2021年3月1日月曜日

銀行乗り換えで久々に遭遇した典型的な嫌なフランス人

 


 これまでフランスで使っていた銀行の口座管理料があまりに高いことに気がついて(年間で200ユーロ以上(約25,000円)(クレジットカードの手数料等は別)、銀行の乗り換えをしようと手続きを始めたのが1月半ばのことでした。

 私が今まで使っていた銀行は、少々、特殊?な銀行だったため、近くに支店もなく、銀行を変えようかな?と思っていたにも関わらず、色々な引き落としや入金などの変更の手続きがスムーズに行かないだろうな・・と思うと、ついついあと伸ばしにしてきてしまったのです。

 しかし、昨年分の口座管理料の請求書を見て、これはいくら何でも高い!と決意して、私の滞在許可証が半年以上かかって、ようやく更新できたタイミングで、銀行の乗り換え手続きを始めたのです。

 最近は、ネットで申し込みできるので、そんなにややこしいことにならないと思いきや、ネットでの申し込みをしてから、しばらく何とも言って来ませんでした。しかし、私も特に急いでいたわけでもなかったので、何となく「遅いな〜」くらいに思っていたのです。

 少しすると、私が申し込んだ銀行(フランスでは誰でも知ってる大手の銀行)の近所の支店から、電話がかかってきて、「足りない書類を持って、一度、支店の方に来てください」と言われ、予約をとって、担当者のところに出向いたのが、1回目。

 私の方も色々、前の銀行からの普通預金や数種類の定期預金のお金の移動や新しい口座への振り分けや、引き落としや入金の変更など、しっかりとなされるのかという不安もあり、一度、直接、会って、ちゃんと確認しておきたいと思っていたので、1回くらいの面談はまだ良かったのです。

 その時に会った担当者は、比較的、若い女の子で、サバサバしていて、感じの良い人で、一通りのことを確認して、来週初めには、口座開設の確認の電話をするからということで、すんなりと済んだのでした。

 ところが、その確認の電話は週の初めには来ず、SMSで次回の面談の予約が入って、しかも、どういうわけか、担当者は別の人の名前に変わっていました。

 とにかく約束の時間に銀行へ行き、迎えてくれた女性の顔を見て、「あれ?この間の人と違う・・」と、ちょっと怪訝な顔をした私に気がついたその人は、「この間は、私が休みだったから、別の人が対応しただけで、本当はあなたの担当は私なのよ・・あなたのお嬢さんも私が担当してます」と言ったのです。

 前回、来たときに会った女性にうっかり、「うちの娘もここに口座を持っていて・・」と口を滑らしたら、彼女は、すぐに調べて、「ああ、お嬢さんは私の担当ではないわ・・」と言っていたので、明らかに私の担当は、変えられたようなのですが、ただ、なぜ彼女が、「前回は、私が休みだったから・・本当は、あなたの担当は私・・」などと、そんなつまらない嘘をつくのかな? と、ちょっと嫌な気がしたのです。

 担当者が変わったので、もう一度、確認のため、こちらのお願いしたい前の銀行からの送金や普通預金以外の定期預金の口座の開設について、話しました。前の銀行からの口座の移動に関しては、手紙を書いてくれて、これを送ればいいから・・と言ってくれました。

 しかし、銀行業務に関しての話は、早々に、彼女の話は、医療保険(ミューチュエルと言って、国民健康保険ではカバーしきれない医療費をカバーしてくれる保険)のことに切り替わり、現在、あなたが入っている保険よりもうちの保険の方が安くなるという見積もりを出してきて、その話題に終始したのです。

 私は、軽い気持ちで、まあ、条件次第では、変更してもいいかな?くらいに思っていたので、半ば、適当に話を聞いていたのですが、特別な割引は2月中にしかできないので、この見積もりを検討して、できるだけ早く返事してほしいと、私をせかし始めたのです。

 数日後に、また彼女に会う予約をとったものの、肝心の銀行の手続きは全く進まないままで、おまけにネットのサイト上の自分の口座に入るためのパスワードも郵送すると言っていたのに、ずっと送られてこないままで、私の方もイライラし始めたのです。

 私の目的は、保険の変更ではなく、銀行の口座の開設と前の銀行からのお金の移動なのです。肝心のことが、滞っているのに、もはや、保険の話しかしない彼女には、完全に不信感を抱き始めていました。

 前回の彼女との面談の数日後にとった次回の面談の予約は、キャンセルするメッセージを送ると、すぐに彼女から電話。彼女は、「早くしないと、割引ができなくなっちゃうわよ!」と保険の契約を急かすので、「口座のパスワードも送ってこないし、保険の方は二の次だから・・」と言いつつ、週末に約束を入れ直しました。その時点でもパスワードを送ってこない場合は、直に言おうと思って・・。

