2020年8月15日土曜日

モーリシャス沖合での日本貨物船座礁事故にだんまりを決める日本政府

        


 ここ一週間ほど、フランスでは、インド洋に浮かぶ美しいモーリシャスの沖合が、商船三井が運行する日本の貨物船の挫傷により、重油が流出した事故について、ほぼトップニュースで毎日のように伝えています。

 「WAKASHIO JAPON(ワカシオ・ジャポン)」という言葉が聞こえない日はないほどです。フランスのニュースによると、3800トンの重油と200トンのディーゼルを積んだわかしおは、7月25日にモーリシャスの南東にあるポワントデズニーの海域に座礁し、約800トンの重油が流出し、サンゴ礁、マングローブに覆われるターコイズブルーの海域が真っ黒に汚染され、住民が油膜と戦っている映像が流されています。海の美しさが余計にドス黒く広がる重油の悲惨さを引き立てています。

 この事故をめぐっては、船が座礁してから、一週間以上対策が取られなかったことから、被害が拡大してしまったことも問題視されています。

 モーリシャス共和国の首相は、ツイッターで、フランス国家及びマクロン大統領に支援を求める一方で、「WAKASHIOの沈没は、モーリシャスにとっての重大な危険を及ぼしている」と、環境緊急事態を宣言しました。

 マクロン大統領もモーリシャスからの援助要請に応え、すぐに「モーリシャスの海洋生態系が危機に瀕している現在、緊急な対応が必要です。フランスは、モーリシャスと共にあります。現在、レユニオン島のチームと救援の装備を配備しています。私たちを信頼してください。」とツイートし、実際に、フランスはモーリシャスへの救援活動を開始しています。

 つい先日もレバノンの湾岸倉庫爆発事故で、フランスは、「レバノンを決して見捨てない」とレバノンへも手を差し伸べ、他国と共にレバノンへの援助を開始したばかりです。フランス国内もコロナウィルスの感染が拡大し、大変な経済危機に瀕しているのに、あっちもこっちもと大丈夫か?とも思う反面、頼もしさも感じます。

 船を所有する長鋪汽船は、13日、賠償については、誠意を持って対応すると発表しましたが、実際に長鋪汽船の専門家チーム6名が調査のために現地に到着したのは、事故から3週間後のことでした。

 この「誠意を持って対応する」といういかにも日本らしい曖昧な、まことに誠意が感じられない声明と対応の遅さ。打撃を受けた生態系の回復には、20年かかると言われています。この20年かかると言われている保証は、もはや、一会社単位で賠償できる問題ではありません。

 歴史的な繋がりがあるとはいえ、「モーリシャスと共にいる」と宣言して、即刻、救援行動を起こすマクロン大統領と、関係は薄いとはいえ、加害者である船主会社の国である日本の首相が、まるでだんまりを決め込んでいるのは、どう考えても、情けない限りです。

 だんまりを決め込んで、賠償金を払うだけで、騒ぎがおさまるのを待つつもりかもしれませんが、「だんまり」は、沈黙のもとに、「日本は、こういう国である」ことを世界に発信していることに他なりません。

 日本では、あまり大々的には、報道されていないようですが、世界中では、大きく報道されている事故です。やたらと対面を気にしているのかと思えば、肝心な時に、日本政府が的確な対応ができないことをとても残念に思います。

 「誠意を持って対応する」という船主会社からだけの言葉だけの誠意のなさを、日本は、この事故で世界に発信しています。


<関連>

100年に一度くらいのことが立て続けに起こる年 レバノンでの湾岸倉庫爆発事件」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/100.html 

 

 










2020年8月14日金曜日

パリで日本食を作るためにする買い物 タン・フレール(アジア食材店)のおススメ商品

  Vos produits asiatiques en Tang frères en ligne chez Asia marché


 我が家の食卓は、6割がた和食で、日本人が普通に日本で食べている洋食や中華を含めたものを日本食とするならば、さらにその割合は上がります。何しろ、家族揃って食べることが大好きなので、食べるためには、必死です。

