2024年10月7日月曜日

2024年フラングランプリ最優秀賞受賞のブーランジェリー ラ・ポンパドール LA POMPADOUR

  



 毎年、バゲットコンクール、クロワッサンコンクールなど、様々なコンクールがあるパリで、今一つ、盛り上がりにかけえる気もする「フラン」のコンクールですが、この「フラン」というお菓子は、たいていフランスのブーランジェリーには、必ずある定番のお菓子で、かなりのポピュラーな存在のものです。

 ベースはカスタードクリームでこのカスタードクリームをタルト生地にのせて焼いたもので、そのお店のクォリティーを知るには、そのシンプルな素材ゆえに、フランを食べてみれば、そのお店のレベルがわかるような気もしています。

 最近、私は、ブーランジェリーが気になって仕方なく、気になっっているブーランジェリーには、できるだけ行ってみるようにしているので、なんとなく、このお店は良さそうだ・・という勘が働くようになりました。

 とはいえ、パリには、星の数ほどあるブーランジェリー、まだまだ奥が深いです。




 先日、今年、フラングランプリで優勝したお店があるというので、行ってみたら、これが、見事に感動的なお店でした。なんといっても、パンにせよ、ヴィエノワズリーにせよ、ケーキ類にせよ、種類が豊富でどれもこれも美味しそうで、ちょっと、久しぶりに興奮しました。・・パン屋で・・。



 とりあえず、そのグランプリ受賞のフランは買うとして、どれかもう一つくらいは絶対に食べてみたいし、できれば、パンかヴィエノワズリーの一つでも・・と、ショーケースの前を行ったり来たりとずいぶん悩みました。

 結局、さんざん悩んだ挙句に、ナチュールのフランとサントノーレ、オラニエ、クルミやレーズンなどのドライフルーツ入りのパンを買ってきました。

 当然、フランは、シンプルな味で美味しかったのですが、それよりも感動したのは、ここのサントノーレで、このサントノーレに使われている生クリームの部分がマスカルポーネのクリームで、これが超絶美味しく、シューの部分のカラメルもカリカリで香ばしく、ちょっと感動ものでした。



 これは、しばらく通って、もう少し、色々な種類のものを食べてみようと思っています。

 日本では、この「フラン」というお菓子。今一つ、マイナーな気がしますが、逆にこのブーランジェリー良さそう!というお店に行ってみて、ここのお店のスペシャリテは?と聞いてみたりすると、「どれもこれも美味しいけど、以前にフランコンクールで優勝したことあるから、フランかも?」などと言われたりすることもあり、実際に食べてみると、とっても美味しく、他のものも、けっこうレベルが高いので、フランの美味しいブーランジェリーは、他のものも、おしなべてレベルが高い・・ような気がします。

 コンクールで優勝したからといって値段が吊り上がったりすることもなく、いわゆる日本でも有名なようなパティシエのお店などと比較すると、ごくごくふつうな一般的なお値段であることも魅力的です。



 今回、買ってきた他のものも全て「大あたり!」で、かなり大ぶりなオラニエやドライフルーツ入りのパン(味見してみたいからと3切れだけ切ってもらうというセコい買い方をしました・・)もちょっとオーブンであぶってバターを薄く塗って、甘味と塩見を楽しみながら頂きました。これは、けっこうズッシリしていて、食べ応えがありました。

 今後、しばらくは、このお店に通うことになりそうな気がしていますが、それでも、まだ知らないお店にもたくさん行ってみたいところがあるので、そのどっちを取るべきかは、悩ましいところです。

 しかし、我ながら、平和な悩みです。


LA POMPADOUR 

110 Rue de la Tour 75016 Paris 


2024年フラングランプリ最優秀賞 ラ・ポンパドール  


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2024年10月6日日曜日

SNSで募集されたマルセイユの14歳の殺し屋

  

 

 何から何まで驚愕の突っ込みどころ満載というか、どれだけ、首を傾げても傾げきれないような事件です。

 10月3日から4日の夜、マルセイユ3区でVTCの運転手である30歳の男性が首に銃撃を受けて、交通事故を起こして死亡するという事件が起こりました。現場の写真を見ると、激しく学校の門に衝突して大破した車の様子から、一見、交通事故か、あるいは、学校へのテロ攻撃?と見えないこともありませんが、この被害者は、この衝突の前に首を銃で撃たれており、救急隊が到着した時には、すでに心肺停止状態にあり、蘇生は不可能であったということです。

