2023年6月2日金曜日

旅の締めくくりは、まさかの大トラブル!パスポートがない!

思わぬことで、もう一度、見られたトロペアの海の夕日


 今回のイタリア・トロペア(Tropea)の旅は、そんなに長い期間をとることができず、2泊3日の予定でした。

 しかし、パリからの直行便がとれなかったために、けっこう思っていたよりも移動に時間をとられ、まるまる3日を存分に使うことはできませんでした。それでも、私たち母娘は、可能な限り、時間を有効に使って、滞在期間をフルに、ほぼ行きたいところには、全て行き、毎日、お腹を空かせるために?何キロも歩きながら、海を満喫し、海でもホテルのプールでも泳ぎ、ズッコケ旅行を楽しんできました。

 特に、食べたいものをしっかり食べるために、一食も無駄にしないように、余計な間食はほとんどせずに、最終日も午前中、チェックアウトしてから、ホテルに荷物を預かってもらって、昨日は行けなかった方向の船着場の方の海に出かけました。

 そして、最後にホテルの人に教えてもらったレストランで昼食を取り、「これがトロペアでの最後の食事だね・・」と言いながら、満足した昼食を済ませ、電車の駅に向かいました。

 イタリアのトロペアは、ちょっと神がかった美しさのビーチ、海と美味しい食べ物がたくさんある絶好のバカンスポイントではあるのですが、難点はアクセスがあまり良くないことで、空港最寄りの駅に行く電車が一日にそんなにたくさんあるわけではありません。

 なので、飛行機の離発着の時間に合わせるのが難しく、帰国日は中継地点で時間を潰す羽目になりました。

 帰りのトランジットは、ローマの予定で、そんなに時間があるわけではなく、ヘタをすると夕食を食べ損ねてしまうかも?と最後の最後まで食事の心配をして、空港で見つけたパニーニやらなんやらを買い込んで飛行機に乗り込もうとしていて、その代金を支払おうとしていた時に、私は自分のバッグに手を突っ込んで、その時、自分のパスポートがないことに気がつきました。

 あらためて、考えてみると、私はパスポートを自分のバッグにしまった記憶が曖昧で、真っ青になって、自分のバッグやキャリーバッグ全てをひっくり返してパスポートを探したのですが、パスポートはありません。

 私はトロペアにいる間は、パスポートはもちろんのこと、自分のバッグもお財布も持ち歩かずに、ホテルの金庫にしまって、カード一枚と現金少々を入れ替えて持って歩いていました。

 しかし、今朝、部屋を出た時にパスポートをバッグに入れた記憶がはっきりしない(というよりも入れた記憶がなかった)ので、ホテルに連絡をして、確認をしてもらうと、現在、もうすでに次のお客さんが部屋に入っているから確認できないので、確認できたら、連絡しますとのこと。その後、ホテルからは、「パスポートはありませんでした」と連絡があって、いやいや確かに金庫に入れたはず、「ちゃんと見てくれてないな・・」と思い、「Are you sure?」と送り直したら、もう一度、部屋に見に行ってくれたらしく、まもなく、「ありました!」と連絡が入りました。

 どちらにしても、空港から駅、駅からトロペアまでの電車は頻繁にはなく、さっと空港から取りに戻るというわけにも行かず、かといって、パスポートなしでは飛行機には乗れません。

 まず、飛行機のフライトの変更を頼んで、翌日の予約を取り直し、その時刻に合わせると翌朝のフライトに間に合うトロペアからの電車はないために、空港最寄りのホテルを予約し、一度、トロペアのホテルに戻ってパスポートを受け取ってから、夕食をとり、その日の最終の電車(インターシティーという夜行列車)の2区間だけ乗って、空港最寄りの駅にたどりついたのでした。

 空港でパスポートがないことに気づいてから、一応、ホテルにはあるということがわかるまでは、もう絶望的な気持ちで、「イタリアでパスポートを失くした場合は、日本大使館ってイタリアはどこにあるんだろうか?大使館のある場所までパスポートなしで移動できるんだろうか?」などと、もう途方に暮れて、やたらと喉が渇いて、さすがの私も食欲ゼロに・・。