 結局、パスワードは、その約束の前日に送られてきて、さっそくサイトに入ろうとしたところが、エラー、翌日、ようやくサイトが見れて、前の銀行からの送金を確認できたのは、ギリギリのタイミングでした。

 約束の日に行くと、夕方、6時までに家に帰らなければならないというのに、延々、待たされ、しかも、待たせたことには、全くもってなんの挨拶もなく、開口一番、「見積もりをもう一つ出してみたんだけど・・」と彼女の頭の中には、保険のことしかない模様。

 私もスムーズに運ばない銀行の口座の移動に半ばイラついているところに保険の契約のことしか頭にない彼女にカチンときて、「私は、保険の契約ではなくて、銀行の口座のことで来てるのです。保険は、銀行の手続きが全て済んでからのこと!」と言ったら、まさかの逆ギレで、「この見積もりも週末の時間を割いて作ってきた!」とか、「前の銀行に出す手紙を作ってあげたでしょ!あんなこと、ほんとは自分ですることなのよ!」とか、「前の銀行が、顧客を取られて悔しいから、わざとグズグズしてるのよ!」とか、「だったら、高い保険を払い続ければいいでしょ!」などと興奮し始めました。

 私は、内心、久しぶりに会うな・・この手のフランス人・・と思いつつも、充分に気分が悪くなり、ここの保険には、決して入るまい!と決めたのでした。

 まず、やるべきことをきちんとやらないで、自分の要求だけをいかにも苦労して、人のためのようにやっているような言い方や、責任転嫁、終いには私の仕事ではないなどと主張するやり方はいかにもフランスにありがちな対応なのですが、少なくとも、こっちは、顧客。

 どんなに彼女が週末に見積もりを作ろうと(それも嘘っぽい)そんなことは、私の知ったことではありません。そもそも、保険の見積もりなど私が頼んだわけでもありません。

 結局、興奮する彼女に、こんなに面倒な人はごめんだと、「だったら、銀行の口座開設もやめるけど・・」と言ったら、大人しくなりました。

 しかし、久しぶりに気分の悪いことこの上ない人に会いました。

 フランスに来たばかりの頃は、こういう人に遭遇する機会がもっと頻繁だったのですが、それなりにこう言う人に対する交わし方も覚えたためか、ここのところ、あまりこういう人に会うことがなかったので、久々の気分の悪さでした。

 そういえば、こういう人・・女の人の方が多いかもしれません。

 その銀行の全ての人が彼女のようなわけではないと思うし、一旦、手続きが完了してしまえば、あとは、ネットで全て済むので彼女のお世話になることは、そうそうはないと思いますが、できれば、担当を変えてもらいたい! もしくは、まだ、開設できてない定期預金の口座は、他の銀行に変えようか?などと思い始めているのです。


<関連>

「実践よりも、まず、理論のフランスの教育」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/01/blog-post_29.html

「フランスの銀行と日本の銀行」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2021/02/blog-post_7.html

2021年2月28日日曜日

全く懲りないフランス人 ロックダウンを回避したい政府の気持ちは伝わらない

 

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  ニース・アルプ・マリティーム県(プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域圏)とダンケルク(オー・ド・フランス地域圏)では、今週末から週末のみのロックダウンが始まりました。

 平日の18時以降の夜間外出禁止に、週末のロックダウンが追加されて、完全なロックダウンにはならないまでも、この地域の人々は、かなり窮屈な生活を強いられることになりました。

 中には、「平日をロックダウンして、週末は、ロックダウンをやめろ!」なんて言っている人もいて、いかにもフランスな感じだと苦笑してしまいました。

 しかし、週末ロックダウンと正式に決まったこの地域は、さすがに人出もなく、しんとした感じでしたが、ロックダウンにはなっていないパリなどの週末は、晴天だったこともあって、うんざりするほどの人出でした。

 しかも、もうすでに昨年に多くの人出で問題になった同じ場所で、同じような人出には、この人たちは、全く学習能力がないのか?と思わせられます。

 まるで、この映像は、昨年のものを使っているのではないか?と錯覚するほどです。

 長いことフランスでは、レストランもカフェも閉鎖されているため、人が集まって、気持ちよく過ごす場所といえば・・セーヌ川沿い(セーヌ川は、パリを横断して流れているため、パリ中どこでも、セーヌ川沿いはすぐそこ・・)、サンマルタン運河、グランパレ近くの広場、あちこちに散らばっている公園などなど、晴天も手伝って、もの凄い人・人・人・・・。

 しかも、この期に及んで、マスクをしていない人が急増しています。


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 「マスクがどこでも義務化されて・・」などと、今頃、言っている人もいて、これまでも義務化されてただろうーが!!と突っ込みたくなります。

 先週は、もはやロックダウンか???と戦々恐々としていたはずの人々とは、とても思えません。しかし、この人出は、想像できなかったことでもなく、むしろ、多分、たくさんの人が外出するんだろうな・・とも思っていました。

