2022年8月22日月曜日

モンマルトルの丘 サクレクール寺院あたりのガラの悪さにげんなり

 


 9月に入って、パリの住人たちがバカンスから戻って来れば、また人が多くなるので、公共交通機関や街も空いているうちに、久しく行かなかったところに行ってみようと、ここのところ、パリの街を歩きまわっています。

 パンデミックの間は、ロックダウンを初めとして、行動制限があったり、観光客もパッタリいなくなって、潰れるお店もけっこうあったりして、この2年ほどでパリの街は少し変わったような気がしています。

 これでは今まであったガイドブックなどは、かなりの改訂が必要かも・・と思ったりしています。

 今年は、すでに日本人や中国人などのアジアからの観光客以外は、ほぼコロナ前の人出に戻ったと言われており、観光地と言われる所は、それなりに、結構、賑わっています。

 パリに観光に来る方はどこへ行くのか?あらためて考えてみると、「これだけは見逃せない!」 とかいうものも、ピンと来なくなってしまっているのですが、ルーブルやオルセーなどの美術館か、シャンゼリゼ、エッフェル塔、ノートルダム寺院、モンマルトルの丘のサクレクール寺院などでしょうか?

 しかし、ルーブルやオルセー、シャンゼリゼ、ノートルダム寺院くらいまでは、まあまあ観光客が集まるとはいえ、そこまでウッとくる感じはないのですが、モンマルトル・サクレクールは地域が少し離れていることもあり、なかなかどうして、他の場所とは違う人のいるエリアです。

 パリで日常生活を送っていても、だいたい自分のテリトリーとまでは行かないまでも、だいたい行くところは限られていて、パリといっても、場所によっては、かなりガラが悪いというか、これがパリ???と思うようなところもあって、明らかに治安の悪そうな場所には近寄りません。

 自分の時間に自分の身を置いて、心地よいと思う場所でなければ、不愉快な思いをするだけで、わざわざ行く必要もないのです。

 ロックダウンが明けて、それまで閉鎖されていた美術館などが一斉に再開した時、それでもまだ、観光客は戻ってきていなかった頃に、えらく久しぶりにルーブル美術館に行って、ガラガラでスイスイ見れるルーブル美術館を堪能してきたことがありましたが、それ以来、あまり観光地らしいところには、行くこともなく、この間、たまたま近くに用事があって、エッフェル塔を見てきて、周囲の変わりようにびっくりしました。

 そして、また、そんな変化を楽しみに、先日、急に思い立って、久しぶりにモンマルトルの丘にあるサクレクール寺院に行ってきました。娘が小さかった頃は、なぜか、サクレクール寺院は彼女のお気に入りで、彼女はなぜか、サクレクール寺院を「神様のおうち」とよび、行きたがったので、時々、連れて行っていました。

 私としては、サクレクール寺院は丘の上にあるだけあって、丘の上にのぼるまでの階段を上がったり降りたりして、娘が疲れてくれることを期待していただけなのですが、行けば行ったで美しいし、それなりに楽しんではいました。

 しかし、明らかに他の場所(ルーブルやノートルダム、シャンゼリゼなど)とは、メトロの中から、乗っている人々の様子が違い、特に駅の周辺から丘に向かう道なりは、明らかにガラが悪く、怪しげな人がちらほら。そういえば、そうだった・・と思い出したのでした。

 近辺のお店などは、若干変わっていても、一眼で観光客でもなく、住民でもなさそうな人々が観光客目当てに近寄ってくる人々は変わらないのです。

 メトロの駅を上がってすぐのところに、炭火でとうもろこしを焼いて(といっても、日本のようなとうもろこしではない)売っている人がいて、「いくら?」と聞いたら、「3ユーロ」というので、びっくりして(ちょっと前に別の場所で1ユーロだった)、「えっ??じゃあいらない」と言ったら、焦って「あなたには特別に1ユーロにするから・・」と言ってきたのですが、もう気分悪くて、「もういらない・・」と通り過ぎました。観光客だと思ってぼったくろうとしたんだ・・と思うと、嫌な気分になったのですが、同時に、ヤレヤレ、そういえば、ここはこういうところだった・・ということを思い出したのです。




