2025年8月31日日曜日

フランス料理の人気はすたれているのか?

 


 ちょっと別の記事で、「パリの観光地?で食事をしている観光客を見てみると、カフェやブラッスリーのような感じのお店で、多くの人が食べているのは、ピザ・・もしくはハンバーガーなどだ・・」という話を書いていて、ピザってすごいな!と思うと同時に、フランス料理って人気なくなってきているのかな?と思わざるを得ない気がしてきました。

 今や、パリのカフェやブラッスリーのようなお店では、クロックムッシュ(やクロックマダム)が置いていないお店が多くなって、ハンバーガーを置いているお店はが増えた気がします。

 そして、見事なサイズのハンバーガーをフランス人はそういったお店で食べるときには、器用にナイフとフォークで食べているのも奇妙といえば、奇妙な光景です。ハンバーガーに代わるフレンチといえば、クロックムッシュだとも思うのですが、たとえ、そのお店にあったとしても、これを食べている人はあんまり見かけなくなりました。

 まあ、似通った(似てはいないけど、なんとなくパン(パイ)生地を使ったお料理という意味では、キッシュのような軽食ですが、こちらもレストランで食べている人はあんまり見かけないし、むしろ、ブーランジェリーやお惣菜のお店でテイクアウトのものを買っている人は、けっこういるかもしれません。

 また、おやつというか、軽いスナック?のフレンチの定番といえば、クレープだと思うのですが、こちらもまた、以前に比べると、ずいぶんとお店が減ったような気がします。

 いわゆる日本で売っているクリームやフルーツなどで、豪華にデコレーションなどしたクレープではなく、フランスのものは、お店で食べるものでなく、テイクアウトなどの場合はかなりシンプルなものです。

 まあ、クレープが消えた・・とまでは行きませんが、以前に比べるとずいぶんすたれたような印象があります。

 このクレープに代わってといったら、みもふたもないのですが、最近、やたらとアイスクリーム屋さんが増えたような気がします。しかもイタリアのアイスクリーム屋さんです。

 考えてみれば、フレンチの代表的な料理といったら、何なんでしょうか?たしかに、パンの類、バゲット、クロワッサンやパンオショコラなどのヴィエノワズリー?は、美味しいし、お手軽ではありますが、これだけで食事というには、寂しく、また、一方で思い浮かぶのは、フォアグラとかトリュフとかエスカルゴ?などは、これもまた、美味しいものではありますが、そうそう気軽に食べられるものでもありません。

 となると、フランスに行って、「これが食べたい!」と思われるものはなんなのでしょうか?また、ピザなどのように、どの国にもかなり深く浸透して人気の食べ物ってフランス料理にあるのでしょうか?

 そこへ行くと、日本のお寿司やおにぎりなどは、今やかなり深く浸透し、簡単な食事におにぎりや巻きずしなどを抱えている人はパリにも多いし、かなり世界的にポピュラーな食べ物になりつつある気もします。

 ところが、サンドイッチなどは、まあ、どの国でもあるもので、フレンチにはカウントしないとすると、ほんと、これこそは!という人気のフランス料理ってないんじゃないか?と今さらのように思うのです。

 私など、旅行先を選ぶときは、美味しい食べ物があるところを探すようになっていますが、海外の観光客がフランスに行って、ぜひ!あれを食べたいって思うようなものが、ぼやけてきてしまっているというか? 食べ物にも流行りすたりがあるとはいえ、これは!というものが、フレンチにはないような気がするのですが、いかがでしょうか?


