思わぬことで、もう一度、見られたトロペアの海の夕日 |
今回のイタリア・トロペア(Tropea)の旅は、そんなに長い期間をとることができず、2泊3日の予定でした。
しかし、パリからの直行便がとれなかったために、けっこう思っていたよりも移動に時間をとられ、まるまる3日を存分に使うことはできませんでした。それでも、私たち母娘は、可能な限り、時間を有効に使って、滞在期間をフルに、ほぼ行きたいところには、全て行き、毎日、お腹を空かせるために?何キロも歩きながら、海を満喫し、海でもホテルのプールでも泳ぎ、ズッコケ旅行を楽しんできました。
特に、食べたいものをしっかり食べるために、一食も無駄にしないように、余計な間食はほとんどせずに、最終日も午前中、チェックアウトしてから、ホテルに荷物を預かってもらって、昨日は行けなかった方向の船着場の方の海に出かけました。
そして、最後にホテルの人に教えてもらったレストランで昼食を取り、「これがトロペアでの最後の食事だね・・」と言いながら、満足した昼食を済ませ、電車の駅に向かいました。
イタリアのトロペアは、ちょっと神がかった美しさのビーチ、海と美味しい食べ物がたくさんある絶好のバカンスポイントではあるのですが、難点はアクセスがあまり良くないことで、空港最寄りの駅に行く電車が一日にそんなにたくさんあるわけではありません。
なので、飛行機の離発着の時間に合わせるのが難しく、帰国日は中継地点で時間を潰す羽目になりました。
帰りのトランジットは、ローマの予定で、そんなに時間があるわけではなく、ヘタをすると夕食を食べ損ねてしまうかも?と最後の最後まで食事の心配をして、空港で見つけたパニーニやらなんやらを買い込んで飛行機に乗り込もうとしていて、その代金を支払おうとしていた時に、私は自分のバッグに手を突っ込んで、その時、自分のパスポートがないことに気がつきました。
あらためて、考えてみると、私はパスポートを自分のバッグにしまった記憶が曖昧で、真っ青になって、自分のバッグやキャリーバッグ全てをひっくり返してパスポートを探したのですが、パスポートはありません。
私はトロペアにいる間は、パスポートはもちろんのこと、自分のバッグもお財布も持ち歩かずに、ホテルの金庫にしまって、カード一枚と現金少々を入れ替えて持って歩いていました。
しかし、今朝、部屋を出た時にパスポートをバッグに入れた記憶がはっきりしない(というよりも入れた記憶がなかった)ので、ホテルに連絡をして、確認をしてもらうと、現在、もうすでに次のお客さんが部屋に入っているから確認できないので、確認できたら、連絡しますとのこと。その後、ホテルからは、「パスポートはありませんでした」と連絡があって、いやいや確かに金庫に入れたはず、「ちゃんと見てくれてないな・・」と思い、「Are you sure?」と送り直したら、もう一度、部屋に見に行ってくれたらしく、まもなく、「ありました!」と連絡が入りました。
どちらにしても、空港から駅、駅からトロペアまでの電車は頻繁にはなく、さっと空港から取りに戻るというわけにも行かず、かといって、パスポートなしでは飛行機には乗れません。
まず、飛行機のフライトの変更を頼んで、翌日の予約を取り直し、その時刻に合わせると翌朝のフライトに間に合うトロペアからの電車はないために、空港最寄りのホテルを予約し、一度、トロペアのホテルに戻ってパスポートを受け取ってから、夕食をとり、その日の最終の電車(インターシティーという夜行列車)の2区間だけ乗って、空港最寄りの駅にたどりついたのでした。
空港でパスポートがないことに気づいてから、一応、ホテルにはあるということがわかるまでは、もう絶望的な気持ちで、「イタリアでパスポートを失くした場合は、日本大使館ってイタリアはどこにあるんだろうか?大使館のある場所までパスポートなしで移動できるんだろうか?」などと、もう途方に暮れて、やたらと喉が渇いて、さすがの私も食欲ゼロに・・。
この騒動に付き合わさせられている娘ももういい加減、ウンザリし始めて、突然、半分不貞腐れて、「お腹が空いた・・」と先ほど空港で買ったパニーニを食べ始めていました。
しかし、パスポートが見つかったとなれば、とにもかくにも、まずパスポートを取りにいかなければならないことだけは、確実で、ホテルの人は普段はヨーロッパからの観光客がほとんどであるのか、(EU圏内の国民はEU圏内の移動にパスポートは必要なしでIDカードでOK)さほど、パスポートの忘れ物を深刻に受け取っている感じがなく、「郵送でお送りしますよ!」などと言ってくれたものの、日本人の私はそういうわけにはいきません。
すったもんだの挙句にパスポートを手にして、空港近くの駅に行く電車は4時間ほど待ちで、これで、「もう一度、あの海が見られる!トロペアで一食分、余計に食べられることになった・・」と娘はさっそくレストランを探し始め、「だけど、さっきは怒りに任せてパニーニを少し食べちゃったから、あまりお腹が空いていない・・」と、また、食べるためにビーチまでの高い階段を登ったり下りたり、しっかり美味しく、今度こそ、本当の最後の晩餐を思い切り楽しむために頑張り始めたのでした。
その辺の気持ちの切り替えは母娘ともども、我ながら、見事なものです。
お腹をすかせるために、ビーチに出る階段を歩く娘 |
そして、私たちは、結果的には、この旅、最高のレストランに遭遇し、シーフードを思いっきり食べて、イタリア語しかわからない、そのおばちゃんとめっぽう仲良くなり、最後に、会計が終わったあとには、サービスでリモンチェッロを出してくれたりして、またまたご機嫌な気持ちで空港近くのホテルに向かったのでした。
このレストランについては、ぜひぜひ、ご紹介したいので、別のブログで書きます。
とにもかくにも、パスポートは大切に・・。
パスポート紛失
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