2023年7月1日土曜日

手がつけられなくなっているフランスの暴動に巻き込まれて、しばし、お店に閉じ込められた・・

  

急にお店のシャッターが閉まって、店内に閉じ込められた・・


 検問拒否のために17歳の未成年が警察に射殺された事件からもう4日経つというのに、暴動は一向におさまりそうにありません。むしろ、どんどん、酷くなっている気がします。

 中心となって暴れているのは、未成年や若者たちが中心で、とにかく暴力的で、これはもうすでに抗議ではなく、単なる破壊行動、大規模な放火、強奪行為になってきています。

 これは、フランス全土にわたるもので、とにかくその破壊の仕方が桁外れで、車やバスやトラムまで燃やすので、現在のところ、バスとトラムは全国的に21時で運行停止となっています。

 今回の暴動は、どうやら、いつもの暴動とは違うようで、もう破れかぶれというか、標的が一般の店舗から、市役所、図書館、學校、劇場など、ありとあらゆる場所に至っており、また、日常はさほど治安の悪くないと思われている場所でまで、破壊行為や放火などが起こるので、ちょっと制御不能で予測不可能、手が付けられない状態になっています。

 3日目の夜は1番で917人が逮捕されたとかで、しかも逮捕者の平均年齢は17歳というのですから、いつものデモに乗じて破壊行為を行うブラックブロックなどの破壊集団ともまた別なのか、低年齢化しているのか、はたまたその両方なのかは不明です。

 逮捕者の中には若い子だと13歳、14歳などという場合もあるそうで、夜中に未成年が、しかもこのようなご時世にでかけることを放置している親も親だと思ってしまいます。

 とにかく、この騒ぎがおさまるまでは、バス(やトラム)が21時になくなってしまうというだけでも、この日が長く、気候も良い時期に大変、迷惑な話、バスもトラムも同じですが、自分たちの生活に必要な市役所や学校や図書館などを破壊するのは、どういうことなのだか、まるで意味がわかりません。

 たまたま、昨日、パリ郊外に用事ができ、用事が思ったよりも早く済んだために、時間がぽっかり空いたので、「そういえば、ソルドが始まったんだった!」と帰りに滅多に行く機会がない郊外(といってもメトロで行ける範囲のパリから近いところ)のコマーシャルセンターにソルドを覗いてみることにしたのでした。

 何回かは行ったことがあるものの、ここのところ、かなりご無沙汰していた場所で、郊外だけあって、広くて大きいコマーシャルセンターでお店もたくさん入っているし、店内もゆったり場所がとってあるので見やすかったりもするのです。

 久しぶりの買い物で、けっこう新しいお店に変わっているんだな~とか、こんなに安いお店があるんだ!などと、ちょっと夢中になって試着を繰り返したりしながら、買い物をしていて、そろそろ帰ろうとしていた時のことです。

 急にお店が騒がしくなって、店内はソルド期間中ということもあって、結構にぎわっているというのに、急にお店のシャッターが閉まり始めて、「危険だから出ないでください!」、「大丈夫ですから、落ち着いてください!」「現在、お店の外には出られなくなりました!」とスピーカーでお店のセキュリティの人がアナウンスを始め、お店がブロック状態、店内に大勢のお客さんとともに缶詰状態になりました。

 このご時世、なんとなく、「もしかしたら、あの暴動隊?がやってきたのかな?」と、思いながら、どうにも不安な気持ちになりました。フランス人はパニックを起こすと大変なので、セキュリティの人は「落ち着いて!落ち着いて!」を繰り返すばかりで、尋ねても、理由は説明してくれません。

 中には、不安で泣き出してしまうおばさんまでいて、泣き叫んでいるおばさんを店員さんが、必死になだめています。放火が相次いでいるというものの、ちょっと放火するにしては規模が大きすぎるコマーシャルセンターゆえ、この建物全体に火をつけるのはムリな話。私は、とりあえずは店内にいれば、大事には至らないだろうと思っていました。

 しばらくすると、「こちらの出口から外に出てください・・」と言われて、お店の外に出ると、もう中央の入口(出口)は閉鎖になっていて、コマーシャルセンターからすぐ近くのメトロの駅まで閉鎖になってしまいました。

