2020年8月17日月曜日

ヨーロッパ各地で起こっているマスク反対(アンチマスク)デモ

Un manifestant contre les mesures anti-virus à Bruxelles ce dimanche


 ヨーロッパでは、コロナウィルスの第2波とも見られる兆候が顕著になってきたことにより、マスク着用が義務付けられたり、ソーシャルディスタンスを取ることを促したりする行動制限の措置を取る国が増えてきました。それにつれて、ヨーロッパ各地では、マスク着用義務化やコロナウィルス対策のための行動制限反対を訴えるデモが起こり始めています。

 ヨーロッパでは、アンチマスク感情が高まっているのです。

 すでにドイツでもマスク反対のデモが起こっていますし、先週末は、ベルギー・ブリュッセルで数百人が集まるアンチマスク、行動制限反対の集会が行われ、スペイン・マドリッドでも首都の中心部にあるコロン広場を飾る巨大なスペインの旗の下に、「自由!」の叫びとともに、ソーシャルネットワークによって動員された群衆が集まりました。

 デモ参加者は、「ウイルスは存在しない!」、「マスクに殺される!」、または「私たちは恐れていない!」と宣言した標識を掲げ、アンチマスク、行動制限反対を訴えています。

 今回のコロナウィルスのパンデミックでは、とりわけ甚大な被害を生んでいるヨーロッパです。現在は、アメリカやブラジルなどの国の被害が目立ちますが、ヨーロッパ全体として括ると16万人近い死者を出しているのです。

 そんな国々の人々がマスクに反対したり、ウィルスは存在しないと言い張ったりしている現状には、全く理解ができません。「私の身体、私の選択で行動する!」「私たちの国でルールを決定するのはウイルス学者や医師ではありません!」など、彼らが掲げている文言は、はっきり言って、めちゃくちゃです。

 それでも勝手にすればいいと言えないのがコロナウィルスの怖いところで、ウィルスは確かに存在しているし、感染の勢いを増しているのです。マスクをしない人だけが感染するわけではないのです。

 ところが、不思議なことに、常日頃は、あれだけデモが大好きなフランスでは、今のところ、アンチマスクのデモは目立って行われてはいないのです。フランスの世論調査では、53%の人がコロナウィルス感染に不安を感じているとの結果が出ていますが、彼らがアンチマスクのデモを起こしていないのは、不安のためにマスクをすることを容認しているからではなく、今のところ、スペインやブリュッセルに比べると、フランスは、そこまで厳しい制限が行われていないこともあると思います。

 しかし、実のところは、現在は、フランス人は、バカンスの真っ最中で、彼らの意識がデモに向かっていないだけだと思います。バカンスが終わって、デモモードにスイッチが入り、アンチマスク感情に火がつけば、私は、フランスでも必ず同じことが起こると思っています。

 以前から、彼らがマスクが嫌いなことは、わかっていましたが、それにしても、彼らのマスク嫌いがここまでとは・・そして、彼らが嫌いなのは、マスクだけでなく、強制されること、行動を制限されることなのです。

 いみじくも、このコロナウィルスとの戦いが始まった時、マクロン大統領は、「我々は、戦争状態にある」と宣言しましたが、まさに、今の状況を見ていると、戦争を知らない私でさえ、国民を統制するために戦時中、上にモノを申すことが絶対的にタブーであった実情を思います。

 戦時中のような統制が正しいとは、全く思いませんが、ウィルスと戦のに国民を統制するために、ヨーロッパはどうすれば良いのでしょうか?

