2021年12月7日火曜日

フランス政府の発表した第5波対応策 ディスコ・ナイトクラブ4週間閉鎖

   


 新型コロナウィルス第5波が想像以上に大きな波となり、1日の新規感染者が5万人を超えたフランスで、週明けに開催された国防会議で決定された対応策を発表しました。

 感染者数の上昇とともに、現在のフランスは医療機関の圧迫も進み、入院患者数は、1週間で23%増加、集中治療室の患者数は28%増加しています。

 この現状のわりには、カステックス首相の発表は、現在以上の極度な制限はない、かなり多くの人に理解されやすいであろう程度の比較的マイルドなものでした。

 すでに、ヘルスパスにより、かなりの場面で制限がとられているフランスでは、なによりも、ワクチンの有効性が低下し始めている人々へのブースター接種、また、これまでに一度もワクチン接種を行っていない人のワクチン接種の拡大とスピードアップということが、中心に据えられ、1月初旬までには、1,500万人がブースター接種可能な状態になります。

 特にリスクの高い65歳以上の高齢者に関しては、ワクチン接種センターでは、予約なしに優先的に行われることになりました。ワクチンの予約が難しかったこの年代の人々には、朗報です。

 パリ警察庁は、今後15日間以内に、パリ市内に9つの追加の予防接種センターを開設することを発表しています。 

 

 今回の政府の対策で一番、影響を受けるのは、ディスコやナイトクラブで、12月10日(金)から、4週間にわたって閉鎖されます。2度のワクチン接種をしているにも関わらず感染者が増加している若者の集まる、この感染対策の取りにくい場所が今回は標的になりました。

 このセクションを閉鎖することに対する経済的な支援は、政府から支払われる予定になっています。

 現在、最も感染が急上昇している小学校では、感染対策のレベルをさらに上げ、屋内外を問わず、マスク着用が義務化され、ソーシャルディスタンスをこれまで以上にとることとし、ノエルのバカンスを前倒ししたり、学校を閉鎖したりすることは避けるとしています。

 また、既往症等のあるリスクの高い6歳から10歳の子供に対しては12月15日から、ワクチン接種を開始することになりました。その他の子供に関しては、今しばらく、科学的な研究結果を待つとしています。

 ただ、この年齢層の感染上昇は、明らかに異常であるとし、他の対策をとるべきだと訴えている専門家も少なくありません。

 その他、テレワークを3日に2日の割合に増やすことが推奨されていますが、これは、あくまでも推奨されるというレベルのものです。

 結局のところ、これまでいつも第一のターゲットになってきた飲食店に関しては、現状どおりのヘルスパスのチェック、文化施設、娯楽施設、商業施設に関しても、営業時間制限を行うことも、縮小して営業されることもなく、クリスマスマーケットが閉鎖されることもありません。(クリスマスマーケットに関しては、地域の県知事の裁量でヘルスパスが導入されます)

 ワクチン未接種者のみのロックダウンやレストランや商店の時間短縮営業などを行っている周囲のヨーロッパ諸国の対応に比べるとかなりマイルドな対応と思われますが、「ワクチン接種がこの勢いで進んでいけば、感染もおさまっていくでしょう」と、フランス政府は自信満々です。

 つまり、ワクチン接種の他には、ごくごく基本的な感染対策をとりなさいと繰り返し、伝えているのであり、今さら、連呼することなのかとも思うのですが、それができていないから、連呼しなければならないわけで、相変わらず、決して国民を叱ることもありません。

 ノエルまであと3週間を切ったこのタイミングでの発表は、「ノエルを安心して家族と過ごせるために、皆で協力して、感染対策をしましょう」というもので、あくまでも、日々の日常生活をできるだけ尊重する姿勢が見えます。

 かなり楽観的とも思われるフランス政府のこの対応は、今後、吉と出るか凶と出るかわかりませんが、私も、ブースター接種をして、できることを淡々とするしかないと思っています。