 フランスは、ニースやダンケルク以外にも感染状態が深刻な場所は、たくさんあり、3月8日までの猶予付きで、とりあえずは、20の地域(イル・ド・フランス・パリももちろん含まれている)で取り締まりを強化すると発表されたばかり・・感染状態が悪化すれば、さらなる制限が加わり、ロックダウンになる可能性も高いのです。

 晴天の週末ともなれば、この人出も、この場所も、充分に想像の範囲内、取り締まりを強化するという発表は何だったのか? 理解に苦しみます。

 ワクチン問題にしても同じですが、どうにも政府の希望的観測と国民の意識には、大きな乖離があると思わずにはいられません。

 「喉元過ぎれば・・」と言いますが、喉元を過ぎたのは、ロックダウンの発表(しかも延期されただけ)だけで、現状の感染状況は、過ぎ去っていないどころか、現在も沸騰状態なのです。

 禁止されなければ良い・・のでは、禁止するしかない=ロックダウンするしかないのではないか?と思います。フランスは、これまでに86,332人が死亡しており(2月27日現在)、散々の惨状を経てきているのです。

 いくらなんでも、学習能力がなさすぎる!子供かよ!と腹立たしい気持ちです。

 まるで得体のしれないウィルスであった昨年の状態ならば、想像力の欠如とも言えたでしょうが、これだけの負の実績を記録してきた現在では、控えめに言って記憶力の欠如か学習能力の欠如。

 むしろ、「若者は大丈夫という間違った神話」やこれまで感染しなかった人や感染しても無症状だった人がウィルスを舐めくさっている分だけ、さらに始末が悪いかもしれません。

 経済、教育、心理的な負担を考えて、できる限りロックダウンしないと「ロックダウン回避」の方法を試行錯誤している政府の親心は、国民には全然、通じていないのです。

 むしろ、国民は、「来週から週末ロックダウンになるんだったら、今週末は出かけておこう」と、制限(ロックダウン)されることが前提の外出。

 ロックダウンを必死で回避しようとする政府とは、全く噛み合っていないのです。


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「コロナウィルス騒動の中のテロとバカンス気分のパリ・サンマルタン運河」

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「フェット・ド・ラ・ミュージックでまた、群衆 飲んで踊って大騒ぎのフランス人」

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「コロナウィルス・ロックダウン解除・初日のフランス パリ・サンマルタン運河は早くもアルコール禁止の措置」

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2021年2月27日土曜日

混乱状態のフランスのワクチン接種 コロナウィルスワクチン接種の申し込みをした!

   


 そろそろ、処方箋をもらって、いつも飲んでいる薬をもらっておかなければと、たまたま、私はかかりつけのお医者さんに予約をとっていました。

 もう今の家に引っ越して以来のかかりつけの女医さんなので、私の健康状態はもちろんのこと、体調の変化や我が家の歴史などを全て知っていてくれて、気心も知れているし、特に今、体調が悪くて行くわけでもないので、本当に気楽にちょっと彼女の顔を見に行くような気分でした。

 私の方もいつもお願いする薬は、リストを作っていて、血圧を測ったり、軽い診察をしてもらって、いつもどおりの処方箋をもらってくるだけのつもりでいました。

 「今日はどうしたの?」「いつもの薬の処方箋を書いてもらいに来ました」と彼女と話し始めて、彼女の目元を見ると、なんだか、老けた?いや、疲れているのかな?と思いました。

 軽い診察を受けながら、彼女は、「あなたは、いつも飲んでいる薬(血圧の薬や他数種類の薬)もあるし、ワクチン接種をしますか?」とおもむろにワクチン接種の話を始めました。

 まさか、医療従事者や高齢者優先だと聞いていたし、以前に私が、「もしかして、私は、リスクの高い人(ワクチンが優先的に受けられる)に入りますか?」と聞いた時に、「あなた程度の人はリスクの高い人には入らないわよ!」と言われていたので、私が今のフランスのワクチン接種が滞っている状況で、まさかワクチン接種の話が出るとは思ってもみませんでした。

 とにかく年明けから、ワクチン接種の遅れが大バッシングされて以来、フランス政府のワクチンへの焦りと必死さは伝わってくるものの、実際には全く、予定どおりには、進んで行かないために、どんどんワクチン接種のできる枠を広げ、終いには、オリヴィエ・ヴェラン保健相みずからがワクチン接種をしているところを報道してアピールしたりして、政府の記者会見の度に、何日までには、どれだけのワクチン接種をするとか、目標値ばかりをやたら掲げている印象がありました。