 そこから、丘に向けて上がっていく細い道の途中には、賭博のようなものを観光客を集めてやっている人々がいて、人だかりが・・そして、それを通り過ぎると、偽物のミッキーマウスがいて、嘘・・と思ったのですが、それでも嬉しそうに一緒に写真を撮る人の人だかりができていて、こんな偽ミッキーマウスは以前はいなかったけど、誰が何のためにこんなことをやっているのかと思うと、ちょっと不気味な気もしました。

 丘の上の教会の前には、エッフェル塔のキーホルダーや何やら細かいお土産物を布の上に広げて売っている人がたくさんいて、バケツに水や飲み物を入れて売って歩いている人もいます。

 値段も段ボールの裏などに書かれたようなもので、明らかにぼったくりの値段で売られています。彼らが布の上にお店を広げているのは、警察の取り締まりが来たら、広げていた布をそのまま包みあげて、すぐに逃げられるためです。

 

サクレクール寺院に入るには、一応、セキュリティチェックがある




 まあ久しく観光地っぽいところに来ていなかったので、観光地ってこんなもんだったかな?と思いながら、教会の中をぐるっと回って、教会の裏手にあるモンマルトル広場へ。




 ここは、レストランが多数、混在しているだけでなく、絵描きさんの溜まり場でもあり、自分の作品を売っている人もいれば、似顔絵書きをしている人々がたくさんいるところです。




 この一画は、古い街並みが緑の木々とともに残されていて、とても美しい場所なのですが、最近の絵描きさんは、似顔絵広場に場所を確保できていない絵描きさんが、「あなたの絵、描きますよ!」近寄ってきて、呼び込みまがいのことまでするようになっているのには、びっくりしました。

 似顔絵を描いてもらっているのは、子供連れのお客さんが多く、子供の顔を描いてもらっている人が多かったのですが、1枚、20分で、だいたい50ユーロから60ユーロ(約8,000円)ということで、これが高いのか安いのか、よくわかりません。

 モンマルトル地区(パリ18区)は市長がこの地区をユネスコの世界遺産登録を目指していて、交通規制をしたり、さまざまな試みをしていると聞いていたのですが、この観光客を食い物にしようと集まってくるガラの悪い人々が、何よりもこの街を汚している気がしてなりません。

 パリはたしかに美しい街なのですが、こうやって観光地らしきところに足を踏み入れれば、観光客とともに、必ずこの怪しげな人々が集まっているのには、げんなりさせられるのです。


モンマルトルの丘 サクレクール寺院


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2022年8月21日日曜日

パリで200以上の黄色い郵便ポストが閉鎖 黄色いポストはパリの景観の一部?

  



 私自身は、全然、気づいていなかったのですが、パリでは今年の2月以来、200以上の郵便ポストが閉鎖、または撤去されているそうで、最近、ちょっと話題を呼んでいます。

 フランス郵政省(P.T.T.) は、この郵便ポストの撤去について、郵便物の盗難被害対策をその理由として説明しています。

 2021年には650件以上の盗難被害が報告されているとかで、郵便小包などなら、いざ知らず、ポストに投函される程度の大きさの郵便物の盗難という割の悪そうな犯罪が、どうして、そんなに多発しているのかと思いきや、郵便物から個人情報を集め、勝手にローンを組まれたりするという、なかなかな被害が生じているのです。