 たかがマスクぐらい、すればいいじゃない?と思うのですが、彼らがアンチマスクや行動制限反対を叫ぶのは、実は、マスクそのものよりも、彼らが培ってきた、ヨーロッパの国境をせめぎあいながら、自分を主張し、自らの道を生きてきた彼らの歴史が背景にある、統制されることへの反抗なのかもしれません。


<関連>「フランス(ヨーロッパ)でコロナウィルスが広まる理由」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_19.html

 

 



 

2020年8月16日日曜日

とうとう一日の新規感染者が3000人を超えたフランス コロナウィルス第2波

 

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 ここ数日のフランスのコロナウィルスの新規感染者数は、2524人、2669人、2846人と増え続け、とうとう昨日は、3000人の王台を超えて3310人になりました。

 つい、一ヶ月前は、500~600人、せいぜい800人前後であったのが、7月末には、1000人を突破し、8月に入ってもグングン増え続け、とうとう3000人を突破してしまいました。

 7月に入って、ギリギリまでバカンスの予約を躊躇っていたフランス人も、結局は、バカンスを諦めることはせず、行く先を海外から国内に変更したり、公共交通機関を避けて、車での移動に切り替えたりする工夫をしながら、バカンスシーズンに突入しました。

 バカンスシーズンに突入と同時に、各国の経済復興を鑑み、ヨーロッパ内の往来ができるようになりましたが、感染状況が酷いスペインなどには、行かないように呼びかけられたりしていました。

 スペインは、ロックダウン解除後、ヨーロッパの中では、他のヨーロッパの国に比べるとかなり多くの新規感染者を出していましたが、フランスがここへ来て、スペインを追い越しそうな勢いです。

 3000人の壁を超えたのは、いみじくも、本格的に多くのフランス人がバカンスに出るタイミングの8月1日から、ちょうど2週間後のことです。その間も感染が増え続けたため、フランス各地で屋外でもマスク着用が義務化が広がり始めました。

 しかし、マスク着用義務化もフランスでは、なぜか簡単なことではありません。マスク着用義務化の地域が拡大されるたびに、マスクは必要か? どうやって徹底させるか?といったマスク論争が延々と続けられています。折しも先週は、猛暑日が一週間近くも続き、ただでさえマスク嫌いのフランス人にとって、マスク着用は、さらに厳しいものになりました。

 しかし、マスクを付けることが、なぜ、そこまで徹底できないのか、日本人である私には、全く理解ができません。娘に言わせると、マスクをする習慣が全くない人にとっては、大変なことなのだと言います。(彼女はマスクをしていますが・・)

 このタイミングで感染が拡大していることを考えれば、バカンスがフランスの感染拡大の大きな原因になっていることは、明らかですが、もう一つの大きな要因は、「油断」です。

 フランス人の多くは、「まあ、自分たちは、大丈夫だろう・・」と思っているのです。ここへ来て、屋外のマスクの義務化が進む中、会社内でのマスクの義務化をどうするか?という論争になっています。

 一日、8時間以上、マスクをし続けるのは、危険ではないか? 一日中、パソコンの画面に向かって仕事をしているのにマスクは必要ないのではないか? などなど、マスクをしない言い訳を探しています。しかし、そもそも一日中、パソコンに向かっているなら、出社する必要があるのでしょうか? ロックダウン中は、リモートワークが推奨されていた中、ロックダウンが解除になって、リモートワークの割合が減少しています。

 現在は、バカンス期間中ですが、大学生にとっては、一般企業などでのスタージュ(インターンシップ)の期間でもあります。今の状況で、スタージュを受け入れてくれる会社を探すことだけでも大変ですが、実際に、つい先日まで一般企業でスタージュをしていた娘の友人などは、明らかにリモートワークでできる業務内容でありながら、出勤することを余儀なくされていたと言います。社員ではなく、スタージュの学生でさえも出社している・・そんな状況が感染を拡大させる一因となっているのです。

 みんながバカンスに出かけていることで、あたかも安全な状況になっているような錯覚を抱いているのです。少なくとも、マスク問題に関しては、5月11日にロックダウンを解除する時、まだ、コロナウィルスに対して国民がかなりの恐怖心を持っていた時点で、外出の際には、マスク着用を義務化するべきでした。

