たまにイベントなどの催し物が行われるなど、駅でポスターを見かけたりするたびに、「ヴェルサイユ、きれいだよな~、今度行きたいな~」と、度々思うのですが、いざとなると、結局は行かないのがヴェルサイユです。
そんなに遠くはないし、行こうと思えば、いつでも行けるのですが、なんとなく億劫で、ヴェルサイユに最後に行ったのは、母がフランスに来てくれたときに夫が車で連れて行ってくれたのが最後なので、もう10年以上、いやそれ以上も前のことになります。
今回はヴェルサイユ宮殿でもオリンピック競技をやっているということで宮殿がどんな風になっているのか? 思い腰を上げるチャンスだと、オリンピック期間中に一度は行こうと思っていました。
なんだかグズグズしている間にあっという間にオリンピックも終わってしまいそうで、せっかく行くならお天気の良い日がいいと、思い切って行ってきました。
とはいっても、競技を観戦するチケットも取ってないし、炎天下で競技を観戦する気にもならないので、なんとなく雰囲気を味わいに行くだけなのですが、まあ久しぶりに訪れるヴェルサイユ宮殿はやっぱり美しくて、もっと頻繁に来てもいいのかも・・などと思いながら、歩きました。
他の場所と同じように警察官やボランティアがたくさんいるのですが、なにせ宮殿の敷地内は広くて、それでも木々の緑のグラデーションや彫刻などを楽しみながら歩けるので気持ちよいお散歩になりました。
と、同時にヴェルサイユに行くのに、拡張されたRER L線にも乗ってみたかったこともあって、キラキラ車内のきれいな電車に乗って行きました。ただし、到着後のことを全く考えていなかったのですが、この駅は、宮殿の反対側くらいの場所に着くため、ヴェルサイユ宮殿の敷地に入ってからかなり歩くことになりました。
入口で荷物のチェックをしている警察官にオリンピックの会場の場所を聞くと、丁寧に、かなり流暢な英語で教えてくれたので、「ありがとうございます!」とお礼を言ってから、また英語で対応してくれたので、「最近、たくさんのフランス人が英語で話してくれるので、すごくビックリしています!」と半分、嫌みと半分、本音を込めて(英語で)言ってみたら、すごく満足気に「ありがとう!でも、パリでは、そうはいかないわよ!パリジャンは、絶対、英語でなんか話してくれないから!」と言うので、「え~~?」と驚いてしまいました。
彼女は私がどこから来たのかも知らずにヴェルサイユを訪れているアジア人だと思って教えてくれたのだと思うので、まさか、「最近・・特にオリンピック期間中のパリはけっこういつもと違っているよ!」というわけにもいかず、別の意味で驚いていると思ったようで、そのまま、「ほんと、パリジャンって感じ悪いから・・」と言い続けるので、苦笑してしまいました。
ヴェルサイユといったら、そんなにパリからも遠くないし、私としてはそんなに区別して考えない・・フランス人として一括りしてしまいがちなのですが、どうも彼らは同じだと思っていない模様です。
たしかにパリジャンは、感じ悪いなぁ~と思うこともないではないのですが、私ももう慣れてしまって、もうあまり、そんなに感じなくなっているのですが、考えてみれば、パリに来たばかりの頃は、とにかく、いろんなことに、いちいち腹立たしい思いをしていました。
もうパリでの生活も長くなって、それなりに少しでも嫌な思いをしない応対の仕方や、嫌なオーラの人はできるだけ避けるとか、かわし方をいつの間にか習得したのかもしれないし、何より、まずあまり期待していないので、嫌な感じの人にあっても、「ああ~こういう人、久しぶりだな・・」くらいに思うだけで、本気で腹をたてないようになっています。
しかし、どうにもパリジャンというものは、フランス人から嫌われているようで、こうして、ヴェルサイユの警察官までもが、パリジャンは感じ悪い!などと言うだけあって、以前、仕事関係で全国(フランス各地)から、人が集まっている研修会みたいなものがあって、みんなで雑談していたら、「パリジャンって本当に感じ悪い!」、とか、「パリなんて人間の住むところじゃない!」とか、もうパリの悪口大会みたいになったのには、本当に驚きました。
私はフランスではパリにしか住んだことがないので(来たばかりの頃、1年くらい郊外にいたこともあったけど・・)、あまり他の地域に知り合いもなく、地方の人と話す機会がなかったので、こんなにパリがフランス人から嫌われているのか?とビックリした覚えがあります。
相変わらず、私はあまりフランスの中を旅行しないし、他の地域のフランス人と話す機会があまりないので、あの研修の時の悪口大会以来、あまりそういう話も聞くことがなかったのですが、久しぶりに思わぬところ、しかもヴェルサイユ宮殿でそんな話を聞いたのには、相変わらずなんだな・・と思って、苦笑してしまいました。
なぜ、これほどまでにパリジャンが嫌われているのか? 本当に感じ悪いのかもしれないし、ちょっと嫉妬みたいなものもあるのかな?と思わないでもありません。だって、感じ悪い・・ということに、あんなにムキになって話す必要もないんじゃないかな・・と。
とりあえず、一番、簡単だけど、けっこう大切だと思うのは、まずお店にしても、どこに行ったにせよ、なにか質問がある時などでも、まず「Bonjour(ボンジュール)」とにっこりと挨拶すること、ボンジュールもにっこりもどちらも大切です。
そして、ちゃんと意思表示をすること・・お礼はちゃんと言うこと。もう幼稚園の子に言うようなことですが、これだけでもけっこう違います。
しかし、また笑っちゃうのが、どんなに他の人から感じ悪いとか、悪口を言われたとしても、パリジャンは全然、意に介さないということです。
パリジャンの悪口
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「パリは想像以上にガラガラ・・パリジャンはパリにいない・・観光客もあんまりいない・・」
「パリジャンの84%は自分たちの街が汚れていると思っている でも自分たちが汚しているとは思っていない」