2025年6月7日土曜日

ヌイイ・シュル・セーヌのカフェでラビ襲撃

  


 パリ、およびパリ近郊は、全般的に治安は良いとは言えないものの、その地域によって、いかにも危険な場所とそうでない場所があります。

 その意味では、今回、事件が起こったヌイイ・シュル・セーヌは、どちらかといえば、良い地域、パリ16区のすぐ隣で、比較的富裕層が住んでいたり、名だたる有名な企業が本社を構えていたりする場所でもあるので、ちょっとこんな事件がヌイイで起こるの?と驚いたのも事実です。

 ただ、今回の襲撃事件は、単に金銭目的の強盗とか、そういうものではなく、宗教的、人種的な攻撃行為なので、場所は関係なかったのかもしれません。

 これは、ヌイイ・シュル・セーヌの広場にあるカフェに座ってふつうに会話していたラビ(ユダヤ教における宗教的指導者)が突然、襲われたもので、座っていたラビの背後から、椅子で頭を殴りつけたという暴力事件です。

 ところが、このラビは、1週間のうちに襲われたのが2度目であったということで、一度目は、ドーヴィル(パリから2時間ほどで行ける比較的近いバカンス地(海))の路上で、明らかに酔った3人に襲われ、腹部を殴られ軽傷を負っていました。この1度目の事件の犯人は、未だ追跡中とのことです。

 2回目の襲撃は、白昼堂々、カフェで・・ということだったので、この犯人はただちに身柄を拘束されています。身柄拘束された容疑者は、パレスチナ出身のOQTF(フランス領土退去命令)対象者で、ドイツへの渡航を許可する文書を持っているものの、人道的な理由から、追放が不可能な国から来ているということで、追放ができない状態にあったと言われています。

 しかし、OQTF(フランス領土退去命令)対象になっていながら、追放できない者が街に紛れているということは、おかしな話だとも思います。

 しかし、1週間に2度も襲撃にあい、おまけにいきなり頭を椅子で殴りつけられるという凶行に遭いながら、このラビは、当初は、「頭に煙突が落ちてきたかと思った・・少しトラウマが残るかもしれない・・」と言っていたものの、その後は、極めて落ち着いていて、「外傷はなく、少し頭が腫れているだけ・・神様に感謝です」といいつつも、「もし、相手が私ではなく、子どもやもっと弱い人だったら、どうなっていたかは私には想像もつかない」とも語っています。

 この事件に関して、内務大臣は即、反応し、「ユダヤ人の同胞に対して、我々は彼らとともにあると伝えたい」、「信仰を理由に人を攻撃するのは恥ずべき行為だ!」、「反ユダヤ主義はあらゆる憎悪と同様に私たちの社会にとっての致命的な毒です」と発信しています。

 また、このような事件が起こる背景として、イスラエルへの憎悪がユダヤ人に汚名を着せてしまっている一般的な状況において、今回の攻撃は、フランスのユダヤ人を有害とする風潮を示しているとも付け加えています。

 しかし、このラビは、なかなか強靭は人で、「私はこのことで、これまでの習慣を変えるつもりはなく、キッパー(ユダヤ教の民族衣装の一種の男性がかぶる帽子のようなもの)をかぶり、あごひげをはやしてパリの街を歩き続ける」と語っています。


ヌイイ ラビ襲撃


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2025年6月6日金曜日

現金決済の終わり? ATMに関する複数のデマとほんの少しの真実

  


 「2025年末までにATMがなくなる!」・・この現金決済、ATMに関する複数のデマがSNS上でまことしやかに出回り、一部の人々の間に混乱を巻き起こしているようです。

 特に、目立っているTikTokの動画では、「2025年末までにATMがなくなることが確定しました!代替となるのはこれです!この大規模な交換作業は全国で進行中です!」というもので、また、X上では、「ATMから現金を引き出すには、今後は身分証明書が必用になる!」と主張しているものも散見されるそうです。

 フェイクニュースにはよくあることですが、これらのデマには、多くの嘘と少しの真実が混ざっています。

 実際に、フランスでは、現金決済をする人の数は急激に減少しているため、各銀行はコスト削減のために、ATMの数を減らしているのは事実で、2018年から2023年の間には、8,000ヶ所のATMを閉鎖したと言われています。