 とにかく大きなコマーシャルセンターゆえ、出入口がたくさんあって、駐車場をつたって、敷地外に出る途中、数人の警察官がティーンエイジャーらしき男の子を後ろ手に手錠をかけて、連れていくところでした。

 なぜか、その一団には、覆面をした黒装束の若い男が一緒で、「暴れている奴らがいっぱいいるんだよ・・自分は違うけど・・」と言いながら、ポケットには催涙ガス?と思われるスプレーを携帯していて、その恰好で自分は違うって、他人事みたいによく言うな・・妙な人だ・・と思いましたが、それよりも、今度は「メトロの駅が閉鎖なら、どうやって帰ろうか?」と一瞬、途方に暮れました。

 バスやタクシーに乗ろうにも、もうコマーシャルセンターの周囲は警察車両や消防車両が次々と到着する中、大渋滞が起こっており、これは車はムリ・・と判断し、次のメトロの駅まで20分近く歩くことにしました。

 バスがなくなっちゃうから、夜9時前には帰らなきゃと思っていたのに、事件に遭遇したのは、夕方5時頃のことです。

 どうやら、今回の暴動は、色々なタイプの暴動が混在しているようで、どちらにしても、警察官の射殺事件という大義名分を掲げて、ただ暴れたい、破壊したい、これを機に強奪、強盗してやろうという人も多そうで、これはどうしたら、鎮まってくれるのか?ちょっと見当がつかずに実害にも遭い、もうウンザリしています。

 ただ、今回は未成年や若者が中心ということで、SNSで集合をかけたり、また、スナップチャットなどで破壊行動の動画をあげては、その破壊ぶりを競いあったりしている動きもあるとかで、もう、あまりの愚かさに言葉もありません。このSNSの使い方もどうにか規制をしてほしいです。

 とにかく、やっとのことで家に帰りついて、家の近辺の平和ぶりにホッとさせられたのですが、この状態が続けば、もう出かけるのも億劫になってしまいそうです。

 先ほど、司法大臣がテレビのインタビュー番組で話をしていましたが、「フランス人にはたくさんの権利も認められているけれど、同時に義務もたくさんあるんだ!」、「特に未成年が暴動に参加している場合は親は子供を責任を持って指導してほしい!」「罰則も強化する!」と。

 とにかく、現在のフランスの暴動は度が過ぎます。

 4日目の夜は警察官・憲兵隊4万5千人が動員したそうです。


フランス暴動


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2023年6月30日金曜日

フランスに住んでいる日本人の2回の成人式のステップ

  


 パリにいる友人の息子さんが20歳になり、成人になったという話を聞いて、そういえば、成人という区切りが我が家にも2回あったな・・ということを思い出しました。

 フランスでは18歳で成人となり、一応、大人として扱われるようになるので、日本のような成人式はないにせよ、家族や親戚を集めて、派手にお祝いをしたりする家もありますが、我が家では、たしかお兄ちゃんたちがお誕生日のお祝いに来てくれたくらいで、まだ、受験を控えていたこともあったりで、特別なことはしませんでした。

 日本人の私にとっては、どうしても成人=20歳というあたまがあって、18歳はフランスでは成人でも、20歳になるまでの2年間はまだ、どことなく、娘はまだ成人ではないような気分が半分以上ありました。

 とはいえ、フランスで18歳となれば、一番に思いつくのが犯罪などの際の扱いなど、日本よりも一足先に法的に成人です。同じ人がフランスでは成人、日本では未成年と妙な2年間です。

 しかし、日本で生まれ育った日本人の私としては、どうしても二十歳が成人という気持ちが強く、それが私の中では区切りではあったのです。

 とはいえ、フランスでの成人というのも、我が家にとっては大きなことでもありました。

 それは母子家庭であったということが関係しています。

 夫が亡くなったのが娘が10歳のときのことで、誰が通報したのか?夫が亡くなって、まもなくして、児童裁判所に呼び出されたことがありました。

 子供を取り上げられてしまうのでは?という懸念があり、夫の元同僚の女性が裁判所には付き添ってくれて、よく説明してくれたので、子供を取り上げられることはありませんでしたが、それから、成人するまでの間、私たち親子は一応、市の児童裁判所の監督下におかれることになり、私になにか落ち度があれば、娘は取り上げられてしまうという恐怖が私にはいつも付きまとい、娘が18歳になるまでは絶対死ねないし、絶対に子供を1人にして放置して出かけたりすることはできないし、うっかり病気をして入院もできないし・・と大変な気負いがありました。