 この騒動に付き合わさせられている娘ももういい加減、ウンザリし始めて、突然、半分不貞腐れて、「お腹が空いた・・」と先ほど空港で買ったパニーニを食べ始めていました。

 しかし、パスポートが見つかったとなれば、とにもかくにも、まずパスポートを取りにいかなければならないことだけは、確実で、ホテルの人は普段はヨーロッパからの観光客がほとんどであるのか、(EU圏内の国民はEU圏内の移動にパスポートは必要なしでIDカードでOK)さほど、パスポートの忘れ物を深刻に受け取っている感じがなく、「郵送でお送りしますよ!」などと言ってくれたものの、日本人の私はそういうわけにはいきません。

 すったもんだの挙句にパスポートを手にして、空港近くの駅に行く電車は4時間ほど待ちで、これで、「もう一度、あの海が見られる!トロペアで一食分、余計に食べられることになった・・」と娘はさっそくレストランを探し始め、「だけど、さっきは怒りに任せてパニーニを少し食べちゃったから、あまりお腹が空いていない・・」と、また、食べるためにビーチまでの高い階段を登ったり下りたり、しっかり美味しく、今度こそ、本当の最後の晩餐を思い切り楽しむために頑張り始めたのでした。

 その辺の気持ちの切り替えは母娘ともども、我ながら、見事なものです。


お腹をすかせるために、ビーチに出る階段を歩く娘


 そして、私たちは、結果的には、この旅、最高のレストランに遭遇し、シーフードを思いっきり食べて、イタリア語しかわからない、そのおばちゃんとめっぽう仲良くなり、最後に、会計が終わったあとには、サービスでリモンチェッロを出してくれたりして、またまたご機嫌な気持ちで空港近くのホテルに向かったのでした。

 このレストランについては、ぜひぜひ、ご紹介したいので、別のブログで書きます。

 とにもかくにも、パスポートは大切に・・。


パスポート紛失


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2023年6月1日木曜日

トロペアの圧巻の美しさの海と感動ものの赤玉ねぎ

 


 イタリアだけは、いつでも、どこでも、100%に限りなく近い確率で食事の失敗がなく、何を食べても美味しい・・と思っていたのに、今回、1回だけちょっと失敗しました。

 初日、イタリアに到着してラメーツィア・テルメ空港から電車の駅に移動した後、電車に乗る前にお昼を食べていないから、なんかちょっと食べておこう!と思って、駅の近辺を探したけれど、結構な、ど田舎で、駅の前に数軒の軽食のお店があるだけで、電車の時間もあったために、あまり遠くに行くわけにもいかずに、適当なお店に入ってしまったのが間違いでした。

 娘は生ハムとチーズのサンドイッチ、私は切り売りされたピザを頼んだのですが、これが、見事にハズレで、まずくて食べられないというわけでもなく、これらのものに加えてミネラルウォーターで8ユーロほどだったので、文句は言えませんが、決して満足のいくものではありませんでした。

 その失敗?があったこともあり、その日の夜は勢いあまって食べまくり、食べ過ぎで、しかも、興奮しているものだから、食べている時には、満腹になっていることには気付かずに、食事が終わってお店を出て、少し歩き出すと、ようやく自分が苦しいほどに満腹であることにようやく気付くというどうしようもない状態した。

 その後、部屋に戻ってお風呂に入り、朝、起きてすぐに、少しでも前日の消化を促すために部屋についているジャグジーに入り、待ち構えている、これまた結構、楽しみにしていたホテルの朝食に向かったのでした。

 朝食のビュッフェは、様々なフルーツ、シリアル、色々な種類のパンやパンケーキ、ケーキ、たくさんの種類のハムやチーズ、オムレツ、グリル野菜、色々な種類のヨーグルトなどなど、よりどりみどりです。