 ですから、日本へ一時帰国した際には、帰りの荷物の99%は、食料品なのですが、日本から持ってこれるものは、お米や出汁の類や乾物類等、限られているので、当然、パリで調達できるものは、パリで調達することになります。

 普段、近所のカーフールなどで買える食品は、肉や野菜や乳製品など、日常の必需品ではあるものの、それだけでは、我が家の食卓を満たすことはできません。以前は、職場の近くに日本食料品店がいくつかあり、チケット・レストラン(Ticket Restaurant=昼食補助のために多くのフランスの会社が社員に支給しているレストランで食事ができるチケット)で買い物ができたりしたので、休み時間に日本食材を買いに出かけたりしていたのですが、最近は、日本食料品店には、行かなくなりました。

 最近は、もっぱら、パリには、何件もある中華をはじめとするアジア食料品店 Tang Frères(タン・フレール)で買い物をしています。日本食材店よりも安いうえに、中華や韓国、タイなどの食材も手に入り、カーフールでは扱っていない野菜等の種類も多い上に、肉や魚までも扱っていて、日本の食料品でなくとも、代用品のようなものでなんとかできる商品や方法を見つけているからです。

 タンフレールで買えないのは、納豆くらいでしょうか? しかし、最近は、大豆を売っているので、大豆を買ってきて、納豆も自分で作ります。

 しかし、近所ではないので、せいぜい2〜3ヶ月に一度くらいしか、行きませんが、一度行くと、まとめ買いをしてくるので、それくらいで何とかなっています。

 タンフレールで買うものは、インスタントラーメン、春雨、豆腐、油揚げ、ワンタンの皮、醤油、ごま油、お酢、オイスターソースやブラックビーンソース、豆板醤、ラー油、パン粉、片栗粉、大根、白菜、キャベツ、タケノコや、らっきょうやキムチの缶詰、そして、枝豆やそら豆、オクラ、里芋、ハスなどの冷凍野菜、冷凍の牡蠣やエビ、烏龍茶の葉などなど、ざっと思いつくだけでも大変な量になります。

 カーフールでは、豚のひき肉を買えないため、タンフレールに行った時には、豚肉をひいてもらって、豚ひき肉をまとめて買って、少しずつ小分けにして冷凍してあります。

 今日は、少し、私のタンフレールで買っているお気に入りの商品をご紹介します。

 最近のヒット商品は、ラー油です。これには、唐辛子だけでなく、干しエビや黒豆なども入っていて、ちょっと食べるラー油のような感じですが、なかなか味わい深いです。この他に李錦記の商品は、ソースの種類も多く、エビチリや酢豚の素のようなものもあり、少々、味は濃いめ?ですが、なかなか重宝しています。


 そして、カレーに付き物のらっきょうの缶詰め・冷やして食べるとカリカリの食感で、味は、日本のらっきょうに近いです。キムチは、そのままのものもありますが、缶詰めや瓶詰めだと日持ちするので便利です。


   


  これは、中国のお漬物のようですが、刻んでごま油、唐辛子と白ゴマを加えて炒めると高菜炒めのようになります。おにぎりの具としても美味しいです。


      


 また、これは、チャーシューソースですが、少し甘めなので、白ワインで少し薄めて使っています。チャーシュー用の肉だけでなく、スペアリブなどにつけて焼くのも美味しいです。


         


 そして、フランスのスーパーでは買えない殻から外してある大ぶりの冷凍の牡蠣(韓国製)は、牡蠣フライやお鍋、酢牡蠣、バターソテー、グラタンなど色々使えて便利です。タンフレールで売っている冷凍のエビもプリプリでとても美味しいです。

 



 この他にも、ご紹介したいものは、たくさんあるのですが、今日は、このくらいにしておきます。

 先日は、ピカールのお世話になっています・・という記事を書きましたが、タン・フレールにも大変、お世話になっております。夏には、パリでは、あんまり買えないとうもろこしも買えます。