 年に一度、裁判所から送られてくる、報告書のようなものを提出しなければならなかったし、私の中で、娘が18歳になるまでは・・という気持ちも大きくあったのです。

 一応、18歳になった時点で、児童裁判所からも解放され、私は大きく肩の荷を一つおろした気持ちになったものの、娘はまだ学生で、日本ではまだ未成年。成人式のために日本に帰国することはできなくても、一応、娘には振袖を着せて、写真屋さんでちゃんとした写真を撮ってもらい、私の大好きだった祖父母のお墓まいりに行き、ごくごく近い日本の親戚に挨拶に行き、それをもって、成人式の区切りとしたのでした。

 真夏の暑さの中、私の希望で振袖を着せられる娘も気の毒でしたが、そのために私が成人式の時に来た着物は、その後、従妹のところを転々としたあと、行方不明になってしまっていて、実家をひっくり返したら、母が結婚式の時に着た振袖が出てきたので、それを娘には着てもらい、また別の意味で感慨無量でした。

 できることなら、母に見せたかったけど、私の中ではこの娘の真夏の振袖姿が娘の成人の区切りになりました。

 2回の成人式を通過する海外在住の日本人の子供、2段階の成人式も悪くないような気もしているのです。


フランスの成人式と日本の成人式


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2023年6月29日木曜日

燃え上がる警察への怒り 燃える炎は全国に飛び火

 


 警察官が服従拒否をした青年を射殺した事件に多くの人が怒りの感情を燃え上がらせ、本当にたくさんの車やバスが燃やされたりして、暴動のようになっています。

 事件の起こった当日の夜、事件現場となったナンテールの街は、手が付けられないほどに、多くの若者たちが街に出て車を燃やし、爆竹をばらまき、大荒れに荒れ、1,200人の警察官が出動する大騒動になりました。

 翌日のナンテールの街は厳戒態勢が敷かれ、前日に燃やされた車などの撤去作業とともに、2,000人の警察官が動員され、前日のような事態が起こることを警戒して、備えていましたが、この警戒体制が功を奏したのか、ナンテールでは、前日ほどの暴動には至りませんでした。

 しかし、この警察に対する怒りと抗議は、トゥールーズ、リヨン、リールなどなど、遠く離れた地域にまで飛び火し、それぞれの地で車が燃やされたり、ゴミ箱が燃やされたり、場所によっては、バスが燃やされたり、全国的な怒りに拡大しています。


 この青年を射殺した警察官(38歳男性)は、身柄を拘束されていますが、通常、24時間の拘束が48時間に延長されたそうです。しかし、この騒ぎでは、身の安全のためにも警察に拘束されていた方がよいのかもしれません。

 この事件を受けて、マクロン大統領もインタビューで、「若者の死を正当化できるものは何もない。言い訳ができるものではなく、許しがたい行為」と答えています。


 また、フランスの大人気サッカープレイヤーのムバッペ選手なども、この事件について、「僕のフランスが悲しい、受け入れがたい事件」とツイートしています。

 警察官が拳銃を発砲するのは、あくまでも非常手段の場合のみなはずで、撮影されていた複数の映像からは、一度、車を停車させて、押し問答している段階から、警察官は青年を拳銃で威嚇しています。

 青年が何らかの武器を携帯していたのならばともかくも、彼は武器を持ってはいませんでした。この車には、運転手の他、2名が同乗しており、1人は、逃走していますが、もう1人は事故後に身柄を拘束されているので、その際の警察官とのやり取りを間近で聞いていた目撃者でもありますが、この同乗者からの証言はかなり、重要な証言になりそうです。

 この事件への怒りがフランス全土に飛び火して、燃え上がるのも、治安の悪化により、警察との摩擦が増加していることもあるとは思いますが、射殺されるまでには至っていなくても、警察官の威圧的な態勢を多くの人々が体験したことがあるからだという人までいます。