 私自身もここ数年、もうフランスで現金をおろすということは、およそなく、せいぜい一年に一度、あるかないかのことで、ごくごくたまに支払いが低額のために現金しか受け付けないというお店がないこともない(しかし、最近は、お目にかからないけど・・)ので、そんな時のために一応、お財布には20~30ユーロくらいは入れていますが、それは滅多に使うことはありません。

 どうせ、同じ銀行から落ちるお金・・いちいち現金をおろす必要はなく、そもそも高額の現金を持ち歩くのは物騒です。そうそう・・今、思い出しました!最近、現金を使ったのは、日本大使館でのパスポート更新の料金の支払いでした。(未だに現金しか受け付けない日本大使館)

 しかし、フランス銀行連盟によれば、2025年末までにATMが消滅することは絶対にないそうです。

 日本に一時帰国する度に驚くのは、日本は未だ現金を使用する人がすごく多いことと、銀行のATMがいつもすごく混雑していることです。

 フランスでは、買い物の際に現金を使用している人は極端に減っていますし、銀行自体もATMを減らしているうえ、ATMが混雑しているという光景は最近、見かけたことがありません。

 フランス政府は、多くの犯罪を防止する観点からも現金は廃止の方向に進みたい意向を持っていることは事実で、ジェラール・ダルマナン法務相は、「日常的な犯罪詐欺、麻薬取引の大部分は、犯罪組織内にあっても現金であり、これ(現金取引)を廃止することは、犯罪を削減させるのに単純だが、極めて有効な手段である」と語っています。

 北欧ではすでにかなり現金を利用する人が減少しており、スウェーデンでは現金が使われているのはわずか28%、ノルウェーでは35%という調査結果(べリングポイント調査)が出ているそうで、それに比べれば、フランスは、51%となっており、ちょうど半々くらいの割合になっています。

 しかし、現金だけだった?時代から考えれば、この変化はあっという間の出来事だったので、今後は、やはり、現金はますます減少していく傾向にあることには、代わりはありません。

 個人的には、おつりの計算が苦手なフランス人でも間違えることなくあっという間に電子決済をしてくれるのは、安心だし、なぜ?現金?と思ってしまいます。

 しいて言うならば、カードなどの電子決済の場合は、ついつい使いすぎるというくらいでしょうか・・。

 一般的に現金を使っている人には、比較的、高齢の方々が多いような気もするので、世代交代とともに、やはりこの割合は、どんどん減っていくのだろうな・・と思います。

 しかし、同時に、このようなデマがあっという間に広まるということも、やっぱり恐ろしいことだと思うのです。


ATM消滅


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2025年6月5日木曜日

グレヴァン美術館から盗まれたマクロン大統領の蝋人形が・・

 


  週初めの月曜日、パリ9区にあるグレヴァン美術館(蝋人形館)からマクロン大統領の蝋人形が盗まれるという事件が起こっていました。

 そんなもの?どうやって盗めるの?と思いますが、これは、NGOグリーンピースが抗議活動に利用するために借りた・・と言っているらしいのです。


 このマクロン大統領の蝋人形は4万ユーロ相当のものだそうなのですが、盗まれた後、最初は、ロシア大使館前に設置され、側に活動家の一人が「プーチンとマクロン 放射能同盟」と書かれたプラカードを掲げていました。



 後日、このマクロン大統領の蝋人形は、EDF(フランス電力)の本部前に移動された模様で、グリーンピース・フランスのジャン・フランソワ・ジュリアール事務局長は、「当初、約束したとおり、エマニュエル・マクロン大統領の蝋人形は借り物なので返却に来た」とEDF本部近くで声明を発表しました。

 「グレヴァン美術館と警察には通報したので、回収に来るのは彼らの責任です」と彼は言っており、盗み出しておいて、借りたといいつつ、返却したので、取りに来い!というあたり、なかなか横柄な感じがすごいな・・と思うのです。

 とはいえ、一応、この盗難事件に関して2人が逮捕されているそうです。

 このマクロン大統領の蝋人形盗難の様子やパリを移動する様子が、SNS上で拡散されているのですが、妙にリアルな蝋人形が布もかけられないままに、抱えられて移動させられる様子はとてもシュールです。

 なんだか、グレヴァン美術館の存在は知っていたし、時々、前を通ることもあるのですが、今まで、まったく興味がなかったのですが、今回の騒ぎのおかげで、なんだか見に行きたくなりました。

 これはもしかして、グレヴァン蝋人形館の凄いコマーシャルになったかもしれません。


グレヴァン美術館 グレヴァン蝋人形館 マクロン大統領の蠟人形


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2025年6月4日水曜日

M&S マークス&スペンサーが消えた!