 フランスは、コロナウィルスの第2波の感染と思われるような状況で、日々、厳しい制限が敷かれています。再び、ロックダウン・・なんてことにならないうちに、そして、バカンスに出ている人がパリに戻ってくる前に一度、タンフレールで買いだめしておこうと思っています。

 忘れていました。この冷凍のあんまん(黒ごま)美味しいです。甘すぎず、黒ごまの香りが良いです。



<関連>「PICARD(ピカール) のお世話になってます・私のピカールのおススメ商品」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/picard.html










2020年8月13日木曜日

今どきあり得る? 突然の停電




 我が家のアパートは、オール電化というと聞こえはいいですが、全てのものが電気に依存して動いています。とはいっても、ガスがないというだけで、キッチン、冷蔵庫、電話、インターネット、お風呂、シャワーなどの全て、電気が落ちると完全にストップしてしまいます。

 先日、祝日の日のお昼頃、突然、テレビが消えて、あれ?とうとう本格的に壊れたかな?(テレビが・・)と思いながら、呑気にそのまま、お料理をしていました。しかし、作っていた卵焼きがなかなか焼けず、おや?と思って、オーブンを魚の入ったオーブンを覗いてみると、オーブン途中でストップしており、ガスのように突如、火が消えるというのではないので、最初は、電気が切れたことも気がつきませんでした。

 こんなことが、たま〜に起こるのですが、ブレーカーをあげれば、すぐに元に戻るので、甘く考えていました。その日もブレーカーをあげると、一瞬、元に戻りましたが、またしばらくすると切れてしまうのです。

 今日は、和食にしようと張り切って、食事の支度中だったのに、お味噌汁とひじきの煮物はできていたものの、卵焼きは、ギリギリセーフで完成、お魚が焼けたら、冷凍してあるご飯をチンしようと思っていた矢先でした。

 何度か、少しずつ時間を見ては、ブレーカーを上げようとするのですが、もはや、ブレーカーさえも上がらなくなっていて、その頃から、事態は深刻になってきました。

 今日は、祝日、管理人さんもいないだろうし、修理の人を頼もうにも、絶対に休みでやっていません。ましてや、今は、バカンスの真っ最中。そんな時にやっている業者は、恐ろしい金額を請求される・・と、一気に頭の中で色々なことを考えました。

 とりあえず、出来上がっていたひじきと卵焼きと生焼けのお魚を食べながら、そういえば、冷蔵庫、冷凍庫の中のものもダメになってしまう!出来るだけ、冷蔵庫の温度を下げないように、冷蔵庫は開けないようにしなくては・・いやいや、冷蔵庫の中のものを食べてしまわなければ・・と娘と二人で悶々としながら、食事をし、結局、冷蔵庫(冷凍庫)の中のものを・・と思って、食べたのは、アイスクリームだけでした。

 こんな時のために、七輪でも用意して、せめて、何か、お料理でもできるものを用意しておこうかなどということも考えました。(我が家には、バーベキューセットもあるのですが、それも電気なので・・)

 テレビもつかなければ、ネットも通じない・・明日にならなければ、どうにもならないと腹をくくって、本でも読もうと本を抱えて、ベッドに行ったら、あっという間に寝入ってしまいました。

 夢の中でも、停電は、続いていて、こんな時に知らない人が勝手に家の中を掃除に来て、家中が水浸しになっている夢でした。

 疲れていたのか、2〜3時間も寝てしまいました。目が覚めてみると、いつの間にか電気は、復活していました。

 フランスでは、なぜか、たま〜に忘れた頃にやってくる停電。単にうちのアパートがボロいのか?フランスの電気システムがおかしいのか? 