 その時点から、義務化されていれば、フランス人ももう少し、マスクをすることに慣れていたと思います。

 ロックダウンの2ヶ月間でせっかく減少したコロナウィルスの感染状況が、台無しになりそうな気配です。これまで、スペインが危険だ!とヨーロッパ内ではスペインが避けられていましたが、ここへ来て、イギリスがフランスからの帰国者に対しては、2週間の自宅待機を義務付けることを発表し、フランスに来ていたイギリス人が慌てて帰国し、ユーロスターのチケットが一時、急騰したそうです。

 このような状況でも、フランスでは、コロナウィルスの第2波が来た場合は・・などと話しているのを聞くと、第2波の定義は、何なのか? 今、新規感染者が急増している状態が第2波と言うのではないのか?と疑問に思ってしまいます。

 8月末まであと2週間、現在、フランス国内の中でも、パリとブッシュドローニュ(フランスのプロバンス・アルプ・コートダジュール県)での感染がレッドゾーンとされています。何といっても、人口の多いパリの住民がバカンスから戻って、新年度を迎え、学校も始まり、気温も下がり始めます。

 バカンスに入る前から予定されているデモも9月には、再開されます。

 新規感染者が2000人を超えたのが、一週間前です。一週間で1000人増加は、やはり尋常ではありません。この増加傾向をなんとか抑えないまま9月を迎えれば、大変なことになるのは、必須です。

 

<関連>「猛暑の中の感染拡大・新規感染者2000人超えのフランス」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/2000.html

2020年8月15日土曜日

モーリシャス沖合での日本貨物船座礁事故にだんまりを決める日本政府

        


 ここ一週間ほど、フランスでは、インド洋に浮かぶ美しいモーリシャスの沖合が、商船三井が運行する日本の貨物船の挫傷により、重油が流出した事故について、ほぼトップニュースで毎日のように伝えています。

 「WAKASHIO JAPON(ワカシオ・ジャポン)」という言葉が聞こえない日はないほどです。フランスのニュースによると、3800トンの重油と200トンのディーゼルを積んだわかしおは、7月25日にモーリシャスの南東にあるポワントデズニーの海域に座礁し、約800トンの重油が流出し、サンゴ礁、マングローブに覆われるターコイズブルーの海域が真っ黒に汚染され、住民が油膜と戦っている映像が流されています。海の美しさが余計にドス黒く広がる重油の悲惨さを引き立てています。

 この事故をめぐっては、船が座礁してから、一週間以上対策が取られなかったことから、被害が拡大してしまったことも問題視されています。

 モーリシャス共和国の首相は、ツイッターで、フランス国家及びマクロン大統領に支援を求める一方で、「WAKASHIOの沈没は、モーリシャスにとっての重大な危険を及ぼしている」と、環境緊急事態を宣言しました。

 マクロン大統領もモーリシャスからの援助要請に応え、すぐに「モーリシャスの海洋生態系が危機に瀕している現在、緊急な対応が必要です。フランスは、モーリシャスと共にあります。現在、レユニオン島のチームと救援の装備を配備しています。私たちを信頼してください。」とツイートし、実際に、フランスはモーリシャスへの救援活動を開始しています。

 つい先日もレバノンの湾岸倉庫爆発事故で、フランスは、「レバノンを決して見捨てない」とレバノンへも手を差し伸べ、他国と共にレバノンへの援助を開始したばかりです。フランス国内もコロナウィルスの感染が拡大し、大変な経済危機に瀕しているのに、あっちもこっちもと大丈夫か?とも思う反面、頼もしさも感じます。

 船を所有する長鋪汽船は、13日、賠償については、誠意を持って対応すると発表しましたが、実際に長鋪汽船の専門家チーム6名が調査のために現地に到着したのは、事故から3週間後のことでした。

 この「誠意を持って対応する」といういかにも日本らしい曖昧な、まことに誠意が感じられない声明と対応の遅さ。打撃を受けた生態系の回復には、20年かかると言われています。この20年かかると言われている保証は、もはや、一会社単位で賠償できる問題ではありません。