 2022年には路上検問の際に服従しなかったために起きた警察官による射殺事件が13件も起こっていたことが明らかになりました。これは路上検問の際の服従拒否による射殺事件で、その他の事件は含まれていません。

 最初は服従拒否だけで射殺?と驚いていましたが、最近、時々、聞くな・・くらいに増えたような気がしていたのは、やっぱり異常なことです。

 この怒りを燃え上がらせ、車やバスを燃やして、ホンモノの炎を燃え上がらせる行為は間違っていると思いますが、警察官の拳銃の取り扱い方にも、明らかに問題はあると思います。

 せめて、100歩譲って、状況的に発砲が不可欠であったとしても、せめて発砲の際には、急所を外す訓練をするべきだと思います。

 これでは、死刑制度のある国を非難する一方で、裁判なしでの事実上の死刑を執行しているようなもの。しかも検問の際の服従拒否で・・。



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2023年6月28日水曜日

服従拒否で警察官発砲 17歳の青年死亡の後、警察官のウソがばれた・・

  

警察への抗議で街が荒れに荒れる様子


 ここ1~2年、警察官の発砲事件がすごく増えた気がします。警察官の発砲事件の全てが公になっているわけでもないと思うので、特にとりあげられているのは、被害者が死亡した場合の、それも一部のことだと思いますが、今回の事件は、特に発砲した警察官が虚偽の報告をあげていたことが、発覚してから、さらに騒ぎが大きくなっています。

 事件は、午前8時半頃の通勤時間帯のナンテール(オー・ド・セーヌ県)(パリ近郊)RERナンテール・プリフェクチュール駅付近でおこりました。

 事件直後の警察の説明によれば、「車両確認のために2人の警察官が車を停車させたものの、彼は警察官の命令に従わずに無理に車を発車させ、警察官の1人が轢かれそうになったために、もう1人の警察官が発砲した」つまり、発砲時に車は警察官に突っ込もうとしていたと説明。

 また、「運転手は複数の交通違反を起こしている人物であった」ことを付け加えています。

 しかし、その後、すぐに、防犯カメラや、警察官が車両を停めている様子などの模様を撮影していた複数の動画がSNSで次々に拡散され、この警察の説明がウソであったことが明らかになって、騒ぎは一層、大きくなりました。


 動画を見ると、2人の警察官が黄色い車を停車させている様子が映っています。 警察官の1人はフロントガラスにもたれて立っており、ピストルで運転手を狙っています。 運転手が車を再発車させると、警察官は車両の側面の至近距離から発砲しています。車が発車するタイミングと銃声は、ほぼ同時で、2人の警察官はどう考えても、車に轢かれそうな位置に立ってはいません。

 銃声のタイミングからも、かなりの至近距離で運転手が撃たれていることは明白で、銃弾は青年の胸に的中していました。


 そうでなくとも、被害者の青年は未成年、警察官の発砲により殺されたとなれば、物議を醸すところ、警察官の報告が虚偽の報告であったという証拠?の映像があっという間に、拡散されて、「たしかに服従拒否は違法ではあるが、それは死刑に値するものではない!」とか、「警察はこうして、殺人を正当化してきたのか?」など、政治家まで巻き込んでの大論争を引き起こしています。

 そして、この事件を受けて、警察への抗議の声が高まり、ナンテールの街は、ゴミ箱が燃やされ、車が燃やされ、爆竹がなり、黒煙があがり、騒ぎは夜まで続きました。

 ナンテール検察庁は、被害者となった運転手に対しての公権力を持った人物への服従拒否と殺人未遂の疑いで捜査を開始、そして、発砲した警察官に対しては、公権力を有する人物による意図的な殺人事件として捜査を開始しました。

 また、当然のことながら、被害者家族の怒りは激しく、この被害者側の弁護士は、3件の告訴状を提出したことを発表しています。1件目は、「警察官による故意の殺人」、2件目は、「同僚(加害者警察官と行動していた警察官)に対する殺人共犯」、そして3件目は「公の文書における虚偽」の3件についてです。