 しかし、今どき、地震などの自然災害があるわけでもない国で、停電って・・フランスって先進国??と思うような事が時々、いやところどころにあります。駅のトイレの汚さ(今は、コロナのおかげでましになっている・・)やテレビの中継がうまく繋がらなかったり・・。

 あらゆることが日本のようにはスムーズに行かないフランスでの生活で、何をするにしても、何重にも、うまく事が運ばない状況を想定して、備えているのに、そういえば停電対策はしていなかった・・さっそく何か備えなければ・・と、今さらのように、改めて思った1日でした。


<関連>「パリでは、日本ではあり得ないことが沢山起こる・・ 」

2020年8月12日水曜日

連日の猛暑のパリで・・なりふり構わず不審者のような武装で歩く

 


 先週末から続いているフランスの猛暑。これで5日間くらい、36℃、37℃、38℃と、体温と同じか、それ以上の気温が続いています。湿度がないので、例年は、暑くなっても日が落ちて夜中になれば涼しくなり、朝になると、前日の暑さが嘘のように涼しくなっているものなのですが、今年は、前日から積み重なった温度が蓄積されて、夜になっても気温が下がらず、朝のうちに部屋の空気の入れ換えをしようにも、早朝、起きた時点で、すでにむっとした温度、それでも、空気の入れ替えのつもりで、開けたままになっていた窓を慌てて閉めて、シャッターも下ろすのです。

 去年のパリは、42℃という驚異的な猛暑を記録し、私には、その暑さをエアコンなしに(フランスの一般家庭には、エアコンがない家庭が多く、我が家にもエアコンはないのです)乗り切ったので、40℃を超えなければ、大丈夫・・という妙な自信のようなものが自分の中にあったのです。

 ところが、今年は、今のところ、40℃は超えないものの、去年よりも辛いのです。それは、35℃以上の日がだらだらと続いているため、前日の暑さが引かないうちに朝を迎えて、日に日に朝の早い時間から気温が上昇するからです。

 家の中は、もうすでに棚の中まで、まるで保温箱のように温まっており、水道から出てくる水まで生ぬるく、たとえ、早い時間からシャッターを閉めたとしても、前日の生ぬるい空気が家の中には充満したままなので、どれだけシャッターを閉めたり、遮光対策をとっても日に日に暑さが厳しくなるのです。

 それでも、外に出るよりは、ましと、濡れたタオルを肩からかけたり、頭にかぶったりしながら、扇風機を回して、冷たい飲み物でも飲んでいれば、なんとか凌げるのですが、なんと、こんな時に限って外出する用事ができてしまったのです。

 ここのところ、ロックダウン中に始めた家の中の不用品処分のために、フランス版メルカリのようなものをやっており、なかなか良い調子で処分できていたのですが、さすがにバカンスシーズンに入って、そんなサイトを見ている人もいないのか、出品している商品が、さっぱり売れなくなっていました。

 しかし、バカンスにも行かず、暑さとウィルスから身を隠すように暮らしていた私は、毎日、少しずつ、不用品を出品し続けて、周りの人たちがバカンスから帰ってきて、再び、サイトを見て買い物をしてくれる日に備えていました。

 それが、なんと、よりにもよって、このクソ暑い日に売れてしまったのです。しかも、使わないまま放ってあった娘のクレヨンなどの文房具類・締めて10ユーロが・・。10ユーロのための外出・・思わず絶句しました。

 この商品の受け渡しは、商品を梱包して、ステッカーをダウンロードして貼り付け、配送される受け渡し代理店にまで持っていくのですが、コロナ渦で近所の代理店が閉店となり、徒歩で往復30分ほどの代理店まで持っていかなければならなくなってしまったのです。

 気候の良い時なら、30分くらいは、気分転換の良いお散歩になるのですが、この炎天下、売れてしまったものを暑いから送れないというわけにもいかずに決死の覚悟で出かけたのでした。

 もうこうなったら、なりふり構ってなどいられません。帽子の中に保冷剤を仕込み、タンクトップを着て、パレオを水で濡らして肩からはおり、冷凍してあったお茶の入ったペットボトルを握りしめて、ポケットには、保冷剤を入れて、サングラスをして、マスクをして、日傘がないので、色の薄い傘をさして、不審人物そのもののような格好をして出かけたのです。