  


 私は、しばらくロンドンにいたこともあって、なんとなく懐かしさもあって、イギリスのスーパーマーケットM&S マークス&スペンサーが好きで、時々、思い出したころに行ってみては、マフィンとかパンとかクッキーとか、スナック類とか紅茶とかをに買いに行っていました。

 ブレグジット前までは、パリ市内にはいくつもあったこのお店、ブレグジット後には、がっくり店舗数も減って、残った店舗内でも品数がグッと減ってしまいました。

 それでも、私の欲しいものは、ギリギリ存在していたので、生き残ったM&Sは、もうずっと、存在し続けるのだと思っていました。

 「そういえば、最近、M&Sに行ってなかったな・・パンと紅茶、買いに行こう!」と急に思い立って、買い物に出かけたモンパルナス駅。これまでも、MONOPRIX(モノプリ)(パリのスーパーマーケットチェーン)の一部のスペースにM&Sの商品がおかれていたのですが、このコーナーがすっぽり消失して、ただのモノプリになっており、大ショック!

 俄かに信じ難い光景に、こんなことってあるのかしら?とないものはないのに、一応、店員さんに、「もうM&Sの商品おいてないんですか?」と聞いたら、「もう全て、撤廃しました・・」と。

 大げさではありますが、フランスのパンとも違い、最近、少しブームみたいになった日本の高級食パンや菓子パンなどとも違い、イギリスのパン、マフィン、スコーン、クッキーなどは、それなりに独特なもので、たまに食べるのを実はとても楽しみにしていたので、これがなくなってしまったのは、大変ショックでした。

 たかがスーパーのパンごときに大げさなのですが、私の中では大変にショッキングなことでした。

 モンパルナス駅には、このM&Sの他に、ボルドーのカヌレ屋さんなどもあって、ついでにいくつかの食料品等の調達ができるので、便利に利用していました。

 まさかのM&S消滅に、未練がましく、店員さんの元に戻って、「パリで他にM&Sのお店はどこにありますか?」と聞いてみたら、「La Defense ラ・デファンス」に一店舗だけ残っているはず・・でも、そこも、あんまり商品ないかもしれないわよ・・とのことで、こうなったら、ラ・デファンスでもなんでも行ってやろう!と、そのまま手ぶらで帰るのも忍びなく、ラ・デファンスへ行きました。

 ところが、ラ・デファンスのM&Sも実はもう消滅していました。サイト上には、まだ、存在しているように出ていますが、実際にはありません。

 あとは、たしか、空港にあったはず・・と思いましたが、さすがに空港まで行くのは、億劫で、しかも、クチコミの中で「空港のモノプリの中にあったはずのM&Sがない!!サイトには、載ってるのに・・」というものがあり、こりゃ、全部、消えちゃったのかも・・と思っています。

 それにしても、ほんのちょっとでしたが、少しはイギリスを感じられる身近な空間だったM&S(マークス&スペンサー)がなくなっちゃったなんて、ほんのちょっとのことなんですが、想像以上にショックを受けております。

 あたりまえのようにずっと存在し続けるものはなく、ある日突然、あるはずのものがなくなることってあるのです。

 


M&S(マークス&スペンサー)パリ撤退


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2025年6月3日火曜日

私がたまにラファイエットグルメに行ってみる理由

 


 私はお散歩というものが、あんまり得意ではなくて、できるだけ健康のためには、歩いた方がいいことはわかっているけど、そうそう何もなしに歩くということが苦手です。

 ことに、若い頃は、本当に歩かない人間で、「歩くくらいだったら、泳ぐ方がラク・・」とか、「あまり歩くと足が太くなる・・」とか、適当な言い訳をしつつ、およそ、歩くということをしてきませんでした。

 それでも、ジムには行っていたし(泳ぎに・・)、そこそこ運動はしていたし、何より若さゆえ、健康でした。

 ここ最近は、歩くことを心掛けているものの、犬でもいれば、お散歩に行くのでしょうが、私はネコ派で、健康にさえ問題なければ、猫のような生活が私の理想ではあります。

 そういうときは、お買物か美術館などが定番ではあるのですが、そのお買物スポットの中には、ギャラリーラファイエットグルメが入っています。なんといっても、ふつうのお店の1割から2割方、値段が高いので、もっぱら、美術館へ行くのと大して変わらず、どんな美味しいものがあるのかを見に行く程度です。

