2020年7月12日日曜日

バカンスを何よりも優先するフランス人 フランスに Go Toキャンペーンはいらない


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 日本では、「Go To キャンペーン」なる国内観光需要喚起の観光割引のキャンペーンが開始するそうですが、フランスには、このようなキャンペーンは、いらないようです。そんなキャンペーンをやらなくても、フランス人は、こぞってバカンスに出かけるのです。コロナウィルスへの懸念はあるものの、フランスでは、バカンスに出かける人に対して、世間が後ろ指をさすようなことは、全く、ありません。

 いよいよ7月からバカンスシーズンに突入したフランスでは、バカンス突入後の最初の週末でもあり、今週末は、来週火曜日の革命記念日(パリ祭)の祝日の間の1日さえ休みを取れば、4連休となることもあり、土曜日からバカンスに出発する人で、駅も大混雑、高速道路も大渋滞となりました。

 長いロックダウンから解放されてのバカンスは、混雑や渋滞でさえも、どこか高揚感を感じている人もいるようです。

 そして、驚くことに、昨日は、土曜日にもかかわらず、パリでは、ほとんどデモは行われなかったようで、ウィルス感染の危険を侵して、あんなにも大勢の人が異論を唱えて騒いでいたのに(年金問題、人種差別問題、黄色いベスト、病院の労働環境などなど、その時々によって問題は、様々でしたが・・)、あれは、何だったんだろう?と思うくらい、デモが影を潜めた土曜日でした。(だいたい、土曜日にデモがないことに驚くこと自体が異常ですが・・)

 デモがほとんど行われなかったのは、デモに参加していた多くの人がバカンスに出たことによることは、間違いありません。デモでさえも、バカンス休暇をとっている・・そんな感じです。

 例年も、やはり夏の間は、デモは少なくて、バカンスに入る前にしっかりと9月以降のストライキ・デモの予定を決めてから、バカンスに出発するところも、ここ数年のお決まりのパターンとなっています。今年は、特にコロナウィルスの感染拡大が心配される中での強硬なデモの連続だったので、バカンスに入った途端のデモ消滅のギャップが大きく感じられます。

 こうしてみると、フランス人にとっての優先順位は、バカンスが何よりも勝るようで、次がデモ・ストライキ・・コロナウィルスへの警戒の順位は、どんどん下がっています。バカンスが終わって、秋に入って気温も下がった頃にデモ・ストライキが優先順位の一位に返り咲いた時が心配です。

 さっそく、多くの観光客が訪れるニースでは、夜のコンサートに5000人が集まりお大騒ぎ、バカンスシーズンで浮かれて、このようなことが今後も度々起こりそうです。

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ニースの街でDJの野外コンサートに集まる人々

 とはいえ、バカンスに行かない人も、まだまだたくさんいるパリですが、やはり気持ちは、バカンス気分なのでしょうか? マスクをしている人もすっかり減りました。さすがに公共交通機関では、皆、マスクをしていますが、よく見かけるのが、もはや、何のためにマスクをしているのか、わからなくなっているようで、鼻を出して口だけマスクをしている人もよく見かけます。

 先日は、何を勘違いしているのか、マスクをしていた年配の男性が、くしゃみが出そうになって、慌ててマスクを外して、思いっきりくしゃみをし、くしゃみをした後は、また、しっかりマスクを付け直すという光景を目にしました。

 たしかに、マスクをしていると思いっきりくしゃみができない感じがするのもわからないではありませんが、さすがにこれには、失笑してしまいました。

 話が逸れてしまいましたが、例年だと8月になると、みんながバカンスに出かけるので、パリは、メトロも私の住んでいるアパートでさえも空いてきて、静かで、スッキリした感じになります。ロックダウンを経験した今年は、8月のパリが静かに感じられないかもしれません。


<関連>「フランス人の金銭感覚 フランス人は、何にお金を使うのか?」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/10/blog-post_62.html

 

2020年7月11日土曜日

9月のフランスの学校再開へ向けての準備  予定の立たない今後の予定


Image d'illustration d'enfants dans un collège -


 コロナウィルスによるロックダウンになった際は、もうフランスは、壊滅状態に向けてまっしぐらの状態であったので、否応なしに、生活の必要最低限の機関しか動かない状態になり、経済もストップし、いつもの日常の多くのことが奪われ、今になって思い出しても、本当に緊迫した日々が続いていました。