 しかし、そこは、パリの良いところ・・この、世にもおかしな武装でも、不審そうに私を眺める人は、誰もおらずに無事に用事を済ませてきたのです。パリというと優雅に暮らしている感じを想像される方もおられると思いますが、私の場合、優雅とは、遥かに、かけ離れた姿です。

 今日、学んだのは、帽子の中の保冷剤は、かなり効果的であることと、濡らしたパレオも快適で、日傘というものは、原始的な暑さ対策でありながら、自分の歩くところすべてが日陰となる、大変ありがたいものだということでした。

 それでも、ハーハーしながら家に戻り、水のシャワーを浴びて、一息つくと、なんと夕方には、激しい雷とともに雨が降って、36℃から23℃に気温が下がりました。しかし、雨は、すぐに止み、明日は、また35℃まで上がる予報になっています。

 しかし、10ユーロのクレヨンのために、この猛暑の中、必死に出かけるハメになった自分を微妙な気持ちで振り返りながら、相手の人に、「荷物、送りました」というメッセージを送ったら、「Super, merci beaucoup pour votre rapidité ! 」(スゴい!こんなに早くに送ってくれてありがとう!)という返信があり、「ここは、フランスなんだ・・こんなに急いで送ることなかった・・」と、冷静になって、改めて思い返したのでした。


<関連>「ロックダウン解除後のフランス版メルカリサイトでの人気商品」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/blog-post_6.html


 

 

2020年8月11日火曜日

子供のために使うお金 フランスのコロニー(子供の合宿・サマーキャンプ)


 フランスは、今は、バカンス真っ盛りですが、とにかく学校のバカンスが多くて、特に夏は、2ヶ月間、ほとんど、まるまるお休みなので、その期間を子供にどう過ごさせるかというのは、大問題でした。

 娘が小さい頃(小学校低学年の頃)は、7月の最初の週にフランスの学校がお休みになると同時に日本へ一緒に行って、日本の小学校が夏休みに入るまでの少しの間、日本の実家の近所の区立の小学校に一時編入をさせてもらっていました。

 いくら、フランスの会社がバカンスを取れるとは言っても、せいぜい一ヶ月、子供の学校のお休みは夏に2ヶ月間、ハロウィンの頃に2週間、ノエル(クリスマスから年末にかけて2週間)、冬休み2週間、イースターに2週間と、とても子供のお休みに合わせて、全て休んでいるわけにはいきません。

 そんな子供のためにバカンス中に子供のレクリエーションをさせながら、子供を預かってくれる Centre de loisirs(サントロ・ド・ロワジール)という機関があるのですが、娘が小さい頃は、自分のバカンスでまかないきれないお休みの時期は、ここでお世話になっていました。

 ここでも、色々なアクティビティやスポーツをさせてくれたり、遠足のようにバスなどで日帰りで地方のお城などに連れて行ってくれたり、「もう、お城はいい・・」と言い出すほどに色々なところに連れて行ってもらっていました。

 やがて、娘が大きくなるにつれて、私も仕事がどんどん忙しくなり、夏に長期のバカンスが取れなくなった頃、コロニーという合宿のようなもの(スポーツや観光など、様々なプログラムがあります)があることを知り、私が子供のバカンスの時期にお休みを取れない期間には、このコロニーに随分とお世話になりました。

 主人は、公務員でしたので、ハロウィンとノエルのお休み以外は、財務省の主催するコロニーがあり、国からの援助なども出るため、最大限、利用させてもらいました。

 おかげで娘は、冬にはスキー、春には乗馬、夏には、ダイビングやサーフィン、カヌー、カヤック、ハイドロスピード、クライミングなどなど、ありとあらゆるスポーツをフランス国内だけではなく、スペインやギリシャなどの、ちょっと普通では観光できないようなこの世とは思えないような美しい砂漠や小さな無人島なども旅して、キャンプをしたり、砂浜で寝たり、決して贅沢ではない旅ではありましたが、この上なく楽しい体験をしてきました。