 さすがに品質の高い、美味しいもの・・しかも、新製品などがいち早く並んでいるので、ラファイエットグルメの中の店舗はだいたいいつも同じでも(とはいえ、けっこう入れ替わりもあります)季節によって、また、新製品が美しく並んでいます。



 食べることが何より好きで、食品を見て歩くのが楽しいので、効率よく美味しいものを探すには、絶好の場所で、なんなら、今まで見かけなかったお店が入っていたりして、これは、良さそうと思ったお店には、後日、本店を探して行ってみます。

 ということは、私にとっては、見本市のようなもので、せこいですが、ラファイエットグルメではあまり買い物はしません。とはいえ、今日は、今まで見たことがなかったPHILLIPE CONTITINIで今まで見たことのなかったパン・オ・ショコラ(生地がカカオ味になっていて、チョコレートが3本?入っています)を一つだけ買いました。




 あとは、ピエール・エルメの新作スイーツが出ていたり、他に新しくロールケーキのお店(PATISSELIER)が出店していました。




 ロールケーキは最近、時々、パリでも見かけるようになりましたが、食べてみてもいないのに、何ですが・・正直、ロールケーキの美味しいものは、日本の方がクォリティが高いのでは・・?などと勝手に思いました。

 地下の食料品売り場には、野菜、魚、肉、加工品等やお土産ものに使えそうな長期保存が可能なものがあり、1階(日本で言う2階)には、ストリートフードコートとワインのカーブを美しく展示している場所があります。




 これは、数年前にワインやシャンパンのカーブが大部分を占めていた場所をストリートフードコートに改造したスペースですが、早くもこのストリートフードコートに出店しているお店には、変動があるようで、スペースの一部は改装中でした。



 こうして、美しく、美味しそうな食べ物を見て歩いていると、いつのまにか、けっこう歩いているものです。


ギャラリーラファイエットグルメ


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2025年6月2日月曜日

昨日のパリはヨーロッパの首都だった!

  


 「昨日のパリはヨーロッパの首都だった!」と文化大臣が語ったそうで、それほど、サッカーの欧州チャンピオンリーグでのPSG(パリ・サンジェルマン)の優勝は、フランスを熱狂の渦に沸きに沸いていました。

 このサッカーへの熱狂に全くついていけない私には、それがどんなにスゴイことなのかは、あんまりピンと来ていなかったし、どちらかというと、「ちょっと騒ぎすぎじゃない?」くらいに思っていました。

 しかも、パリでやっていた試合でもないのに、優勝が決まった後は、パリでは花火が禁止されていたというのに、あちこちで花火があがり、街中の車がクラクションを鳴らしているような感じで、夜、遅くまで、サポーターが集まっているシャンゼリゼやパークからも遠い我が家のアパートの中にいても、その歓喜の渦から逃れられない感じでした。

 この騒ぎは翌日まで続いていて、選手たちはドイツから1時間半のフライトを経て、凱旋帰国して、シャンゼリゼでパレード。この日はシャンゼリゼには、25,000人が集まったとかで、もう街が唸っているような感じでした。

 今回のシャンゼリゼでのPSGチームの凱旋パレードは、同じくシャンゼリゼに人が集まるパリ祭のパレードなどと違って、サポーターたちは、歓喜に溢れ、興奮して、力の限りを尽くして歓声をあげているのですから、これは大変な騒ぎです。

 亡き夫はあまりサッカーに興味がある人ではありませんでしたが、そういえば、このチャンピオンリーグだけは見るといって、テレビの前でですが、アパート中に轟き渡るような大声を出して応援していたことを思い出しました。

 このサッカーに対する盛り上がり方、異様なテンションには、私は一生、ついていけないと思うし、もうこれはフランス人のDNAに組み込まれているのではないかと思う熱狂ぶりです。

 シャンゼリゼでのパレードの後は、選手たちは、マクロン大統領にエリゼ宮に招待され、祝福を受け、午後9時からは、パーク・デ・プランス(PSGの本拠地・ホームグラウンド)で、祝賀パーティーが大々的に行われます。

 マクロン大統領とて、これだけ国民が熱狂しているものを捨て置けないのだとも思いますし、マクロン大統領自身もサッカーの大ファンであると思われます。

 もともと熱狂的に歓喜したり、パーティーで騒いだりということは、めっぽう苦手な私は問題外なのですが、たいていの日本人はこれは、ちょっと引くだろうと思うほどの熱狂には、私は、一生ついていけない気がしています。