 歴史的な繋がりがあるとはいえ、「モーリシャスと共にいる」と宣言して、即刻、救援行動を起こすマクロン大統領と、関係は薄いとはいえ、加害者である船主会社の国である日本の首相が、まるでだんまりを決め込んでいるのは、どう考えても、情けない限りです。

 だんまりを決め込んで、賠償金を払うだけで、騒ぎがおさまるのを待つつもりかもしれませんが、「だんまり」は、沈黙のもとに、「日本は、こういう国である」ことを世界に発信していることに他なりません。

 日本では、あまり大々的には、報道されていないようですが、世界中では、大きく報道されている事故です。やたらと対面を気にしているのかと思えば、肝心な時に、日本政府が的確な対応ができないことをとても残念に思います。

 「誠意を持って対応する」という船主会社からだけの言葉だけの誠意のなさを、日本は、この事故で世界に発信しています。


<関連>

100年に一度くらいのことが立て続けに起こる年 レバノンでの湾岸倉庫爆発事件」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/100.html 

 

 










2020年8月14日金曜日

パリで日本食を作るためにする買い物 タン・フレール(アジア食材店)のおススメ商品

  Vos produits asiatiques en Tang frères en ligne chez Asia marché


 我が家の食卓は、6割がた和食で、日本人が普通に日本で食べている洋食や中華を含めたものを日本食とするならば、さらにその割合は上がります。何しろ、家族揃って食べることが大好きなので、食べるためには、必死です。

 ですから、日本へ一時帰国した際には、帰りの荷物の99%は、食料品なのですが、日本から持ってこれるものは、お米や出汁の類や乾物類等、限られているので、当然、パリで調達できるものは、パリで調達することになります。

 普段、近所のカーフールなどで買える食品は、肉や野菜や乳製品など、日常の必需品ではあるものの、それだけでは、我が家の食卓を満たすことはできません。以前は、職場の近くに日本食料品店がいくつかあり、チケット・レストラン(Ticket Restaurant=昼食補助のために多くのフランスの会社が社員に支給しているレストランで食事ができるチケット)で買い物ができたりしたので、休み時間に日本食材を買いに出かけたりしていたのですが、最近は、日本食料品店には、行かなくなりました。

 最近は、もっぱら、パリには、何件もある中華をはじめとするアジア食料品店 Tang Frères(タン・フレール)で買い物をしています。日本食材店よりも安いうえに、中華や韓国、タイなどの食材も手に入り、カーフールでは扱っていない野菜等の種類も多い上に、肉や魚までも扱っていて、日本の食料品でなくとも、代用品のようなものでなんとかできる商品や方法を見つけているからです。

 タンフレールで買えないのは、納豆くらいでしょうか? しかし、最近は、大豆を売っているので、大豆を買ってきて、納豆も自分で作ります。

 しかし、近所ではないので、せいぜい2〜3ヶ月に一度くらいしか、行きませんが、一度行くと、まとめ買いをしてくるので、それくらいで何とかなっています。

 タンフレールで買うものは、インスタントラーメン、春雨、豆腐、油揚げ、ワンタンの皮、醤油、ごま油、お酢、オイスターソースやブラックビーンソース、豆板醤、ラー油、パン粉、片栗粉、大根、白菜、キャベツ、タケノコや、らっきょうやキムチの缶詰、そして、枝豆やそら豆、オクラ、里芋、ハスなどの冷凍野菜、冷凍の牡蠣やエビ、烏龍茶の葉などなど、ざっと思いつくだけでも大変な量になります。

 カーフールでは、豚のひき肉を買えないため、タンフレールに行った時には、豚肉をひいてもらって、豚ひき肉をまとめて買って、少しずつ小分けにして冷凍してあります。

 今日は、少し、私のタンフレールで買っているお気に入りの商品をご紹介します。

 最近のヒット商品は、ラー油です。これには、唐辛子だけでなく、干しエビや黒豆なども入っていて、ちょっと食べるラー油のような感じですが、なかなか味わい深いです。この他に李錦記の商品は、ソースの種類も多く、エビチリや酢豚の素のようなものもあり、少々、味は濃いめ?ですが、なかなか重宝しています。