フランス料理の低人気


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2025年8月30日土曜日

パリの超おススメ インド料理のお店 Delhi Bazaar

  


 私は、あまり外食をする方ではありませんが、色々、評判を聞いたりして、これは行ってみたい!と思うところがあれば、行ってみるようにはしていますが、私の信条としては、外食の高いパリでは、高いからといって、必ずしも美味しいわけでもなく、むしろ、これで、こんなにするの??と思うところも少なくありません。

 つまり、高いからといって必ずしも美味しいとは限らないのですが、まあ、これだけ出せば、美味しいだろうな・・と思うようなところは、あまり興味がなく、お値段がまあまあ、納得のいく範囲内のところで、美味しいお店を探すことが楽しいのです。

 そして、もう一つの外食の目的は、自分では、作れないであろうものということで、逆に言えば、そこそこのものならば、多少、良い食材を揃えれば、自分で作った方が絶対に全然、美味しい(自分の好みにできるということもありますが・・)と思ってしまうのです。

 まあ、友人とおしゃべりするために外食をすることもありますが、そんな時も、私はできるだけ、日頃から行きたいお店を見繕っておいて、友人に「行きたいところがあるんだけど、ここ行ってみない?」と提案します。

 今回みつけたインド料理のお店は、最近、パリ市内になぜかインド料理屋さんが増えたな・・と感じていて、家の近所にもインド料理のテイクアウトもやっているレストランができて(中華料理のお店が潰れて、新しくお店ができたと思ったら、インド料理でした)、最初は、「なんで?インド料理?」と思ったのですが、どうやら、爆発的に増えているというほどではないにせよ、気を付けてみていると、「あれ?こんなところにもインド料理?」と思うことが増えたという程度です。

 しかし、これだけ増えているということは、きっと美味しいインド料理屋さんがあるはずだ・・と思い、探したところ、見つけたのが今回のお店です。

 以前にも、ここ本当にパリ?と思うようなインド人街みたいな場所があって、その中の一軒に行ったことがあったのですが、そこは「まあ、悪くはないけど・・」という程度で、そこまでの感動はありませんでした。

 しかし、今回のお店はちょっと感動的でした。

 まず、店内に入ると素晴らしいスパイスの香り・・調理中のスパイスの香りが漂い、胃をまさに直撃。




 テラス席にしますか? 店内の静かな場所が良いですか? それとも厨房の近くが良いですか? と聞いてくれたので、私は、ぜひ、厨房も覗いて見たかったので、厨房の近くの席にしてもらいました。

 活気のある厨房というものは、一目でわかります。けっこうたくさんの男性がキビキビと働いていて、見ていて全く飽きません。




 そして、接客してくれる店員さんが、とにかく感じよくて、「初めてですか?」、「ハイ、初めて来ました!」というと、丁寧にメニューの説明をしてくれます。そんな超感じのよいお姉さんに「一番人気のメニューは何ですか?」と聞いてみたら、「バターチキンですよ!」と即答してくれたので、「それでは、そのバターチキンをお願いします」と注文。



 本当は、なにかのメインとガーリックかチーズのナンをサイドに頼もうと思っていたのですが、「バターチキンには、スパイスの効いたバスマティのライスが一番合うわよ!」と教えてくれたので、ここは素直にお姉さんの教えに従い、ライスを注文しました。




 店内はとても賑わっていて、満席、時間帯がよかったのか、外に人が並んでいるほどではありませんでしたが、夜などは、ほぼほぼ予約しないと入れないとか・・。




 しかも、お値段が非常に良心的で、いわゆるアントレみたい(インド料理ではなんというかわからない・・すみません)なものは、10ユーロ以内、タンドリーなどのグリルが10ユーロ程度(ラムだと15ユーロ)、メインのカレーなどは、13ユーロから22ユーロまでで、今回、私が食べたバターチキンとライスで16.5ユーロでした。

 出てきたバターチキンは、それはもうコクがあって、それこそ、このスパイスの配合は、絶対に自分ではできないお料理です。また、中に入っているチキンもたっぷりあって、またグリルしてあるものが煮込んであるので、まだ、そのグリルの香ばしさがそのまま残っていて、これはもう絶品でした。

 パリでランチでこのクォリティでこのお値段。そうそうあるものじゃありません。

 後で、クチコミ等を見てみたら、とにかくこのお店のお料理のクォリティとお値段、そして、このお店の店員さんが感じよいとみんなが絶賛。リピーターも相当多いようで、「家族がどうしても行ってごらん!というので、来たけど、来てよかった!」などと、書いていました。

