2025年10月10日金曜日

南イタリアのビーチの若者たちになんだかホッコリさせられた・・

  


 パリは9月の記録的な寒さを記録しているというのに、南イタリアは、9月下旬というのに、まだまだ泳げるくらいの気温で、当然、ビーチも真夏の賑わいほどではないにせよ、日中は、パラソルがないとちょっときついくらいの陽ざしで、けっこうな人が水着姿で子どもを遊ばせていたり、ビーチに寝転んで読書していたり・・とそれぞれが太陽の光と海を楽しんでいました。

 今回、私が訪れたプーリア地方・・イタリアの東側・・イタリアをブーツで例えるとちょうどかかとの部分にあたる地域で、私は、なんといっても美味しい食べ物(特に魚介類)はもちろんのこと、美しい海を見たい・・美しい海を眺めていたい・・と思っていました。

 このあたりの海岸線には、無数の美しいビーチがあって、車でちょっと走ると、次々とビーチがあって、本当に、このあたりだったら、ひとつずつビーチをめぐっても、相当な日数がかかると思われます。

 ビーチも場所によって、様々で、多くは砂浜のビーチなのですが、そのビーチの手前は、ちょっと珍しい感じの少し赤っぽい(オレンジっぽい)色の土が続いていて、ちょっとどこか、かつて、私がいたアフリカの土地(アフリカ・・私のいたアフリカはもっと赤っぽい土でしたが・・)を彷彿とさせる感じもありました。

 その赤土には、たくさんのオリーブの木が植わってて、これまで見たことのない種類の美しい景色でした。

 その無数にあると思われるビーチは、場所によって、差があるものの、そこそこ人がいて、人が少なめ(ハイシーズンにはいっぱいなんだろうけど・・)だな・・と思われる場所には、地元の人っぽい若者たちが、本当に日常の延長なんだろうな・・という感じに、遊びに来ているのも、なんか羨ましい光景でした。




 そのビーチには、海に沈む夕日が見たい・・ということで出かけたビーチだったのですが、地元の若者たちが戯れていて、サッカーボールを蹴っているかと思うと男女がビーチに並んで座って、何やら黙々と、それぞれが下を向いて、雑誌?とペンを持って、一生懸命にやています。

 そもそも私は、この暑い場所で読書したりするのもよくわからないのですが、ビーチでサングラスをして本を読んでいるという人はけっこう多いのです。しかし、そういうのは、どちらかといえば、年配の人が多くて、こんな若者たちがビーチで何をやっているんだろう?と、妙に目にとまったのです。

 よく見てみると、彼らは、「SUUDOKU」をやっているらしく、かなり熱中してやっています。しかも、それぞれが、小さな雑誌のような「SUUDOKU」本を持って・・。

 この「SUUDOKU」、10年くらいまえ?いや?もっと前かもしれない・・は、フランスでもけっこう流行っていた時期があって、メトロの中などで、よく、この「SUUDOKU」本を筆致にやっている人をよく見かけたものです。

 今は、携帯ばかりで、紙の本でさえも読んでいる人がずいぶん減ったし、久しぶりに見たな・・「SUUDOKU本」そんな感じでした。

 なんだか、ビーチでこの「SUUDOKU」に夢中になったり、ビーチでボールを蹴ったりして遊んでいる南イタリアの地元の若者たちに、妙にアナログな感じで、なんだか妙にホッコリさせられたのでした。

 なにもビーチでやらなくても・・とも思うのですが、逆に考えれば、彼らにとっては、ビーチがそんなに特別な場所ではないということで、とても羨ましい感じがしました。


SUUDOKU


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2025年10月9日木曜日

辞表提出済みのセバスチャン・ルコルニュ首相がインタビューで語ったこと

 

    

 史上最短記録を樹立したセバスチャン・ルコルニュ首相に対して、マクロン大統領からは、2日間の間に最終交渉を行い、国の安定のための綱領を定める責任を課せられていました。

