憲兵隊が、ほんの数メートル歩くたびに警察官の団体(あるいは憲兵隊)とすれ違うほどの警戒をこのオリンピック開催期間中続けていたことは、これまでもなかったことだし、今後もそうそうないことではないと思われます。

 しかも時期的には、フランス人にとって何よりも大事なバカンスシーズン、その期間にこれだけの人を動員できたということだけでも、歴史的な記録だと思います。

 私は、競技自体を見に行くことはありませんでしたが、それでもオリンピックのために設営された施設などは、ひととおり見て歩いて、それなりにいつもとは違った、今だけのパリの景色を楽しみました。

 そんな中、驚いたのはボランティアをやっている人々のレベルの高さで、ボランティアをどういう基準で選んでいるのかはわかりませんが、彼らには、ある種のカラーというか、ある一定以上のレベル(といったら失礼ではありますが・・)の人たちという印象を受けました。

 まだ学生?と思われる若い人々から、もう引退しているんだろうな・・と思うような人々まで、私が直に接したボランティアの人々は、ふだん、あまりパリでは目立たない感じ人なんだろうな・・と思いましたが感じの良い人ばかりでした。

 特にもう引退しているであろうおじさんやおばさんのボランティアなどは、やはりフランス人らしく、話好きで、けっこうおしゃべりしたりもしたのですが、地に足がついた感じの人が多いのには、大いに関心したところでもあります。

 しかし、私個人としては、やっとオリンピックが終わってくれた・・というのが正直なところで、通常の日常に戻り、とりあえず、ふつうにバスやメトロが動いてくれることにちょっとホッとしています。

 でも、同時にこの期間中、いつもは定期的に家にいても聞こえてくるパトカーなどのサイレンの音がこの間、ほとんど聞こえてくることがなかったことに気付いて、そういやそうだよな・・あれだけ交通規制して、警察が四六時中、街中にウヨウヨしていたら、事故も事件も起こりにくかっただろう・・と思うのです。

 逆に考えれば、あれだけの警戒体制をとらなければ、パリは安全ではない場所と言うこともできるのかもしれません。

 でも、とりあえず、無事に終わってヤレヤレというところですが、この間のパリを懐かしむ時がいつか来るかもしれません。

 しかし、閉会式も長かったなあ・・。トム・クルーズが出てくるまでが長い長い・・。


パリオリンピック閉会


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2024年8月11日日曜日

南海トラフ大規模地震 フランスでの報道にどっきりした・・

  


 ここのところ、とかくオリンピックに関する報道に偏りがちな中、日本での南海トラフでのかなり大きな地震について、フランスのニュースで専門家がかなり長い尺をとって、深刻な顔で解説をしているのを見かけて、ギョッとしてしまいました。

 日本でかなり大きな地震があったことは、ネットニュース等で見ていましたが、とかく地震が多い国、被害がそこまで大きくなかったことで、少しホッとしていました。

 しかし、テレビのニュースで見かけたこの日本での大きな地震についての解説には、「ほんとにそうなの?」、「日本の専門家もそんな風に言っているの?」と、少し不安に思いました。

 2011年の壊滅的な地震以来、日本で新しく設けられた「巨大地震警報」が発令されたとのことでしたが、それと同時にこの大地震等の災害に日常から準備や訓練を積み重ねている日本だからこそ、今回の巨大地震ではそこまでの被害が出ずにすんでいるので、それ以外の国であったらば、大惨事になっていたであろうと・・。

 耐震構造の建築物をはじめ、日本の避難訓練などの習慣を地震の被害が見込まれる国や地域では見習わなければならない・・ということがひとつ。

 また、日本人の国民性や地震に慣れているということもあるのだろうが、現地フランス人特派員が語っていたのは、この規模の大きな地震にもかかわらず、日本人はパニックをおこさずに冷静に行動できるということに驚いていました。

 しかし、そのように日本、日本人を称賛してくださる報道には、正直、日本人としては、少々、誇らしい気持ちもしたのですが、この専門家が説明するのは、この地震は、さらに大きい地震がそう遠くないうちに起こる可能性があるということを懇々と深刻な顔で説明するのには、正直、大丈夫かな?と心配になりました。