 どんな事件においても、そもそもの罪だけよりも、ウソがばれた時の叩かれ様は、火に油を注ぐ勢いになるのは、自明の理です。


 しかし、このような騒ぎになって、警察への怒りで街のあちこちが燃え上がっているときも、やはり、警察官は、この車での服従拒否に使われた拳銃よりも、さらに大きい銃を構えて警備している様子には、何の救いも感じられないのです。


警察官発砲17歳青年死亡


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2023年6月27日火曜日

麻薬及び薬物使用に課せられる罰金65%が未回収の現状 徴収はその場で現金かカード払いへ

  

 

 マクロン大統領が仏紙のインタビューで、麻薬や薬物使用に対する罰金の回収率の低さを嘆き、「夏の終わりに向けて法令を整備しなおし、即時、現金かクレジットカードで支払うことを求めるように準備を開始している」と話したことが話題になっています。

 フランスはヨーロッパ最大の麻薬消費国と言われていますが、もはや、この麻薬が違法であるという認識がフランス人には薄いのではないかと思います。

 現在、これらの罰金に対して、実際に回収できているのは、わずか35%ほどなのだそうで、逆に言えば、65%の人は払っていないということになります。

 なかなかな割合です。

 なぜ、こんなことになっているのかというと、この罰金回収の手続きから、実際の徴収までの手続きが煩雑で、時間がかかり過ぎていることが原因の一端であると見られ、手続きを簡素化し、警察がその場で罰金を徴収する権限を持つということになります。

 そうなったらなったで、この警察を装った詐欺師などが出没しそうな気もしますが、まずは、この罰金を支払わせるということを優先にするということだと思います。しかし、これには、当の取り締まりを行う警察官組合(SGP)(や裁判官)は納得していないという声もあがっています。

 フランス人はもともとルールを守らないという印象があります。罰金といえば、最近で思い浮かぶのは、パンデミックでマスク着用が義務化されたときのマスク不着用の場合の135ユーロの罰金135でしたが、これに関しては、あまり回収できなかったという話を聞かなかったので、必ずしも全ての人が罰金を支払わないというわけでもないのだとは思います。

 私には麻薬や薬物をやっている知り合いがいないので、それがどのような人々なのかはわかりませんが、おそらく、これらの人々の間では、「払わなくても逃げ切れる・・」というあたまがあるのではないかと思われます。実際に65%の人は払っていないのですから・・。

 また、この罰金についてのフランス政府のサイトを見てみると、最初に「薬物使用のリスクは?」というタイトルから、健康面の実害等が書いてあるのかと思いきや、「大麻、エクスタシー、コカイン、LSD... は犯罪です。法律で禁止されている行為であり、薬物の種類、量、加害者の犯罪歴などの状況に応じて異なる罰則が課せられ、懲役刑および罰金、または定額の罰金で処罰される場合があります」とあります。

 リスクは罰則、罰金というのも、なんだかしっくりこない気がしないでもありませんが、ダイレクトな感じもします。

 また、現行では、麻薬・薬物に対しての罰金は、定額200ユーロということになっており、15日以内に支払われた場合は、150ユーロ、逆に45日以内に支払われない場合は、450ユーロに増額されるとなっています。

 早く支払えば、減額され、滞納?すれば450ユーロに跳ね上がるということになっていても、支払われていないということは、これがあるから、早く払わなければ・・というふうにはなっておらず、ハナから支払うつもりがないということで、この減額、増額システムは、あまり機能していないことになります。

 だからこそ、取り逃がしのないように、その場で現金なり、クレジットカード払いででも取り立てができるようにするのでしょうが、すでにそのための決済端末5,000台は発注済なのだそうです。

 この罰金の取り立てについては、一部の政治家たちからは、「法廷の混雑」を回避する「麻薬使用犯罪に対するより効果的な対応」として賞賛されていますが、フランス薬物・薬物中毒監視局(OFDT)は「経済的ペナルティのこの力関係の増大は、個別の健康面での対策に損害を与えている」と複雑な見解も示しています。 

 マクロン大統領は、この話を「マルセイユ・アン・グランド」計画の一環としてマルセイユを訪問する前にこの計画を公にしています。(マルセイユでは、この罰金徴収率35%をさらに下回っている)