 それにつけても、この会見の際にカステックス首相の前に掲げられていた「Conférence de presse COVID-19」という立札の「COVID−19」という文字を見て、2021年ももうあとわずか・・2019・2020・2021といつの間にか過ぎて、もうすぐ2022年になることをあらためて、ジンとした気持ちで眺めたのでした。


フランスの第5波対応 ディスコ4週間閉鎖 小学校マスク完全義務化


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2021年12月6日月曜日

日本入国のための日本人の外国人配偶者短期滞在ビザの効力停止の混乱

   


 12月1日付けで、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る上陸拒否について」という文書が出ています。知人が大使館からメールでお知らせが来たというので、これは、外務省からのものと思いきや、読んでみると法務省の決定を伝えているものでした。しかし、法務省というきっちりとした発信元の記載はなく、最後に連絡先として、出入国在留管理庁出入国管理部審判課とあります。

「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る上陸拒否について」 

 これによると、「当分の間、上陸の申請日前14日以内に以下の地域(これに入っていない国があったら教えてもらいたいくらいのほぼ全ての国)における滞在歴がある外国人について、「特段の事情」がない限り、上陸を拒否する」とあります。

 この「特段の事情」には、「日本人の配偶者」、「永住者の配偶者」、「外交の在留資格取得者」とありますが、実際には、「配偶者のビザが停止された・・」「大使館にビザの申請に行っても受け付けてくれない」という人も少なくないようなのです。

 自分で調べようとしても、相変わらず、外務省、法務省などのサイトはこの上なく、わかりにくく、また次から次へとページを飛ばなけれなならないサイト上でもたらい回し感満載の状態です。

 念のため、フランス大使館に電話して問い合わせたところ、現在は、日本人の配偶者でも日本に居住している場合、もしくは、居住する場合にしかビザの申請は受け付けられない(とりあえず12月31日までは)ということでした。

 そして、フランスには少なくないであろう事実婚のカップルについても一応、聞いてみると。「事実婚の場合は、日本は配偶者とは認めていない」ということでした。

 「配偶者のビザが停止された」「ビザ申請も受け付けない」などというのは、あり得ない話で、日本に居住しない限り、外国人の配偶者は日本人の家族として認められていないのか?と怒りを感じます。

 すでにビザを取得していた人には、なおさらのことで、そもそもその申請に必要な書類を揃えるだけでも、相当な時間とお金と労力がかかっているので、その落胆は、計り知れません。

 パンデミックが始まり、そろそろ2年が経ちます。海外で生活するということは、好きな時に必ずしも日本に帰国できないことは覚悟はしていましたが、これほどまでに長引くと、やはり焦燥感は募ります。

 「いつになったら日本へ行けるのか?」「このまま叔父や叔母にも会えないまま、お別れになってしまうかもしれない・・」「私は生きているうちに、あと何回、日本に行けるだろうか?」などということ考えてしまいます。

 私の場合、日本の両親はすでに他界していますので、このために最期の時に会えなかったとかいうこともありませんが、これまで(コロナ前)、親が急に入院した・・危篤・・などという知らせに、すぐに飛行機を予約して数日後には、日本へ・・などということも一度や二度ではありませんでした。

 そうでなくとも、こちらでの生活にも様々な事情があり、そうそう簡単にいつでも帰国できるわけではありません。

 今回のオミクロン株出現以来の強硬な日本の対応は、全世界からの外国人シャットアウト、フライト予約停止、停止撤回とぐるぐると状況が変わり、特段の帰国の理由のない私はハナから日本への一時帰国は諦めていますが、今の時期にわざわざ日本に帰国する人には、それなりの事情があってのことだと思います。

 私の友人でオミクロン騒ぎになる前に日本に帰国した友人がフランス人の夫のビザも書類も全て揃えたのに、入国の際に長くチェックのために空港で留め置かれた話も聞いています。