誰か知らない人が頼んでいたデザート 
美味しそうだったけど、お腹いっぱいで食べれませんでした


 私も最近は、こう言っては何ですが、そうそう外食で感動することも滅多にないのですが、ここは、スパイスの威力もあいまって、また、正直、そんなに期待していなかった(特に、前回、言ったインド料理のお店は大したことなかったので・・)のもあって、余計に感動したのでした。

 帰り際、お姉さんに「すっごく美味しかったです!絶対にまた、来ます!」と宣言して、ごきげんなランチタイムを過ごしました。

 美味しいものに感動して、思わず笑顔になって、ニコニコしている自分に、私って、単純だな~と思いつつ帰途についたのでありました。

 パリでインド料理??と思う方も多いかもしれませんが、ここは、かなり良かったです。

 

🌟Delhi Bazaar  71 Rue Selvan 75011 Paris  

      月~金12:00~14:30, 19:00~22:30, 土、日 12:00~15:30, 19:00~22:30

       英語のメニュー


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2025年8月29日金曜日

パリの大気汚染は、ここ10年間で改善してきているらしい・・

  


 エアパリフ(Airparif 独立機関)がパリ市と共同で実施した調査によると、パリの大気汚染は、2012年から2022年の10年間で、大幅に改善したと報告しています。

 2012年から2022年の間にパリの道路交通量は34%、環状道路は7%減少しています。

 エアパリフは、これらの取り組みは、地方、国、欧州といった様々なレベルで実施された公共環境政策の結果であると述べています。

 これらの対策により、パリ市民がさらされている大気汚染レベルは、二酸化窒素(NO2)で平均40%、微粒子状物質(PM2.5)で平均28%減少し、道路交通からの二酸化炭素排出量は、35%減少しています。

 大気汚染問題については、特にパリは様々な規制が厳しく、車に関しては、当初は、日によって、ナンバープレートが奇数とか偶数とか、運転できる日が限られていたりした時期もありましたが、ここ最近では、住民や、警察、救急、あるいは、配達用の車などの特別な車両以外は、通行できない地域が増え、本当に車が減った印象があります。

 また、特にパンデミックの間に広まった自転車利用についても、大きな道路の車線には、だいたい自転車用レーンが設けられるようになり、また、かなりの人がけっこうなスピードで走っていたりするのには、驚かされるほどです。

 こんな調子で自動車への規制がものすごくうるさいので、車を手放してしまった人も多いような気がします。

 ちょっと郊外に出れば、それこそ車がないと生活するのに大変不便だったりするようですが、実際にパリ市内の場合は、公共交通機関もほぼ、くまなく網羅されているし、そもそも通れる道は、かなり限られていて、目的地に行くのに、すごく遠回りしなければならなかったり、行く先々で、駐車スペースには、酷く苦労するし、そのうえ、路上駐車(合法スペース)などしようものなら、いつ車上荒らしに遭うか、ヘタをすると燃やされたりしかねないし、あまりにリスクが大きすぎるのです。

 なので、我が家のアパートの駐車場などは、現在の場所に引っ越ししてきたときには、ほぼほぼ駐車場は、満車の状態だったのに、現在では、駐車してある車は、半分どころか、2~3割くらいしか、停まっていないんじゃないかと思うくらい車が減っています。

 パリの場合は特に、健康な人が生活するのには、車なしでも全く困らないので、こうして、大気汚染が実際に改善されてきたという話を聞けば、これでよかったんじゃないかな?とも思います。

 規制ばかりが厳しくなっていくと、なんか鬱々とした気分にもなりがちですが、こうして、成果があらわれてくれば、こういう規制も必要だったと思うのですから、勝手なものです。

 東京とパリでは規模が違いすぎて、東京でパリのような規制を敷くのは不可能だとは思いますが、東京ではどんな大気汚染対策をしているのかな?と少し気になります。


パリ大気汚染改善


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2025年8月28日木曜日

秋には本当にフランスにバター不足の危機がやってくるのか?