 この郵便ポスト撤去に対しては、顧客はもちろんのこと、郵便局の労働組合も仕事がなくなることを恐れてなのか、撤去反対の声があがっていて、労働組合は、「かつてロンドンの街を彩った赤い電話ボックスのように、パリの街を彩る黄色いポストはパリらしい景観を失う」などと、盗難被害対策のもとに隠れたコスト削減策を糾弾しているとかで、それほどパリの景観に寄与しているとも思えない黄色いポスト(その多くは、添付した写真のように汚れている)を、いざとなったら、こじつけるようにパリの景観の一部であるという言い方までして争うのにも、フランス人らしいといえば、フランス人らしいところです。

 そもそも、私自身、郵便ポストというものは、もうあまり利用しなくなっていて、以前は郵便を利用していたものは、ほぼ全てネットで済ませるようになっていて、めっきり郵便ポストを利用する機会はなくなっています。

 以前は、日本にいる家族や友人に手紙を書いたり、娘の写真を撮って送ったりしていたものも、もう長いこと、とんと、手紙も書かず、写真を印刷することさえなくなりました。

 また、以前は、後になってから、きっちり支払ったことを証明できる必要のある支払いは小切手を書いてそれを郵便で送るということをしていましたが、それも全てネットに切り替わり、自分でネットで振り込むようにしてからは、それすらもなくなりました。

 郵便ポスト以前に、我が家の近所にあった郵便局も2つなくなり、ちょっと離れたところ1軒のみになってしまいましたが、そもそもほとんど必要がないために、郵便ポストの前に郵便局自体が減っているので何を今さら・・感もあります。

 日本から荷物を送ってもらったりするのも、たとえ在宅していても不在通知を入れられたりするために、職場に送ってもらうようにしたために、郵便局に取りに行くということもなくなりました。

 郵便ポストの数が減れば、それだけ回収作業も少なくて済むわけで、経費削減にもなるのかもしれませんが、盗難被害自体が減るかどうかは、多少は影響はあるのでしょうが、多くは郵便局内での盗難ということも多いにあり得るので、甚だ疑問ではあります。

 以前、職場の同僚が日本に小包を送ったのに、日本の家族は延々と荷物を受け取っておらず、荷物を出した郵便局へ問い合わせに行ったところ、窓口の女性が彼女が送ったはずのマフラーをしていたのを見つけて、彼女はその女性に食いついて、大騒ぎになったことがありました。

 そのマフラーはどこでも売っている既製品ではなく、一点もののオリジナルのマフラーだったために、彼女が送ったものであることは一目瞭然だったのです。

 そんなわけで、人の手を介すれば介するほど、盗難被害に遭う確率は高く、郵便ポストの撤去が盗難被害に貢献するかは甚だ疑問ではありますが、よほどの公的書類などの他は郵便以外の方法で済ませられるようになっているので、できるだけ違う方法を利用した方がいいというのが私の正直な見解です。

 そもそも、郵便物が届くというのは、ろくな用事ではなく、たいてい何かの請求書で、良い知らせではありません。ここまで書いて思い出したのですが、そういえば、先月の家賃の請求書が届いていません。言っている側から、もしかしたら、これも盗難に遭ったのかもしれません。


パリの郵便ポスト200個撤去


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2022年8月20日土曜日

検問拒否で、また警察官発砲事件 同乗者死亡・運転手意識不明の重体

  


 リヨン近郊のヴェニシュー(ローヌ県・フランス南東部にある街)で検問を拒否した車に対して警察官が発砲し、1人が死亡、1名重症に陥る事件が発生しています。

 ほんとに、また?と思ってしまう警察官の発砲事件です。

 事件が起こったのは深夜0時頃のこと、パトロール中の4人の警察官が、ヴェニシューにあるスーパーマーケット・カーフールの駐車場で盗難届が出ている車を発見しました。

 警察官が検問のため、警察車両をおり、対象車に近づくと、運転手は検問を拒否して車を発車させ、それを止めようとした警察官が車にぶつかったものの、車はそのまま逃走しようとしたため、同行していた同僚の警察官が数回にわたって発砲したと言われています。