 無防備にしろとは言いませんが、もう少し鷹揚な対応をしてくれても良いのではないか?とも思ってしまいます。

 比較になりませんが、イギリスでは、水際対策強化のために、イギリス入国に際しては、12月7日から、12歳以上の全ての人に対して、48時間以内のPCR検査・抗原検査の陰性証明書が必要になったそうです。

 むしろ、これまでそれですら、やっていなかったことの方が驚きです。

 それでも、オミクロン株の登場以来は、入国後2日以内のPCR検査で陰性が確認されるまでは自主隔離、レッドゾーンからの入国は原則禁止(入国が許可された場合でも10日間、政府指定のホテルで自費で自主隔離)ですが、国籍の制限ではありません。

 これに対して、一時はフライト予約停止と日本人でさえ入国できない状態になったり、配偶者ビザが停止されたりと、二転三転しながら、日本の水際対策は戦々恐々としています。

 私は、国籍による区別には疑問に感じています。日本人同様の隔離期間を設け、自費で指定期間に隔離し、検査をすれば、良いのではないかと思うのです。殊に日本人の家族がいるのならば、なおさらのことです。

 どうやら、ヨーロッパと日本では、感染対策には、激しい温度差があるようです。

 にもかかわらず、先ほど、JALからメールが入り、「日本行き2月のスケジュール発表しました!」「各国の出入国制限が続く中ではありますが、渡航を必要とするお客様のたまに、パリ発羽田行きは、2月も継続して毎日運行いたします」と書いてあり、なんとも言えない気持ちになりました。


日本入国のための配偶者ビザ効力停止 受付停止


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2021年12月5日日曜日

6歳から10歳の子供の感染が激増しているフランス

   


 フランスの新型コロナウィルス感染は悪化の一途を辿り続け、ついに1日の新規感染者数は5万人を突破しています。4万人のしきい値を超えたのが11月30日だったので、それからさらに1万人増加するのに1週間もかかっていない急増の仕方です。

 中でも、6歳から10歳の子供の感染が急激に増加していることが注目されています。フランスの全世代平均(全国)の10万人あたりの発症率が388であるのに比べ、この年代の発症率は750になっており、どう考えても、異常な事態と言わざるを得ません。

 現在、フランスで行われているワクチン接種は12歳以上なので、ワクチンによって守られていないことから、起こっている現象とはいえ、0~2歳では120、3~5歳では335、11~14歳では439、15~17歳では267となっているので、特に考慮されるべき年齢層であることに違いありません。

 この年齢層の発症率は3週間前までは、わずか100程度であったことを考えれば、この急増の仕方には、愕然とさせられます。

 この6歳から10歳の子供の感染者数の増加は万聖節(トゥーサン(ハロウィン))のバカンスの直後から始まっており、もちろん、この年代がワクチン接種を行なっていないことは大きな原因の一つでもあるものの、ちょうど、この時期を前後して、小学校での感染対策を変更しており、子供の集中力などの学習能力を考慮し、教室でのマスク義務化を排除したり、また、学級内で感染者が出た場合もその時点で、学級閉鎖にはせずに、感染者が出るたびに学級内の生徒には、検査を行い、陽性者のみが隔離という対応に切り替えた時期の後から始まったことでもあります。

 当然、この年代の子供の検査数が急増したために、感染していることが確認されるケースが多いことから、この年代の発症率が上昇することになってはいるのですが、それにしても、実際に感染者が多いことに変わりはなく、このまま放置できる問題ではありません。

 現在は、小学校でも再びマスク着用の義務化が再開していますが、一時、対策を緩和したツケがまわってきていることは間違いありません。

 また、同じようにワクチン接種を行っていなかった昨年の冬は、この年代の子供の発症率は今年よりも低かったのです。昨年の今頃はまだワクチン接種が全国民に対しても行われていなかったことから、ソーシャルディスタンス、マスク着用、部屋の換気、その他の衛生管理対策が現在よりも徹底されていたことを思い出します。