  


 夏の間の猛暑は私たち人間だけでなく、動物たちにとっても苦しい季節でもあります。この夏の異常な猛暑は牛乳生産に深刻な影響を与えており、それにつれて、バター生産も危機に陥る可能性があります。

 また、この猛暑だけでなく、ブルータング病(昆虫によって媒介される反芻動物に感染するウィルス性の病気)の流行も重なり、乳牛たちも苦しい夏を過ごしました。

 この現象により、牛乳の搾乳量は、特に6月末から7月初旬にかけて、大幅に減少したために、バター不足に陥るのではないか?という懸念の声が拡がり、実際にブーランジェリーやパティスリーなどの間では買い溜めを始めている者も出始めているというのです。

 しかし、国立酪農経済専門職連携専門センター(CNIEL)によれば、実際には、一般消費者向けのバターに関して、スーパーマーケットの棚からバターが消えるようなことにはならないし、バター不足に陥る恐れはないと断言しています。

 近年、フランスではバターの消費量が増加しており、特にペストリーなどの商品が好調となっています。それは、一般消費者である私がブーランジェリーなどを覗いて歩いているときにも感じることで、以前に比べると、ブーランジェリーに並ぶペストリーの種類が驚くほど増えてきたと思います。

 まあ、これも需要と供給のバランスによるものなのでしょうが、これがまた、よく売れているようです。外食の値段があまりに高くなったので、それを台頭するかたちで、ブーランジェリーが手を変え、品を変え、外食を台頭するかたちで、発展を遂げているような気がします。

 また、専門家によれば、熱波やブルータング病の流行にもかかわらず、今年の牛乳搾乳量は、2024年と同程度になる見込みであり、また、近年のフランスでは、牛乳の搾乳量が増えなくても、バターの生産量は増やすことができる技術があるといいます。

 これを裏付けるように農業省のデータによると、今年の5月末のバター生産量は、2024年の最初の5ヶ月と比較して、1.7%増の16万2,029トンでしたが、一方、牛乳の搾乳量は、同時期に0.9%減少しています。

 実際には、バターはほぼ例年どおりに生産できているわけです。

 しかし、牛乳やバターなどは国内需要だけでなく、海外市場が大幅に伸びており、輸出は44%増と驚異的な伸びを記録しています。海外の方がより高価格で売れるために、これらの業者が輸出に力を入れ始めていることは、まぎれもない事実。

 2017年には、この国内需要と海外への輸出のバランスが崩れ、一部のメーカーがフランスの小売業者よりも海外への輸出を優先させてしまったために、国内ではバター不足が起こり、買い溜め現象が起こり、混乱が起こったことがありました。

 今回も原因が何にせよ、バター不足が起こるかもしれない!という推測がこれ以上広まれば、また、以前のような本当にスーパーマーケットの棚からバターが消えるようなことになりかねないかもしれません。

 個人的には、バターはあってもなくてもいい・・くらいのものですが、フランス人にとっては、日本でお味噌やお醤油がなくなるくらいの感じかもしれません。

 しかし、冷静に状況を見極め、慌てず、ムダは買い物をしないように、気をつけたいものです。


バター不足の危機


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2025年8月27日水曜日

8月の最後の週のパリは・・

  


 多くの人がバカンスに出て、その間、お休みにしてしまうお店もけっこうあるパリは、夏のバカンス期間中は、なんとなくガランとした感じで人も少なく、観光客が多い場所にさえ行かなければ、この時期ならではの独特な静けさがあって、私はこの期間が好きです。

 しかし、8月も最終週となり、新年度が近付いてくると、ぼちぼちとパリジャン・パリジェンヌたちは、パリに戻ってきています。

 それでも、本格的に日常に戻るのは、9月に入ってからなので、まだ人々が戻り切っていない、それでも閉めていたお店が再開している、この9月までのギリギリ若干人が少ない今週は、空いているパリを楽しめる一週間です。