 警察官の発砲により、車は停車したものの、助手席に乗っていた20歳の男性は銃撃の数分後に死亡、運転手は頭部に重傷を負い、病院に搬送され脳死状態という事態に至っています。

 武器を使用した2人の警察官は、事件後の早朝には身柄を拘束されましたが、同日夕刻には、釈放されています。警察官付きの弁護士によると、「捜査当局は正当防衛の条件を満たしていると考えた」と発表し、この見解は、リヨン検察庁によって確認された。

 しかし、検察庁は「警察官が武器を使用した正確な状況を確認するためには、さらなる捜査、特に事件の詳細の検証と弾道検査が必要である」と述べ、IGPNに調査を委託し、銃器使用の経緯を再確認する模様です。

 検察によると、運転していたアヌシー地方出身の26歳の男性は前科9犯。事件当時、彼は車両窃盗の容疑で捜索中、同乗していた男性はリヨン出身の20歳、警察にはマークされていたものの前科はありませんでした。札付きの不良といった感じの若者のようですが、殺されなければならなかった凶悪犯かどうか、また同じ年頃の子供を持つ親としては、親御さんの気持ちはいかばかりかと思ってしまいます。

 警察組合は、「彼らは同僚が盗難車の制圧に向かい、車が発進したので、反撃した。彼らは命を守るために撃った」と述べ、内務大臣も「私は、フランスのすべての警察官と憲兵に、私は彼らを支持し、彼らの働き方が模範的で勇ましいと思うことを伝えたい」と述べ、倫理規定に則って行動したかどうかは、司法の場に委ねます。私は、私の権限の下にある公務員を信頼しています。」と概ねこの警察官の発砲を容認する声明を発表しています。

 フランスでは検問拒否は30分に1回起こっていると言われていますが、それが警察官の発砲を容認につながるのは、別の問題だと思っています。警察官の発砲事件には、なかなかな確率で犯人を死亡させる結果に繋がってしまっていることも、見逃せない事実です。

 相手が銃を所持している場合は別としても、今回のように車で逃走しようとする場合などは、致命傷にならない発砲方法はなかったのだろうか? たとえ警察官とはいえ、発砲があまりに雑なのではないか?と思ってしまいます。

「死刑制度は人類の恥」とまで明言して死刑制度を非難する国である一方、こんなに頻繁に警察官の発砲事件で死亡者を出すのは、どうにも納得がいかないのです。

 警察も30分に1回は起こっているという検問拒否に往生しているとは思いますが、検問拒否で発砲という事件がここのところ、急激に増えているのは見過ごせない気がするのです。逆に言えば、検問を拒否して逃走する場合は射殺される覚悟で・・というのは、言い過ぎでしょうか?


警察官発砲事件 フランス


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2022年8月19日金曜日

パリ市内観光の新しい移動手段 トゥクトゥクには、ご注意ください

  


 パンデミック以前には、あまり見かけることのなかった人力車の現代版のようなトゥクトゥクがパリに急激に増加しています。

 先日、たまたま美味しいチーズ屋さんがあると聞いて、出かけて行ったら、残念なことにそのお店はバカンス中でお休みで、ふと気付くとエッフェル塔のわりと近くで、滅多にこのあたりには来ないのだから、久しぶりにエッフェル塔まで散歩してこようと思って、てくてく歩いて行ったのです。

 近辺は、比較的ゆったりした道で、緑も多く、きれいな街並みで、エッフェル塔など何十年ぶりだろう?と思いながら、歩いていました。

 すると、さすがに観光地だけあって、観光用と思われるインスタスポットができていたり、バトーパリジャン(セーヌ川の遊覧船)の停車場がきれいに整備されていたり、暑い中、行列している観光客に感心してみたりしていましたが、その中でもちょいちょい目にする緑の中をゆったりと走っている真っ赤なトゥクトゥクには、一際、目を惹かれました。




 なるほど、車の規制がうるさくなっている中、人力車(といっても電動自転車)とは、なかなかよい交通手段かも・・と思ったのですが、ちょうど私がバスを待っている間、「フェラーリ」の名前とロゴを使った真っ赤なトゥクトゥクが信号待ちで停まり、「ふふっ・・フェラーリね・・」とちょっと笑ってしまったのですが、そのフェラーリに貼ってあった値段表を見てびっくり!

