ロワール地方にあるテーマパーク、ル・ピュイ・ド・フー(Le Puy du Fou)(ヨーロッパ中世の大規模テーマパーク)で、12000人を動員してのスペクタクルが行われました。このテーマパークは、宿泊施設も備え、古城にバイキングの村、魔法の槍の物語、幻想の中世の世界が広がり、次から次へと活気に満ちたスペクタクルが上演されるフランスでも有名なテーマパークです。
フランスでは、現在のところ、8月31日までは、5000人以上の集会は禁止されているため、このテーマパークは、それを大幅に超えた12000人を動員したということで、非難の声が上がっています。
これには、今のところ、厳重に警戒体制を取って、最大5000人という規則を遜守しているフットボールファンは、怒り心頭です。
テーマパーク側は、観客には、体温チェックをし、マスク着用を義務化し、アルコールジェルを提供し、衛生管理には、注意を促したと弁明していますが、入場時の人数は、チェックできるはずのところ、人数に関しての規則を尊重することはありませんでした。
当日の動員の様子を見ると、ほぼ満席で、観客を隔てるものは何もなく、ソーシャルディスタンスは、まるで取れていません。これまでにもデモなどで、数千、数万人単位の人混みの様子を見るたびにギョッとしてきたものの、もはや、なかば諦めのような、「またか・・」という気持ちになります。
また、訪れている人も、まるで屈託がなく、「天気もいいし、バカンスだし・・」と、およそ危機感がないのにも呆然とさせられます。
5000人以上の集会は、禁止となっているのに、全くルールを守らないフランス。罰則、罰金がなければ、規則は、あっても無いようなものです。このテーマパークのあるペイ・ド・ラ・ロワール県の自治体は、このテーマパークに対して、何の許可も下してはいないので、責任は、テーマパーク側にあるとしていますが、責任を取るといっても、集会禁止の規定に関しては、罰則も罰金も制定されていないため、責任の取りようがありません。
クラスターになった場合に感染者の追跡を考えて、観客の連絡先を記録するといったことも一切されていません。
ここ数日、新規感染者が1000人を超え、明らかに第2波の波に乗りかけているフランスですが、それに追い討ちをかけるように、毎日、このような絶望的なニュースが入ってきます。
このような場所に足を運んだ人々がバカンスが終わって、それぞれの場所に散っていき、気温の下がる秋を迎えるのです。7月初旬までは、感染者が下がり続けたため、どうやら気温が影響していたとも言われていたコロナウィルスの感染拡大ですが、(実際、気温も関係はある)結局のところ、ここに来て、感染者がうなぎ上りに増加していることを見ると、どうやら、感染者数が一時、減少したのは、ロックダウンの効果であったと考えざるを得ません。
せっかく、減少したウィルスの感染減少をこのバカンス期間で、台無しにしてしまいそうです。これまでの世界的なパンデミックでは、第2波の死亡率が最も高かったというデータもあります。
フランスでは、ここのところ、新規感染者数の発表も土日は、休みで発表なしです。バカンス中は、土日くらいは、きっちり休むということでしょうか? コロナウィルスの感染に土日の休みはありません。
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