 この警報の中心となっているのは、日本の東にある長さ800kmの海底断層である南海トラフで、この場所は過去に、マグニチュード 8 から 9 の記録的な地震の起点となっており、南海トラフは「90~200年ごとに」目覚めると言われている。

 南海海溝は東京西部の静岡市と南の九州島の間の「沈み込み帯」に位置し、これは、フィリピンプレートが年間約10センチメートルで徐々に日本の下に滑り込んでいることを意味しており、これは世界でも最も速い速度の1つであり、これによりますます強い地殻変動が生じ、圧力に耐えられなくなると断層が破壊され、地震が発生するようです。

 この場所で最後に地震が発生したのは1946年で、つまり90年~200年という巨大地震の可能性の範囲内に突入しているということで、断層の一部はかなり規則的に破壊され、小さな揺れを引き起こし始めているということで、今回のかなり巨大な地震により、このシナリオが800kmのピットが同時に破断する危険があるという大幅に危険なシナリオに書き換えられたと言っているのです。

 この規模の大地震が1707年に日本史上 2 番目に強力な地震を引き起こしているそうで、つまり、それから200年以上がすでに経過していることになります。

 この壊滅的な地震は依然として予期することが困難で、当局は、それが1週間以内、あるいは長くても1か月以内に起こる可能性があると推定しているため、日本は今回の「巨大地震警報」発令に踏み切ったと説明しています。

 2019年の時点で、彼らはすでに30年以内にこの地域で巨大地震が起こる確率が70%であると予測しており、岸田首相は金曜日、サバイバルキットの作成、原子力発電所の状況確認、電車の速度低下など、いくつかの予防策を講じているそうです。

 この大地震とさらなる大規模地震が起こる可能性を鑑みて岸田首相が予定していた東アジア訪問を取りやめにしたということは、その可能性の深刻さを物語っていると言っているのです。また、このような「巨大地震警報」という国民がパニックを起こしかねない、その警報自体がリスクとなりかねない警報を発令するということは・・と続いたのですが、この辺りは、ちょっと日本人だったら、受け取り方は違うのかも?とは思ったものの、一方では、どこまで本当のことを国民が知らされているのか?とも思ったりして、ちょっと不安な気持ちにもなりました。

 いずれにしても、この地震のような大きなリスクといつも隣り合わせである日本だからこそ、日本に根付いている国民性のようなものも確かにあるんだろうな・・とそんなことを考えさせられたのでした。


南海トラフ大地震


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2024年8月10日土曜日

9月14日オリンピックアスリート シャンゼリゼ祝賀パレード

  



 もうすぐ終わろうとしているパリオリンピックにおいて、未だかつてないほどのメダルを獲得しているフランスチームの功績を讃え、みんなで祝おうと、マクロン大統領は、パリオリンピック・パラリンピック競技大会終了後の9月14日土曜日にシャンゼリゼ大通りでフランス選手のパレードを行うことを発表しています。

 このパレードは、具体的には、パリ2024大会組織委員会(COJO)、フランス国家オリンピック・スポーツ委員会(CNOSF)、フランスパラリンピック・スポーツ委員会(CPSF)パリ市との連携組織で行われるとエリゼ宮は説明しています。

 エリゼ宮・広報の説明によると、「大会の成功に貢献した人々、言い換えれば、さまざまな関係者らとともにシャンゼリゼ通りをパレードする」ということになっているので、ひょっとしたら、このパレードには、この大会を陰で支えたボランティアなども参加することになるのでは?とも考えられます。

 実際には多くのパリジャンがオリンピックから逃避してバカンスに出かけてしまいましたが、9月になれば、フランスは新年度が始まっているタイミングでもあり、実際のオリンピックが行われた時とは違う顔ぶれがこのパレードを訪れることになるのかもしれません。

 以前はオリンピックではありませんでしたが、シャンゼリゼはスポーツの勝利を祝う伝統的な場でもあり、1998年にフランスで開催されたサッカーワールドカップでフランスチームが優勝したときには、盛大なパレードが行われ、50万人もの人が集結したという記録もあります。