 価格は行き先によって20ユーロから35ユーロになっていて、しかも、「一人当たり」と書いてあります。行き先もシャンゼリゼ、凱旋門、エッフェル塔、ギャラリーラファイエット、ノートルダム寺院、ルーブル美術館、オペラ座、バトームーシュ、オルセー美術館、コンコルド広場などが書いてあって、それぞれに価格設定がされています。

 だいたい出発地はエッフェル塔近辺(トロカデロ近辺)ではあるらしいのですが、もともと、そんなに広くないパリです。例えば、ルーブルからコンコルド広場を通って、シャンゼリゼを通って凱旋門まで行くというのは、まあ結構、距離はあるとはいえ、その一つ一つは、そんなに離れているわけでもなく、歩こうと思えば、歩けないこともありません。

 どうも、この値段の付け方、ちょっと、ちゃんと値段交渉をしないとめんどくさそうだし、だいたい、一人当たりこの値段だと、タクシーよりも高いのでは?と思ったのです。

 まあ、遊園地の乗り物のようにこのトゥクトゥクそのものを楽しみたいというなら別ですが、(しかし、それにしても高いと思うけど)可愛いからと気軽に乗ってしまうと、痛い目に遭いそうです。

 案の定、この異常に増加しているトゥクトゥクはパリ警視庁の警戒対象となっているようで、現在、このトゥクトゥクはパリにおよそ400台存在し、もちろん、正規に許可されたものも中にはあるものの、90%以上は違法のトゥクトゥクだそうで、詐欺まがいの値段設定で、観光客が法外な料金を請求されるという被害が続出しているそうです。

 私が見かけトゥクトゥクの値段を見ても、土地勘のない観光客にとったら、ここと、ここと、ここを通ったからなどと言われかねない場所と値段の設定で、1時間で2人で160ユーロ(約2万2千円)払わされたなどという被害も出てきて、(うっかり家族4人でなど乗ったら、大変なことになります!)パリ警視庁は、この違法トゥクトゥクは著しいパリのイメージダウンに繋がると、私服警官を動員して、検挙を始めています。

 言葉も通じにくく、土地勘もなく、通貨の感覚も希薄な観光客は、この手の悪質な業者?または詐欺師にとっては絶好のターゲットになることは目に見えているのです。今は、日本人の観光客はあまり見かけませんが、日本人観光客などさしずめ絶好のターゲットになりそうなので、パリに来られる方は十分、注意してください。

 本来ならば、トゥクトゥクなど、環境にもやさしい、絶好の移動手段になり得ると思うのですが、あっという間に、この詐欺まがいの輩が市場を埋め尽くすパリというのは、やっぱりかなりえげつないところのある街だな・・とも思うのです。

 フランス政府は、2024年のオリンピックに向けて観光客を増やすために、「パリが安全であること」をアピールし続けることを目標としている中、観光客が増えるにつれて、危険は増すばかりです。

 街の安全性にかけては、東京オリンピック招致の時の滝川クリステルの「東京は世界一安全な国で、落としたお金が昨年は3000万ドルも警察に届けられた・・」とスピーチしていたことを思い出しますが、パリでは、残念ながら、「落として届けられるどころか、お金は落とさなくとも取られる街」なのかもしれません。

 もちろん、正規のトゥクトゥクもあるので、それなら心配はないと思いますが、現在のところ、正規のトゥクトゥクに当たる可能性はかなり低そうで、なんとなく、可愛いし、外の風を身体に感じながら観光できるし、運転する人とも直に話せるので、逆に安心してしまうかもしれませんが、きちんと値段交渉をしてから乗らないと、後になってからとんでもない額を請求される可能性があるので、面倒な嫌な思いをしたくなければ、タクシーか、公共交通機関(バスかメトロ)を使うことをおススメします。