 この48時間の間、フランス国内は政界のみならず、世論も荒れに荒れ、各政党がここぞとばかりにマクロン大統領を攻め立て、もはや内閣というよりも、「大統領辞任」を求める声が強くなり、これまでマクロン大統領の腹心と言われていた人々からも、彼を否定するような発言が飛び出し、特にマクロン大統領を支持しているわけではない私でも、ちょっと見るに堪えない惨状となっていました。

 これまでも、「マクロンやめろ!」の声は、けっこう上がっていたのですが、今回ばかりは、なかなか真実味が増してきたような気がしたのも事実です。

 こんな混乱状態の中では、誰と誰が会ったとか、何を話したか?とか、憶測に過ぎない話なども、盛沢山に出没するわけで、全てを真に受けてはいけないと思っていましたが、そんな中、エリザベス・ボルヌ(元首相)が年金改革を一時停止にしてはどうか?というような発言をしたため、また、それが新しい火種になったりもしていました。

 年金改革案を49.3条(首相の権限において、採択せずに法案を通すこと)を発令して、大暴動まで起こして、通した年金改革です。「自分たちの身が危うくなれば、あんなに強引に押し通した年金改革でさえも、あっさり取り下げるのか?結局は、自分が可愛いだけじゃないか!」などの声もあがって、これがまた逆効果になったのです。

 そして、48時間が経過する間に、辞表を出しておいて、結局は続投するのではないか?とまで言われたセバスチャン・ルコルニュ首相は、夜のニュース番組で、この48時間と今後の展望を語りました。

 彼は、予定どおり、首相は辞任すると断言。今後48時間以内に次の首相が任命される予定であると発表しました。彼は今日までの48時間の間の各政党の党首との話し合いから、「複数の政党が共通予算案で合意する用意があると考えている」、「特に左派政党はフランスの安定と予算を望んでいるが、条件を付けている」、「とても困難な状況ではあるが、道はまだ開けている」と大統領に伝えたことを説明しました。

 首相は「党派的な思惑によって、政権構成は行き詰っている」と認め、ほんの14時間で終わった自分が行った組閣に関しては「いくつかの点を見落としていた」、「政権構成に関して一つ後悔があるとすれば、それは、次期大統領選への野心とは無関係なチームでなければならなかった」と告白しています。

 実際に、そう遠くはない2027年の大統領選挙が今回の政治的混乱に無関係ではないことは、今回の騒動を批判して声を挙げている政治家の面々を見ても思い当たる発言がけっこうあります。

 彼は、自分がもう首相を辞任しているということからか、どこかスッキリした顔つきでもありましたが、予算案は月曜日に提出されると話しています。

 しかし、その前の大問題は、48時間後に任命されるであろう首相が一体誰なのか?どの党派の人物なのか次第で、また、問題はぶり返されることは確実。

 また、マクロン大統領の陣営を置いたのでは、問題は繰り返され続けることは確実です。


セバスチャン・ルコルニュ首相


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2025年10月8日水曜日

新型コロナウィルス感染急増と新たな変異株「フランケンシュタイン」

  


 秋の深まりとともに、今年も新型コロナウィルスの感染者が増加する季節になってきたようです。9月の最終週のデータによると、この9月末の1週間の新規感染者数は、33,461人を記録しているそうです。

 これは人口10万人あたり50人の感染率です。

 このコロナウィルス感染の急増により、フランス国内の薬局では先週1週間で15万個の検査キットが売れに売れ、現在、セルフ検査キットが品不足に陥っているそうです。セルフ検査キットの中で最も売れているものは、子どもと高齢者用の検査キットとのこと。

 今回の新型コロナウィルス感染の急増には、「フランケンシュタイン」というニックネームを持つ新型変異株が大きく影響していると言われています。

 欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、この新たな変異株は、9月初旬に記録された感染者の80%以上を占めていました。

 この新たな変異株の学名は「XFG」で「フランケンシュタイン」というのは、ニックネームのようなもので、2つのオミクロン亜変異株が融合したため、「フランケンシュタイン」と呼ばれています。