 ところが、この事件が起こってまもなく、警察に刑務所の独房から通報があり、この通報者自らは、この事件の先導者(黒幕)と名乗り、この実行犯の少年の名前と居場所を知らせてきたということで、この先導者の情報どおりに、逮捕されたのは、14歳の少年だったという・・一体、どこでビックリしたらいいのかわからない事件です。

 この14歳の少年、刑務所の独房にいる先導者(マルセイユの麻薬密売組織DZマフィアのメンバー)が、SNSで殺し屋を募集、この14歳の少年に殺害を依頼していたそうですが、この少年の仕事に落ち度があった・・彼の依頼では、殺害後に車を燃やすはずだったのに、車を燃やしていない・・つまり、不完全な仕事のために雇った殺し屋を警察に売ったと話していると言います。

 この通報は、この殺し屋の仕事を請け負っている者たちへの見せしめというか、仕事をきっちりやらないとこうなるぞ・・ということを知らしめているような気もします。

 まず、刑務所の独房からなぜ?自由にSNSを使ったり、電話ができたりするのか? そもそもなんで携帯もってるの? また殺し屋として14歳の少年を雇う?また14歳の少年が殺し屋の仕事を引き受ける・・全てが意味がわかりません。

 この黒幕の男によると、この事件は、10月1日から2日の夜にマルセイユ3区で刺殺された暗殺事件への対応であることも示唆しており、麻薬密売組織の抗争とみられています。

 マルセイユの警察当局によると、現在、マルセイユで起こっている麻薬密売に関連した事件に関係した者の35.87%は未成年者であるということで、この麻薬密売組織は、人身売買に積極的に参入しているが、この中には、殺し屋として採用される者もいるということで、若い殺し屋は犯罪組織に雇われ、スナップチャットなどのソーシャルネットワーク上で頻繁に利用されており、暗殺1件につき2万~3万ユーロ(約320万円~480万円)が支払われると言われています。

 この末端の麻薬密売人は、14歳から21歳が中心ということで、今回の殺し屋が14歳であったということは、衝撃的であると同時に、この背景からは、あり得ない話ではないのかもしれません。

 マルセイユ警察当局の信じられないほどの努力にもかかわらず、この4~6年間、治安の悪化は激化する一方で、この麻薬密売は巨額の金をもたらし続けているということです。

 この14歳の殺し屋はニーム生まれのコモロ人で、彼のプロフィールは警察にもよく知られていたと言います。彼は重大な犯罪歴のある家族の出身で、両親は加重ポン引きで有罪判決を受けて刑務所に収監されているそうで、もうそれ自体も痛ましい生い立ちのような気がしてきます。

 よく、司法制度については、日本の司法制度が人質司法などと非難されますが、これでは、なかなかなことをしないと刑務所に収監されないうえに、刑務所の独房で携帯使い放題のようなフランスの司法もどういうものか?とも思います。

 もう、何から何まで問題づくめのこの事件、徹底的に追及してほしいものです。


14歳の殺し屋


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2024年10月5日土曜日

緊縮財政の金メダル政府 600億ユーロ削減計画の内訳

  


 莫大な財政赤字を抱え続けているフランスは、2025年の次期財政法案作成にあたって、首相は、この赤字をGDPの5%以下に抑えることを目標とし、600億ユーロの赤字を是正することを発表し、バルニエ首相は、現在、一部では「600億ユーロの男」などと言われています。

 あまりの桁の大きさに、逆にピンと来ないところもあるのですが、具体的にこの600億ユーロの財源は、3分の2の400億ユーロが公的歳出削減、3分の1の200億ユーロが増税と言われています。

 増税の部分では、先日、取り上げた航空券に課せられる連帯税を始めとした環境汚染を引き起こす交通機関への課税、そして、高額所得者(子どものいない年収50万ユーロ(約8千万円)以上の世帯や年収25万ユーロ(約4,000万円)以上の独身者など)や超優良大企業向けの増税などで、一般的な所得税の増税ではないとしています。

 なので、庶民としては、あまり関係ないかな?と思いきや、公的歳出削減には、国民健康保険の医療費負担額がこれまで70%が保険でカバーされていたものが、60%に削減されるそうで、個人負担額が30%から40%に引き上げられます。