 しかし、想像していたよりは、一見、地味だったこともあって、昨夜の食べ過ぎでお腹があまりすいていないにも関わらず、一瞬、ちょっとガッカリしたくらいだったのですが、とりあえず、目ぼしいものを選ぶと結構、お皿はいっぱいになり、しかも、想像以上に美味しかったために、結構、また、食べてしまいました。朝、特に感激したのは、ズッキーニのオムレツです。全然期待していなかった分だけ、地味にしっかり美味しいことに感動しました。

 その日は、一日中、ただ真っ青というだけでなく、色々な種類のブルーが場所によって色を違えて光っている海沿いのビーチを端から端まで、ビーチを歩いて突っ切れない部分は、山を登ったり下ったり、途中、あんまり人のいないビーチの砂浜に寝転んで海と空を眺めたり、泳いだりしながら、最後は海の上に浮かぶ岩場を伝って、神秘的なグロットまで見て来ました。

 砂浜と山道を交互に歩いて、途中でもう足はガクガクだったのですが、娘に「ここまで行けばこんな景色が見られるよ!」とネットで出て来た写真を見せられたりして、「せっかくここまで来たのだから、こんな景色を間近に見たい!」という思いと、「少しでもお腹をすかせて、美味しいものを心おきなく食べたい!(どんな時にも、結局、心おきなく食べてはいるくせに・・)という両方の気持ちから、一日中、相当な距離を歩いたり、泳いだりしました。

 中でも今回、大注目だったのは、トロベアの名産の一つである赤玉ねぎで、どこのお店、お土産屋さんのようなお店にまで赤玉ねぎが置いてあるので、「ふ〜ん!赤(紫)玉ねぎの産地なんだ・・」くらいにしか思っておらず、「まあ、所詮、玉ねぎだからね〜〜」とこの玉ねぎを甘く見ていました。

 しかし、実際に料理に使われている玉ねぎ、例えばサラダやこの玉ねぎが乗ったピザまであり、何気に食べてみると、これがことの他美味しいことといったら、これまた、全然、期待していなかっただけに、ちょっと感動もので、いわゆる普通の玉ねぎの嫌な匂いや辛味が全くなく、うっすら甘くて、食感もよく、サクサクで爽やかな風味があって、美味しいことにまた、感激。




 当初は、わざわざ玉ねぎごときをパリまで運ぶことないし・・などと思っていたのですが、数回、食べてみた結果、帰りにはこのトロペアの赤玉ねぎを買って帰ることにしました。

 もしも、どこかでイタリア・トロペア産の玉ねぎを見かけたら、「玉ねぎごときが・・」などと思わずにぜひ、食べてみてください。

 あまりにも美しい海にも感動しっぱなしでしたが、この赤玉ねぎにもなかなか感動しました。


トロペア 玉ねぎ


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2023年5月31日水曜日

娘とのイタリア珍道中 最初からトラブル続きでも、美味しいものお腹いっぱいで超ご機嫌の二人

  


 今回、娘がパリに遊びに来ることになったと聞いて、それなら、こっちに来ている間に久しぶりに2人で旅行しよう!ということになって、「・・なら、やっぱりイタリアだよね!」とものの数分の会話でイタリア行きを決めました。

 娘とは、これまでに母娘2人で、日本はもちろんのこと、ヨーロッパ内もずいぶんと旅行してきたのですが、食べることが何より大好きな母娘は、中でもイタリアが大好きで、これまで、ローマ、ナポリ、フィレンツェ、カプリ、イスキア島、サルディニア、シシリーなど、けっこう行って来て、イタリアだけは、いつでも、どこでも、100%に限りなく近い確率で食事の失敗がなく、何を食べても美味しいので、イタリアが大好きなのです。

 特に直近では、カプリ島やイスキア島など、海のある場所に魅せられていて、今回もできるだけ海がきれいなところで、これまで行ったことのない、あまり、あからさまに観光地っぽくないところにしよう!と検討の結果、現在、トロペア(Tropea)(イタリアをブーツに例えると足の甲の部分あたりにあります)に来ています。