 つまり、2つの異なる変異株が融合して出来上がった変異種であることから、人間の身体の一部から作られた、あの有名な架空の生き物を彷彿とさせるハイブリッドウィルスということでこのニックネームがつけられたようです。

 このフランケンシュタインは、感染力が非常に強いものの、危険性は高くないと言われてますが、専門家によると、ここ数週間、高齢者施設で依然として感染拡大が確認されており、重症化による入院も増加しているということで、高齢者や化学療法を受けているガン患者、慢性的な肺、心臓、腎臓の感染症など健康上の問題を抱え、感染リスクが高い人は、一層の注意が必用だと警告しています。

 しかし、フランス公衆衛生局は、今回の新型コロナウィルス感染の流行は、ワクチン接種キャンペーンの開始を早めるほどではないという判断を下し、ワクチン接種キャンペーンは、従来の予定どおりの10月14日から、インフルエンザワクチン接種と併せて開始すると発表しています。

 一時は、少し具合が悪いと「もしかして?コロナ?」と不安に思ったものですが、そんなことはすっかり忘れていました。しかし、忘れた頃にやってくるコロナウィルスとインフルエンザ・・という感じになっています。

 キャンペーンが始まったら、ワクチン接種に行ってきます。


新型コロナウィルス感染急増 新型変異種フランケンシュタイン


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2025年10月7日火曜日

セバスチャン・ルコルニュ首相 辞任 史上最短の在任期間 フランス政府の危機

 

         


 こんなに政局が急速にガタガタと崩れていくものかと、フランス人ではない私でさえも、驚愕する事態がフランスでは起こっています。

 前首相のフランソワ・バイルー氏が辞任して、24時間も経たないうちに任命されたセバスチャン・ルコルニュ首相は、首相任命から、なんと組閣人事発表まで26日もかけて、ようやく10月5日(日)の夜に内閣人事が発表されました。

 私は、そのニュースをなんとなく、サラッと眺めて、明日、じっくり見てみよう・・と思っていました。

 ところが、その14時間後の月曜日の朝、今度は、突如、首相が辞表を提出して、マクロン大統領がそれを受け入れたというビックリニュースが飛び込んできて、「なんなの?これは?どうなってるの?」とビックリした次第です。

 この1ヶ月未満という記録的なスピードでの首相辞任は、当然、国全体を揺るがす大騒動になっており、朝早くに発表された首相辞任のニュースで株価は急落。SNS上だけでなく世論が大炎上しています。

 この首相のスピード辞任、特に組閣人事発表からの速攻辞任には、組閣人事に対する各政党や世論からの大反発によるものと見られており、この組閣人事の構成が前政権からの引継ぎ、つまり大統領陣営がかなりの割合で含まれていること、特にブルーノ・ル・メール氏(長年、マクロン政権で財務相を務めてきた人物で国防・軍事に関しての経験はないらしい)の国防相という人事への反発であるという声も大きいと言われています。

 ブルーノ・ル・メール氏に関しては、マクロン政権がかなり崩れ始めた頃に、自ら財務相を辞任し、どこかの大学の教授として、若者と意見をかわしつつ、フランスの将来について考える・・というようなことを言っており、私としては、まことに清々しい引き方だ・・と感心していたのですが、さらに混乱した状況において、なぜ、政界に復帰することを了承したのでしょうか? 彼は、今回の人事を受け入れるにあたって、「政府に参加するという私の決断は専ら使命感から下したものでした。私の決断が一部の人々から、理解不能で虚偽で不相応な反応を引き起こしていることを承知しています」と述べていました。

 とにかく、この組閣人事発表から、首相退任による組閣取り消しにより、前日の夜に任命された大臣たちは、公式に任命が交付されているために、何もしない14時間のおかげで、各自(大臣たち)が3ヶ月間の給与28,000ユーロの給与が支払われることになり、この任命の総費用だけでも、約50万ユーロかかることなども、報道されています。