 そして、カレーに付き物のらっきょうの缶詰め・冷やして食べるとカリカリの食感で、味は、日本のらっきょうに近いです。キムチは、そのままのものもありますが、缶詰めや瓶詰めだと日持ちするので便利です。


   


  これは、中国のお漬物のようですが、刻んでごま油、唐辛子と白ゴマを加えて炒めると高菜炒めのようになります。おにぎりの具としても美味しいです。


      


 また、これは、チャーシューソースですが、少し甘めなので、白ワインで少し薄めて使っています。チャーシュー用の肉だけでなく、スペアリブなどにつけて焼くのも美味しいです。


         


 そして、フランスのスーパーでは買えない殻から外してある大ぶりの冷凍の牡蠣(韓国製)は、牡蠣フライやお鍋、酢牡蠣、バターソテー、グラタンなど色々使えて便利です。タンフレールで売っている冷凍のエビもプリプリでとても美味しいです。

 



 この他にも、ご紹介したいものは、たくさんあるのですが、今日は、このくらいにしておきます。

 先日は、ピカールのお世話になっています・・という記事を書きましたが、タン・フレールにも大変、お世話になっております。夏には、パリでは、あんまり買えないとうもろこしも買えます。

 フランスは、コロナウィルスの第2波の感染と思われるような状況で、日々、厳しい制限が敷かれています。再び、ロックダウン・・なんてことにならないうちに、そして、バカンスに出ている人がパリに戻ってくる前に一度、タンフレールで買いだめしておこうと思っています。

 忘れていました。この冷凍のあんまん(黒ごま)美味しいです。甘すぎず、黒ごまの香りが良いです。



<関連>「PICARD(ピカール) のお世話になってます・私のピカールのおススメ商品」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/picard.html










2020年8月13日木曜日

今どきあり得る? 突然の停電




 我が家のアパートは、オール電化というと聞こえはいいですが、全てのものが電気に依存して動いています。とはいっても、ガスがないというだけで、キッチン、冷蔵庫、電話、インターネット、お風呂、シャワーなどの全て、電気が落ちると完全にストップしてしまいます。

 先日、祝日の日のお昼頃、突然、テレビが消えて、あれ?とうとう本格的に壊れたかな?(テレビが・・)と思いながら、呑気にそのまま、お料理をしていました。しかし、作っていた卵焼きがなかなか焼けず、おや?と思って、オーブンを魚の入ったオーブンを覗いてみると、オーブン途中でストップしており、ガスのように突如、火が消えるというのではないので、最初は、電気が切れたことも気がつきませんでした。

 こんなことが、たま〜に起こるのですが、ブレーカーをあげれば、すぐに元に戻るので、甘く考えていました。その日もブレーカーをあげると、一瞬、元に戻りましたが、またしばらくすると切れてしまうのです。

 今日は、和食にしようと張り切って、食事の支度中だったのに、お味噌汁とひじきの煮物はできていたものの、卵焼きは、ギリギリセーフで完成、お魚が焼けたら、冷凍してあるご飯をチンしようと思っていた矢先でした。

 何度か、少しずつ時間を見ては、ブレーカーを上げようとするのですが、もはや、ブレーカーさえも上がらなくなっていて、その頃から、事態は深刻になってきました。

 今日は、祝日、管理人さんもいないだろうし、修理の人を頼もうにも、絶対に休みでやっていません。ましてや、今は、バカンスの真っ最中。そんな時にやっている業者は、恐ろしい金額を請求される・・と、一気に頭の中で色々なことを考えました。