パリのトゥクトゥク


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2022年8月18日木曜日

猛暑の後は豪雨、洪水 パリの脆さを露呈する異常気象

  


 ここ数年は、毎年の年中行事のようになった夏の猛暑も、今年は5月から始まり、6月、7月、8月と数週間おきに続き、例年ならば、40℃に迫る暑さが訪れた翌日には、本当にここはパリなのか?と思うほどのスコールのような雨が降ったりして、スッと涼しくなる感じだったのに、今年の猛暑は、一瞬、気温が下がっても、長いこと雨はほとんど降らずに本当の日照り状態で、水不足が深刻になり、作物が育たなくなるだけでなく、原子力発電所の冷却のための川の水位の低下と温度の上昇で、電力供給にまで影響が出ていました。

 また、街中でも、パリの街中のあちこちにある、本来は青々としているはずの芝生が黄色くなって枯れ始め、シャンゼリゼの街路樹までが黄色くなりかけていました。

 最近、パリで流行りの造花によるカフェなどのデコレーションでさえも、日焼けして、色褪せるほどでした。

 それが、先日、猛暑の波が去ったと思ったら、今度は豪雨で、本当ならば、待ちに待った恵みの雨だったはずなのですが、90分間に40ミリ以上の記録的な大雨で、我が家の近辺では、なにやらガラス窓にカチカチ氷の粒があたっているのが聞こえていて、雹まで降っていました。

 90分間に40ミリの雨というのは、通常1カ月に降る量の70%をすべて合わせた量だそうです。

 パリの街路樹には落雷で倒れた木もあり、何よりも、この豪雨に、街中の水は捌けていかずに、あっという間にパリの街中の道路は川のような状態になり、車もウォータースライダーのように水飛沫をあげて走っていました。


 大きな駅は別として、パリ市内の小さなメトロの駅は、かなりシンプルな構造で、街中から続く階段をいくらも降りないところに駅があることが多いので、駅には容易に水が流れ込み、浸水状態になってしまうのです。


 パリ市内のメトロ10、12、6、9、4、8番線の複数の駅は閉鎖に、首都圏の中心部にある地下鉄のサンミッシェル駅では雨漏りのためにホームにまで水が及ぶ事態となりました。


 幸い?にも、現在のパリはパリの住民の多くがバカンスにでかけている時期で、一年中で最も人の少ない時期で、車も人も少ないため、そこまでの大騒動には発展しませんでしたが、これが人も車も多い時期だったら、大変なことになっていたと思います。

 何より、2年後に控えたパリオリンピックには、通常の数倍に人口も膨れ上がっているはずで、その間に、もしもこんなことが起こったら?フランスはオリンピックの際のこの異常気象対策をしているのだろうか?と疑問に思います。

 水捌けが悪いのは街中だけではなく、セーヌ川も大雨が続いたりすると、あっという間に川の水位が上がり、何本の橋の下を通過するバトームーシュなどの遊覧船が通れなくなったり、水が溢れたりするのをどうしていつまでも改善しないのか不思議ですが、ずっと改善されないままです。

 パリオリンピックでは、選手の入場パレードをセーヌ川で行うなどと言っているので、オリンピックのためになら、このような洪水対策も含めて万全の対策をとってくれるだろうと勝手に期待しています。

 しかし、地球温暖化対策をいくらとったとしても、急激な改善を期待できるものではなく、そもそも、この異常な暑さの中、なぜオリンピックを夏にするのか? もう少し誰もが過ごしやすい春や秋にすればいいのにと思います。

 今回の豪雨は、2年後のパリオリンピックには猛暑だけでなく、洪水のリスクも多いにあり得ることを予告してくれたようにも思います。


パリ豪雨被害 メトロの駅浸水


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2022年8月17日水曜日

日本の統一教会問題の一部始終は海外でも報道されている

   