 昨年の今頃は、フランス全体が現在よりもノエルを家族で迎えられる状況を作るために、もっと警戒した緊張状態にあったのです。

 当然、この年代へのワクチン接種について、再考が重ねられていますが、11月30日の時点でフランス国立衛生局(HAS)は、「重症化して死に至る危険性がある」子供たちや、「ワクチン接種で保護されていまい免疫不全者や社会的弱者の近くに住んでいる」子供たちに対しては、ファイザー・バイオンテック社のワクチン接種を推奨しています。これには、約36万人の子供たちが該当します。

 また、オリヴィエ・ヴェラン保健相は、HASの発表に基づき、12月中旬から下旬にかけて、リスクの高い子供(6歳から10歳)に対してのワクチン接種を開始することを発表しています。

 欧州医薬品規制当局(EMA)は、11月25日に、この年齢層へのワクチン接種をすでに承認しています。EU諸国はこれを取り上げ、各国ごとに実施することが可能になっています。

 フランスでは、かなり慎重な態度を取り続け、差し当たっては、「高リスクの子供のみ」とし、フランス科学審議会は、「すでにアメリカで行われているこの年代の子供へのワクチン接種に関する初期のフィードバックを待っている」と述べています。

 しかし、一部には、「ワクチンのベネフィットとリスクのバランスを考えれば、現段階でワクチン接種を受ける権利を持たない子供は不利である」「子供のワクチン接種の恩恵を受ける権利を奪う権利はない」と権利の主張が得意なフランス人ならではの言い方での意見も出始めています。


フランスの6歳から10歳の感染急増


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2021年12月4日土曜日

ストラスブールのクリスマスマーケットの超密状態と深刻な感染状況

  


 12月に入り、フランス各地でクリスマスマーケット(マルシェ・ド・ノエル)が開かれています。昨年は、クリスマスマーケットは各地で禁止され、飲食店も閉店されていて、シャンゼリゼでさえ、イルミネーションばかりが輝く、寂しいクリスマスでした。

 ストラスブールのクリスマスマーケットはフランスでも、最も有名で歴史があり(1570年頃〜と言われています)、華やかなクリスマスマーケットの一つとして知られています。

 ストラスブールのクリスマスマーケットは今年はすでに11月26日から始まっていますが、同地での感染がここ一週間で倍増していることから、医療関係者は非常に心配しており、クリスマスマーケットをこのまま継続するかどうかが問われています。

 ストラスブール大学病院(HUS)の医療委員会会長であるエマニュエル・アンドレス教授は、現在の地域の感染拡大にクリスマスマーケットの開催が影響しているとし、「政治家に責任を取るように求めている」と語っています。



 ストラスブールのクリスマスマーケットは市内にいくつもあり、クリスマスマーケットの数だけ密になる人混みがあちこちにできることになり、ほどほどに自制するということが苦手なフランス人のこのクリスマスマーケットを訪れている様子は、ちょっと写真で見るだけでもギョッとするほどの人出、ソーシャルディスタンスなど全く感じられず、食事以外の場面でもマスクをしていない人が目立ちます。

 多くの人のワクチン効果が薄れ始めている中、1日の新規感染者が5万人に到達しようとしている国で、怖がりの私としては、よくもこんな場所に足を踏み入れられるものだと、ちょっと理解はできません。

 この状況を受けて、ストラスブール市長と県知事はクリスマスマーケットに関するコントロールを強化する新しいルールを発表しています。

 具体的には、最も人出が見込まれる二箇所の広場の入り口にヘルスパスによるチェックを導入、そして飲食のできるブースでは特にヘルスパスチェックを強化、そして、クリスマスマーケットは毎晩20時に閉鎖。また、出店者の責任を重くし、仲介者や警察のパトロールも強化されます。

 具体的には、飲食を提供するエリアにはサインや照明付きのバルーンが設置され、食料品のケータリングはそのエリアに限定されています。 市警の2チームも援軍として配置され、ルールを想起させるための定期的なサウンドメッセージが流されます。

