日曜日に4歳と5歳の子供をファストフード店の前に置き去りにした58歳の男性が身柄を拘束されたという、ちょっと奇妙と言えば奇妙な事件が起こりました。
2人の子供が放置されていることに気付いたファストフード店の従業員が警察に通報したことから、この事件が公になりました。
子供たちは、自分の住所を言うことができなかったために、さらにこのことが大事になったような気もするのですが、本気で子供を置き去りにする、捨てようとしたにしては、あまりに発見されやすい場所でもあります。
その後、父親は子供を放置したファストフード店に戻ってきましたが、その時はすでに子供は警察に保護された後のことで、彼は警察に子供を迎えに出向きました。
子供を取り戻すために警察に出向いたのだから、ほどなくして子供とともに解放されると思いきや、この男性は、この無責任な行動について説明することができなかったため、「未成年者遺棄」の罪で身柄を拘束されることになりました。
子供たちは食事をしていない様子だったため、警察へ向かう途中でクロワッサンを買ってもらったそうですが、この子供たちがどれだけ事情をわかっていたのか?実際の家族関係はどのようであったのかはわかりませんが、子供の母親は妊娠中で、そんなことが起こっていたとはまるで知らなかったようです。
フランスでは、この年頃はもちろんのこと、小学生の間は、学校の送り迎えも必要で、子供だけで外に出るということは考えられないため、娘がこの年頃の頃に住所を言えるように教えたどうか、記憶にはありませんが、字を書く練習で自分の名前や住所は書けるようにしていたかもしれません。
しかし、この事件を聞いて、思い出したのは、昔、シャンゼリゼで農業祭があった時に、シャンゼリゼの全面が歩行者天国になり、お花畑ができていたり、動物たちがやってきた時のことでした。
シャンゼリゼでこんなことは、滅多にない!と、娘を連れて出かけたときに、それはけっこうな人出で、そんな中、娘とはぐれてしまい、もうシャンゼリゼを下りたり上ったり、何往復もして探し回ったことがあり、本当に焦ったことがありました。
シャンゼリゼって、上から下まで歩くとけっこうな距離です。
当時、私は携帯は持っていたものの(しかも、まだガラ携だったし・・)、娘は持っておらず、今回の事件と違って娘は10歳くらいだったと思いましたが、とはいえ、まだまだ子供。
彼女は携帯を持っていなかったので、携帯で連絡をとるということもできずに、私は血眼で娘を探し回っている間も携帯を見る・・どこかに電話するということも考えなかったため、私の携帯はバッグの底に沈んだままで、その存在さえ忘れていたくらいでした。
もう途方に暮れて、まさか、一人で家に帰っているかも?(彼女も自分のNavigo(定期券)を持っていたため)と思って、家に電話してみようか?と携帯を開けたところ、警察官からのメッセージが入っており、「はぐれてしまったと思われるお嬢さんと一緒にルイヴィトンの近くにいますからすぐに来てください」と。
どうやら、娘は、近くにいた警察官に頼んで、私に電話をしてもらったようで、幸い娘を見つけることができました。
娘と再会して、「どこにいたの??不安だったでしょ??」と叫ぶ私に、案外、娘は冷静で、「ママがメッセージに気が付かなかったら、そのうちおなかがすいて、何か食べさせてもらえるだろうから、何を食べさせてもらおうか?考えてた・・」と拍子抜けの答えが返ってきました。
しかし、今回の事件の話を聞いて、私の場合は、娘を置き去りにしたわけではありませんが、結果的に子供を放置状態にしてしまったことには違いなく、警察に拘束される・・なんてこともあり得ないではなかったかもしれない・・と、今さらながら、ヤバいことだったな・・と思い知らされたのです。
フランスは児童保護に関しては非常に厳しいので、(実際に、酷い親もいるからなのでしょうが・・)その保護団体などの保護や監視が的外れな場合もないこともないので、私の場合どちらかといえば、この保護団体の過剰な監視の方を警戒していたところもあります。
日本だと、パチンコに夢中になって、子供を車の中に置き去りにしてしまったなどという話は聞いたことがありますが、この父親、一体、何のために子供を置き去りにしていたのか?はたまた本当に捨てようとしていたのか?は、まだ明らかにされていません。
子供置き去り事件
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