 とりあえず、出来上がっていたひじきと卵焼きと生焼けのお魚を食べながら、そういえば、冷蔵庫、冷凍庫の中のものもダメになってしまう!出来るだけ、冷蔵庫の温度を下げないように、冷蔵庫は開けないようにしなくては・・いやいや、冷蔵庫の中のものを食べてしまわなければ・・と娘と二人で悶々としながら、食事をし、結局、冷蔵庫(冷凍庫)の中のものを・・と思って、食べたのは、アイスクリームだけでした。

 こんな時のために、七輪でも用意して、せめて、何か、お料理でもできるものを用意しておこうかなどということも考えました。(我が家には、バーベキューセットもあるのですが、それも電気なので・・)

 テレビもつかなければ、ネットも通じない・・明日にならなければ、どうにもならないと腹をくくって、本でも読もうと本を抱えて、ベッドに行ったら、あっという間に寝入ってしまいました。

 夢の中でも、停電は、続いていて、こんな時に知らない人が勝手に家の中を掃除に来て、家中が水浸しになっている夢でした。

 疲れていたのか、2〜3時間も寝てしまいました。目が覚めてみると、いつの間にか電気は、復活していました。

 フランスでは、なぜか、たま〜に忘れた頃にやってくる停電。単にうちのアパートがボロいのか?フランスの電気システムがおかしいのか? 

 しかし、今どき、地震などの自然災害があるわけでもない国で、停電って・・フランスって先進国??と思うような事が時々、いやところどころにあります。駅のトイレの汚さ(今は、コロナのおかげでましになっている・・)やテレビの中継がうまく繋がらなかったり・・。

 あらゆることが日本のようにはスムーズに行かないフランスでの生活で、何をするにしても、何重にも、うまく事が運ばない状況を想定して、備えているのに、そういえば停電対策はしていなかった・・さっそく何か備えなければ・・と、今さらのように、改めて思った1日でした。


<関連>「パリでは、日本ではあり得ないことが沢山起こる・・ 」

2020年8月12日水曜日

連日の猛暑のパリで・・なりふり構わず不審者のような武装で歩く

 


 先週末から続いているフランスの猛暑。これで5日間くらい、36℃、37℃、38℃と、体温と同じか、それ以上の気温が続いています。湿度がないので、例年は、暑くなっても日が落ちて夜中になれば涼しくなり、朝になると、前日の暑さが嘘のように涼しくなっているものなのですが、今年は、前日から積み重なった温度が蓄積されて、夜になっても気温が下がらず、朝のうちに部屋の空気の入れ換えをしようにも、早朝、起きた時点で、すでにむっとした温度、それでも、空気の入れ替えのつもりで、開けたままになっていた窓を慌てて閉めて、シャッターも下ろすのです。

 去年のパリは、42℃という驚異的な猛暑を記録し、私には、その暑さをエアコンなしに(フランスの一般家庭には、エアコンがない家庭が多く、我が家にもエアコンはないのです)乗り切ったので、40℃を超えなければ、大丈夫・・という妙な自信のようなものが自分の中にあったのです。

 ところが、今年は、今のところ、40℃は超えないものの、去年よりも辛いのです。それは、35℃以上の日がだらだらと続いているため、前日の暑さが引かないうちに朝を迎えて、日に日に朝の早い時間から気温が上昇するからです。

 家の中は、もうすでに棚の中まで、まるで保温箱のように温まっており、水道から出てくる水まで生ぬるく、たとえ、早い時間からシャッターを閉めたとしても、前日の生ぬるい空気が家の中には充満したままなので、どれだけシャッターを閉めたり、遮光対策をとっても日に日に暑さが厳しくなるのです。

 それでも、外に出るよりは、ましと、濡れたタオルを肩からかけたり、頭にかぶったりしながら、扇風機を回して、冷たい飲み物でも飲んでいれば、なんとか凌げるのですが、なんと、こんな時に限って外出する用事ができてしまったのです。

 ここのところ、ロックダウン中に始めた家の中の不用品処分のために、フランス版メルカリのようなものをやっており、なかなか良い調子で処分できていたのですが、さすがにバカンスシーズンに入って、そんなサイトを見ている人もいないのか、出品している商品が、さっぱり売れなくなっていました。