 ルールを守らない場合には、135ユーロの罰金を課し、規定を尊重していないと認められた店舗には、小屋を閉鎖するという制裁措置を取る可能性もあると市長は警告しています。

 


 クリスマス気分とはおよそ似つかわしくない警備の状態であり、また、銃まで持った警察が巡回しているということは、単に感染対策だけの警戒ではないと思われますが、いずれにせよ、現在のフランスの感染悪化の状況は、ストラスブールだけに始まったことではありません。

 しかし、このストラスブールのクリスマスマーケットを見るために、多くの地域から人が訪れ、1ヶ月で約200万人がストラスブールに訪れると言われています。

 しかも、この週末、ストラスブールのバス、トラムウェイなどの交通機関がストライキを予定しています。クリスマスマーケットに加え、交通機関が混乱すれば、さらに危険は拡大します。

 ここで、感染が拡大すれば、多くの人が地元に感染を持ち帰り、感染拡大は、さらに全国的に拡大することも考えられます。(すでに、全国的に拡大していますが・・)

 これだけの人が集まる経済効果はストラスブールにとっては大変、大きな位置を占めるもので、引くに引けない経済状況であることも無視することはできません。

 とはいえ、現地の医療従事者は、すでに、第一波の際の悪夢が蘇りつつあると悲鳴を上げています。ストラスブールの病院の医療委員会の会長であるエマニュエル・アンドレス氏は「感染対策以外にも問題があることは理解しています。経済的な問題もありますし、自由を求める市民の声もよく聞きます。しかし、彼らが奪う自由は、他人から奪う自由でもある。」と述べ、クリスマスマーケットに否定的な発言をしています。

 隣国のドイツ、バーデン・ヴュルテンベルク州では、すでに、クリスマスマーケットが中止されています。

 フランス人がノエルを大切にしているのはわかるのですが、ここのところの「日本の1日の新規感染者数」と「フランスでの1日のコロナウィルスによる死者数」がだいたい同じくらいな状況なのを見て、もう全く同じ土俵にはいないことをひしひしと感じているのです。


ストラスブール クリスマスマーケット マルシェドノエル


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2021年12月3日金曜日

WHO日本の鎖国対応批判と留学生への思い

   


 

 WHO(世界保健機構)は、新型コロナウィルスのオミクロン株出現を受けて日本が導入した全世界を対象とする外国人入国禁止阻止について、「疫学的にこの原則は理解困難である」と指摘、「ウィルスは国籍やビザを区別するわけではない」と述べ、自国民か否かで判断するような対応は矛盾していると批判し、渡航の一律制限に否定的な見解を示し、検査などを活用し、人々の生活に多大な負担をかけないようにと呼びかけています。

 日本のこの対応は、さらには、国土交通省からの「12月末までの日本到着の国際線予約停止」という日本人さえも閉め出す強行措置にまで及びましたが、大きな反発と混乱を招いたとして、数日のうちにこれを撤回、「新規予約の一律受付停止の要請を取りやめ、日本人の帰国需要に十分に配慮するよう航空会社に改めて通知されました。

 日本のこの一連の対応は、すばやく、未だはっきりと得体の知れないオミクロン株対応は日本国内にいる日本人には安心できる対応であったとは思いましたが、さすがに日本人が日本に帰れないとか、外国人の日本のビザを一時停止・・などとエスカレートするのは、さすがにちょっとやりすぎで、海外で外国のビザを取得して生活している者にとっては、一度、発行されたビザが一時とはいえ、停止など、ちょっとあり得ないほど恐ろしい話です。

 イスラエルなどは、当初からワクチン接種も早く、日本同様に外国人の入国禁止など、かなり厳しい対応をとってきましたが、自国民に関しては、南アフリカ等レッドゾーンからの入国には7日間指定施設での隔離を義務付けてはいるものの航空便の予約停止などは行っていません。