 フランスの場合、多くの人は、国民健康保険ではカバーされない部分を補ってくれるミューチュエルという保険に入っていますが(勤めている人の場合は、会社が社員のミューチュエルの分を負担する義務がある)、このミューチュエルが負担する部分が増えるとなれば、その保険料が値上げになるわけで、そのしわ寄せは、結局は、跳ね返ってくることになります。

 また、公的歳出削減には、公務員の削減・・という予定も入っています。

 そして、毎年、1月には、インフレの上昇とともに見直される個人年金等の金額見直しが7月にスライドされるということで、多少なりとも増額されるのが6ヶ月間遅れます。これは、なんだかセコいやり方だな・・と思います。最も裕福な人への増税とともに、年金額のインフレ対応の見直しを行わない(6ヶ月間とはいえ)、ちゃっかり、富裕層以外(特に年金生活者のような立場の人々)からも巻き上げるやり方には、疑問を感じますが、このスライドにより、30億ユーロが回収されると見込まれているそうです。

 この財政赤字に関しては、ヨーロッパの多くの国が抱えている問題で、新型コロナウィルスによるパンデミックから始まって、エネルギー危機、戦争などで、ますます、悪化する一方です。しかし、フランスは、他のヨーロッパ諸国よりも、この赤字の積み重なり方は、酷いそうで(欧州平均の約3倍ともいわれている)、パンデミックやエネルギー危機、戦争等による要因というコンディションは同じなのに、なぜ?フランスは、こんなにも赤字を抱えてしまったのか?という点では、検証する必要があるのではないか?と指摘している専門家もいます。

 そんなに、赤字なのに、あんなオリンピックやったの? とか、当事国ではないとはいえ、戦争にもずいぶん、気前よくお金使ってるよね・・とか・・素人の感想ですが、そんな風に思うこともあります。

 私はフランス国民ではないので、あまり大口を叩ける立場ではありませんが、日本にしても、フランスにしても、やはり、政府のお金の使い方には、目をつぶってはいられない・・結局は、国民に跳ね返ってくるではないか?と思うのです。


600億ユーロ フランス政府


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2024年10月4日金曜日

フランス政府 航空券にかかる連帯税(TSBA)の大幅な引き上げ検討

  


 まだ、検討中という話なので、確定するのかどうかはわからないので、騒ぐのもどうかとは思うのですが、ちょっと聞き捨てならない話なので、一応、今後、注意して行方を見守りたいと思いつつ、公に話が出てくるということは、かなり確率がある話ではないかと、本当にウンザリしている話があります。

 フランスではバルニエ新首相の政権が始動し始めてから、まるで、ロクな話が聞こえてこず、財政赤字補填のための色々な隙をついての様々な増税が検討されているようです。

 しかも、今回の話は、航空券に関するもので、私にも大いに影響のある話です。

 仏メディアによると、経済財務省は航空券にかかる連帯税(TSBA)を大幅に増額することで10億ユーロ近くを集めるつもりで、ビジネスクラスや長距離路線からのさらなる税収を求めているということです。 TSBAは現在4億6000万ユーロをもたらしているということで、単純に考えても、この税金は、倍以上になるわけで、これが航空券の料金に上乗せされるのは、必須であると見られています。

 どう考えても、日本行きの航空券はこれに該当します!

 航空券に関して言えば、もうここ数年で燃料価格の上昇などにより、すでにかなり値上げされているもので、このうえ、また、よくわけのわからない連帯税なるものを引き上げられるのは、本当に勘弁してほしいものです。

 エールフランスを始めとする各航空会社は、「これほどの税金ショックを吸収することはできず、この計画が日の目を見れば、チケット価格に転嫁しなければならない・・しかし、それは、移動性を奪い、航空輸送の民主化を損なうことになるだろう!」と警告しています。

 この連帯税に関しては、FNAM(全米航空連盟)も、フランスは、ヨーロッパ諸国の一つであり、ヨーロッパの中でもすでに航空部門に最も重税を課している国であることを指摘しており、この増税圧力の高まりにより、外国航空会社と比較して競争力がさらに失われることを懸念しているとコメントしています。

 FNAPによれば、スペインやイタリアなどの近隣諸国は、より多くの観光客を呼び込むために航空税を引き下げることを選択しているというが、これはフランスという目的地の魅力に不利益を与えることになるだろうと警告しているのです。 