 あまりの世間の怒りに慌てているマクロン大統領は、辞表を受け取ったものの、セバスチャン・ルコルニュ首相に対して、2日後の夜までに最終交渉を行い、国の安定のための綱領を定める責任を委任したと大統領府は発表しています。

 ここまでグダグダになって、今さら解決策などあるのだろうか?と思ってしまいますが、今後、しばらくは、離せなくなりそうです。

 今回の首相に関しては、「来年度の予算を通すまでに何人の首相が必用か?」などと嫌みな見出しの報道などがされていましたが、冗談ではなくなってきました。

 1ヶ月未満で職を放棄してしまった新(前)首相に対して、国民の反発もさぞかし強かろう・・と思いきや、世論調査によると4人のうち3人のフランス人は、セバスチャン・ルコルニュ首相の辞任は正しかったと答えているそうです。


仏首相 1ヶ月未満のスピード辞任


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2025年10月6日月曜日

バスの検札がやっぱり物々しくて・・

  


 パリ市内では、バスやメトロなどの公共交通機関のコントロール(いわゆる検札)に遭遇する機会は珍しくありません。先日、バスに乗ったら、まず、チケットをチン!とチェック?する機械が壊れていて、何回かやってみても、赤いランプがついて、ブーッという音が鳴って、一瞬、「どうしよう?」と思って、運転手さんの方を見たのですが、運転手さんは、知らん顔をしているし、次に乗った人もまた、チケットを機械にかざすと、ブーッとなっていて、「あ~これは、機械自体が壊れているんだから、しょうがないよね・・」と思って、そのままバスの中に進もうとしました。

 それにしても、運転手さん、機械が壊れているのは、彼はもうわかっているんだったら、なんか、説明してくれればいいのに・・と思っていたら、そのあとにすぐにバスの入口と出口から検札軍団(5人くらいのいかつい男の人たち)が乗ってきて、チケットのチェックが始まりました。

 あいかわらずの物々しさ・・すごい威圧感だな・・「ただでさえ、ちょっとバス待たされたのに、これで、また時間がかかる・・こんなのやってたから、バスがなかなか来なかったんだな・・」と思いつつ、それでも、自分はチケットをチェックしてもらって、そうそうに、奥の方の空いていた席に座って、「早く、検察なんて終えて、さっさと出発してくれ・・」と思いながら、なんとなく、様子を伺いながら、待っていました。

 いつものことながら、検察軍団は、5~6人が1組になって、動いているのですが、メトロの駅などならば、スペースが広いので、さほど威圧感もないのですが、狭いバスの中だと威圧感がハンパありません。

 それでも、ふつうにチケットをもっていれば、正当に乗車しているわけですから、文句のつけられようもなく(実はチケットは持っていても、チン!と機械に通していなければ、罰金対象になります)、怖いこともないのですが、小心者の私は、チケットを持っていなくて、詰問されているのを見るだけでも、ちょっとビビってしまいます。

 その時は、中学生くらいの男の子と女の子ひとりずつ(一緒にいたわけではなく、別々に乗っていた)がチケット不携帯で違反切符を切られていました。

 男の子のほうは、わりと素直に身分証明書を出して、おとなしく?従っていたのですが、女の子の方が、少々抵抗したらしく、そのままバスの中で尋問が開始。

 少し離れたところにいたので、詳しい内容は聞こえてこなかったのですが、フランス語で話していたので、地域の学生なのだと思いますが、検察官の方が女の子に向かって、「バスに乗るのは、初めてじゃないだろう?」というフレーズだけでしたが、彼女は一体、ナント言い訳をしたのでしょうか?