 WHOの「ウィルスは国籍を区別するわけではないので、疫学的に日本の措置は矛盾している」というのは、もっともなことではありますが、はっきり言えば、「この際、今は、日本の外から、誰も入ってきてほしくない」というのが本当のところなのでしょうが、日本人が日本に入国できないという事態はさすがにあり得ないことから、このような措置に右往左往しているところだと思います。

 個人個人、日本に帰国、入国したい事情は様々あるでしょうが、日本人の入国はもちろんのこと、個人的には、日本への留学生などに対しては、日本人同様の隔離や検査はもちろん行うとして、許可してあげられないものだろうか?と思うのです。

 我が家の娘は、日本人でありながら、パンデミックの最中に「海外からの留学生はお断り」という理由で、日本への留学が二回にわたりキャンセルになり、とうとう日本での留学のチャンスを逸したまま、こちらの学校を卒業しました。

 もう彼女には、留学の機会は、ありませんが、そんなこともあったために、余計に留学生に対する思い入れが強いのです。

 日本という国に興味を持ち、日本で学びたいと思っている外国人に相当の隔離や検査を義務付けた上で(日本は世界的にも隔離や検査などの基準は相当厳しい)、外国人に日本での教育の門戸を開くことは、決してマイナスなことではないと思うのです。

 日本という国は、日本人が思う以上に外国人には知られていないというのが、私が外国に住むようになって実感しているところです。例えば、日本人がフランスに来る以上に、フランス人が実際に日本に行った場合の驚きは大きく、まるで未知の世界のような感じを受けると思います。

 「日本で学ぶ」という機会を通して、世界の若者に日本を知ってもらうことは、大切なことだと思うのです。留学生ならば、ある程度の期間限定の滞在なので、入国時に感染を持ち込みさえしなければ、条件は日本在住の人と同じです。

 日本人と同じ条件できっちりと隔離期間を取り、検査を受ければ問題はないはずです。

 感染対策や隔離などのレベルもまるで違うフランスとは、一概に比較することはできませんが、フランスは留学生に対して、とても鷹揚です。

 移民受け入れ問題などが、議論されている日本ではありますが、将来のある若者に日本の教育の門戸を世界に開き、少しでも日本に好意的な人々に日本を知ってもらう意味でも、日本の国としての懐の深さを見せてくれないものだろうか?と、現在のその頑なさを少々、残念に思っているのです。


WHO日本のオミクロン株対応批判 留学生


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2021年12月2日木曜日

携帯電話が壊れて大パニックになる私

   


 私の携帯電話の調子がどうもおかしくなり始めたのに気がついたのは、携帯に入っているヘルスケアのアプリの中の万歩計がカウントしなくなったことからでした。

 もともと電話というものがあまり好きではない私は、携帯などいらないと、かなりの人が携帯を持つようになっても、あまり必要性も感じず、携帯を持つことはありませんでした。

 そもそも、家と職場と娘の学校やお稽古ごとの送り迎えで一日、一日が暮れていく生活だったので、連絡なら会社か家に電話してもらえば良いわけで、それ以外の時間を縛られるのが嫌だったことも理由の一つでした。

 それが、私が最初に携帯を持つようになったのは、主人が亡くなってからで、主人が持っていた携帯を(といってもその頃はまだガラ系の携帯でしたが・・)引き継ぐ形でなんとなく持つようになって(緊急連絡先など、色々な登録がその携帯のナンバーでされていたので)以来のことでした。

 娘が中学生くらいになって、「周りの友だちは、み〜んな携帯もっているから、自分も欲しい!」と言い出して、しばらくしてから、代わりに私が主人から引き継いだ携帯ナンバーをそのまま引き継ぐということを条件で、私はしぶしぶ娘に携帯を買い与えたのでした。