 しかし、バカンスにも行かず、暑さとウィルスから身を隠すように暮らしていた私は、毎日、少しずつ、不用品を出品し続けて、周りの人たちがバカンスから帰ってきて、再び、サイトを見て買い物をしてくれる日に備えていました。

 それが、なんと、よりにもよって、このクソ暑い日に売れてしまったのです。しかも、使わないまま放ってあった娘のクレヨンなどの文房具類・締めて10ユーロが・・。10ユーロのための外出・・思わず絶句しました。

 この商品の受け渡しは、商品を梱包して、ステッカーをダウンロードして貼り付け、配送される受け渡し代理店にまで持っていくのですが、コロナ渦で近所の代理店が閉店となり、徒歩で往復30分ほどの代理店まで持っていかなければならなくなってしまったのです。

 気候の良い時なら、30分くらいは、気分転換の良いお散歩になるのですが、この炎天下、売れてしまったものを暑いから送れないというわけにもいかずに決死の覚悟で出かけたのでした。

 もうこうなったら、なりふり構ってなどいられません。帽子の中に保冷剤を仕込み、タンクトップを着て、パレオを水で濡らして肩からはおり、冷凍してあったお茶の入ったペットボトルを握りしめて、ポケットには、保冷剤を入れて、サングラスをして、マスクをして、日傘がないので、色の薄い傘をさして、不審人物そのもののような格好をして出かけたのです。

 しかし、そこは、パリの良いところ・・この、世にもおかしな武装でも、不審そうに私を眺める人は、誰もおらずに無事に用事を済ませてきたのです。パリというと優雅に暮らしている感じを想像される方もおられると思いますが、私の場合、優雅とは、遥かに、かけ離れた姿です。

 今日、学んだのは、帽子の中の保冷剤は、かなり効果的であることと、濡らしたパレオも快適で、日傘というものは、原始的な暑さ対策でありながら、自分の歩くところすべてが日陰となる、大変ありがたいものだということでした。

 それでも、ハーハーしながら家に戻り、水のシャワーを浴びて、一息つくと、なんと夕方には、激しい雷とともに雨が降って、36℃から23℃に気温が下がりました。しかし、雨は、すぐに止み、明日は、また35℃まで上がる予報になっています。

 しかし、10ユーロのクレヨンのために、この猛暑の中、必死に出かけるハメになった自分を微妙な気持ちで振り返りながら、相手の人に、「荷物、送りました」というメッセージを送ったら、「Super, merci beaucoup pour votre rapidité ! 」(スゴい!こんなに早くに送ってくれてありがとう!)という返信があり、「ここは、フランスなんだ・・こんなに急いで送ることなかった・・」と、冷静になって、改めて思い返したのでした。


<関連>「ロックダウン解除後のフランス版メルカリサイトでの人気商品」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/blog-post_6.html


 

 

2020年8月11日火曜日

子供のために使うお金 フランスのコロニー(子供の合宿・サマーキャンプ)


 フランスは、今は、バカンス真っ盛りですが、とにかく学校のバカンスが多くて、特に夏は、2ヶ月間、ほとんど、まるまるお休みなので、その期間を子供にどう過ごさせるかというのは、大問題でした。

 娘が小さい頃(小学校低学年の頃)は、7月の最初の週にフランスの学校がお休みになると同時に日本へ一緒に行って、日本の小学校が夏休みに入るまでの少しの間、日本の実家の近所の区立の小学校に一時編入をさせてもらっていました。

 いくら、フランスの会社がバカンスを取れるとは言っても、せいぜい一ヶ月、子供の学校のお休みは夏に2ヶ月間、ハロウィンの頃に2週間、ノエル(クリスマスから年末にかけて2週間)、冬休み2週間、イースターに2週間と、とても子供のお休みに合わせて、全て休んでいるわけにはいきません。