 夏のコロニーは3〜4週間、それ以外は、1週間の合宿です。

 私は、仕事で、娘の長いバカンスに付き合えなくなってしまったことを、最初は、娘に気の毒なように感じていましたが、それは、すぐに私の思い上がりであったことがわかりました。実際のところ、親がしてあげられることは、限られたことであって、思っているよりも大したことではなく、子供が未知の体験をする、その機会を与えてあげる方が良いこともある、むしろ、その方が良いのだと思うようになりました。

 時には、ドッキリしたハプニングもありましたが、それも良い経験でした。

 フランス人は、かなり裕福な家庭でさえも、子供にさほど贅沢なものを買い与えることはありませんが、自分たちがバカンスにお金を使うように、子供に何かを体験させることには、比較的、出し惜しみはしません。


 我が家も、洋服などは、頂き物が多かったし、贅沢な物を買い与えたことは、ありませんでしたが、娘の、コロニーや、スポーツなどには、(特に、夏の間は、私の少ないお給料がすっ飛ぶくらいに)惜しみなく、使ってきました。

 娘が行っていた財務省主催のコロニーは、フランス全土の財務省の職員の子供たちが集まって出かけるコロニーで、(たくさんの種類があり、場所や自分のやりたいスポーツなどを選べるようになっています)小学校から高校まで同じ学校に通っていた娘の狭い世界から、同じ年頃でも色々な地域、世界の子供たちに出会うことができ、また、親が付き合いきれないようなスポーツなども体験できて、かけがえのない経験となりました。


 それに加えて、学校からの合宿やドイツへの交換留学なども加えると、彼女は高校生までは、ほぼ3ヶ月に一度くらいの割合で旅行をしていました。

 そのコロニーには、年齢制限があるために、今は、もう参加することはできませんが、娘は、今になっても、コロニーは、本当に楽しかった・・ちょっと普通ではなかなかできないスポーツがたくさんできた!行けなくなって残念・・と懐かしそうに振り返っています。


 これから先は、自分で稼ぐようになったら、いくらでもどこにでも行けると思いますが、歳を取ればとるほど、一度やったことがあることには、抵抗なく、再開できるものです。

 私は、子供に使うお金は、贅沢な物を買い与えるのではなく、何か身に付けること、体験することに使うべきだと、フランスのコロニーに参加させてもらった娘を見ていて、強く思うようになりました。


<関連>

「おたくのお嬢さんが刺されそうになりました⁈・・バカンス中のサマーキャンプでの話」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/07/blog-post_7.html

 

2020年8月10日月曜日

ついにパリも、屋外でもマスクが義務化

  

              

 とうとう、8月10日の午前8時から、パリ、イル・ド・フランス地域でのマスク着用が屋外でも、義務化されることになりました。この規制に関しては、私は、何の驚きもありませんが、私が驚いたのは、その規制が全ての通り(道路)ではないことです。

 今、まさに、この猛暑の中の屋外でのマスクは拷問に近いものがありますが、ここ数日、毎日、2000人以上の新規感染者を出している国では、致し方ないと思うのです。というより、言われなくとも、この感染状態を目にしていれば、マスクをせずに出かけるのは、怖いくらいだと思うのですが・・。

 しかし、恐れを知らないフランス人は、(いや、知っているはず・・だって、あんなに大勢の人が亡くなって、病院には、人が溢れ、病院の廊下にさえ、患者を収容できずに、救急車の中で、患者の収容先に立ち往生して、病院の外には、テントまで張って、それでも間に合わなかった患者は、軍用機で地方やドイツやルクセンブルグなどに運ばれていたのは、ほんの3ヶ月前のことなのです。)きっぱり、「義務化」「従わなかければ、罰金」としなければ、マスク着用は、どうにも浸透しないのです。