 しかし、身近なところから、聞こえてくるのは、「とにかく電話は繋がらない!」「予約サイトがダウンしてる!」「予約が取れない!」「予約が取れても、家から車がないと行けないものすごく遠いところ!」などなど、およそ政府の発表とは、全く異なるものだったので、だいぶ、混乱しているな・・私の順番が来るのは、多分、まだまだ先の話で、まあ夏頃になるのではないか?と、のんびりと構えていました。

 それが、2月の半ば頃になって、ワクチン接種の現場が回らなくなったためか、一般開業医でもワクチン接種が受けられることになったのです。もちろん、ワクチン接種をすることを受け入れている開業医に限った話ではあります。

 彼女(私がかかっているお医者さん)は、ワクチン接種をすることを受け入れて、実際に開始しようとしたところ、「一向にワクチンが届かない!」「手続きが何重にも往復するので時間がかかる!」といつもは、エレガントで冷静な彼女が見るからにやつれて、怒り心頭の様子。

 普段は、あまり感情を露わにするタイプではない彼女が「まったく、フランスはこれだからダメなのよ!」とイライラモード。

 私は、突然のワクチン接種の話に、「でも、医療従事者でも高齢者でもない私みたいなのが、ワクチン接種を受けてもいいのかしら? 私に権利あるの?」と聞くと、「あなたは、いつも飲んでいる薬もあるし、受け付けられると思う」「それに、ワクチンは1パックに10回分のワクチンが入っているから、それを時間内に使い切らないといけないから・・」と言うのです。

 なるほど、一般の開業医での接種となれば、ワクチン接種に来る人ばかりではないため、ある程度、人数をまとめて行う工夫もしなくてはならないのです。つまり、ワクチンを受け取った時にセキュリテソーシャルから許可が下りている10人のワクチン接種希望者を同じタイミングで集めなければならないのです。

 個人でやっている開業医には、その手続きや人とワクチンの調整だけでも結構な負担です。彼女は一般の診察を一人でやりながら、それをやらなければならず、届かないワクチンの問い合わせなどまでしなければならないのですから、テンパっているのも頷けます。

 「とにかく申し込みをしてから、ワクチンが来るまでは、もの凄く時間がかかるから、申し込みは、早くした方がいいわよ!」と、申し込みをするための問診を受ける予約を3月18日に入れて帰ってきました。

 この予約は、問診とともに開業医がデータを入力すると、セキュリテソーシャル(国民健康保険)がすぐに、この予約に対するコードを発行し、セキュリテソーシャルの許可が下りるとこのコードに対してワクチンが振り分けられてくるシステムになっているようです。

 このコードは、セキュリテソーシャルのナンバーとも連携しているため、その後のワクチン接種の有無の追跡(ワクチンパスポート)なども、そのコードによって、作られていくものと思われます。

 私は、急なワクチン接種の話にびっくりしていましたが、その日の夜になって、珍しく彼女から電話があり、「届くはずのワクチンが今日も届かなかったし、思っている以上に時間がかかるし、予約だけは入れられるから、明日、問診をするから、もう一度、来てくれる? 時間はかからないから・・」と彼女も少々、混乱している様子でした。

 あいにく、彼女が言う時間には、私は、すでに他の予定が入っていたため、彼女は昼休みの時間を割いてまで、少しでも早く予約を入れたかった模様。問診の内容は、簡単なもので、「薬に対して特にアレルギー反応を起こしたことがありますか?」とか、「過去、3ヶ月以内にコロナウィルスにかかりましたか?」程度のことで、後の私の体調に関するデータはすでに彼女の方が細かく記録しているので、本当に簡単で、私は、すぐにセキュリテソーシャルからのワクチン申し込みのコードを受け取りました。

 国の混乱状態から、思わぬことで、医療従事者でも高齢者でもない(若くもないけど)私が、ワクチン接種のウェイティングリストに乗ったわけです。

 ワクチン接種が開始されたのは、昨年の12月の初め、当初は、高齢者施設の老人から、高齢者へと予定が組まれていました。フランスには、当時、アンチワクチン論者の人も少なくなく、私自身もどうしようか?様子を見ながら考えようと思っていました。

 しかし、そろそろパンデミックから一年が経ち、フランスは、その間、何回も感染拡大をしては、ロックダウン、そして現在もまた、感染爆発が目前の状況。もういい加減、うんざりです。日本にだって行きたいし、友達と食事もしたいし、ビクビクしないで外出したい!