 そんな子供のためにバカンス中に子供のレクリエーションをさせながら、子供を預かってくれる Centre de loisirs(サントロ・ド・ロワジール)という機関があるのですが、娘が小さい頃は、自分のバカンスでまかないきれないお休みの時期は、ここでお世話になっていました。

 ここでも、色々なアクティビティやスポーツをさせてくれたり、遠足のようにバスなどで日帰りで地方のお城などに連れて行ってくれたり、「もう、お城はいい・・」と言い出すほどに色々なところに連れて行ってもらっていました。

 やがて、娘が大きくなるにつれて、私も仕事がどんどん忙しくなり、夏に長期のバカンスが取れなくなった頃、コロニーという合宿のようなもの(スポーツや観光など、様々なプログラムがあります)があることを知り、私が子供のバカンスの時期にお休みを取れない期間には、このコロニーに随分とお世話になりました。

 主人は、公務員でしたので、ハロウィンとノエルのお休み以外は、財務省の主催するコロニーがあり、国からの援助なども出るため、最大限、利用させてもらいました。

 おかげで娘は、冬にはスキー、春には乗馬、夏には、ダイビングやサーフィン、カヌー、カヤック、ハイドロスピード、クライミングなどなど、ありとあらゆるスポーツをフランス国内だけではなく、スペインやギリシャなどの、ちょっと普通では観光できないようなこの世とは思えないような美しい砂漠や小さな無人島なども旅して、キャンプをしたり、砂浜で寝たり、決して贅沢ではない旅ではありましたが、この上なく楽しい体験をしてきました。

 夏のコロニーは3〜4週間、それ以外は、1週間の合宿です。

 私は、仕事で、娘の長いバカンスに付き合えなくなってしまったことを、最初は、娘に気の毒なように感じていましたが、それは、すぐに私の思い上がりであったことがわかりました。実際のところ、親がしてあげられることは、限られたことであって、思っているよりも大したことではなく、子供が未知の体験をする、その機会を与えてあげる方が良いこともある、むしろ、その方が良いのだと思うようになりました。

 時には、ドッキリしたハプニングもありましたが、それも良い経験でした。

 フランス人は、かなり裕福な家庭でさえも、子供にさほど贅沢なものを買い与えることはありませんが、自分たちがバカンスにお金を使うように、子供に何かを体験させることには、比較的、出し惜しみはしません。


 我が家も、洋服などは、頂き物が多かったし、贅沢な物を買い与えたことは、ありませんでしたが、娘の、コロニーや、スポーツなどには、(特に、夏の間は、私の少ないお給料がすっ飛ぶくらいに)惜しみなく、使ってきました。

 娘が行っていた財務省主催のコロニーは、フランス全土の財務省の職員の子供たちが集まって出かけるコロニーで、(たくさんの種類があり、場所や自分のやりたいスポーツなどを選べるようになっています)小学校から高校まで同じ学校に通っていた娘の狭い世界から、同じ年頃でも色々な地域、世界の子供たちに出会うことができ、また、親が付き合いきれないようなスポーツなども体験できて、かけがえのない経験となりました。


 それに加えて、学校からの合宿やドイツへの交換留学なども加えると、彼女は高校生までは、ほぼ3ヶ月に一度くらいの割合で旅行をしていました。

 そのコロニーには、年齢制限があるために、今は、もう参加することはできませんが、娘は、今になっても、コロニーは、本当に楽しかった・・ちょっと普通ではなかなかできないスポーツがたくさんできた!行けなくなって残念・・と懐かしそうに振り返っています。


 これから先は、自分で稼ぐようになったら、いくらでもどこにでも行けると思いますが、歳を取ればとるほど、一度やったことがあることには、抵抗なく、再開できるものです。

 私は、子供に使うお金は、贅沢な物を買い与えるのではなく、何か身に付けること、体験することに使うべきだと、フランスのコロニーに参加させてもらった娘を見ていて、強く思うようになりました。


<関連>

「おたくのお嬢さんが刺されそうになりました⁈・・バカンス中のサマーキャンプでの話」

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