 トロペアの海は砂浜で、何よりも、海の色が比類なく美しいのです。

 パリ・シャルル・ド・ゴール空港からミラノ経由でラメーツィア・テルメへ、空港からのシャトルバスで電車の駅に行き、そこから電車で1時間ほどと、結構、経路は面倒で、当日はパリを朝9時頃の飛行機だったので、早朝に家を出発して、2人共、やや寝不足でのスタートでした。

 娘は日本から来て時差ボケのうえに、毎日のように出かけ歩いていて、パリに来てから、ほぼ毎日4〜5時間だけの睡眠時間の日が続いていたこともあって、彼女はずっこけっぱなしで、ミラノについて、経由便で乗り換えの際に、①乗り継ぎ便のチケット紛失、②乗り継ぎの際の荷物チェックで荷物を取り忘れてくる・・そして、③乗り換え便にのってしばらくしたら、携帯がないといって慌てる・・とお騒がせの連続でした。

 そもそも、彼女は優等生のわりには、実は、ずっこけていて、やたらと忘れ物、落とし物や転んだり怪我したりすることが、多く、今回は、初日からそのオンパレードでした。

 しかし、紛失したチケットはなぜか空港の人が拾っていてくれたし、荷物も取りに戻るとしっかり受け取ることができたし、無くしたと思った携帯も飛行機の座席のポケットに入れたのを忘れていただけでした。

 この日、トロペアは、天気予報では雨だったのですが、幸いなことに、なぜかピーカンのお天気になり、寒いことばかりを心配して荷物の準備をしていただけに、汗だくに・・。

 そして、さらには、電車を間違えて引き返す羽目になるというトラブルに次ぐトラブルでしたが、ホテルに着いて、ちょっと休むとホテルのプールでひと泳ぎして、ビーチベッドでしばらくごろごろしながら日光浴をして、部屋に戻ってジャグジーにつかり、二人でビーチまでぷらぷら歩いていくと、その頃には、夕日が沈みかける絶好のタイミングで、しばし、二人で「こんなきれいな海にオレンジ色の夕日が沈む景色って!いくら見ていても飽きないね!」としばらく、その絶景に見惚れていたのですが、ふと気がついて、横を振り向くと、もうその時には、娘はGoogleで夕食のレストランの検索作業に入っていて、「ほんとうにどれにしたらいいか困っちゃう!と本当に困っていました。

 おかげさまで、夕食のレストランはドストライクにハマり、メニューをあれにしようこれにしよう、これも食べよう!と色々頼んでみて、「やはり、ここに来たのは正解だった・・」といいながら、もうアンティパストだけでお腹いっぱい!などと言いつつ、結局、パスタが運ばれて来たら来たで、デザートは別腹ならぬ「パスタは別腹・・」などと言いながら、お腹いっぱい食べきって、ご機嫌なのでありました。

 そして、夜、遅くに(イタリアは夜の食事が遅い)こんなに食べちゃって、明日の朝ごはんに差し支えるから・・と言いながら、部屋に帰って、またお風呂に入り、そこでエネルギーを使い果たした娘は静かになったと思ったら、お風呂で寝てしまって溺れそうになるのでした。

 なんともずっこけな母娘の旅は、明日も続きます。


イタリア トロペア


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2023年5月30日火曜日

リモートワークに見る日本人とフランス人の時間の感覚


 私は、そんなに頻繁にリモート会議のようなものを使うことはないのですが、先日、たまたま、普段、あまり関わらない人々とのリモート会議の機会があって、時間は13時半からと通知が来ていました。

 この会議は、もう5回目くらいだったので、初回の時には、10分くらい前から、ごそごそパソコンをセットし始めて、「あ~遅れちゃう!」と少々焦りながらも、2~3分前には、待機していたのです。会議に参加しているのは、フランス人ばかりなので、時間どおりに始まるとは思っていなかったものの、けっこう待つハメになったので、次回からは、時間になったら、セットするくらいにしていました。