 実際に、リスクを考えるなら、ワクチン接種をしてアレルギー反応を起こす可能性よりもコロナウィルスに感染する可能性の方が遥かに高いのです。

 「もうワクチン接種をして、少しでも早く元の生活に戻りたい」というのが、私の正直な気持ちです。

 そして、ワクチン接種をするのだったら、その後にもしも具合が悪かったりしても、ワクチン接種をしてくれた彼女にすぐに相談できるのは、心強いこと、他の見ず知らずのセンター等でワクチンを受けるよりは、私にとっては、ありがたいのです。

 しかし、思いもよらず、予約を入れることができただけで、実際にいつできるのかは、まだわかりません。ワクチン接種ができたら、また報告します。

 フランス在住の方でワクチンの予約が取れない方は、地元の開業医に相談するのが意外な早道かもしれません。

 

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「フランスでコロナウィルスワクチンが浸透しにくい理由」

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「フランスのコロナウィルスワクチン接種」

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「フランスのワクチン接種が大幅に遅れをとっている理由」

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「今年のフランスのコロナウィルス対策は、ワクチン接種が最優先事項」

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2021年2月26日金曜日

感染悪化し続けるフランス・20の地域における監視強化で3月6日まで様子見


 

 これまで、感染悪化が続きながらも、1日の新規感染者は2万人台を行ったり来たりしていたフランスで、24日(水)には、ついに31,519人と3万人の大台を突破してしまいました。

 ロックダウンは、あくまで最終手段としていた政府の方針から、フランス国民の間では、ロックダウンの話題も少し下火になり始めていました。

 ところが、先週あたりから、ニース・アルプ・マリティーム県(プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域圏)での記録的な発生率と前例のない集中治療室の占拠率の増加で、この地域では週末だけのロックダウンが発表され、今週の金曜日の午後6時から月曜日の午前6時まで、とりあえず2週間に渡って、週末のみのロックダウンを行うことになっていました。

 ニースでの週末ロックダウン発表の翌日には、同等の感染悪化がみられるダンケルク(オー・ド・フランス地域圏)でも週末ロックダウンが発表されました。

 新規感染者数が3万人を突破したのは、またその翌日のことです。毎日毎日、迫り来る感染悪化のニュースに再び、フランス国民の脳裏には、「ロックダウン」の気配が戻り始めました。

 そのタイミングで、カステックス首相が記者会見をするというので、「これは、もしかしたら・・」という声が一気に広がりました。

 果たして、カステックス首相は、「感染状況は深刻に悪化している。特にイギリス変異種の拡大は深刻で、現在、感染者の50%は変異種による感染になってきている。しかし、我々は、現在の段階では、ロックダウンの選択はしない。特に感染状況が深刻な20地域(アルプマリティーム、イル・ド・フランス、ローヌ、ブーシュ・デュ・ローヌ、ノール、オワーズ、パ・ド・カレー、ソンム、ドローム、モーゼル、ムルト・エ・モーゼルなど)においての取り締まりを強化すること」を発表しました。

 取り締まりを強化するということは、現在以上の制限が加わるわけではありません。

 そして、同時に、もしも今後、一週間の間にさらに感染が悪化した場合には、3月6日の段階で、さらに厳しい制限を敷くことを発表しました。

 特にイル・ド・フランスは、ニース、ダンケルクに次いで感染状態が深刻ですが、なんと言っても人口の多い地域、ロックダウンをした場合の影響も甚大です。

 この感染拡大は、3〜4週間のロックダウンで、完全に収まるものではなく、ロックダウン以外の措置を講ずることで、少しでもロックダウンの時期を後送りにし、生活、教育機関、経済的にも心理的にも負担がかかる時間を少しでも減らし、また、この間にワクチン接種を少しでも広げたいというのが、昨日、発表された政府の方針です。

 とはいえ、監視を強化することで、一週間後に効果が現れるものでもなく、運よく一週間以内に更なる感染悪化がなければ・・という希望的な要素が強い現段階の措置であるとも言えます。

 しかし、この一週間、急に感染悪化がストップするなど奇跡的なこと、一週間後にさらに厳しい措置が敷かれるのは、ほぼ確実、まさに昨年と同じタイミングで感染が爆発する可能性が大です。

 日本は、緊急事態宣言により、感染も少しおさまり始め、ここ数日、1日の新規感染者は、1,000人前後、フランスは1日3万人越えということは、1日で日本の一ヶ月分の感染者が出ているわけです。しかも、フランスの人口は日本の半分であることを考えたら、二ヶ月分です。

 12月から1月にかけてのドイツやイギリスの感染爆発によるロックダウンを横目にみながら、我々は、うまくやっていると自画自賛していたフランスですが、それは、あくまでも、時期がズレただけのことで、その前の10月末から11月の1日の感染者が6万人という壊滅的な状態のためにすでに11月にロックダウンしていた効果が現れていただけのことで、何もフランスがうまくやれていたわけではありません。

 しかも、10月から11月にかけては、変異種による感染拡大ではありませんでした。

 今回の変異種による感染拡大は、2度目のパンデミックとも言われるくらい、感染拡大のパワーが異なっています。感染速度も早く、若い世代でも重症化する傾向にあるのです。

 おまけにフランスは、政府が発表しているワクチン接種の予定は、絵空事で、実際のワクチン接種は、ドイツやイギリスのように進んではいないのです。

 現在、国によっては、コロナ感染者ゼロを本気で目指し、達成しかけている国もあるようですが、少なくともヨーロッパ、ことにフランスは、そんなことを目指せる段階でも状態でもありません。