 しかし、大男たちに囲まれて、責められ続け、しばらくすると、彼女は、半べそをかき始めました。その間、バスは停車したまま、10分経ち、15分経ち・・と時間が経つにつれて、今度は、乗客の方が怒り出して、「自分たちは、仕事中なんだ、こんなに待っちゃいられない!その子と一緒におりて、続けろ!」とバスの中から怒号が湧き始めましたが、検察官の方は、「この先でランデブー(アポ)が入ってる!それに彼女は未成年なんだ!」とよくわからない説明。しかし、ついに乗客の怒号に負けて、検察官とその女の子は、一緒にバスを降りて、ようやくバスは発車しました。

 そもそも、キセルをしたその子が悪いのは、当然なのですが、その検察官たちも、臨機応変に対応ということがすんなりできないものなのか?そんなにすったもんだしてバスを20分以上も停めてしまうことに何の呵責も感じないのか?と、ちょっと、そっちの方に疑問を感じてしまったのでした。


バスの検札


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2025年10月5日日曜日

SNCFを装った「ストライキ後の払い戻し」請求の詐欺メール

  


 まったく、ぼんやりしていられない世の中・・度重なるストライキの挙句に、そのストライキによる払い戻しを装った詐欺メールが横行しているらしいのです。

 ここのところ、新年度になってから(9月から)の度重なるストライキには、皆が少なからずうんざりしているところだと思いますが、今回はSNCF(フランス国鉄)のサイトを装ったホンモノのサイトにそっくりなビジュアルに作られており、詐欺サイトの指示どおりに画面を進めていくと、個人情報、特に銀行の情報がごっそり盗まれる仕組みになっています。

 今回は特にサイトがほぼほぼ、SNCFのホンモノのサイトとそっくりに出来上がっているため、非常に巧妙にできていますが、一部の列車が運休となった9月18日のストライキに関して、ユーザーに29.99ユーロの補償を提示するメールのようです。

 「9月18日の混乱により、29.99ユーロの払い戻しが可能です」とこんな感じです。

 詐欺メールの送信者は、SNCFを装い、標的のユーザーに個人アカウントで払い戻しの詳細を確認するように促してきます。

 その後、ユーザーはリンクをクリックするように促され、SNCF Connectのオンラインチケット購入プラットフォームを巧妙に模倣したサイトへと誘導されます。

 一見すると、このメッセージは、まるで疑いようのないSNCFからのメッセージに見えてしまいます。SNCF Connect(詐欺メール)のデザインは、ホンモノのSNCFと同じデザインで出来ているのです。

 送信元「nrp@sncf.fr」は確かに信憑性があり、内容もユーザーの名前も綴りも間違いなく伝えてきます。

 メッセージには、約束された払い戻しの詳細は個人アカウントで直接確認できると書かれており、「手続きは迅速かつ安全です」と豪語し、リンクをクリックするように促してきます。

 リンクをクリックするとSNCF Connect のウェブサイト(模倣して作られた偽物)にリダイレクトされ、ご丁寧にロボットではないことを確認するためのキャプチャーコードの入力が求められます。

 そして、払い戻し確認のため、個人情報とクレジットカード番号の入力を求められます。詐欺師は、データに直接アクセスし、データが盗まれてしまいます。

 ホンモノのSNCF Connectは、これらの詐欺メールが横行していることに対して警告を発しています。

 偽物を見分ける方法として、送信者のアドレスを注意深く確認するように呼び掛けています。通常ホンモノのメッセージには、@mail.sncfconnect.com、@mail.sncf-connect.com、@info.sncf.com、@connect.sncf、@info.sncf-voyageurs.comといった識別子が含まれています。これらの識別子で終わらないアドレスの場合は、警戒が必用だと言っています。

 私の場合は、「ん??なに?このメール?」と思った際には、そのままそのリンクをGoogleなどで検索してみます。すると、だいたい、詐欺の警告が出ているので、それですぐに削除してしまいます。

 一番簡単な方法です。

 しかし、さんざん、ストライキで迷惑していて、イラついているときなど、「払い戻し!」などというメッセージがきたら、ついうっかり「そりゃそうよ!返してもらわなきゃね!」などと乗っかってしまいかねない気もします。