 そして、最終回の会議は、さんざん日時を変更された挙句だったこともあり、もういい加減に、待たされるのも嫌だったので、少々、時間には遅れ気味の時間に会議に参加すると、結局、それでもまた、待たされることになり、結局、その日の会議が始まったのは、予定されていた時刻の20分後くらいでした。

 そして、2時間ほどの会議が終わって、疲れ切って、今、パリに来ている娘に、「もう・・始まるのも遅れるから、終わるのも遅くなる・・全くフランス人は・・」とぼやいたら、普段、日本で、毎日のようにリモート会議をしてきた娘が、「日本人は、すごいよ~!」と。

 「何が?」と聞くと、「リモートワークがあったら、1分前には、ほとんど全員が待機していて、時間になると、「あら、まだ○○さんがいませんね・・少し待ちますか?」と言って、その1分後くらいに遅れてきた人が登場し、「遅くなってすみません!」と謝るんだよ!」と。彼女は内心、「全然、遅れてないじゃん!1分だよ!1分!」と思うんだとか・・。

 フランス人が時間にルーズなのは承知していますが、リモートだと、待ち合わせをしたりするのとは、また別の感覚だし、ましてや、そういった日本人の会議のようなものから、ご無沙汰している私にとっては、客観的に時間厳守の日本人社会の様子を聞くと、あらためて、「ほ~!日本人ってスゴイ!」などとビックリしてしまう自分にも、ちょっとびっくりしているのです。

 決められている時間どおりということに、そんなにビックリすること自体がおかしいのですが、少々の時間のルーズさにイライラしていてはフランスでは生活できません。

 私自身は、遅刻ということが大嫌いなので、自分自身が遅刻することはありませんが、フランス人相手の時間の約束の場合は、遅れる相手に対して寛容になる習慣がついています。

 まあ、これもさんざん、腹を立ててきた挙句の自己防衛本能のようなものです。

 会議ではなくとも、例えば、家で何かの工事などを頼んだりした場合は、なおさらのことで、まず時間どおりに来ることはなく、遅れるのはあたりまえ、なんなら、約束どおり(時間は関係なく)・・その日のうちに来てくれれば「まあ、いいか・・」となります。

 ということは、すっぽかされることもあるということです。逆に時間どおりに来られたりすると「えっ?時間どおり??」とビックリするくらいです。

 そんなことを思い出させてくれた娘は、パリに戻ればパリ仕様になり、友人と待ち合わせしたりしても、彼女は、必ず遅れるから、「約束の10分後くらいの時間に行けばいい・・」などと、上手く使いわけています。

 日本語とフランス語を流暢に使いこなすようになった娘は、生活も日本とフランスを器用に使いわけているらしいです。


フランス人の時間の感覚


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2023年5月29日月曜日

リヨンの公立病院から5,000人の患者にHIV、B型肝炎、C型肝炎検査要請の手紙

  


 5月初旬、リヨンの公立病院(Hospices Civils de Lyon)から、約5,000人の人がHIV、B型肝炎、C型肝炎の検査を受けるように通知を受け取っています。もしも私が、突然、こんな通知を病院から受け取ったら、震え上がるような気がします。

 これは、そもそも、昨年の12月に同病院の歯科医療センターでのリヨン第一大学歯学部の学生らの過失が発覚したことによるもので、2023年からされ実施された内部調査の結果、器具の洗浄と滅菌のプロセスに重大な過失が発見されたということで、同病院が警報を発令したことから始まりました。

 該当すると考えられる2022年5月から12月にこの病院で受診した患者宛てに、「2022年5月から12月にかけて歯科センターで患者の治療中に使用された「特定の材料」が「滅菌サイクルのプロセスで欠陥を被った可能性があるため、HIV、B型肝炎、C型肝炎の検査を受けてください。これらの検査は無料となります」という旨の手紙が送られたということです。