 あれからロックダウンの効果で一時、感染状況は、改善しましたが、今は、ロックダウン解除時の5月から比べると、感染状況は、悪化の一途を辿っているのです。

 フランス政府は、フランス人がどういう人たちなのか? いい加減、わからないのか? と全くもどかしい気持ちです。

 セーヌ通り、モントルイユ、オーバーカンフ、ベルヴィル、ゴウドール、ダゲールの街路、ストラスブール、ラシャペル、クリシー、ロシュシュアールの大通り、サンマルタン運河など、パリのほぼすべての地区、主にパリの北と東にある約100の公道がマスク義務化となります。このマスク義務化の場所では、自転車でも徒歩でも、ウォーキングでもランニングでも、マスクを着用することが義務付けられています。マスク着用していなかった場合は、135ユーロの罰金が課せられます。

 逆に言えば、マスクの着用義務は限定された地域だけで、例えば、観光客の多くが訪れるシャンゼリゼなどは、マスク着用は義務づけられていません。人は、移動しているのです。ここの通りはOKで、ここはダメ・・なんていうのは、それこそややこしくて、守りにくいのです。

 規則は、わかりやすく、シンプルにしなければ、浸透しづらいものです。ましてや、もともとマスクはしたくない人たちです。(誰だってしたくないですが・・)何やかやと理屈を付けて、メトロの駅などで、マスクは、自由の侵害だ!健康を害するものだ!と滔々と演説していたりする人もいるくらいなのです。

 それでも、あくまでもマスクをしない事が正しいと言い張る人からは、コロナウィルスにかかった時も病院の治療を受ける権利を剥奪して欲しいくらいです。(しかし、本人が感染する危険だけでなく、他人に感染させている可能性もあるところが苦々しいところです)

 外出するなら、マスクをする。マスクをしないなら、外出しない。感染が増加しているから、マスクはしなければならない。説明も規則もシンプルで単純な方が良いのです。

 フランスでは、バカンスに行くななどとは、誰も言いません。外出する・バカンスに行く権利を確保しているなら、現状での義務(マスクをすること)くらいは、果たすべきです。それには、ここの通りはダメでもここの通りなら良いなどと甘いことを言って、隙を作っていては、ダメなのです。フランスでは、隙をついて自分の都合を正当化して論破しようとする人に溢れているのです。義務は果たさずとも言うことだけは、必ず言うのがフランス人です。

 そして、ついには、マスク着用を注意しようものなら、襲われる人が出たりするのです。

 この猛暑の中、マスクはキツいですが、日本では、暑さを少しでも回避できるようなマスクがどんどんできているのを見ると、フランスもマスクを少しでもみんなができるような工夫は、まだまだできるではないか?と思うのです。

 そして、あっさりとハイと言うことを聞かないフランス人をどうやって動かしたらいいのかをどうしてわからずに、こう、ややこしいことをするのかと、またまた、フランスの甘さに私は、閉口してしまいます。


<関連>「権利を主張するわりには、義務をちゃんと果たさないフランス人」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/07/blog-post_61.html


 









 

2020年8月9日日曜日

PICARD(ピカール) のお世話になってます・私のピカールのおススメ商品

picard のお店には、その場で温めて食べることができるイートインコーナーも

 

 数日前に、日本で「冷凍餃子は手抜き?」とかいう話題がツイッターで流れていて、何やら盛り上がっていた模様。冷凍餃子が手抜きかどうかで注目を集めるということは、日本では、冷凍食品が手抜きだと思っている一定の人たちがいるということなんだ・・と、改めて思いました。

 手頃な値段で美味しい冷凍餃子があれば、私も是非、お世話になりたいところですが、(パリでも味の素などの冷凍餃子が売っていますが、どこでも買えるわけでもなく、また、安くもない・・)残念ながら、頻繁にお世話にはなることはできません。

 フランスで冷凍食品といえば、一番にお世話になっているのは、PICARD(ピカール)で、各スーパーマーケットなどで自社商品を出していたりしますが、冷凍食品専門メーカーとしては、フランスでは、一番のメーカーです。