 皆が熱狂しているところ、水を差すような話ではありますが、優勝が決まった日、フランスでは優勝当日の夜の祝賀行事?中には2名の死亡者、192名の負傷者が出て、559名が逮捕されたそうです。

 まさに、熱狂するのも命がけです。

 そういえば、昔、ロンドンにいた頃、一時、障がい者の施設でボランティアをしていたことがあったのですが、その中にいたけっこうハンサムな若い男の子が半身不随で、原因はサッカーの試合に応援に行った際に負った怪我だと聞いて、「サッカーって怖い・・」と思ったことを思い出しました。


PSG パリサンジェルマン 優勝  


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2025年6月1日日曜日

パリはサッカーUEFAチャンピオンズリーグ決勝戦に厳重警戒

 


 サッカーはフランス人にとって、何なんだ?と最近、思うようになりました。

 一昨日、シャンゼリゼの近くを通ったら、なんだか、色々なお店がバリケードを張っていて、「えっ?なんで?」と思いました。どうやら、土曜日に行われるサッカーUEFAチャンピオンズリーグの決勝戦が行われるとかで、それに備えているとのこと。

 しかし、決勝戦が行われるのは、ドイツのミュンヘンです。

 しかし、決勝戦に進出しているのがPSG(パリ・サンジェルマン)とインテル(イタリア)なのだそうで、勝っても負けても、フランス人は大騒ぎなのです。

 これが暴動とかいうことではないだけ、まだマシなのかもしれませんが、サッカーの欧州チャンピオンズリーグの決勝戦のために、ここまでしなければならないことも、正直、ちょっとおかしなことではないか?とも思うのです。

 サッカーは数あるスポーツの中でも、おそらく最もサポーターの多い、フランス人がもっとも騒ぐスポーツで、前回のチャンピオンズリーグの際も多くのサポーターがコンコルド広場やシャンゼリゼに集まり、大フィーバーになりました。

 今回は、この騒ぎに無防備でいるわけにはいかないと考えた、なにかと言えば、お祭り騒ぎに集まるシャンゼリゼの商店は、銀行、バー、高級ブティックなどが、ショーウィンドーをはじめ、店舗に板やバリケードを張って備えています。ソシエテ・ジェネラル(銀行)などは、巨大な木製パネルで完全に密閉しています。また、ブルガリ、ディオール、ラコステなどは、グリッドシステムと呼ばれる鉄格子のようなシステムを導入しています。

こんなバリケードを張るにもおしゃれな感じにしているところは、さすがだなとも思います。(そうではないところもあるにはあるが・・)

 


 それでも、パリ市は、このお祭り騒ぎを全面的に抑え込むことはしない姿勢を見せ、このエリアを封鎖したりするつもりはなく、「一定の条件下で一般公開する」と発表しています。

 とはいえ、安全のため、当日は午後7時からホテルを除くシャンゼリゼ周辺の広い地域にある一般の公開施設は閉鎖を命じられています。また、通常路上にパーキングされている車は撤去するように通知されています。

 お祭り騒ぎ→興奮して騒ぐ→車を燃やす・・のはよくあるパターンなので、言われなくとも、車は避難させるのがふつうではあります。

 このような騒ぎに乗じて、暴動のようなことを起こすブラックブロックのような集団がいることも事実ではありますが、いくらサッカーで勝っても負けても、嬉しくても悔しくても、物を破壊してまで騒ぐのがあたりまえのようになっているのは、いかがなものだろうか?と思うのです。

 このようなことが起こらないように防護しているのはわかりますが、騒ぎが起こることがもう前提のようになってしまっているのも、おかしなことではないかと思うのです。

 この日はパリには警察官が5,400人が配置されるそうで、このおよそ半数以上がシャンゼリゼ周辺に配置される人員なのだそうです。

 しかも、驚きなのは、この試合がパリで行われるものでもないのに・・というところです。

 家にいても、とにかく外が騒がしく、結局、PSGが勝ったからか?クラクションが鳴り響き、花火が打ちあがる音があちこちから聞こえてきます。

 しかし、やっぱり燃えてます・・・。これはPSGのホームグラウンドの近くらしいです。 



 こういう騒ぎを見ていると、人はなにか熱狂するものを常に求めているのかなと思います。


サッカー欧州チャンピオンズリーグ決勝戦 シャンゼリゼ


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