 病院側は、取材先の地元新聞社に対しては、「あくまでも予防原則を適用したもので、感染のリスクは低い」と回答していますが、そもそも、その過失が発生してから、どれだけ時間が経ってしまっているのか?という話。

 感染の可能性は低いとしながらも、感染の可能性のある人の枠が半年から1年前に受診した者で、それだけの時間が経過してしまった後の通知となっているのは、どうにもモヤモヤさせられるところであるし、そのうえ、病院側の過失にもかかわらず、検査は無料と恩着せがましい気もしないでもありません。

 歯の治療を受けて、半年ないしは、1年後に「HIV、B型肝炎、C型肝炎の検査を受けろなどという手紙を受け取ったら、わけもわからず、動揺するのは必須のことです。

 当面のところ、この地域、オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地域保健局はこの事件を取り上げる予定はなく、制裁も予定されていないと回答しています。

 この通知が遅れたことは、甚だ納得がいかない感じではありますが、それでも隠蔽されなかっただけ、まだマシなのかもしれません。

 また、同じくリヨンの別の病院では、看護師の告発により、病院内の救急外科治療室で大量のトコジラミが発生したことが発見されたにもかかわらず、その間に病室を閉鎖しなければならなくなることを避けるために、経営陣は消毒会社を介入させずに、診療を続けていたことが発覚しています。

 こちらは、たかがシラミの発生・・と思わないこともありませんが、場所は病院・・看護師が告発しなければ、放置されたと思うと、ゾッとするところです。告発した看護師は、介護者や患者に対しても、補償がなされていないと激昂していますが、病院の経営陣は、患者がシラミを家に持ち帰るリスクはほとんどないと回答しています。

 どうにも、とかく病院に関しては、耳に入ってくるのは、おぞましい話ばかり、問題だから取り上げられるとはいえ、やっぱり、なるべく病院のお世話にはなりたくないと思ってしまうのです。


リヨン公立病院 HIV、B型肝炎、C型肝炎検査


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2023年5月28日日曜日

マクロン大統領の支持率 ほんのちょっとだけ回復

  


 年金改革を憲法49条3項の発令により、強行突破して、2019年の黄色いベスト運動以来、26%までに低下していたマクロン大統領の支持率がここへきて+6%の32%まで回復したことが話題になっています。

 とにかく、今回の年金改革問題でのマクロン大統領に対しての国民の怒りは激しく、最低支持率を記録した当時は、フランス国民の 72% が共和国大統領に不満を持っていると答えたが、そのうちの47% が単に不満という程度ではなく、「非常~に不満!」と答えるほどで、このままどうなることかと思っていました。

 マクロン大統領への不満は、街中の落書きだけにはとどまらず、嫌悪感丸出しの肖像画が出没したり、マクロン大統領にまつわるレストランが燃やされかけたり、甥っ子が襲われたりとなかなか深刻なものにまで発展し始めていました。

 しかし、マクロン大統領本人は、国民に嫌われることを厭わずに、国民に嫌われることを憂うよりも、これがフランスにとっては必要なことであるという姿勢を全く崩すことなく、大統領の職務に邁進しつつ、100日後を見ていてほしいと、年金改革法案成立とともに、フランスが乗り越えていかなければならない道と方策を示していくと約束していました。

 正直、彼はフランス国内にとどまることを避けているのではないか?と思ってしまうほど、海外訪問する機会が重なり、フランスにいるより、海外で外交の仕事をしている方が居心地が良いのではないか?と思ってしまうほど、中国を訪問したり、G7に出席したり、その後にモンゴルを訪問したりする日が続いていました。