 しかし、ウィルスが蔓延し続ける中での、再スタートは、単純に全てを再開するわけにはいきません。それでも、フランスは、新内閣も発足し、前へ前へと進もうとしています。今日、文部省から発表されたのは、2020年度(2020年9月〜2021年6月)の学校再開に際してのビジョンです。

 9月に新学期が始まるフランスでは、夏が終わり、気温が下がり始める(気温が下がるとウィルスが活発化する可能性が高い)時期に学校が再開するという皮肉な新年度を迎えるわけですが、子供達の安全を確保するために、一先ず、手指の衛生を徹底させること、11歳以上の学校の屋内施設でのマスクの義務化、校内の換気、清掃、除菌などの衛生、ソーシャルディスタンスなどに関する規定が発表されました。

 この規定には、国の公衆衛生高等評議会や国防評議会が関わっているとのことですが、フランスにこれまで、公衆衛生高等評議会なるものがあったことは、コロナ以前の街中を見る限り、信じがたいことです。

 また、最悪の事態も想定して、リモートワークのサポートの充実化への準備も同時に進め、感染拡大が起こった場合には、数日内にリモートワークに切り替えられるように備えています。約2ヶ月間のロックダウンにより、教育格差も生まれ、約4%の学生が脱落したと言われています。

 現在、ロックダウン解除から約2ヶ月経ちましたが、もはや、メトロ内、駅の構内の清掃、除菌作業が雑になってきていることも問題視されています。多くの人がマスクもしなくなっている中、公共機関の衛生管理も緩んできているとは、まさに第2波の下地を着々と作っているような状態です。

 また、先日は、新首相のジャン・カステックス氏とCGT(フランス労働総同盟・労働組合連合)のこの経済危機に瀕する状況についての話し合いが行われ、今は、何よりもこの経済危機を乗り越えることに重点を置くという首相に対して、CGT側は、昨年から問題になっている年金問題を差し置くことはできないという主張が衝突し、早々に9月17日の大規模ストライキ・デモが決定しています。

 娘も10月からの留学が一応、決定していますが、「リモートワークになる可能性あり」という但し書き付きの状況で、どうにも予定が立ちません。

 現在は、多くの人が先の予定が立たない状況、それも致し方ないと思いますが、今のところ、はっきりと日時指定で決定していることが、ストライキとデモの予定だけというのがフランスの状況をよく表しています。

<関連>「フランスの駅とトイレの先進国とは信じ難い臭さ」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post_27.html

「フランスのゴミの収集 フランス人の衛生観念」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/02/blog-post_6.html

 

 
















 

2020年7月10日金曜日

コロナウィルス第2波は、いつ来るか?




 先日、アパートの換気口の掃除業者の人が来てくれた時に、「バカンスには、行くんですか?」と聞いてみたら、「とんでもない!まだウィルスは、あちこちにウヨウヨしているんだよ!」と即答されたので、「あ〜フランス人でも、こんな風に思っている人もいるんだ・・」と少しホッとしました。

 彼らは、たくさんの家を回る清掃業者の人たちなので、多くの人に屋内で会うわけで、しかも清掃という仕事をしているので、普通の人よりも意識が高いのかもしれません。

 しかし、街中は、すっかり緊張感も緩み、マスクをしている人もかなり減り、レストランなどもだんだん、いつもと同じような人出になってきていますし、バカンスに出かける人も大勢います。どんどん、以前のような日常に戻りつつある気配です。

 一方、昨日、東京にいる友人から、「東京の感染者の多さには、閉口してしまいます。早く普通の日常に戻りたい。」という内容のメールをもらいました。ここのところ、日本の新規感染者数が増加してきていることは、知っていましたが、やっぱり、大変、問題視されているようですし、やはり、普通の日常には、まだまだ戻れない・・と思っているようです。私としては、やはり、日本の反応の方が普通だと思うのです。

 もともと、コロナウィルスの被害がフランスと日本は、比較するまでもないほどなので、おかしな話ですが、フランスは、昨日も今日も新規感染者が663名、621名と600名を超える数字で、現在は、ヨーロッパの中でも(検査数もそれほど多いわけでもないのに)ダントツの数字なのです。

 ロックダウンが解除になった途端にデモだ、音楽祭だ、と目にするたびに気が遠くなりそうな人出が続いてきたのですから、むしろ、この数字で留まっていることが不思議なくらいです。

 すでに、ドイツやスペイン、オーストラリアなどは、一部の地域で再ロックダウンになっているそうですが、フランスでは、今のところ、そのような地域はありません。これまでの状況を見ていると、ウィルスの拡散には、どうやら気温が関係していると思われる状況が多く、たとえ、この夏の間は、第1波のような感染爆発は起こらなくとも、感染者を一定以上キープしたままで、秋から冬を迎えれば、それは大変なことになります。