 うちの娘など、一人暮らしを始めた時に、「アパートの近くにピカールがある!」と喜んだくらいでした。

 一般的な冷凍食品からしたら、若干高めの値段設定ではありますが、あまりハズレがないので、とても重宝しています。とはいえ、冷凍庫のスペースにも限りがあり、そうそう沢山、買い置きをするわけにも行かないのですが、我が家でピカールで何を一番に買うかというと、それは、鯖です。ピカールには、鯖を買いに行くと言っても過言ではありません。この鯖は、感心するほどに安定した品質を保っており、フィレにした鯖が冷凍になっています。


         


 この鯖をオーブンで凍ったまま焼くと、皮はパリッと中はふっくらとして、ピカールの鯖とご飯があれば、我が家では文句なしのご馳走です。その他に鯖みそ、しめ鯖、鯖寿司と素材が良いので何にしても美味しいのです。

 もう一つ、だいたい冷凍庫にあるのは、小さな帆立貝です。これも、手巻き寿司の具にしたり、酢の物にしたり、かき揚げにしたり、サラダにも、グラタンにもできるので、とても重宝します。どちらも質が良いので安心して食べることができます。

 それこそ、疲れてお料理したくない時などは、冷凍ピザやラザニアなどを食べることもありますが、ピカールの調理済みの商品の中で、我が家のお気に入りは、白トリュフとマッシュルームのタリアテッレです。トリュフの香りが良く、ちょっとプロっぽい仕上がりになっています。難点は、少々、量が少ないこと・・でも、これにサラダなどを添えれば、立派な一食になります。

           


 もう一つのお気に入りは、フラムクーシュ、生地も薄くて食べやすく、ベーコンと玉ねぎの香ばしい香りと生クリームも口当たりよく、軽くて食べやすいので、アペリティフにも良いです。       

            

 その他のおススメは、デザート類、値段もお手頃で、どれも全体的にしつこくなく、種類も豊富です。うちの娘は、特にワッフルがとてもお気に入りで、一押しだと申しております。

     

 最近は、ピカールは、日本にも進出しているようで、先日、帰国した際に、表参道でピカールを見つけて、さてさて、日本のピカールはどんな感じ?と思って入ってみましたが、概ねフランスと同じ商品が置いてあり、フランス人の店員さんまでいて、思わず、ちょっと話かけてしまいました。ピカールは、日本に数多くあるフランスのお店の中で最も親しみを感じるお店です。

 おっと・・忘れていました。おススメ商品。このフレンチのソース類はとても便利です。お肉焼くだけで、ベルネーズソースとか、胡椒のソースとか、お魚焼いて、クリーム系の白ワインソースとか、きのこ系のソースとか、かけるだけで、いっぱしのフレンチになります。キューブ状になっているので、使う量も調整できてとても便利です。




 今日、久しぶりにパリでピカールをのぞいたら、<Japon>と印のついた、フランス人の作った日本食が増えていて、ビックリしました。

  
     
  
 しかしながら、フランスでは、冷凍食品を出したら、手抜きだ・・などと、いう家庭は少ないと思います。それには、専業主婦が少ないということもあるかもしれませんが、もともと、一般的なフランス人の家庭は、日常は、そもそも大したものを食べてはいません。

 スープとハムとパン、チーズ・・とか、お肉を焼いて野菜を茹でてバターまみれにするだけ・・とか、そのシンプルな食事でさえも冷凍食品が頻繁に登場しますが、合理的なフランス人、大家族になると、ピカールというわけにもいかないでしょうが、むしろ、割安であったり、時短であったりすることを良しとしますし、そのほうが美味しい場合もあるかもしれません。

 我が家も何を出しても「手抜きだ」などと言われたことは、一度もありません。出来合いのものにせよ、冷凍食品にせよ、人が用意してくれた食事に「手抜きだ」などと言う思いやりのない・・というよりも、未成熟な男性がまだまだいるのだということは、とても残念なことです。

 まさに私の父は、そのような人だったので、とにかく家族で楽しく食事ができる家庭を作りたいと思っていました。私は、多腕を振って、ピカールのお世話になっています。


PICARD 

ピカール



<関連>「国際結婚の家事・育児の分担ーフィフティフィフティ」