 それからしばらくの間は、私は携帯から解放されていましたが、娘がグランゼコールに入学し、一人暮らしを始めたのを機に、私は、再び、携帯を持つようになったのです。

 仕事でほぼ一日中、パソコンに向かって、それ以外の時間も画面に縛られる生活は嫌だったのですが、再び携帯を持ち始めてからは、時代はどんどん変わり、携帯もスマホになり、携帯は電話というよりも小さなパソコンのようになり、もはや携帯なしでは生活しにくいような(今は特にヘルスパスなども携帯に入っている)時代になりました。

 それでも私はあまり携帯を上手く使いこなしてはおらず、携帯でメッセージを送ったりするのも億劫なほどで、苦手意識が消えることはないのです。

 私にとって携帯は、まぁ・・どこかに出かける時の地図がわりや、写真を撮るためのカメラ、最低限のメッセージや移動中の暇つぶしにニュースやツイッターなどを見る程度で、なんなら、パソコンでできることはパソコンでやりたいと思ってしまうので、苦手意識は一向に克服できないのです。

 しかし、ついに外でネットが繋がらなくなって、いよいよもうダメ・・買い変えねば・・となっても、一体、何を買ったらよいのかもわからず、娘にあきれられる始末。

 しかも、これまでiPhoneを使っていて、少しはiPhoneなら慣れたところに機種を変えたものだから、もうパニックです。携帯が壊れたから新しい携帯を買ったのに、携帯が届くという連絡が携帯に入り、「在宅確認のために電話してください・・」とのメッセージを受け取った時には、すでにその携帯は電話を受けることはできてもかけることはできない状態。

 家にいたためにネットが繋がったために幸いにも携帯は受け取れたものヒヤヒヤものでした。だいたいフランスでは配送品がさまよい受け取れなくなる危険がいつも控えているのです。

 届いた携帯をとりあえず、まず充電し、いざ起動するとなるともう恐怖。初期画面からして全く違い、娘の帰宅を待って娘に丸投げ。我ながら情けないと思いつつ、何かおかしな設定をしたら、大変!という気持ちが先にたってしまいます。

 同年代の友人に話すと、同じ同じ・・となぐさめてはくれるものの、情けない限り。

 「iPhoneよりも、こっちの方が写真が綺麗に撮れるし、何も高いApple買う必要ないよ!」という娘の言うままに、違うメーカーのものにしたものだから、これからまた、新しい携帯に慣れなければなりません。

 これまでの携帯に入っていた電話番号やアプリなどを全て移し替えるだけでも、私にとっては、一仕事で大ストレスです。

 だいたい、新しいものに慣れて使いこなすということが億劫になっているということは、老化の一部に他ならないのですが、この電子機器に関してはことさらそれが酷く、新しい携帯などに対しては、ちょっとしたアレルギー状態・・デジタルネイティブと言われる娘の世代からは信じられないことだと思います。

 娘に初期設定をしてもらい、最初の画面を眺めて、画面の左横に、「10」、「48」という数字がでているのを見て、仰天!「なに?これ?何でこんな数字が出ているの?」「何かトラブル??」と娘に携帯を見せると、失笑を買い、「もう少し、考えてから、言葉にできないの?」と冷たい反応。

 なんと、それは、単なる時間の表示でした・・・。

 以前、私が娘の年頃に、その頃、私の好きだったタレントさんが、「今日の「徹子の部屋」に出るからビデオ録画しておいてあげる!」とわざわざ職場にまで電話してきてくれたので、その日は楽しみにして、家に帰ったら、母が撮っておいたといっていたビデオは録画されておらず、賢明なはずの母がなんでこんなことができないのだろう?と不思議でなりませんでした。

 しかし、現在の私は、まさにあの時の母のような状況に・・、新しい携帯となると、腰が引けてパニック・・そんな状態になっているのです。

 そして今、こうしてパソコンを開いていても、嫌味のように出てくるのは、携帯の広告ばかりです。その広告を見ながら、「いくら、広告出しても、もう買ったから、当分買わないもんね・・」と、私は八つ当たりのように心の中でつぶやいているのです。