 うんざりすることに、そんな秋を迎えた頃の9月17日、年金問題に関する大規模なストライキが行われることが発表されています。ストライキやデモもバカンス期間中は外すのがフランスなのです。

 現在、再ロックダウンの措置をとっている国も、これ以上の感染爆発を起こさないためにやっているのであって、3月〜4月のような危機的状況に陥っているわけではありません。この段階で、小規模でのロックダウンや警告は、秋以降の状況に大きく差が出てくるような気がしています。

 日本は、もともと完全なロックダウンの措置を取らずにここまで来ましたが、現在もその警戒を怠らずにいることは、やっぱり日本、凄いなと思います。日頃から、街中も国民も清潔で、マスクをする人が多い日本がこんなに頑張っているのに、感染者600名を超えても、すっかりバカンス気分のフランス人には、ため息が出ます。

 今日、家の外から、パリ祭の航空ショーの練習のために轟音で飛んでいく飛行機の音が聞こえてきました。いつものパリ祭とは、形を変えるようですが、やはり、パリ祭は、行われるようです。革命記念日であるパリ祭は、全国民を高揚させる不思議な力を持っています。バカンス突入に加えて、パリ祭でさらにアクセルがかかりそうなフランスに、私は、大いに不安を感じています。


<関連>「フランスでコロナウィルスが広まる理由」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_19.html

 

2020年7月9日木曜日

娘の初めてのおつかい 近所のパン屋さんの超絶美味しいバゲット




 昨日、出かけたついでに、昔、よく行っていたパン屋さんの近くを通ったので、懐かしくなって、寄ってみました。そのパン屋さんは、特に有名なパン屋さんではないけれど、地元の人には、人気のパン屋さんで、特にバゲットが美味しくて、私が立ち寄ったのは、お昼どきだったこともあって、お店の外まで行列ができていました。

 外がカリッとしていて、中がふんわり、もっちりとしているバゲットは、もうそれだけで、ごちそうで、あとは、美味しいバターがあれば、十分に満足な食事になり、少しずつちぎりながら食べていると、あっという間に食べてしまうので危険です。

 大のパン好きのフランス人である主人がそのパン屋さんに行くと、大抵、バゲットを2本買って、家に着いた頃には、もうすでに一本は、なくなっているという状態です。

 フランス料理があまり好きではない娘でさえ、バゲットは、大好きで、彼女は、友達と出かけたりしても、よく、バゲットと生ハムなどを買って、ピクニックをしているようです。それが一番、安上がりで美味しい軽食だと彼女は、そのスタイルを頑なに守り通しています。

 以前とほとんど変わらない、その店先で並んでいたら、昔、娘が小さい頃に(幼稚園くらいかな?)そのパン屋さんの手前で、パパにバゲットを買って来なさいと言われて、尻込みしていた娘を思い出しました。強気なくせに、妙に内気なところもある娘は、お店で〇〇ください・・と、自分で買い物をすることがなかなかできなくて、やっと、初めて一人でお買い物ができたのが、このパン屋さんでのバゲットだったのです。

 「Une baguette pas trop cuite s'il vous plait(焼けすぎてないバゲット一本ください)」と言って買うんだよ!とパパに言われて、(フランス人は、バゲットを買う時に、その焼け具合まで注文することが少なくありません)渋々、一人でパン屋さんに入って行った娘、それでも、パンを抱えてお店を出て来た時の得意げな顔は、忘れることはできません。

 日本の人気TV番組で、「はじめてのおつかい」という番組があったと思いますが、フランスでは、幼少の子どもを一人で外出させることはないので、娘が一人でおつかいに行くことは、ありませんでした。

 娘の幼少期、娘に「はじめてのおつかい」をさせてみたかったのですが、(きっとおかしなことを言ったり、やったりしているはず)それも叶いませんでしたが、日本の小学校に短期通学させて頂いていた時は、(こちらの学校が夏休みになってすぐに日本に行って、1〜2週間、通わせて頂きました)下校時に、勝手に近所の果物屋さんなどに顔を出して、毎日、挨拶を欠かさなかったという話を後になって果物屋さんに聞いて、驚いたこともありました。