 まったく、ストライキで足止めを食って痛めつけられ、その後にそれを補償してもらうための詐欺にひっかかるなんて、まったく二重に痛めつけられることになります。

 ほんとに皮肉なことですが、この種の詐欺師などは、ほんとよく気が付くし、よく働くな・・と感心してしまいます。


SNCFストライキ後の払い戻し詐欺


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2025年10月4日土曜日

超ファストファッションSHEIN 今度は百貨店へ進出

  


 超ファストファッションの象徴的な存在であるSHEIN(中国)が仏婦人服ブランドPimkie と業務提携したことで、業界に大激震が走り、Pimkieはフランス衣料品業界から除名処分を受け、業界からは、「悪魔との共謀!」とまで言われて、大バッシングを受けていますが、今度は、そのSHEIN・・ソシエテ・デ・グラン・マガザン(SGM)との独占提携を発表し、フランス国内の百貨店(最初は、6店舗)に店舗をオープンすることを発表しています。

 ソシエテ・デ・グラン・マガザン(SGM)・SGMグループはギャラリー・ラファイエット7店舗やBHVを保有およびフランチャイズしています。

 今回のSHEINの店舗がオープンするのは、SGMの傘下?にあるギャラリーラファイエット(リモージュ、アンジェ、ディジョン、ランス、グルノーブル)とパリのBHVです。

 この物理的な店舗の出店(元来は、オンラインによる販売のブランドのため)は、とりあえずは、試験的に6ヶ月間ということになっているようですが、一時的なポップアップではなく恒久的なものになる予定です。

 実際の店舗のオープンは11月ということになっているらしく、どのような価格帯の商品が陳列されるのかはわかりませんが、これまでの、いわゆる百貨店のどちらかといえば、高級品を扱っている店舗構成を見ても、その中にどのように同化させるのかはわかりませんし、品質が多少悪かろうと、低価格であるからこそ売れに売れ、フランス国内では2,300万人の消費者を抱えているSHEINがどのように?この百貨店の中に入っていくのか?いけるのか?は、大いに見ものであると思われます。

 しかし、一方では、その百貨店自体も、業績は不調続きで、ここ数年でフランス国内のギャラリーラファイエットが何軒、クローズしたか覚えていられないほどで、パリのギャラリーラファイエットこそ、観光客の動員でそこそこ、生きながらえていますが、この百貨店側からしても起死回生のチャンスを狙っているともいえます。

 こうなってくると、もうこれは、繊維業界、衣料品業界だけに留まる話ではなくなってきます。

 しかし、パリのBHVなどを例にとってみれば、あれだけの一等地に店舗を構え、テナント料を払い、またスタッフも雇って、あれだけの低価格の商品を売ることでお店を存続させていくのは、並大抵のことではないとも思われ、ただ、パリのBHVにも出店しているという、そのブランド自体のイメージの格付けを上げるような目的のためで採算度外視してもよいのなら、あり得ることかもしれません。

 このSHEINのフランスでの物理的な店舗の展開については、やはり、同業他社の小売業からは、すでに悲鳴も上がっており、フランス全国衣料連盟(FNH)も同様に憤慨し、「1860年創業の老舗でパリを代表する百貨店でもあるBHVのような店が、ファッションの最悪な商品に頼ることに同意していることは、とても残念なことで、想像力とプロ意識の欠如を露呈している」とまたシビアな意見を発表しています。

 また、この件に関しては、パリ市長も「パリは略奪的な多国籍企業の安易なショーケースになるつもりはない!」全面的に反対の意見を公表しています。

 今回SHEINがオープンする店舗のひとつでもあるリモージュ市は、プレスリリースでこの店舗のオープンに対しては、強く反発し、反対の署名運動まで開始されています。

 今後、ますます大論争が盛り上がりそうなフランス国内でのSHEINの店舗展開は、まだまだフランスのファッション業界に激震を起こし続けそうな気配・・11月にBHV内の店舗がオープンしたら、見に行って来ようと思います。


SHEIN フランス国内の百貨店に進出


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