 だとしたら、少しでも制限を現段階程度で留めた状態を1日でも長く稼いで、凌いでいき、さらに制限の厳しい状態、あるいはロックダウンの期間を少しでも短くできるようにしたいと考えるのもわからないでもありません。

 しかし、実際の医療現場などは、かなり逼迫している上に、これまで1年間続いている厳しい状態に医療従事者の疲弊も激しく、また、3月の始めには、冬休みのバカンスが終わってフランス全土にわたる学校も再開されるため、さらなる感染悪化は確実で、パリ市長は、政府に対して、「もう一刻も待てない!すぐに3〜4週間の完全なロックダウンをすること」を提案しています。

 どちらにしても、まだまだ目が離せないフランス。一週間後にどうなっているのか?

 全く見当もつきません。


<関連>

「ニース・アルプ・マリティーム県 週末のみのロックダウン」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2021/02/blog-post_23.html


「フランスのコロナウィルス感染第二波が来るのは当然だった・・」

https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/rikamama/2020/10/post-1.php

2021年2月25日木曜日

美食の街・リヨンの学校キャンティーン(給食)の肉排除メニューの波紋


 


 フランスの学校のキャンティーン(給食)のメニューは、たいてい、少なくとも2種類以上のメニューから選べるようになっています。これは、宗教上の理由や、ベジタリアンやアレルギーに対応するために、長いこと行われてきたフランスの学校のキャンティーンの方式です。

 メニューだけ見ると、前菜、メイン、デザートのコースになっていて、栄養のバランス等が一応考えられた立派なメニューになっています。

 フランスの学校は、日本のように教室で給食を食べることはなく、キャンティーン・食事の場に移動して、食事をするので、キャンティーンの混乱を避けるために、学年ごとに食事の時間がずらされて設定されています。

 フランスの学校の先生は、授業を教えることだけが仕事なので、子供たちの食事の世話をしたりすることもありません。(保育園などは別) キャンティーンには、キャンティーンで働く人がいるので、子供の食事を監督する人は、別にいるのです。

 しかし、当然、場所を移動して、それぞれにメニューを選んで食事をするのですから、時間もかかりますが、日本のように給食当番があったりして、子供たちが、食事を配ったりすることもないので、その分、時間的には、差し引きゼロというところでしょうか?

 ここに来て、リヨン市長が、コロナウィルスの感染対策のために、キャンティーンのサービスをスピードアップして、混雑状態を緩和するために、学校のキャンティーンのメニューから肉を排除し、単一メニューにすることを発表し、大きな波紋を呼んでいます。

 感染対策のために、キャンティーンのサービスのスピードアップをして、混雑を防ぐために単一メニューにする・・そこまでは、わかるのですが、それが肉排除のメニューに直結するところに不自然さを感じるのです。

 これがよりによって、フランス国内でも「美食の街」とされているリヨンでのことなので、特に波紋も大きいことなのかもしれません。

 このメニューには、卵や魚まで排除するわけではないので、ベジタリアンメニューではないことや、通常からも肉のメニューよりもより多くの子供たちに受け入れられることで、肉を排除したメニューを選択したなど、理由を連ねていますが、エコロジストのリヨン市長は、かねてより、地球温暖化の原因の一つに肉消費が重く占めていることを主張し続けており、「美食の街で、エコロジストが健康危機を利用して、協議なしにイデオロギー的措置を押し通そうとしている」と、この対応に多くの避難の声が上がっています。

 また、この「学校キャンティーンの肉排除メニュー」導入には、さっそく生産者・ブリーダーのデモも起こっており、ジェラルドダルマニン内務大臣は、ツイッターで「スキャンダラスなイデオロギー」とこの対策を非難。

 「フランスの農民や肉屋に対する容認できない侮辱に加えて、 『緑の党』の道徳的およびエリート主義的政策が下層階級を排除していることは明らかである。下層階級の多くの子供たちは肉を食べる機会はキャンティーンしかない」と抗議しています。

 少なくとも日頃、スーパーマーケットでフランス人の買い物を見ていると、どう見ても肉食の人たち、コロナ対策とはいえ、急に「肉排除のメニュー」を強引に押し通すやり方は、反発を買うのも当然です。

 たしかに、生産者からの反発もあるでしょうし、エコだのビオだのというのは、お金のかかることでもあり、ある程度の階層以上での話で、下層階級で家庭で満足な食事の取れない子供にとってのキャンティーンの食事は、理想ばかりも言っていられない現実もあります。

 少なくとも、肉を排除するか否かの問題以前に、このコロナウィルス対策に乗じて、議論もせずに市が無理矢理に押し通してしまったことが、波紋を呼んでいる原因になっている気がします。

 しかし、これは、少なくとも4月のイースターのバカンスまで続けられるということです。


<関連>

「フランスの学校のキャンティーン・給食」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/10/blog-post_11.html

「やっぱりフランス人は、肉食だなと思わされるパリのスーパーの魚売場」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/01/blog-post_74.html

2021年2月24日水曜日

グループ抗争による2件の乱闘事件で、中学生2名死亡 14歳は危険な年齢か?