デジタルネイティブ 携帯電話


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2021年12月1日水曜日

フランス1日の新規感染者数4万7千人突破 

  


 フランスの1日の新規感染者数が47,177人に達し、今年4月以来の数字を記録しています。

 2021年4月(保健大臣)以来の記録となりました。

 フランスでの1日の新規感染者数が1万人のしきい値を超えたのは11月9日、それ以降、17日に2万人を超え、23日に3万人を超え、約1週間毎に1万人増えていく・・と思っていたら、30日には一気に4万7千人(47,177人)に跳ね上がりました。

 こういうのが指数関数的に跳ね上がるということなのか?と、ちょっと呆然としています。

 オリヴィエ・ヴェラン保健相は、「この一週間の平均感染者数は、3万を超えており、このダイナミクスを1週間あたりの感染者数+60%の増加と換算すると、週末までに第3波のピーク時(4月の初めに5万3千人突破)よりも高くなる可能性がある」と語っています。

 さらに遡れば、パンデミック以来、1日の新規感染者数の記録は昨年の11月2日の7万人です。

 この1日の新規感染者数が跳ね上がったタイミングで、コロナウィルウスのために入院している患者数が1日で389人も増加し、1万人を突破(10,249人)、集中治療室にいる患者数も1,824人(前日から75人増)に達しています。

 とはいえ、この新規感染者数と集中治療室の患者数の対比を見れば、4月の第3波のピーク時の集中治療室の患者数は6,000人近くまでに達していたので、現段階では、重症化している患者数は3分の1以下に抑えられていることを考えれば、確かに、ワクチン接種やヘルスパスの効果であると言えます。

 しかし、ワクチン接種の拡大とヘルスパスの起用で、ある程度、感染率が抑えられつつあった状況からは、一変してしまっています。フランス政府は、この対策として、とにかくブースター接種を含めたワクチン接種の拡大の必要性を呼びかけています。

 現在、フランスでは、9月からブースター接種を開始していますが、2回のワクチン接種は、ようやく75%を超えた状態、依然として4人に1人はワクチン未接種の状態です。加えて、2回のワクチン接種を済ませた人でも、有効性が落ち始め、ブースター接種を急ぐ必要のある人が10%程度、加えて、これまでワクチン接種、ヘルスパスにより、あまりに無防備と思われる日常を取り戻した気の緩みが現在のフランスの感染急増に繋がっていると思います。

 そして、これまでワクチン接種をほぼ、してこなかった11歳以下の子供の学校での感染からの感染拡大も注目されている事項ではあります。

 ファイザー社は9月末の段階で、すでにワクチンが非常に効果的であり、5〜11歳の子供にも十分に耐えられることを保証していますが、この年代の子供たちの親の60%以上は子供のワクチン接種に反対しています。

 子供へのワクチン接種に対する安全性を測りきれない不安とジレンマから、子供のワクチン接種による集団的利益を求めることに対して疑問を捨てきれないのです。小さい子供を持つ親の不安な気持ちは、察するに余り有るところです。

 現段階では、フランスは11歳以下の子供へのワクチン接種については、まず、「リスクの高い既往症のある子供に対して優先的に行うことを推奨する」という段階に留まっています。

 デルタ株よりも伝染性が高く、ワクチンの有効性も疑問視されている新たなオミクロン株は、現在のところ、フランスで確認されているオミクロン感染の症例はレユニオン島だけですが、周囲のヨーロッパ諸国の状況からもフランス本土で症例が確認されるのは時間の問題。

 それでも現在、フランスで蔓延しているのは、デルタ株が圧倒的に主流ゆえ、やはり、これ以上の感染拡大による被害を抑えるためにできることは、ワクチン接種を着々とすすめていくこととマスクや手洗い、うがい、ソーシャルディスタンスなどの基本的な感染対策を着実にこなしていく以外にはありません。

 あっという間にもう12月。どうやらこのパンデミックが年を越すことは、確実なようです。


フランス感染急拡大


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