 なので、この8月の最後の週の1週間は、いつもなら、混んで大変なお店やレストランに行っておきたい!となんとなく、去り行く夏を惜しむかのごとく、毎日、忙しく出かけています。

 このバカンス期間閉まっていたお店なども、ほんのり日焼けした人たちがバカンス気分の余韻を引きずっているような感じでどこかほんわか気分が漂っているのは、なんとなく微笑ましいところもあるのですが、気をつけないと、大変な目に遭うこともあります。

 先日、あるお店で、このバカンス気分が抜けきっていない感じのおばさんがいて、お会計をしてもらったところ、なんかおかしい??と思って確かめてみたら、なんとまるまる100ユーロ違っていました。

 すぐにその場で気が付いて、申し出たからよかったものの、危うく大惨事(私にとっては大金!)になるところでした。

 指摘すると、さすがにおばさんも、焦って「ごめんなさい!」とすぐに謝って、訂正してくれたのですが、こちらもボーっとしていたら、そのままになってしまうところでした。

 夏のバカンス期間中は、けっこうバカンスに入っている正規職員の代わりに学生らしき若いアルバイトの子たちがいて、この子たちは、何をやるのもキビキビ素早くて、感じもよくて、この期間にこの若い子たちの接客に遭遇するのが楽しみでもあるのですが、バカンス期間が終わると、この学生さんたちもアルバイトを終えて、姿を消してしまうのがとても残念な気持ちになります。

 こんなことを言うのは、おばさんたちには失礼なのですが(私もおばさんの身の上で・・)、パリでおばさんの接客に遭ったら、要注意、特にバカンス明けのこの時期は、さらなる注意が必要かもしれません。


8月最終週のパリ


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2025年8月26日火曜日

フランソワ・バイルー首相 首相辞任の危機 9月8日信任投票

  


 フランソワ・バイルー首相は、25日、「財政管理」という重要課題について、9月8日の国民議会の臨時会期前に憲法第49条第1項に基づき、その日に総合政策声明を発表し、政府の責任を問うと発表しました。

 年金改革問題の際に多くの国民から大反発をくらった憲法第49条第3項は、首相の権限において、採決なしに法案を突破させるものでしたが、今回の憲法第49条第1項は、(場合によっては、一般的な政策声明を発表したのち)政府の政策に関する責任を国民議会で決議するというものです。

 バイルー首相はこの方法を選択する目的について、国家の財政的危機がいかに深刻でいかに緊急を要する問題であるのかという核心的な問いを明確に提起することであると説明しており、過剰債務のリスクを指摘し、それが我々に重くのしかかる差し迫った危険であると考えており、「今年は660億ユーロ、来年は最大で750億ユーロに達する見込みであり、国家予算の中で最大のものになる」と予告しています。

 この採決は二者択一の極めてシンプルな決定で、一般的な政策声明の採決で、過半数を得れば政府は承認され、過半数を得られなければ政府は倒れる。つまり、政府が政権を維持するためには、絶対多数の賛成票を得る必要があり、国民議会が政府の政策表明を否決した場合、「首相は、辞表を共和国大統領に提出しなければならない」と憲法第50条に定められています。

 バイルー首相の説明していることは、もっとも急を要する問題に集中するという意味では、正攻法と思えないこともありませんが、実際には、彼は自らを政権崩壊の危機に晒すリスクを孕んでいます。

 実際に6月に発表された財政削減案については、国民からの多くの反発も呼んでおり、実際に9月10日には、それに抗議するカタチで大規模デモ・ストライキが各方面から発表されています。

 すでに政府内の各党、マリン・ルペン氏がRNは政府の信任投票に反対票を投じると表明しており、また、LFI(自由民主党)、PCF(共産党)、UDR(統一民主党)も同様の意を表明し、社会党も信任投票などあり得ない!と主張しています。

 もう現時点で、この9月8日の採決の結果は、ほぼ絶望的と見られますが、これから約2週間の間にバックヤードでどのような話し合いが行われるのか?また、それによって、結果がひっくり返されることがあるのか?