 マクロン大統領はこのインタビューの中で、「利用者がいる限り、麻薬密売を嘆くわけにはいかない」、「娯楽だと思って麻薬や薬物を使用する手段を持っている人々は、自分たちがネットワークを育て、麻薬密売を行っていることを理解する必要がある。結果的には密売組織との事実上の共謀だ」と述べています。

 

麻薬・薬物使用罰金 現金 クレジットカード払い


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2023年6月26日月曜日

ずっと食べてみたかったバター Au Bon Beurre オー・ボン・ブール

  


 「エシレバターを超える美味しいバター!」とか、「ボルディエなんて目じゃない!」とか、絶賛する人がいるバターがあって、美味しいものと言えば、食べてみたくなる私は、このバターをずっと探していました。

 そもそも、私は子供の頃はバターというものは、あまり好きではなく、特に嫌いと避けるほどでもないにせよ、パンを食べるときでも、「バターはあってもなくてもいいもの・・」くらいの存在でした。もっとも、私が子供の頃の日本のバターは、今から思えば、そんなに美味しいものでもなかったかもしれません。

 それが、バターが美味しいと思うようになったのは、やはりフランスに来てからのことで、もっとも簡単に美味しいものを・・と思えば、焼き立てのバゲットにエシレバターでもあれば、なかなか満足してしまうほどに、私の中でバターの位置づけは確実にランクアップしました。

 とはいっても、今でも、我が家ではそんなに大量にバターを消費する家ではありませんが、やはり、パンを食べるときには、バターは不可欠になりました。スーパーマーケットに行けば、バターだけでも、かなりのスペースをとっているフランスでは、ごくごくふつうのスーパーでも、常時、数十種類のバターがあります。


ぜ~んぶ、バター


 私はふだんは、このたくさんのバターを食べ比べする・・というほどの情熱はなく、日本でも有名なエシレバターの他にボルディエなども試してみましたが、結局、私にはエシレバターの方が私の好みにはあっているので、これまで、わざわざ別のものに手を出すことはしてきませんでした。

 もっとも、エシレバターは少々、高いので、お料理用には、もう少しお手軽価格のものを使っていますが、そもそも私はあまりバターを使うお料理というものをしないので、そんなには減りません。

 それでも、「このバターを一度食べたら、もう他のバターは食べられない!」などという話を聞けば、「ぜひ、機会があれば一度は食べてみたい!」と思っていたのが、「Au Bon Beuure(オー・ボン・ブール)」というバターで、パリの街を歩いていて、乳製品を扱っているお店があれば、必ず覗いて、そのバターをずっと探していました。

 ラファイエットグルメに行けば、あるかな?と思いつつも、あるかないかもわからないバターだけのために、わざわざラファイエットグルメに行くのもためらわれ、まあ、偶然、見つけたら、嬉しいくらいの感じで、このところずっと、気にかけていたところ、思いがけずに家からわりと近いマルシェにあったのです!




 「灯台下暗しとはまさにこれだわ!」と思いつつも、探して歩いた果てにようやく見つけた喜びは大きく、その日はバゲットもふつうのバゲットではなく、バゲットトラディショナルを買って帰り、このバターをお迎えしました。

 包みを開けると、ふわっと香るバターの香り、色はふつうのバターよりも黄色くて、牛の形のスタンプ?がバターの中央におされています。まず、バターの端っこをちょこっと削って、口に含むと、「味が濃厚・・」というよりも、「とにかく味が濃い・・」ドゥミ・セルという有塩の方を選んだので、すごく細かい塩の粒が時々、舌に触りますが、とても、まろやかで、なめらかです。



 エシレバターがさっぱり感じられるくらい、これは、なかなか濃厚ですが、決して、しつこい感じにならないところが不思議で後味もすっきりしています。

 このバターは、生バターで、長期間の保存ができないので、賞味期限内に食べられるだろうか?と思っていましたが、どうやら、恐ろしいことに、全く問題なさそうです。

 「バターの小さな塊を口に含んで味わいたい・・」、「バターのかけらを口に入れると思わず目を閉じて味わいたくなる」、バターを塗るというよりも「食べたいバター」です。

 これには、圧倒的にバゲットやハード系のパンが合うと思いますが、おかげで、買ってきたバゲットトラディションもあっという間になくなり、家にあった食パンを焼いて、このバターをつけて食べたところ、これとて、まずいはずはありません。