 周囲の欧州の国々に比べてフランスの航空運賃が極端に高くなった場合、つい数か月前のオリンピック時のように多くの観光客がフランスを避けることになります。オリンピックの前後の期間、航空運賃だけでなく、ホテルから公共交通機関などの全てを値上げしたため、オリンピックにもかかわらず、多くの観光客は、パリを避ける結果となり、とても客室が足りないであろうと言われていたパリ市内・パリ近郊のホテルは、がら空きの状態になりました。この連帯税による航空運賃の値上げは、ヨーロッパの中でもとりわけ航空運賃の高い国として、恒久的に避けられる結果になりかねません。

 この連帯税に関しては、フランスは2020年にすでに「環境貢献」の名目で値上げしたばかりです。

 フランスは、観光収入も少なくない国で、このフランスだけが値上げする航空券の連帯税のための航空券の価格上昇により、観光客を失えば、税収だけでなく、観光収入も大幅減収ということになりかねません。

 現在のところ、決定事項ではありませんが、この試みが正式に提案されれば、まず、かなりの確率で、とりあえずは、エアフランスのストライキが起こることだけは、間違いなさそうです。

 パンデミックの期間、しばらく日本には行けず、その後、戦争が始まって、一気に航空券の料金は跳ね上がりました。現状でさえも、今までの直行便よりも時間がかかるようになったのに、値上げされたことに、憤慨しているのに、このうえ、連帯税って何よ!と本当に頭に来ています。


航空券にかかる連帯税(TSBA)大幅引き上げ


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2024年10月3日木曜日

シャンゼリゼとオー・シャンゼリゼ

  


 シャンゼリゼは、たま~に行く程度ですが、いつ行っても、「あ~やっぱりいいな・・」と思います。でも、季節によって色々と変化するデコレーションだったり、ショーウィンドーだったりを見ながら、歩く程度で、特別、買い物をしたりするわけでもありません。

 でも、いつ行っても、けっこう人はいて、特別なイベントの時以外は、7割くらいは、観光客だろうと思われます。

 フランスのメディアなども「世界一美しい大通り」とはばかりなく言ってのけるシャンゼリゼは、たしかに美しいし、観光客からしたら、シャンゼリゼを歩きに行きたいという人は少なくありません。

 私が最初にシャンゼリゼに行ったのは、やっぱり、旅行でパリに来た時で、その時の感動はあんまり覚えていませんが、パリはもう、どこもかしこも街並みが美しくて、どこを切り取っても絵になる風景・・とやたらと写真を撮りまくりながら、「もう、多分、二度と来ることはないんだろうな・・」と思いながら、ウルウルして、一緒に来ていた友人に笑われたくらいでした。

 とはいえ、そこまでパリに憧れがあったわけでもなく、一方では、フランス語というものが私にとっては、どうしてもダメ(苦手)そうな言語だったりで、まさか、そのずっと後に、住むことになるなどとは思ってもみませんでした。

 話は逸れましたが、パリに来てくれた私の友人や家族なども、どこへ行きたい?と聞くと、いくつかの場所を挙げてくれるのですが、その中にたいていシャンゼリゼは入っています。

 いつだったか?夫が亡くなって、少しした頃に叔母2人が心配してパリに来てくれたことがあり、その時も、シャンゼリゼにも一緒に行きました。

 そのうちの一人の叔母は、大変な学歴の持ち主の才女でありながら、ド天然な、大変、朗らかな人で、まあ、平気でフランス人にも日本語で話しかけるし、歌が大好き(コーラスをやっている)な彼女は、シャンゼリゼを歩いていると、おもむろに、高らかな声で「オー・シャンゼリゼ」を歌い出したのには、一瞬、赤面しましたが、周囲の人もさほど気にするでもなく(そこがパリの良いところ・・)、本人は、とても楽しそうなので、一緒にニコニコしながら、散歩したのを覚えています。

 あれから、ずいぶん経ちましたが、ここのところ、2回くらい続けて、シャンゼリゼで叔母のように「オー・シャンゼリゼ」を歌いながら歩いている家族連れ(日本人ではなかった)?を見かけて、「えっ??もしかして、けっこういるの??○○子(叔母)みたいな人・・」と、今さらのように、彼女だけではなく、シャンゼリゼで思わずオー・シャンゼリゼを歌ってしまう人はいるのだ・・と思った次第です。