 この無謀とも思える首相の発表にフランスは騒然となっています。


憲法第49条第1項 9月8日


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2025年8月25日月曜日

RER C線の乗客が発見したセーヌ川に浮かぶ4体の遺体

  


 ショワジー・ル・ロワ近郊のセーヌ川で、付近を通過するRER C線の乗客からセーヌ川に浮かぶ遺体を目撃したという通報により、4体の遺体が発見されました。

 パリ及び、パリ近郊のメトロや電車の車窓からは、セーヌ川が見える路線もけっこうあり、そんな地点を通過する時は、なんとなく、セーヌ川を眺めて景色を楽しむことも多いのですが、まさか電車の中から遺体が浮いているのを目撃するなどということがあるのだろうか?あったとしたら、それは、もうとっても驚くだろうな・・と。

 セーヌ川には、色々なものが浮いていますが、まさか人間の遺体・・しかも4体も・・。

 通報により駆け付けた消防隊が遺体を確認し、殺人事件として捜査が開始されました。

 検死の結果、2体の遺体には、絞殺を思わせる激しい傷が確認され、残りの2体についても原因不明の疑わしい痕跡が確認されたそうです。

 被害者4人は男性で、クリテイユ在住の48歳のフランス人男性(遺体発見現場周辺を頻繁に訪れていた可能性あり)、ショワジー・ル・ロワ在住の21歳のアルジェリア人男性、そしてホームレスの男性2人(21歳のアルジェリア人男性と26歳のチュニジア人男性)でした。

 犠牲者のうち1人は下半身が裸の状態で、もう一人はズボンを足首まで下した状態で発見されています。

 容疑者は市場や建設業界で働いている24歳のアルジェリア生まれの男性で、遺体発見現場近くの不法占拠住宅に住んでいて、被害者の一人の文書を所持していたと言われ、被害者と容疑者を結び付ける物的証拠として押収されています。

 また、アルジェリア人の被害者が行方不明になった翌日から彼の携帯のSIMカードを使っており、またチュニジア人の被害者が行方不明になった翌日に容疑者は彼のクレジットカードを使用したと見られ、その映像が防犯カメラに残されていました。

 遺体の身元確認作業は指紋、生物学的証拠、DNA鑑定が行われ、比較的速やかに判明したそうです。

 遺体発見現場周辺は、同性愛者の出会いの場として知られている場所なのだそうで、この被害者たちの中の少なくとも1人は同性愛者であったことがわかっており、被害者たちは、ここを頻繁に訪れていた者たちであることが確認されています。

 容疑者は、これまでの経歴については簡単に述べたものの、現在のところ、事件に関するコメントは拒否しているようです。

 しかし、この容疑者は、すでに今年の1月に車両損壊を伴う窃盗罪で9月には裁判の予定だったそうで、また8月にも、盗品受領罪で刑事命令の召喚状を受け取っていた、云わば札付きの人物であったそうです。

 彼の身柄は現在、公判前拘留で確保されていますが、殺人事件に関しては、被害者4人が行方不明になった日がバラバラにずれていることから、一度に4人が殺害されたわけではないことがうかがえますが、それにしても同じ場所に遺体を遺棄したことが、全ての殺人を紐づけることになってしまいました。

 容疑者は口を閉ざしているため、動機は金銭目的であったのか?はたまた人間関係のトラブルによるものであったのかは不明です。

 しかし、パリプラージュだの、セーヌ川で泳ぐ遊泳場だのある同じ川(少し場所は離れているとはいえ・・)で人間の遺体が浮いているとは・・何と言ってよいのか、言葉がみつかりません。


セーヌ川に浮かぶ4体の遺体


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