EES(欧州出入国管理システム)導入のため、アムステルダム、フランクフルト、ミュンヘンの各空港で、今年の夏は待ち時間が大幅に増加し、混乱をきたしているといいます。
フランクフルトでは最大2時間、ミュンヘンでは1時間、これは、昨年の夏と比較すると約2倍、アムステルダムでは、待ち時間が80分から120分に増加しています。
これを聞いて、私は、え?欧州の出入国管理システムの導入って2027年に延期されたんじゃないの?と思いましたが、延期されたのは、ETIAS(電子渡航認証システム)の方で、このEES(欧州出入国管理システム)は、別のものでした。
というのも、欧州圏外からの旅行者は、欧州入国に際して、ETIAS(電子渡航認証システム)が2027年から求められますが、このETIASというものは、欧州渡航前に取得するべき入国許可で、今回、トラブルを引き起こしているEES(欧州出入国管理システム)は、欧州の国境(入国・出国)での出入国記録のことです。
このEESの方は既に始まっており、この新しいシステムが初めて夏の混雑時にあたり、混乱を起こしている状況のようです。
従来の入国審査の場合、パスポート確認→ 入国スタンプ→ 入国という流れでしたが、EESでは初回登録時にパスポート情報の確認(顔写真の登録、指紋の登録)→ EESへのデータ登録→ 入国審査官による確認のうえ、ようやく入国ということになります。
これを大量の乗客に対応しなければならないのですから時間がかかるのも当然の話です。
入国審査官の人員不足などの問題もありますが、これは、このシステムが導入された時点で当然、準備するべきことだったはずです。
この問題が特にフランクフルトやミュンヘン、アムステルダムで勃発しているのかと思いますが、これは、これらの空港が欧州における巨大なハブ空港であるためとされています。
しかし、それならなぜ?パリ(CDG)では、そこまで問題になっていないのか?
逆の言い方をすれば、本来ならば、パリの方がよほど混乱を起こしていそうだと思うのです。
しかし、パリでそこまで混乱をきたしていないのは、「EESを使うことで処理が遅くなりすぎる場合には、システムを一時停止する」つまり、「システムよりも混雑緩和を優先する」という措置をとっているためです。
「えっ?そっちに行っちゃう?」と思うのですが、実際には、混雑時には、これを使わないというのが、パリであまり事態が深刻になっていない理由のようです。
新システムを導入することで、システム化することで、空港の処理能力が上がるはずだったものが、実際にはEESを使うと処理が遅すぎるため、行列が増え、空港が混乱を起こし、混雑が一定レベルを超えるとEESの一部機能を停止してしまう・・というなんだか、とても中途半端なことになっています。
本来ならば、2027年からは、入国前にETIASを事前申請し、そしてEESでの出入国管理が行われるのですから、このままでは、ますます時間がかかってしまいます。
ある程度、時間に余裕を持ったスケジュール調整が必用になりますが、欧州内で移動する場合、乗り継ぎなどの場合は調整するにも限度があるのですから、頭が痛いところです。
EES(欧州出入国管理システム)
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