 一方では、彼はフランスに戻っている間も、勢力的に公務をこなし、インタビューに答える中で、中間層に向けての減税を発表したりしていました。これは人気回復のための手段だと言われつつも、しかし、この減税にも何やらカラクリがあるようで、止まらないインフレで上昇し続ける価格を無理に抑えるのではなく、中間層(実質、中間層というよりもそれ以下の感じ)の人々の生活が少しでも楽になるために、これらの人々に対して減税する手段をとるということに、「恩着せがましく減税などといっておいて、結局は、減税した分など、上昇し続ける価格に対しての消費税等で結局はまき上げられることになるではないか?おまえの言うことなんか、もう信じない!」などと一部から反発の声も上がっていました。

 しかし、結果的には、このままどこまで下がり続けるのかと思われた支持率は、下降がストップし、ほんの僅かとはいえ、上昇に転じたということは、彼が行おうとしていることが、一定の割合の人には響いたのではないかと思われます。

 今後、夏までに(100日後の約束)提出される予定の法案の中心となる移民問題については、フランス人の69%が移民問題については、懸念していると答えてはいるものの、彼らの中での憂慮している問題の6位(24%)にとどまっており、購買力(56%)、健康(38%)、安全(32%)には大きく及んでいません。(複数回答可能の質問)

 しかし、フランス人の67%が移民が多すぎると考えているものの、大多数(60%)は「移民は差別の被害者である」と認識していることも興味深い結果でもあります。

 今後、発表されていく移民問題については、国民の一番の関心事ではないことから、少し、国民の関心が逸らされるような気もしますが、他人事ではないので、これは気になるところです。


 それにしてもマクロン大統領の自己アピールは、なかなか強烈なものがあり、現在は、むしろ、海外での活躍をドキュメンタリーのようにまとめて発信したりするのを見るにつけ、(もちろん、本人が自分で作っているものではないにせよ)、G7の際のフィルムなどを見たりすれば、他国の首脳に比べると圧倒的にスキンシップが多く、肩を抱いたり、抱きあったり、手を握ったりして、相手との距離を縮めて、海外の首脳と向き合っている姿は、もちろん、このフィルムは彼を引き立たせるために作られているとはいえ、さすが!と思わされてしまう感じで、最後はG7の会場となったホテルのスタッフに1人1人握手をしながらお礼を言い、最後は記念撮影を撮るところで閉められていて、マクロン大統領の人気取りもここまでやるのか!と脱帽もので、そのフィルムに彼は、「外交」のひとことをつけてSNSで発信しています。

 このフィルムをどれだけの人が目にふれて、どれだけの人が彼を評価するのかわかりませんが、もしかしたら、このフィルムに誰よりも力づけられているのは彼自身なのかもしれない・・などと思ったりもするのです。

 しかし、若干の回復を見せているとはいえ、未だ67%の国民には否定的に見られているマクロン大統領、とはいえ、いくら支持率が低いとて、大統領は大統領、そのうえ、だからといって、国民から絶大に支持されている他の候補がいないということも、逆風を受けてなお、彼を強くしているのかもしれません。


マクロン大統領支持率


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2023年5月27日土曜日

パリの老舗アイスクリーム屋さんといえば、ここ!サンルイ島 ベルティヨン Berthillon

 


 今年のパリはなかなか気温が上がっていかずに、いつまでも肌寒い日が続いていましたが、ようやく太陽が輝き始め、青空が広がり、初夏の訪れを感じさせる季節になってきました。

 お天気がよいと、パリを歩くのは本当に楽しくて、アイスクリームの出店が街の中にも増えてきました。

 フランス人は、いやいや観光客もアイスクリームが大好きで、暑くなってくるとアイスクリーム屋さんには、行列ができていることが多いです。

 アイスクリームといえば、今や、かなり、ジェラートのお店が多くなってきた気がするのですが、そんな中で、パリの老舗中の老舗のアイスクリーム屋さんがサンルイ島にあります。こちらはほんもののフランスのアイスクリームです。

 食べ物にも流行のようなものがありますが、やはり古くからある、いわゆる老舗と呼ばれるお店には、長い歴史の中を生き残ってきた伝統と、それなりのクォリティは揺るぎないもので、やはり見過ごせないものがあるのです。