 しかし、一方でこれをマクロン大統領が発表することには、少々、政治的な企みが感じられないこともなく、オリンピックで皆がすっかり忘れかけている、ほんの数ヶ月前の欧州議会選挙の結果やそれに伴い急に行われた選挙、そして、首相が辞任し、現在は実は首相不在の存在であるような不安定な政情であり、このオリンピックというお祭り騒ぎが終われば、再び現実の社会問題が戻ってくるわけで、マクロン大統領がこのオリンピックの祝賀モードをなんとか、引っ張り続けたいと思っているのが透けて見える気がしてしまいます。

 とはいえ、お祭り騒ぎが大好きなフランス人、今年のパリ祭はオリンピックのためにシャンゼリゼが使えなかったので、9月14日のシャンゼリゼは、おそらくパリ祭以上の盛り上がりが見込まれ、また、大変なイベントとなりそうです。


オリンピック・パラリンピック アスリート シャンゼリゼ祝賀パレード


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2024年8月9日金曜日

最近、バスやメトロで気になって仕方ないこと

  


 バスやメトロの中で小さい子ども連れを見かけると、なんかホッコリした気分になります。なんか、可愛い子どもがニコニコしていると、こっちまでニッコリしてしまい、なんか暖かい気持ちで見守る気持ちになり、小さい子どもの様子をなんとなく目で追ってしまいます。

 特にベビーカーに乗っているくらいの小さな子どもだと、可愛くて仕方ありません。

 しかし、最近、気になって仕方ないのは、そんなベビーカーに乗っているくらいの小さな子どもが携帯でアニメのようなものを楽しそうに見ていたりするのをわりと頻繁に見かけるようになったことです。

 そんなの他人の子どもなんだから、よそのおばさんがお節介に言うことでもないのですが、「これは絶対によくないな・・」と思うのです。

 私が子育てしていた頃には、まだ今のようなスマホにはなっていなかったし、娘が歩くようになってからは、あまりベビーカーのようなものにも乗せることすらできるだけ避けていました。ベビーカーについては、もちろん、その子どもの体力にもよると思うのですが、とにかく、娘はエネルギーが常にありあまっている子どもだったので、小さい頃からお昼寝というものさえ、一切したことがなく、保育園でも、「○○と○○ちゃんは(娘ともう一人の女の子)お昼寝をしないで、他の子を起こしてまわるので、お昼寝の時間は別の部屋にいてもらいます!」と先生に言い渡されたくらいだったので、とにかくその有り余るエネルギーをいかにして消耗させるかということが第一だったのです。

 携帯はなかったものの小さなゲーム機を欲しがったりしたこともあったのですが、あくまでも私も夫も、子どもにはよくない・・と自ら買い与えることはしてきませんでした。

 たしかにバスの中などで、携帯で動画などを見ている子どもはおとなしく楽しそうにしているのですが、様々な場面で驚くほど色々なことを吸収できる子どもの目を携帯で塞いでしまうのは、大変な損失だと思うのです。

 大人でさえも、ついつい四六時中、スクリーンを覗いてしまいがちな昨今ですが、大人にとってさえもあまり、よいこととは思えないし、ましてや小さな子どもは外で公共の場で、色々な人や景色や社会のルールや色々なことを感じることは大切なことだと思うのに、長い時間、受動的に与えられるスクリーンに時間を奪われることは、絶対によくないことだ・・と思うのです。

 あまりに長いフライトとか、長距離移動などならば、退屈してしまうこともあるかもしれませんが、ちょっと街中を移動する間くらいの短時間まで、携帯に子守をさせてしまうことに、「これはダメだよな・・」とお節介おばさんは思ってしまうのです。

 もちろん、あかの他人の子育てに口出しはしませんが、そんなバスやメトロのベビーカーの中で、携帯を楽しそうに見ている子どもを見つめて、これはやめておいた方がいいのにな・・と思ってしまうのです。