 そういえば、おつかいではありませんでしたが、色々な経験をさせたくて、パン好きのパパが、パン屋さんに頼み込んで、一日、パン屋さんで娘にパン作りをさせてもらったこともありました。また、主人は、ちょっと良さげなレストランなどに行くと、ちょっとお客さんが引けたタイミングを狙って、レストランの人に頼み込んで、娘だけ、厨房を覗かせてもらうように頼んだりもしていました。

 小さい頃は、内気だった娘に前へ前へと押し出そうとしていたパパでした。

 その甲斐あってか、娘は、今では、ちょっと偉そうなくらい堂々と振る舞う娘になりました。食いしん坊の我が家の教育の根本には、いつも、食べ物が絡んでいるのです。


<関連>「チーズとバゲットが好きすぎるフランス人の夫」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post_8.html

 

2020年7月8日水曜日

マスク着用を注意したバスの運転手が暴行を受けた末に脳死状態 フランスの治安 


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 フランスの南西部、ヌーベル・アキテーヌ圏のバイヨンヌで、日曜日の夕刻、乗客の乗車時にマスク着用の注意をしたところ、20代前半の男性の4人組にバスから引き摺り下ろされ、殴打され、重傷を負い、現在、脳死状態という悲惨な事件が起こりました。

 フランスでは、現在のところ、公共交通機関を利用する場合は、マスクの着用が義務付けられていますので、運転手は、当然の注意をしたまでのことです。こんなことってあるんでしょうか? 私は、この話を聞いて、震撼としました。

 この事件以来、バイヨンヌ、アングレ、ビアリッツ及びその周辺の都市に公共交通サービス会社Chronoplus(クロノプルス)の従業員、約300人は、この事件に対して怒りを露わにし、彼らの安全が確保されるまでは、仕事をすることができないと、ストライキ状態で、地域の交通サービスは、混乱状態を引き起こしています。

 彼らは、少なくとも葬儀が行われるまでは、仕事を放棄することを決定し、水曜日には、運転手の家族と同僚の主導で、デモが行われることになっています。
 また、デモです。

 事件が起こったバイヨンヌ地区は、取り立てて危険な地域ではありません。ですから、そのような場所で、こんな悲劇が起こることは、余計に恐怖を覚えます。私は、パリに住んでいるので、パリの様子しかわかりませんが、街中では、マスクをしている人は、本当に減りましたが、さすがに公共交通機関の中でマスクをしていない人は、今のところ、見かけたことはありません。

 どのような国や地域でも、一定の割合でどうしようもない人がいることは、事実ですが、コロナウィルスの感染が犯罪の引き金になってしまうような人災は、これからもしばらくは、続くと思っていた方がよいのかもしれません。それだけ、人の心も荒れている状態なのかもしれません。

 私自身は、これまで、フランスで命の危険を感じるような場面に遭遇したことはありませんが、それでも、知り合いのガイドさんが、日本人の観光客が泊まっているホテルに迎えに行った際に、お金目当ての強盗に襲われて、亡くなってしまったり、中国人の同僚が自宅の近くで携帯電話を強奪するために、いきなり見知らぬ人に殴られたりと身近なところでは、何度か恐ろしいことが起こっています。
 
 もともと、治安がいいとは、言えない国なのです。

 しかし、そのいずれも、これまでは、金品を奪うためのもので、マスクをしていないことを注意されて・・などということではありませんでした。

 コロナウィルスは、そのウィルスそのものによる犠牲者だけでなく、感染状態が引き起こす別の形の災害も起こっているのを見せつけられた気持ちです。

 そして、事件から一週間、運転手さんは、亡くなりました。コロナ渦の中も仕事を続け、コロナウィルスの感染からは、逃れられて元気に仕事をしていた人が、人間によって、殺された事実には、やるせない気持ちにさせられます。


<関連>「コロナウィルス監禁生活でのストレスの矛先 DV・暴動」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/blog-post_21.html

 


















2020年7月7日火曜日

やっぱりウンザリする10年に一度の滞在許可証の更新


フランスの滞在許可証更新のための5本指の指紋認証の機械


 10年に一度のことなので、ついつい、あの嫌な感じを10年後には、忘れているのですが、行ってみると、やっぱり嫌なのが、滞在許可証の更新手続きです。

 私は、ちょうど、今年がその10年に一度の更新の年に当たっていて、6月の半ばに有効期限が切れることになっていました。いつもは、何もしなくとも数ヶ月前に、更新手続きについてのレターが届き、必要な書類を揃えて、役所に手続きに行っていたのですが、なにせ、前回の更新手続きは、10年前のことで、なんだか、漠然と、嫌な感じだったという記憶しかなく、昨年末に友人に、「来年は、更新手続きなんだよね〜」とボヤいたら、「最近は、ネットである程度、できるようになっていて、予約を取って、決められた日に書類を揃えて持って行くだけで済むようになったから、随分、楽になったよ!」と言われて、10年の間にフランスも少しは、進化したんだな・・と思っていました。