 私は海外に住んでいるとはいえ、日本人なので、日本のニュースが気になるので、日本で起こっているニュースはネットなどでチェックするようにしていますが、最近の日本の統一教会問題については、探さなくともフランスでも報道されています。

 先日、ネットで統一教会会長の記者会見を見ましたが、考えてみれば、あの記者会見は日本外国特派員協会のもので、海外にその内容が報道されるのも当然のことです。外国特派員協会で行われる記者会見の内容が必ずしも海外での報道に繋がるとは限りませんが、この事件に関しては、安倍元総理大臣の襲撃事件に端を発しているだけあって、その報道のスタートはセンセーショナルで、しかもセクト(新興宗教)という海外においても、決して見過ごすことのできない問題でもあるため、報道は続けられているのです。

 この報道はフランスだけではなく、アメリカやイギリスなどでも拡散されていることは言うまでもありません。



 海外での報道では、忖度は働かない分、その書き方、報道の仕方には容赦がありません。

 例えば、フィガロ紙では、「日本における統一教会の驚異的な影響力」と題して、「数千人の統一教会信者の前で晴れ晴れとスピーチする衆議院副議長は、日本で非難を浴び続けている宗教団体の集会に参加したということで、当然、本来ならば、彼の政治生命は絶たれるはずだが、安倍晋三の下ではそのような付き合いは無害どころか、高く評価されていた・・」などと書かれています。

 そのうえ、日本政府は統一教会と閣僚、政務三役の関係については個人の政治活動に関するもので、調査を行う必要はないとする答弁書を閣議決定したそうですが、これだけ被害が顕著に挙げられている団体との繋がりについて、調査を行う必要がないとは、どういうことなのか? このまま、だんまりを続けて世間が忘れてくれる時を待ってごまかそうとしているのは、明白です。

 7月末に行われた共同通信の世論調査では反対が53%にまでになっているという国葬も世論を無視して行われようとしていることなども含めて、岸田内閣が支持率の急激な低下に押されて、9月に行われるはずだった閣僚の入れ替えを早めたものの、依然として不評をかっていることまで、これらの全ての様子は全世界で報道されており、詳らかにされています。

 政府が日本国民を甘く見ているのは明白ですが、正面から向き合おうとしない日本政府の姿勢には、世界からの目も冷たいものです。

 この日本政府が世界に向けて発信している日本のネガティブイメージは今後の日本の外交にも影響します。海外からしても、このような政府とまともな話をしようとは思わないでしょう。ましてやこれだけ問題のある新興宗教と関わりのある政府とは積極的には関わりたくないと思うのが自然でしょう。

 こんな状態で国葬をして、外交に繋げようとしても、通り一辺倒の挨拶をするだけの外交に終わります。

 今は一瞬で、世界中にニュースが駆け巡る時代です。日本の政府の人々は、海外のニュースをチェックしないのでしょうか? 海外からの見え方を日本政府は考えていないのでしょうか? 日本国民をバカにしている結果、日本が海外から冷たい目で見られています。これ以上、日本の恥をさらしてほしくありません。

 日本では、統一教会そのものの被害状況と政府との繋がりについて、これに対する政府の対応など、別々に扱わなければならない問題を混ぜてしまっている感がありますが、まずは、「安倍元総理殺害事件そのものについて(警備などの問題)」、「統一教会の実態について(被害状況)」、「政府との繋がり」、そして、何よりも「30年前に問題視されたにも関わらず、捜査が中断されたことについて」、別々に糾弾しなければなりません。

 擁護すべき国民の被害を見過ごすどころか、警察の捜査を止め、よりにもよって、その団体を利用し、また逆に利用されているなどあってはならないことです。国民の安全を守るための警察の機能を政府が止めてしまう政府など、もう正気の沙汰ではありません。

