私には、一緒に、イタリアを旅行した友人で、イタリアが大好きで、イタリア語も独学で勉強してマスターし、イタリアの文化や歴史も熟知してる人がいます。
でも、彼女は、イタリアに留学経験や長期滞在の経験があるわけでもないのです。
彼女は、日本で仕事をしながらも、あまりに頻繁にイタリアへ旅行するので、彼女ほどのイタリアへの愛情と、イタリア語のレベルをもってしたら、イタリアでの生活もありえるのではないか?と思い、それをしない理由を尋ねたことがありました。
すると、彼女は、自分自身を吹っ切るように答えたのです。
” うちの母親は、私がいないとダメになってしまうから・・” と。
一度、彼女がせっせと貯金をして、イタリア留学を試みた時のこと、彼女の母親が半狂乱になって、彼女を止めたのだそう。彼女曰く、その時の母親の反応から、母親の人格崩壊への恐怖と懸念を抱いたのだそうです。
それ以来、彼女は、留学や移住の長期の海外滞在は、母親のために、諦めて、代わりに短期の旅行は、思う存分することにしたのだとか・・。
ですから、彼女は、自分の境遇の中での彼女の道を選んで、彼女なりの人生を歩んでいるのです。それもまた、彼女の生き方ですし、何が正解なのかは、わかりません。
私自身も、なんだか、他人事ながら、モヤモヤとしたのを覚えています。
というのも、そんな話を聞くのは、彼女が初めてではなかったからです。
そういう親というのは、結構、いるものなのです。
私が最初に留学したいと母親に話した時、私の母は、自分自身も、若い頃に、留学願望があったため、” どうぞ、いってらっしゃい!” と、寛容に私のやりたいことを受けとめてくれました。今となっては、そんな母には、感謝ばかりです。
留学に関わらず、子供の可能性を狭めて、遮ってしまう親というのは、結構いるものです。大切に育てた我が子、自分のそばにいて欲しい気持ちは、痛いほどわかります。
それでも、私は、イタリアに行くことを断念した彼女と彼女の母親の話を聞いて、思ったのです。” これは、いけない!!・・” と。
経済的な問題等のある場合は別として、若いうちにしか出来ない経験を親が遮ってはいけない、すべきではないと、親となった今、私は、誰よりも自分自身を戒めているのです。
逆に、私の従姉妹の家庭では、母親の方が、子供たちに留学してみたらと勧めているにも関わらず、頑として、日本を離れたくないと言うのだそうです。まあ、これは、これで、その子たちの選択なので、もったいないなぁ・・と思いつつも、私が口を挟むことでもありません。
可愛い子には、旅をさせよ!と言いますが、今は、旅をしたがらない子供も少なくないようなのです。
0 コメント:
コメントを投稿