 あらためて、フランス語のオー・シャンゼリゼを聞いてみると、まさに、その歌詞は、シャンゼリゼはいつでも誰でも自由になんでもあり・・というような歌詞で、まさにそれを地で行っていた叔母は凄いもんだ・・とも思ったのです。

 でも、日本では「オー・シャンゼリゼ」で知られているこの歌は、日本語でのオーは感嘆詞のような感じですが、フランス語では同じオーでも「Aux champs elysees」でシャンゼリゼで・・という意味です。だから、なんだよ!って話ですが・・。


シャンゼリゼ オー・シャンゼリゼ


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2024年10月2日水曜日

娘と私の友人の九州珍道中

  


 娘が日本で仕事を始めてから、もう2年くらいが経過し、日本での生活にもかなり慣れ、仕事もどうにか順調そうで、また、リモートワークを上手く利用して、彼女はかなり頻繁に旅行して歩いて、楽しそうに生活しているようです。

 やはり、日本とは時差が7時間(もう少しすると8時間になる)もあり、ゆっくり話せる時間帯もズレているので、電話するのはけっこうタイミングが難しいし、また、独立した娘にあまり口出しして、ウザいと思われるのも嫌なので、時々、電話してみたりもするのですが、そんなに頻繁でもありません。

 でも、娘の方も、たまに思い出したように電話をくれます。前回、電話をくれたのは、連休を利用しての九州旅行の最中で、電話がかかってきた時には、「もう、東京に戻ったの?どうだった?九州?」と聞いたら、「いやいや、まだ九州にいる!」と。

 連休を利用しての旅行なので、もう東京に帰っていると思ったら、「せっかく高い新幹線代払ったから、もう少しいようと思って、一緒にいた友達はもう帰っちゃったんだけど、今は、リモートで仕事しながらまだ、一人で九州を旅行している」とのこと。

 「え~今どこどこ?」と聞いたら、「明日は鹿児島に行こうと思ってる・・」ということで、「えっ?鹿児島なら、友だちに案内してもらえるか?聞いてみようか? ママの友だちに案内してもらうなんて、面倒な感じだったら、別に頼まないけど・・」と言ってみたら、「全然、嫌じゃない・・頼めるなら、嬉しいけど・・」とのことだったので、急遽、友人に連絡してみると、ちょうど、「その日なら、大丈夫!」と快諾してくれたので、お願いすることにして、直接、SNSを繋げて、直に二人で連絡をとって、1日、案内してくれたようです。

 その友人というのは、昨年、私が友人と九州に行ったときにも、案内してくれた私のロンドン留学時以来の友人で、不思議な間柄の友人です。よく男女の間に友情は成立するか?などということを言われたりもしますが、ず~っと恋愛モードには、まったくならない男性の友人です。

 海外にいると、日本にいる友人ともつきあいを継続させるのは、難しいことですが、ここへきて、世代まで越えて親子でのおつきあいができるとは、今まで想像もしていなかったし、大変、嬉しい限りです。

 とはいえ、「20代半ばの女の子と母親の友人のおじさん」・・友人の方が娘の写真を1枚送ってくれましたが、まあ、これがビックリするほど娘はラフな格好(ショートパンツにTシャツ)で、詳しく娘の説明をしていなかったので、うら若き可愛らしい乙女が来るかと思っていたかもしれない友人からしたら、ガッカリしたかもしれません。

 しかし、お世辞半分でしょうが、友人は、「とても落ち着いて、しっかりしていて良いお嬢さん・・キャピキャピしてる子じゃなくてよかった・・まあ、あなたの娘がキャピキャピするわけないけどね・・、ここへ行って、あそこにも行って・・トンカツ屋さんに連れて行ったら、逆にご馳走になっちゃった・・」と。

 あちこち案内して頂いたお礼にトンカツはごちそうするという男前・・というか、若さに甘えず、あまり、ちゃっかりしすぎないところは、親としては、嬉しかったところです。

 娘の方も「車であちこち連れて行ってくれて、桜島にも行って・・美味しいトンカツ屋さんにも連れて行ってくれた!」と楽しかった模様。

 しかし、それにしても、娘は東京にいる私の友人とも、そんなに頻繁ではないにせよ、全然、抵抗なく、会ったりできるところは、私の若い頃だったら、ちょっと考えられないことだったけど、そんな柔軟なところは良いな・・と思うのです。