  


 犯罪の低年齢化は、どこの国でも叫ばれていますが、ここのところ、フランスでは、「14歳」という年齢を頻繁に耳にします。

 一昨日、エソンヌ県(イル・ド・フランス地域圏)では、24時間以内に2カ所で、グループ抗争による乱闘が凶暴化し、サンシェロンに住む14歳の少女、ブシー・サンタントワンヌに住む13歳の少年が命を落とすという痛ましい事件が相次いで起こっています。

 どちらも人口5,000人、10,000人の小さな街というより村のような一見のどかな場所での出来事、しかも犠牲者が13歳、14歳のティーンエイジャーであったことに衝撃が走っています。

 最初に起こった14歳の少女の刺殺事件は、12人の若者の間で起こった激しい口論に端を発しています。黒い服を着て、フードを被ったこの集団の対立の間にいた少女は、ナイフで腹を刺され、病院に運ばれましたが、その日の夜に死亡しました。

 また、13歳の少年の事件は、約60人が巻き込まれた乱闘の末、1名死亡、他3名も重症を負っています。死亡した少年の刺し傷は、2カ所の刺し傷から喉に達しており、救急車が到着した段階ではすでに彼は心肺停止状態にあり、蘇生することはできませんでした。

 この事件に関与した少年6人はすでに逮捕されています。

 つい先日もパリ15区で14歳の少年が集団暴行により瀕死の重症を負った事件がありましたが、どうにもこの年齢、危険なお年頃なのかもしれません。

 この事件は、学校のバカンス中のことでもあり、しかも18時以降、夜間外出禁止の制限下にある状況で起こっており、未成年のティーンエイジャー、しかも中学生ということで、親の監督責任を疑問視する声も上がっています。

 フランスの学校では、学校の外で起こったことに関しては、学校は一切、感知しないという立場をとっており、以前、勤務先の近くで、学校帰りに路上で暴れて騒いでいた中学生が会社の建物の窓を壊したので、会社から、学校に苦情を申し立てたら、「学校を一歩出た生徒がやることに関しては、一切、学校は関係ありません」と突っぱねられ、謝罪の一言もなく、びっくりしたことがありました。

 そういえば、あれも中学生でした。

 娘が中学生の頃を思い起こすと、お友達のお誕生日会など、特別なことがない限り、夜に外出することなど全くなかったし、夜の外出の際は、誰かしらが、必ず送り迎えをするのが当然の環境だったので、まるで危険を感じたこともありませんでしたが、今から考えると、この年齢は、少しずつ親の干渉を逃れたい時期でもあり、難しい時期なのかもしれません。

 しかし、思い起こすに、娘が中学生の頃、夏のバカンス中のコロニー(合宿のようなもの)で、同室の女の子同士の些細な口論から、一人の女の子がナイフを取り出したという騒ぎになったことがあったことを思い出しました。

 そのコロニー(合宿)はフランス全国からいろんな地域の子供たちが集まってきているもので、普段は決して出会うことのないような、違う環境で育った子供が混ざり、いつも生活している比較的、安定した家庭の子供としか付き合いのなかった娘が、思わぬ事件に遭遇した事件でした。

 勤務先にコロニーの責任者から「おたくのお嬢さんが刺されそうになりましたが、大事には至らなかったので、ご安心ください」と電話があった時には、死ぬほどびっくりして、ツテをたどって、状況把握と、危険対策をとってもらいましたが、コロニーから戻った娘は、全くケロッとしていたのにも驚かされました。

 だいたい、夏のバカンスのコロニーにナイフを持っていく中学生というのは異常ですが、今回の事件もナイフによるもの・・このナイフという凶器を持ち歩いている中学生というのは、思っているよりもいるのかもしれません。

 しかし、今回のエソンヌの事件の犯人のうち数名は、親に付き添われて警察に出頭したとのこと・・まだまだ親の庇護の元にいる少年・少女の犯罪です。犠牲者にとってみれば、まだ13歳・14歳で刺し殺されるなどという命の落とし方、親としたら、耐えられない子供の失い方です。

 しかし、これまであまり聞かなかったこの年齢の凶暴な暴力事件が最近、立て続けに起こっていることが、このコロナウィルスによる制限の多い生活が関係しているような気がしてなりません。

 

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「おたくのお嬢さんが刺されそうになりました!?・・バカンス中のサマーキャンプでの話」