 健康のためには、あまりバターはよろしくないと思いつつ、また、危険なものを見つけてしまい、あんなに、あちこち探していたのに、よりによって、このバターを売っていたのが、家の近所のマルシェだったとは・・まるで、これからもこのバターを買うように運命づけられていた?と、嬉しいような、後ろめたいような複雑な気持ちです。

 しかし、美味しいものに出会うことは楽しいことです。

 美味しいものといえば、あっという間に火がつく日本、このバターはどうかな?と思ったら、なんと、楽天やアマゾンでも買えるようです(高いけど・・)。

 すごいな日本の市場!


Au Bon Beurre オー・ボン・ブール


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2023年6月25日日曜日

パリ オリンピック組織委員会本部に汚職疑惑で警察の強制捜査にAFA(汚職防止国家機関)の存在

  

 

 パリ オリンピック開催まで、あと1年余りと近付いてきた今、フランス国家警察がパリオリンピック組織委員会本部に強制捜査に入ったというニュースはなかなかおだやかではありません。

 捜査関係者がAFP(Agence France Presse)に伝えた話によると、検察(PNF)は進行中の2件の別々の捜査に関連して家宅捜索を許可、強制捜査対象はオリンピック組織委員会本部とオリンピック建設現場担当部署だということです。

 検察報道官によると、この捜査は、「違法な利益相反、公的資金の悪用、賄賂」に関するもので、すでに最初の捜査は2017年に始まっています。

 これはオリンピック組織委員会の前身のオリンピック招致委員会の段階からオリンピックに関する有力な意思決定者の署名が入った一連の契約書に端を発しており、すでに今回の強制捜査に入るまでに昨年から極秘裏に捜査が進んでおり、今回は、警察の中でも、その財務部隊であるBRDE(金融警察)が担当しています。

 ということは、お金絡みのなんらかの不正の疑いがかなり濃厚であるということで、スポーツ、オリンピックにまつわる汚職は例外なくついて回る話のようです。

 フランスには、AFA(L’Agence française anticorruption)という汚職防止のための国家機関(2016年制定の法律により制定)が存在しており、企業、政府、地方自治体が実施する汚職防止コンプライアンスメカニズムの現実と有効性を検証できる管理権限を持ち、以前存在していた中央汚職防止局(SCPC)に代わり、その権限が強化されています。

 今回のオリンピック組織委員会の強制捜査についても、このAFAが「信義に影響を与えるリスク」と「利益相反」に関する2つの報告書を提出したことから、検察~金融警察が動いたようです。

 AFA(汚職防止国家機関)によれば、「オリンピックのための買収手続きの一部に、不適切な点があり、正しく管理・監督されていない潜在的な利益相反が随所に存在している」と指摘しています。

 オリンピックのみならず、フランスのスポーツ連盟は、このところスキャンダル続きで、フランス国家オリンピック・スポーツ委員会会長は内部論争?を理由に今年5月に辞任、ランスサッカー連盟の会長は、セクハラおよびパワハラの告発を受けて2月に辞任、元スポーツ大臣でフランスのラグビー監督も、汚職で有罪判決を受け、1月にフランスラグビー連盟会長の職を辞任しています。

 オリンピックが始まる前から金融警察が強制捜査・・とは、始まる前からなに?と思ってしまいそうでもありますが、実のところは、オリンピックは大会が始まる前から大きなお金が動き、その一つ一つに利権が存在するのですから、当然といえば、当然のこと、少なくとも、警察が機能しているという意味においては、健全といえば、健全なのかもしれません。

 しかし、このBRDE(金融警察)というのは、一度、たまたま出くわしたことがありますが、ふつうの警察官とは緊張感が違って、突入に際しては、かなりの大人数のうえ、ライフルを持った警察官まで混ざっていて、威圧感がハンパありません。

 日本にもフランスのAFA(汚職防止国家機関)のような機関があり、それが機能していれば、摘発すべきところは、たくさんありそうなのに・・と思います。


パリ オリンピック組織委員会強制捜査


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