 ところが、今年に入って、そろそろ、お役所から書類が届くかな?と思っていたところに、まさかのロックダウン。ロックダウンになったのは、3月だったので、6月までは、まだあるから・・と、嫌な宿題を後回しにするような感じで、しばらく、知らん顔をしていたのですが、5月にロックダウンが解除になった頃から、まだ書類が来ないのは、おかしい・・とサイトを調べて見てみると、私の滞在許可証のちょうど前日の日付のものまでは、自動的に数ヶ月は延長になるので、サイトで手続きしてくださいと書いてあり、一日ずれている私は、どうすんのよ!と思って、電話をしたところ、サイトを見てくださいと一言だけ言われて、(書いてないことを聞きたいから電話してんだろ〜が!!と思ったけど・・)ガチャンと電話を切られ、たまたま、悪い人に当たってしまったのかもしれない・・と別の日に再び電話をしても、やはり同じ対応で、途方に暮れて、仕方なく役所宛に事情を説明するメールを送ったのです。

 すると、しばらくして、今は、手続きが滞っているから、そのうちレターが届くまで、そのままで良いですとの回答で、なんとも落ち着かない状態が続いていましたが、それから一週間くらいして、更新手続きの呼び出し状が届きました。

 そして、必要な書類を揃えて、呼び出し状にあった日時に、いよいよ10年振りの更新手続きに行ってきたのです。普段は、まるっきり用事がないので、場所さえもうろ覚えで私は、早めに家を出たのでした。

 今回は、日時に加えて窓口まで指定してあったので、少しはましになったのかも・・と思いきや、やはり、外にまで行列ができていて、時間や窓口まで指定されているのに、何の行列なのか?意味がわからず、入り口にいる人に聞いても、「あなたは、時間より早いから、まだ待ってて!」というだけで、そのうち、また中から出てきた女性が、ガナリ立てるように呼び出し状を回収に回り始め、全員、ちゃんと並べと威張り出し、また、横入りする人までが表れ、それを統制しようと声を張り上げるのでした。

 あ〜〜これだった・・この嫌な感じ・・説明がない上に、予定どおりでもない感じ、人種差別とは言いたくありませんが、外国人に対して、どこか威圧的な態度に出るこの種の職種の人たちを10年振りに思い出した気がしました。

 ようやく中に入れてもらえたのは、指定の時間をすでに過ぎた時間、しかも指定されてあった窓口は、閉められています。それから、一時間近く待たされたところで、隣に座っていた女性に「あなたの時間は、何時?」と聞かれたので、11時と答え、「あなたは?」と聞き返すと、なんと、「9時」というのを聞いて、私は、気が遠くなる気分でした。その時点ですでに12時近く、彼女は3時間も待っているのです。

 黙っていてはいつになることやら・・と、一体、どうなっているのか、聞きに行くと、「順番ですから・・」と言われたものの、まもなく私の名前が呼ばれ、手続きにこぎつけたのです。フランスでは、何事も、黙っておとなしくしては、泣きを見るのです。

 実際に手続きに当たってくれた人は、比較的、穏やかな人で、わりとすんなりと手続きは進みましたが、両手5本指の指紋を取られたのには、びっくりしました。(以前は、確か、指一本だった気がします)そして、指紋認証の機械のそばには、アルコールジェルもなく、消毒されることもなく、私は、終わった後に慌ててトイレに行って、手を洗ったのでした。

 そして、もう一つびっくりしたのが、とりあえず、正式なカードを受け取れるまでの申請中に携帯しておく仮のカードの期限が2021年の1月5日までになっていたことで、書類を受け取ってから、カードを発行するのに、そんなにかかるの??と、驚いたのです。

 カードが出来上がったら、SNSで連絡しますからと言われつつ、なにせ、3月から7月分の滞在許可証の発行が滞っているのですから、時間がかかることは、覚悟しなくてはなりません。

 今回は、コロナウィルスのロックダウンのために、通常ではない混乱状態の時期に当たってしまったことは、ありますが、それにしても、この滞在許可証を発行する役所の異様な雰囲気に、思わず、日本に帰れば、こんな嫌な思いもしないのにな・・と思ってしまった一日でした。