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2021年2月23日火曜日

ニース・アルプ・マリティーム県 週末のみのロックダウン

 

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 ニース・アルプ・マリティーム県(プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域圏)での記録的な発生率と前例のない集中治療室の占拠率の増加で、急激な感染悪化が注目され始めたのが、先週末のことでした。

 それ以来、この地域をこのまま放置して良いものか? 少なくとも地域的なロックダウンが必要なのではないか? と、政府の発表を今か今かと週末の間中、皆が注目しながら待っていました。

 この地域に対する措置は、遅くとも日曜日の夜には発表されているとされていましたが、とうとう発表は、週明けにずれ込むことになってしまいました。

 週明けの正午近くに、アルプ・マリティーム県知事から発表された内容は、「今週の金曜日の午後6時から月曜日の午前6時まで、とりあえず2週間に渡って、週末のみのロックダウンを行う」「ロックダウンの形態は、10月の全国的なロックダウンの規則と同じ形態を取る」(外出は、生活必需品の買い物、通院、自宅から半径5 km以内で1時間に制限された歩行などに限る)というものでした。

 先週末の間にこの地域の現状確認に訪れていたオリヴィエ・ヴェラン保健相は、「夜間外出禁止令の強化、あるいは部分的または完全なロックダウンの形をとることができる」と示唆していました。

 週末にかけての協議の結果、このような決断に至ったわけですが、この決定は、全会一致でなされたものではありません。「感染は、主に家族内(屋内)で起こり、屋外での生活を制限する措置を講じ続けているのは、おかしい」「週末だけのロックダウンは、充分な措置ではない」など、議論は、かなり難航した模様です。

 これに対して、「ニースでの感染拡大は、主にスキー場が閉鎖されたために、なだれ込んだ観光客により持ち込まれたことが原因」としている人々もおり、週末にロックダウンすることで、これらの観光客を減少させることができるとしています。

 このニースの週末ロックダウンのニュースに、あらためて、フランス政府の「あくまでも、ロックダウンは最終手段」としていることを思い知らされた気がしました。

 この発表が、政府首脳(首相や保健相)からのものでなかったことや、ロックダウンが地域的なものであることは、まだしも、その上、「週末だけ」という、なんとも中途半端なものであったためです。

 フランスでは、度重なるロックダウン、解除、そしてまた、ロックダウンという状況を「STOP&GO」を繰り返す状態は避けなければならないとしており、一度、ロックダウンしてしまえば、その解除をするタイミングを図ることが難しく、未だロックダウンはしていなくても、さまざまな制限に関しても、感染状況が減少しない限り、この制限を緩和することは、これまでの努力が水泡に帰してしまう結果となるために、一向に緩和することはできないのです。

 奇しくも、このニース・アルプ・マリティーム県の感染爆発が発覚する寸前までは、もしかしたら、減少傾向にあるかもしれないと、美術館などの文化施設の再開が検討され始めていた矢先のことでした。

 しかし、一方では、かなり危険な状況でもロックダウンにはならないと思い始めている国民は、この程度なら大丈夫であると気を緩めている感もあります。

 ところが、深刻な感染悪化は、この地域だけではなく、フランス国内のいくつかの地域は、これに追いつけ追い越せと言わんばかりの急激な感染悪化の状況を迎えており、先日、南アフリカ・ブラジル変異種の急拡大が確認されたモゼル県(フランス北東部)を始めとする北部の地域や、ダンケルク(オー・ド・フランス地域圏)などは、すでに感染率も国内平均の4倍以上、先週までは658人だった10万人あたりの発生率は一週間で901人まで上昇し、集中治療室もほぼ満床状態で、2月に入って以来、50人以上の患者が他の地域に移送されている状況なのです。

 ダンケルクの病院責任者は、敢えて集中治療室の占拠率は発表していませんが、もしかしたら、すでにニースを超えた深刻な状況を迎えている可能性もあり、一刻も現在の状態を放置しておくことはできないと語っており、何らかの措置をできるだけ早く取らなければならないとしています。

 感染が悪化しているどの地域にも共通していることは、顕著な変異種の拡大で、イル・ド・フランス(パリを中心とする地域)に入院しているコロナウィルスの患者の二人に一人は、変異種に感染していると発表されています。

 これまでも、他地域では、まだ営業されていたレストランがマルセイユなどの地域限定で営業禁止になったりしたことはありましたが、週末のみとはいえ、地域限定のロックダウンは、パンデミック以来、フランスでは初めてのことで、今後、さらに他の地域でもニースに続くロックダウンの地域が出るのは、ほぼ確実です。

 もはや、フランスは、綱渡り状態から、崖っぷち状態に移行しつつあります。

 

<関連>

「フランスが恐れるイギリス・南アフリカ・ブラジル変異種の拡大」

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「ニースがヤバい 国内平均の5倍の感染値」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2021/02/blog-post_21.html