 それもこれも、しつこいようですが、彼女が日本語が全く問題なく話せるということが大きいわけで、私の友人から娘と過ごした時間の話なんかを聞くたびに、やっぱり、日本語を頑張って教え続けてきて、よかった・・と自己満足に浸る私です。


私の友人と娘


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2024年10月1日火曜日

大手スーパーマーケットチェーン カジノ CASINO 大幅縮小 1,000人以上解雇

  


 仏大手スーパーマーケットチェーン CASINO(カジノ)は、業績不振のため、フランス全土のカジノブランドの約400店舗のハイパーマーケットとスーパーマーケットが売りに出されることは、今年、4月の時点で発表されていました。

 第一段階の9月末を迎え、同社はすでに2億ユーロを超える店舗・不動産の売却が完了しましたが、古すぎたり、立地が悪かったり、維持管理が不十分だったりするため、買い手が見つからなかった施設もあり、これらの店舗は永久に閉鎖されることになりました。

 中でも一番、打撃を受けたのは、スーパーマーケットよりもさらに規模の大きいハイパーマルシェといわれるもので、明らかに規模が大きく、何でも扱っている大規模なハイパーマルシェの需要が減少していることが原因です。

 このハイパーマルシェが全盛だったのは、80年代から90年代にかけてのことで、その規模のおかげで商品の種類が豊富で都市郊外へも車で簡単にアクセスできるなどの利点が消費者のトレンドのようになっていました。

 しかし、今や消費者の買い物の仕方が変化し、あまりに広すぎるハイパーマルシェでの買い物は時間がかかりすぎて効率も悪く、ネットショッピングなども発達したために、明らかに、小規模でより安く、早く、気軽に買い物ができる場所へと移行しつつあるのです。

 とはいえ、全てのハイパーマルシェが閉鎖の脅威にさらされているわけではないので、時代の潮流に合わせて、少しずつ、何らかの戦略をとってきた企業はしたたかに生き残っているのです。

 実際に、このカジノの店舗を買収したのは、インターマルシェ(Interarché )と オーシャン(Auchan )、カーフール(Carrefour)などの同業他社で、同業でもこの機会に買収する余裕がある会社もあるわけです。

 しかし、正直、ハイバーマルシェに関しては、カーフールなどもハイパーマルシェと言いながら、かなり縮小していたり、扱っている品数が減っていたりします。明らかに同じ商品が横並びに陳列してあって、ムダに広い印象で、これでは、店員が品出しするのがラクなだけだろ!と思うわりには、店員の数が多かったりで、日本のスーパーマーケットの商品の陳列を見に行って見て、勉強してきたら?と思うほどです。

 買い物をする側からしたら、必要以上に広すぎる店内はそれこそ時間のムダで、そんなにウロウロせずにさっさと買い物が済めば、それに越したことはありません。

 それを考えると、日本のスーパーマーケットの品出しは、本当に大変なんだろうな・・すごいな・・と思い、この日本のやり方をフランス人にも教えてあげれば、すごく勉強になるのにな・・と思ったりもします。

 しかし、ユニクロがパリにオープンしたての頃、店内のサービスや片付け、品出しなど、全て、日本のようにキッチリ社員教育することをこだわっていたため、なかなかフランス人がその厳しさに耐えられずにすぐに人が辞めてしまい、店員の教育が大変だったという話を聞いたことがあります。(現在は、もうすっかり板についたのか、パリでもユニクロの店内は整然と保たれ、ユニクロが業績好調なことから、同業他社もこれを見習うようになった気がします)

 こう考えてみると、日本のやり方は、とても合理的で、日本のような狭い店舗ですごい売上げを叩き出すやり方などもフランスでは、良いモデルケースになるかもしれません。

 また、パリ市内の中心部のモノプリなどは、地上階をほとんどお弁当のようなすぐに食べられるテイクアウトの食料品などのコーナーが大きなスペースを取るようになり始め、ちょっとコンビニの食料品部門のような感じのトレンドになりつつある気もします。

 消費者のトレンドは、どんどん変化するので、経営者がそれに対応して行けない会社は、こんな風になってしまうのですから、本当に怖いです。

 この売り手が付かなかったスーパーマーケット・カジノの店舗にかかわる従業員は、少なくとも1,000人が解雇になるという話です。

 考えてみれば、日本ではあたりまえのように提供されている消費者のトレンドや便利さを追求していく商売のセンスは、海外も見習うべきことなのかもしれません。


ハイパーマルシェの衰退


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