日本では、「Go To キャンペーン」なる国内観光需要喚起の観光割引のキャンペーンが開始するそうですが、フランスには、このようなキャンペーンは、いらないようです。そんなキャンペーンをやらなくても、フランス人は、こぞってバカンスに出かけるのです。コロナウィルスへの懸念はあるものの、フランスでは、バカンスに出かける人に対して、世間が後ろ指をさすようなことは、全く、ありません。
いよいよ7月からバカンスシーズンに突入したフランスでは、バカンス突入後の最初の週末でもあり、今週末は、来週火曜日の革命記念日(パリ祭)の祝日の間の1日さえ休みを取れば、4連休となることもあり、土曜日からバカンスに出発する人で、駅も大混雑、高速道路も大渋滞となりました。
長いロックダウンから解放されてのバカンスは、混雑や渋滞でさえも、どこか高揚感を感じている人もいるようです。
そして、驚くことに、昨日は、土曜日にもかかわらず、パリでは、ほとんどデモは行われなかったようで、ウィルス感染の危険を侵して、あんなにも大勢の人が異論を唱えて騒いでいたのに(年金問題、人種差別問題、黄色いベスト、病院の労働環境などなど、その時々によって問題は、様々でしたが・・)、あれは、何だったんだろう?と思うくらい、デモが影を潜めた土曜日でした。(だいたい、土曜日にデモがないことに驚くこと自体が異常ですが・・)
デモがほとんど行われなかったのは、デモに参加していた多くの人がバカンスに出たことによることは、間違いありません。デモでさえも、バカンス休暇をとっている・・そんな感じです。
例年も、やはり夏の間は、デモは少なくて、バカンスに入る前にしっかりと9月以降のストライキ・デモの予定を決めてから、バカンスに出発するところも、ここ数年のお決まりのパターンとなっています。今年は、特にコロナウィルスの感染拡大が心配される中での強硬なデモの連続だったので、バカンスに入った途端のデモ消滅のギャップが大きく感じられます。
こうしてみると、フランス人にとっての優先順位は、バカンスが何よりも勝るようで、次がデモ・ストライキ・・コロナウィルスへの警戒の順位は、どんどん下がっています。バカンスが終わって、秋に入って気温も下がった頃にデモ・ストライキが優先順位の一位に返り咲いた時が心配です。
さっそく、多くの観光客が訪れるニースでは、夜のコンサートに5000人が集まりお大騒ぎ、バカンスシーズンで浮かれて、このようなことが今後も度々起こりそうです。
ニースの街でDJの野外コンサートに集まる人々 |
とはいえ、バカンスに行かない人も、まだまだたくさんいるパリですが、やはり気持ちは、バカンス気分なのでしょうか? マスクをしている人もすっかり減りました。さすがに公共交通機関では、皆、マスクをしていますが、よく見かけるのが、もはや、何のためにマスクをしているのか、わからなくなっているようで、鼻を出して口だけマスクをしている人もよく見かけます。
先日は、何を勘違いしているのか、マスクをしていた年配の男性が、くしゃみが出そうになって、慌ててマスクを外して、思いっきりくしゃみをし、くしゃみをした後は、また、しっかりマスクを付け直すという光景を目にしました。
たしかに、マスクをしていると思いっきりくしゃみができない感じがするのもわからないではありませんが、さすがにこれには、失笑してしまいました。
話が逸れてしまいましたが、例年だと8月になると、みんながバカンスに出かけるので、パリは、メトロも私の住んでいるアパートでさえも空いてきて、静かで、スッキリした感じになります。ロックダウンを経験した今年は、8月のパリが静かに感じられないかもしれません。
<関連>「フランス人の金銭感覚 フランス人は、何にお金を使うのか?」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/10/blog-post_62.html