 日本政府はこの統一教会問題が風化することを待っているようですが、この問題はきちんと解明されるまで忘れてはなりません。


統一教会問題 日本政府 海外報道


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2022年8月16日火曜日

日本に住むにあたっての手続き マイナンバーカードと住民票の不思議

   


 娘の就職にあたって、彼女は初めて日本に住むことになって、生活を始めるにあたっての様々な手続きが必要で、パンデミックのためにしばらく日本に行けずに放置してあった家のことも気になり、彼女が本格的に社会人としての生活をスタートさせる前に、最後に親として手伝ってあげられることがあるかもしれない、保証人などが必要な場面もあるかもしれない・・と手続きについて行きました。

 これまで幼少期から度々、日本には連れて行っていた娘ではありますが、日本に住むのは初めてのこと。住民票を入れたり、カードを作ったりと生活していく上で最低限やらなければならないことは、いくつかありました。

 私自身、日本から住民票は抜いたまま、もう20年以上が経過しているため、住民票を入れるということも、以前、どのようにしたのか?もうよく覚えていなかったし、家の名義は私になっていても、私自身の住民票は入っていないというイレギュラーな感じだったので、なにかとややこしいことがあるのではないかと心配でもありました。

 住民票を入れること自体は、何の問題もなく、スムーズにいきましたが、住民票を入れたと同時にマイナンバーカードを申請しますか?と言われて、私が日本に住んでいた頃にはなかったマイナンバーカード、私は勝手にフランスにあるIDカードと同じようなものだと思っていましたので、娘も当然のようにマイナンバーカードの申請をしてきました。

 これから他の手続きに度々、必要になる住民票の写しというものも、ついでにもらってくるつもりで、区役所の人に頼んだのですが、その際に「マイナンバーカードが記載されているものにしますか? それともマイナンバーカードが記載されていないものにしますか?」と尋ねられて、びっくりして聞き返すと、「提出先によっては、マイナンバーカードが入っていなければならないものもあるし、入っていてはいけないものもあるので・・」ということでした。

 個人情報の問題があるのかもしれませんが、日本のこのマイナンバーの位置付けがよくわからなくなる出来事でした。

 マイナンバーカードですから、当然、身分証明書になるものとは思われますが、マイナンバーカードは身分証明書になるのか?と検索したら、「保険証や運転免許証、パスポートなどと同様、身分証明書として通用します」と出てきて、かえってわからなくなりました。

 銀行や証券会社などではパスポートは身分証明書として通用しないからです。まあ、日本に住んで働いていれば、保険証もあるのですから、身分証明書に困ることはないのでよいのですが、だったら、公的書類にあえて記載したり、しなかったりするマイナンバーというものは何なんだろうか?と疑問に思った次第です。

 しかし、後日、彼女のもとには、思っても見なかった「20歳から、これまでの間の年金不払いの通知」が届いたようで、(本来は住民票が日本にない場合は支払いの義務はない)住民票を入れると年金事務所?(日本年金機構)に情報が行き、未払いがないかチェックされる仕組みになっていることがわかりました。

 しかし、住民票には、どこから転入したか(娘の場合はフランス)を記載されているにもかかわらず、このような請求がくるということはシンプルに個人の住民票が入ったということだけが通知されるわけで、(まあ海外からの転入は稀なケースゆえ、そのようなことまでチェックしないのかもしれないけど)そのような情報のどこからどこまでがマイナンバーカードに入っているのかが不思議です。

 まあこのような公的手続きはフランスにいても、何かとややこしいもので、どこにいても避けられないものですが、日本の区役所や年金事務所の人は親切で感じがよく、それだけでも救われる気持ちですが、その分、フランスはかなりの部分がネットで済むようになってきたのには、助かる気もします。

 日本のマイナンバーカードのサイトを見ると「デジタル庁」とど〜んと出てくるところが不安を駆り立てられますが・・日本のデジタル化にも期待したいところです。

 

マイナンバーカード 海外からの転入 住民票


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