 それにしても、弱い者には、やたらと威圧的に出るわりには、縁故やお友達にはやたらと優しいこの手の人たち、これほどあからさまではないにしても、日本にも、この手の人は、いるのですが・・やっぱり、これほど酷くはありませんね。


<関連>「日本人は、黙って我慢すると思われている」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/02/blog-post_4.html

2020年7月6日月曜日

同い年の小池百合子都知事と仏大統領夫人のブリジット・マクロン 注目される二人の違い


Brigitte et Emmanuel Macron, un couple présidentiel


 東京都知事に小池百合子氏が再選されて、そのニュースを見ていたら、彼女のプロフィールが改めて、公開されていて、「67歳」とあったのを見て、「ブリジット・マクロンと同い年なんだ!」と私は、妙な感想を持ちました。

 東京都知事とフランスのファーストレディーという、国も立場も違う二人ですが、どちらも、それなりに世界的にも注目される二人が同い年ということに、なんだか妙な驚きを覚えたのです。調べてみると、正確に言えば、もう少しすると東京都知事の方が一つ年上になりますが、その年代の女性が堂々と世に出て活躍されていることは、同じ女性として、嬉しいことです。

 私は、フランスにいるので、どちらかというと、ブリジット・マクロンの方がテレビや雑誌などでも見かける機会が多く、目にする機会も多いのです。そうでなければ、小池百合子67歳・・と聞いて、ブリジット・マクロンと一緒だ!とは、思いません。

 ブリジット・マクロンは、マカロンで有名な老舗のショコラティエのブルジョアの家に生まれ育ち、21歳の時に一度目の結婚をして、3人の子供をもうけ、当時、彼女が教師として勤務していた高校で、15歳のマクロン少年と出会い、なんとマクロン少年は、17歳で当時、既婚者であった彼女にプロポーズ。(彼女は、当時42歳)

 当時の高校でスキャンダルになり、マクロンは、パリのさらに優秀な高校へ転校しますが、なんと、彼女もその後、パリに転職しています。それから間も無く、彼女の離婚が成立した翌年に、彼女は、マクロンと結婚しました。

 マクロンの政界進出とともに、25歳の年齢差のカップル、しかも、二人が出会った当初は、彼女は既婚者であったというスキャンダラスな取り上げられ方をしましたが、そこあは、フランス、必ずしも致命的なスキャンダルとはならず、むしろ、ブリジット・マクロンは、「ブリジット・マニア」「フェノメノン・ブリジット」などと、好意的な印象を持たれるようになりました。
 今では、マクロン大統領以上に好感度が高いかもしれません。

 ファーストレディーということから、そのファッションなども頻繁に注目され、つい先日の統一地方選挙の投票に向かう際に彼女が持っていたバッグは、2710ユーロのルイ・ヴィトンのインペリアルサフランのショルダーバッグだった・・などと書かれていました。

 彼女のファッションは、全体的にシンプルで控えめですが、シンプルながらも、どこかに必ずエスプリが効いていて、何よりも67歳という年齢を感じさせない圧倒的なスタイルをキープしており、膝上丈のワンピースやスカートが多く、あくまでも自分のファッションスタイルを貫いているように見えます。(彼女は、ルイ・ヴィトンがお好み?のようで、ワンピースやバッグもルイ・ヴィトンのものが多いです)

 しかし、彼女のファッションは、決して派手すぎることはなく、彼女自身が自分のことを「私は、ファーストでもなければ、ラストでもない、私は、私。」「夫婦で一つだとしても、ハッキリしていることは国民が選んだのは、夫であって、私ではない。」と言っていることが、彼女のファッションや立ち振る舞いにも表れているような気がするのです。

 彼女の恋愛・結婚は、なかなかなドラマチックなものにも関わらず、彼女自身が絶世の美女というわけでもなく、ギラギラした感じもなく、しかし、静かに自分を貫いていることに多くの国民が共感するのは、彼女の知性と、自由さと、控えめに振る舞いながらも情熱的で、マクロン大統領が大統領選で勝利した際には、「ブリジット、あなたなしで今の私はいない」と言わしめた彼女の女としての、そして人間としてのチカラに違いありません。

 立場も違いますが、東京都知事もブリジット・マクロンのように、愛を貫くパートナーがいたら、もう少し、好感度も上がるかもしれない・・などと、同い年の二人を見て、下世話なことを思ったのでした。



<関連>「美しく歳を重ねるフランス人のマダム」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post_52.html