 サンルイ島にあるパリ最古のアイスクリーム屋さんの一つといわれる「ベルティヨン(Berthillon)」は、1954年創業で、こんなに有名になった現在も家族経営を貫いているお店です。

 貫いているのはアイスクリームの原材料や製法へのこだわりでもあり、季節の果物などのナチュラルな素材のみを使っており、保存料や人工的な香料や甘味料を一切使っていません。

 90種類近くあるフレーバーの中から季節によってフレーバーが変わりますが、常時30種類程度のフレーバーが待ち構えていてくれます。




 アイスクリームは、牛乳、クリーム、卵、砂糖、果物がベース、シャーベットは、フルーツ(30%~70%)、シロップと実にシンプルで贅沢な材料を使用しています。

 店内には、アイスクリーム以外の商品、ジャムやケーキ類、ヌガーなどのお菓子も扱っていますが、お客様の99%はアイスクリーム目当てで、外に長い行列ができていても、お店の奥は意外と空いている・・なんてこともあります。



 ほぼ、持ち帰りのお客様が多い中、店内で腰を落ち着けて注文して、テーブル席で食べることもできます。

 店内には、かなり大きなサイズの見事なお花が飾ってあり、それと同じお花がテイクアウトのコーナーのカウンターの奥にもあるのが、パリの老舗らしい威厳のようなものを感じさせてくれます。



 お値段は、カップに入れてもらっても、コーンに入れてもらっても同額で、1フレーバー3.50ユーロ、2フレーバー6.5ユーロ、3つで8.5ユーロ、4つだと10.5ユーロです。




 その他にフレーバーによって+50セント(このお店の名物と言われているワイルドストロベリーとマロングラッセ)なんていうのもあり、また、ホイップクリームのトッピングは60セントなど、若干のバリエーションがあります。

 サンルイ島の本店は何とも古めかしい店構えがまた老舗らしい味わいなのですが、実際には、サンルイ島には、「ベルティヨンのアイスクリーム扱ってます!」と看板を掲げているお店がけっこうあり、他のお店でも買うことができます。

 また、サンルイ島以外にもイル・ド・フランス内には約100店舗の小売店のネットワーク(おそらくアイスクリームスタンドや、「ベルティヨンのアイスクリームあります」などの他の店舗の間借りのようなものも含めている)があるそうで、そもそも、私もサンジェルマンデプレ界隈でここのアイスクリームスタンドをみかけたことで、この存在を思い出しました。

 

ベルティヨン本店の近くにある「ベルティヨンのアイスクリームあります」のお店
もともとはお土産屋さん?もう元のお店がよくわからない・・


 娘もいつだったか、学校の遠足?でノートルダム寺院に行った帰りに、ここのアイスクリームを食べたことがあるとかで、全く、なんとも羨ましい遠足です。

 私は今回、マロングラッセのアイスクリームを食べてみましたが、想像どおりのマロングラッセ味・・といったら、身も蓋もありませんが、シンプルな、しかし、かなりしっかりしたマロングラッセの味、マロングラッセのかけらもけっこうたくさん入っていて、食べ応えも満足感もあり、しかし、だからといって甘すぎず、マロングラッセに使われている洋酒の香りがほんのり感じられる後味のよいアイスクリームでした。

 また、コーンも独特でほどよい厚みがあり、もちろんサクサクで、固すぎず、柔らかすぎず、大きさ、バランスともに完璧でした。

 まあ、難をいえば、暑くなってきたために溶けやすいことくらいで、しかし、溶けそうになるアイスクリームをペロペロしながら(お行儀悪い?)あわてて食べるのもまた楽しいものです。

 パリにいらっしゃる機会があれば、パリで一番、フランスで一番とフランス人が誇るアイスクリームを試してみませんか? 正真正銘フランスのアイスクリームです。


🌟Berthillon  31 rue Saint-Louis en l'ile 75004 Paris


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