2019年9月20日金曜日

ケタ外れに負けず嫌いな娘の話 親が心配すること




 娘が、10歳くらいのことだったでしょうか?

 いつもの通り、学校へ娘を迎えに行き、帰り道を、二人で、歩いていると、何やら、うつむきがちに歩いている娘の様子がおかしくて、顔を覗き込んでみると、ポロポロと泣いているではありませんか!

 娘は、比較的、情緒が安定している子で、娘が泣くことは、それまで、ほとんど、ありませんでした。なので、学校の帰り道に一人でうつむきながら、ポロポロと泣き出してしまったのには、とてもびっくりしました。

 これは、いじめにあっているのではないか? 先生にキツく叱られたのではないか? 私の方もハラハラしながら、娘に尋ねました。” どうしたの? " と。
すると、娘は、” 思っていた成績が取れなかった・・。” と答えたのです。

 それで、泣くのかい!と思いながら、その答えを聞いて、内心、私は、ホッとしていました。

 正直、私は、テストの点数よりも、学校でイジメにあったり、先生や、周りのお友達とうまくいかなくなってしまうことの方が、断然、心配なことだったからです。

 私は、娘の成績について、とやかく言ったことは、一度もありませんし、それでも、彼女は、いつでも、成績には、問題なかったので、何も言うことはありませんでした。

 私自身は、その子、その子に合った道があるのだから、成績は良いには越したことはないけれど、成績自体が何よりも重要だとは、思っていません。

 しかし、彼女は、点数が振るわないことを親や先生に叱られるからと言って、泣いているのではなく、自分が思っている点数を取れなかったこと、自分が思う実力を発揮できなかった自分が許せなくて泣いているのです。まだ、10歳なのに・・。

 何しろ、その負けず嫌いは、小さい頃から、今の今まで続いています。
これは、その子の個性としか言いようがありません。

 むしろ、彼女は、競争のある世界でなければ、面白くなくて、やる気が起きないと言うのです。

 彼女が高校まで、通っていた私立の学校は、これがフランス?と思うくらい、かなり、教育熱心な学校で、また、こまごまとテストのたびに点数や順位をネット配信で通知するような学校で、皆、休み時間には、自分の成績が 0.1上がったとか下がったとかを一喜一憂するような感じだったので、その学校の方針に見事に煽られた結果、娘の負けず嫌いは、ますます加速したとも言うことができるかもしれません。

 しかし、同じ学校に行きながらも、できないことをさほど気にせず、ほどほど(とは言っても、一般的にはかなり上のレベルではありますが)のところで満足している子もたくさんいます。

 彼女の負けず嫌いは、決して勉強だけではないのです。
スポーツにしても、日常生活の些細なことでも、できないと言うことが悔しくてたまらないのです。

 できないことは、できるまでやる。このしつこさ、まあ、よく言えば、粘り強さは、相当なものです。これは、彼女の個性です。

 高校卒業時のバカロレアの試験の際には、もうすでに、次の進学先は、決まっていましたので、” まあ、落とさなければ、良いから、気楽に行ってらっしゃい!" とプレッシャーを与えないように声をかけたのですが、娘は、大真面目に、” 私が落とすくらいなら、バカロレアをパスする人はいないから! どのランクで受かるかが問題なのであって、受かるかどうかは、心配してない!” と軽く交わされてしまいました。

 今となっては、彼女の、この自信過剰と過信が何よりも心配です。

 社会に出れば、本人だけの努力では、どうにもならないこともたくさんあります。
何もかもできる人など、いないのです。

 人は、己の力を過信して、慢心した時、ろくなことにはならないことを、これからの彼女がどうやって学んでいけるのか、今は、そんなことを心配しています。

 




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