毎年、バゲットコンクール、クロワッサンコンクールなど、様々なコンクールがあるパリで、今一つ、盛り上がりにかけえる気もする「フラン」のコンクールですが、この「フラン」というお菓子は、たいていフランスのブーランジェリーには、必ずある定番のお菓子で、かなりのポピュラーな存在のものです。
ベースはカスタードクリームでこのカスタードクリームをタルト生地にのせて焼いたもので、そのお店のクォリティーを知るには、そのシンプルな素材ゆえに、フランを食べてみれば、そのお店のレベルがわかるような気もしています。
最近、私は、ブーランジェリーが気になって仕方なく、気になっっているブーランジェリーには、できるだけ行ってみるようにしているので、なんとなく、このお店は良さそうだ・・という勘が働くようになりました。
とはいえ、パリには、星の数ほどあるブーランジェリー、まだまだ奥が深いです。
先日、今年、フラングランプリで優勝したお店があるというので、行ってみたら、これが、見事に感動的なお店でした。なんといっても、パンにせよ、ヴィエノワズリーにせよ、ケーキ類にせよ、種類が豊富でどれもこれも美味しそうで、ちょっと、久しぶりに興奮しました。・・パン屋で・・。
とりあえず、そのグランプリ受賞のフランは買うとして、どれかもう一つくらいは絶対に食べてみたいし、できれば、パンかヴィエノワズリーの一つでも・・と、ショーケースの前を行ったり来たりとずいぶん悩みました。
結局、さんざん悩んだ挙句に、ナチュールのフランとサントノーレ、オラニエ、クルミやレーズンなどのドライフルーツ入りのパンを買ってきました。
当然、フランは、シンプルな味で美味しかったのですが、それよりも感動したのは、ここのサントノーレで、このサントノーレに使われている生クリームの部分がマスカルポーネのクリームで、これが超絶美味しく、シューの部分のカラメルもカリカリで香ばしく、ちょっと感動ものでした。
これは、しばらく通って、もう少し、色々な種類のものを食べてみようと思っています。
日本では、この「フラン」というお菓子。今一つ、マイナーな気がしますが、逆にこのブーランジェリー良さそう!というお店に行ってみて、ここのお店のスペシャリテは?と聞いてみたりすると、「どれもこれも美味しいけど、以前にフランコンクールで優勝したことあるから、フランかも?」などと言われたりすることもあり、実際に食べてみると、とっても美味しく、他のものも、けっこうレベルが高いので、フランの美味しいブーランジェリーは、他のものも、おしなべてレベルが高い・・ような気がします。
コンクールで優勝したからといって値段が吊り上がったりすることもなく、いわゆる日本でも有名なようなパティシエのお店などと比較すると、ごくごくふつうな一般的なお値段であることも魅力的です。
今回、買ってきた他のものも全て「大あたり!」で、かなり大ぶりなオラニエやドライフルーツ入りのパン(味見してみたいからと3切れだけ切ってもらうというセコい買い方をしました・・)もちょっとオーブンであぶってバターを薄く塗って、甘味と塩見を楽しみながら頂きました。これは、けっこうズッシリしていて、食べ応えがありました。
今後、しばらくは、このお店に通うことになりそうな気がしていますが、それでも、まだ知らないお店にもたくさん行ってみたいところがあるので、そのどっちを取るべきかは、悩ましいところです。
しかし、我ながら、平和な悩みです。
LA POMPADOUR
110 Rue de la Tour 75016 Paris
2024年フラングランプリ最優秀賞 ラ・ポンパドール
<関連記事>
「パリで最も古いパティスリー 「ストレー」Stohrer のババ・オ・ラムとピュイ・ダムール PATISSIER STOHRER」
「超人気のセドリック グロレのクロワッサンを買うのは大変 Cédric Grolét Opéra」
「やっぱり美味しかったマドレーヌ Le Comptoir ル・コントワール Ritz Paris」