 子どものスクリーン(タブレットやスマホなどのデジタル機器)の使用については、政府も危機感を示しており、今年の4月の段階で、国民議会で、「保育園や保育所での3歳以下の子どものスクリーン(タブレットやスマホなどのデジタル機器)の使用を禁止する法案」が提案されていたりしましたが、保育園のみならず、小さな子どもを持つ親が家庭でも心がけるべきことではないかと思います。

 人工的に作られたもの以外にも、本来ならば、色々なことに興味を持ち、また、「そんなことが楽しいんだ!・・」と思うことまで楽しめるのが子どもなのに、そんな好奇心とか、なんでも楽しめる能力を摘んでしまうのは、本当にもったいないと思うのです。

 今やスマホは生活必需品になり、ないと生活に支障が出るほどになってはいますが、その使い方を間違えると、特に小さな子どもにとっては、発達障害や情緒障害など、すぐに目には見えないカタチで障害を生んでいくような気がして、他人事ながら、気になって仕方ない光景なのです。


子どもと携帯


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2024年8月8日木曜日

パリオリンピックのメダリストへの報奨金

  

 

 フランスにいると、あたりまえだけど、オリンピックもフランス人の選手が中心に報道されるので、日本人の活躍がほとんど見られないので、最初は少し見ていても、そのうち飽きてきて、結局、オリンピックはどうでもいい感じになって、結果的にあまり競技は見ないようになってしまうのですが、今年は、やはり、自国開催ということで、かなりオリンピックの報道が多く、また、フランス人がメダルを結構とっていて、その度に、ちょっと引くほど報道している人たちがフランス人選手のことをかなり興奮して褒めたたえるので、最初は微笑ましい気持ちで見ていたのですが、そのうち、もうちょっとおなかいっぱいな感じで、もういい加減、ゲッソリしてきてしまいました。

 長いこと、フランスに住んでいるので、フランスを応援する気持ちも少しはあるのですが、やっぱり日本を応援したいあたり、私は日本人だな・・と思う瞬間でもあります。

 なので、オリンピックの競技というものは、ほとんど関心がなくなってきてしまいました。

 もう今回のオリンピックは、色々な制限が開会式の1週間以上前から始まっていたこともあって、いつも以上にオリンピックが長く感じられ、もうそろそろ終わってよ・・と心の中では思い始めています。

 まあ、私がお願いするまでもなく、あと数日で終わるのですが、結果がほぼ出揃ってきたところで、今日は、オリンピックのメダリストへの報奨金の話がニュースに出ていました。

 メダリストへの報奨金の話は大昔に、けっこう貧しい国だったりすると、選手を鼓舞するために多額の報奨金を出すらしいという話を聞いたことがありましたが、フランスでも、選手への報奨金が支払われるそうです。

 金メダル8万ユーロ(約1,280万円)、銀メダル4万ユーロ、銅メダル2万ユーロだそうです。報奨金とはいえ、なんとなくオリンピック=お金というのは、いまひとつ、すっきりしない印象もないでもありませんが、今年のパリオリンピックでは、水泳で一人で4つの金メダルをとったレオン・マルシャン選手は32万ユーロを受け取ることになる!という報道でした。

 フランスはこのオリンピックのメダリストの報奨金を東京オリンピックの時(金メダル6万5千ユーロ、銀メダル2万5千ユーロ、銅メダル1万5千ユーロ)よりも大幅に値上げしています。

 これらの報奨金は選手のみならず、選手を支えた経営陣(チーム)にも選手と同額の金額が支払われる(これまでは、選手の半額だった)そうです。

 この報奨金は、11月中旬までに直接、スポーツ相とオリンピック委員会から支払われることになっています。

 ちなみに日本はいくらくらいなのかな?と思って見たら、日本オリンピック委員会から支払われる金額は金メダル500万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円だそうで、その他は各スポーツ毎に、その○○スポーツの協会から異なる額が支払われたり、全くなしのスポーツもあるそうで、一番報奨金が高いのはゴルフなんだそうです。

 私は個人的には、オリンピックというスポーツがお金で換算されるようで、興ざめな気もするのですが、そんなのはきれいごとなんでしょうか?


パリオリンピック メダリスト報奨金


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